21. 9月 2018 · September 21, 2018* 清須市はるひ絵画トリエンナーレグランプリ受賞作家の活躍。 はコメントを受け付けていません · Categories: 未分類

「森川美紀展ー昼の月、夜の月ー」が、西尾市のイナガキ・コスミック・ギャラリーで11月30日まで開催中。森川さんは、第3回夢広場はるひ絵画ビエンナーレグランプリ受賞作家で、その後の絶え間ない活躍は多くの人の知るところである。

今では日本有数の絵画コンクールとして知られるようになった清須市はるひ絵画トリエンナーレであるが、その要因は回を重ねる事による信用とトリエンナーレ入賞、入選者の活躍による。とりわけグランプリ受賞者の活躍は、多くの人の注目するところである。

この度の森川の個展は、新作と近年の代表作を並べた大作を主としたもので、危うい記憶の断片がうつろう風景となって描かれている。

 

 

21. 8月 2018 · August 21, 2018* 超絶技巧という表現、作家の想いはどこにあるのか。 はコメントを受け付けていません · Categories: 未分類

岐阜県現代陶芸美術館で8月26日まで開催中の「驚異の超絶技巧!明治工芸から現代アートへ」を観てきた。

圧倒的な超絶技巧に眼を奪われるばかりの展覧会。

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入館いきなり安藤緑山の《胡瓜》。息を呑む技巧、畑から持ち帰ったばかりの鮮度が表現されている。彫刻としての構成力も見事である。

現代アートでは、髙橋賢悟の《origin as a human》、鈴木祥太の《綿毛蒲公英》、前原冬樹の有刺鉄線が技巧+αが魅力的だった。

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ところで、こういった超絶技巧表現というのは、その技巧に眼を奪われて作者の想いはどこにあるのか、見失いがちだ。

作者もまた超絶技巧を見せることが目的化している作品もある。それはそれでいいではないか、という考えもある。

想いと表現が高い次元で一つになることはとても難しいことだ。

ちなみに超絶技巧作家というのは男性が圧倒的に多いというのもおもしろい。

 

15. 8月 2018 · August 15, 2018* 元永定正とレイモン・サヴィニャック、ユーモアでつながる不思議。 はコメントを受け付けていません · Categories: 未分類

三重県立美術館で開催中の「サヴィニャック展」に行ってきたことは先に述べた。

展覧会を見終えて中庭をぼんやりと眺めているとそこに元永定正の彫刻があった。美術館には多分以前からあったに違いない。

見つけられたのは意識の違い、清須市はるひ美術館で「元永定正展」を開催中なので美意識がそこに広がっている。

また「サヴィニャック展」を観たあとはユーモアセンスが広がっている。感覚とはそういうものだ。

今週末18日の土曜日には館長アートトークでサヴィニャックを取り上げる。

今その準備中であるが、デザインの巨人亀倉雄策がアートディレクションした「クリエイション全20巻」の第2巻に元永定正の次にサヴィニャックが紹介されている。偶然とは思えない。

ポスターデザインで活躍したフランスのサヴィニャックと現代美術で活躍した日本の元永定正、二人の交流はないが、共通するビジョンに注目しながら館長アートトークを行いたいと思う。

   

09. 8月 2018 · August7, 2018* 「ピカソ!いったい何が天才なのか」ピカソの天才性について考えてみた。 はコメントを受け付けていません · Categories: 日記
8月5日、名古屋市千種区今池のアート倶楽部[カルチェラタン]で、芸術を巡る物語「ピカソ!いったい何が天才なのか」というテーマで講演。
ピカソといえば、「天才ピカソ」と言うくらいあたりまえになっている。
2年前、愛知県美術館で開催された展覧会名の「ピカソ、天才の秘密」というように天才を前提としたものだ。
果たしてピカソは本当に天才なのか。天才としたら何が天才なのか。その理由は何か。
私は、「ピカソは天才ではない」という仮説で考えてみた。
理由は、天才が併せ持つ狂気は全く見当たらず、何の努力もなしにフッと名作が生まれるといった状況では決してないからである。
画風が何度も変化してきたことは、ピカソの追求の苦悩の形と言える。
代表作のゲルニカは誰もが認める名作であるが、その膨大な習作の中身は天才の姿ではない。
代名詞となるキュビスムに至ってもブラックとの共同研究である。
うまくいかないから何枚も何枚も描く。
8歳で描いたデッサンは超人的なものだが、ピカソはそこに満たされたわけではなく、そこを評価されることはむしろ拒否すべき点であったろうと考えられる。
飽くなき追求の結果として、14万点を超えるピカソ作品は、天才を裏付けるものではない実証物件。
しかし、「天才ピカソ」はピカソ自身が求めたものであり、世界一多作で、総額世界一高額で、世界一有名なピカソは誰もが天才と認めた。
そしてピカソは天才ではなく、「ピカソは天才になった」と思う。
05. 8月 2018 · August 5, 2018* 「第33回 風景の会 絵画展ー瀬戸を描くー」瀬戸はやきものの土の風景。 はコメントを受け付けていません · Categories: 日記
東海地方、第一線で活躍する洋画家、日本画家、版画家が会派を越えて風景を描き、発表し続けている。
今年で33年目。
今年は瀬戸市がテーマ。
山、川、町、多面的な瀬戸であるが、全貌すると焼きものの土の匂いが大地の力となった風景だ。
8月7日まで、松坂屋名古屋展本館美術画廊。
02. 8月 2018 · August 1, 2018* 「サヴィニャック パリにかけたポスターの魔法」ポスターコレクションの底力。 はコメントを受け付けていません · Categories: 日記
猛暑の中、三重県立美術館で開催中の「サヴィニャック展」に行ってきた。
8月の館長アートトークの準備でもある。
入口の看板から、展示会場への案内、ロビーのSNS用エンターテイメントなど、サヴィニャックのキャラクターをうまく使って迎えてくれる。サヴィニャックマジックに包まれる楽しさだ。
サヴィニャックは20世後半のフランスのグラフィックデザイナーであるが、原画、リトグラフによるポスター、ポスターの掲示風景写真と完璧にコレクションされている。さすが芸術の国フランスである。
日本でもサヴィニャックと同評価の世界的グラフィックデザイナーは数十人レベルでいるが、これほどきちんと保存記録されていることはない。
ポスターコレクションそのものが、富山県美術館をはじめとするわずかの美術館でしかない。
それはともかく、「サヴィニャック展」は素晴らしかった。
ポスターの訴求力、街に掲示されることを前提とした楽しさ、明るさ、幸せさのすべてがアイデア、ユーモアに込められている。
31. 7月 2018 · July 30, 2018*  極小美術館の2つの個展。 はコメントを受け付けていません · Categories: 日記

岐阜池田町の極小美術館へ、現在開催中の「加藤由朗展」「南谷富貴展」を観てきました。

「加藤由朗展」

グラフィックデザイナーとして50年、加藤さんのコンセプトの力強さは変わらず、凄い。

デザインの大きな力はアイデア。そしてそれをヴィジュアル化するセンス。単体としては1枚のポスター、個展会場ではそれらが群れのパワーとなって迫ってくる。

 

「南谷富貴展」

木片ブロックでインスタレーションを展開している南谷さんは、今展ではひび割れた木材から採取、ブロックに委ねる形が魅力的。

「ブロックを塗装していると、ずっとピシッ ピシッって音がし続けている」という話が印象的だった。

自然からのラストメッセージを身体でキャッチしながら制作している。自然への敬意と自らの造形が美しいセッションを奏でている。

  

9/2まで、観覧無料。
必ず予約の電話090−5853−3766を。
28. 7月 2018 · July 28, 2018*  印象派を堪能する展覧会。 はコメントを受け付けていません · Categories: 日記
7/28より「至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」が‬名古屋市美術館で始まりました。
昨日、レセプション内覧会に参加してきました。
多くの人が詰めかけ会期中の人気が予想される状況、‪印象派好きにはたまらない展覧会です。
撮影可のモネの「睡蓮」、コスプレコーナーなどに人が集まっていました。
私は、ブラックの「ヴァイオリニスト」‬ドガの「14歳の小さな踊り子」に感動でした。
‪9/24まで。‬
26. 7月 2018 · July 26, 2018*  美術館前の花壇も作品のように。 はコメントを受け付けていません · Categories: 展覧会
「元永定正展」が始まって、2週間になろうとしている。
猛暑の夏、さすがに昼間のお客様は少ない。
そんな中、シルバー人材センター様のご協力で美術館の花壇に新しい花が植えられた。猛暑で弱っていた花壇がよみがえるように美しくなった。
花は、マリーゴールド、ペンタス、日々草。まるで元永定正作品のように楽しい。
「元永定正展」は、午前10時から午後7時まで。涼しくなってからお出かけください。
会期は9月30日まで、展覧会の看板とかわいい花を合わせての記念写真も楽しいです。
28. 6月 2017 · June 28, 2017* 昔はピンクなんて言わずに「ももいろ」と呼んでいた。 はコメントを受け付けていません · Categories: 未分類

クレパスは「ももいろ」だった。なぜ「ももいろ」は使われなくなったんだろう。英語が氾濫したということもある。しかし、青い、赤い、黒い、白いなど形容詞になる基本の色は、英語化の頻度は低い。多くの色の中で、「ももいろ」の発音は重くて籠る。「ピンク」は弾ける発音で、耳障りが良い。かわいい色のNo.1とピンクの発音のかわいさが、ピッタリきている。

一方で、桃色は桃の花の色(桜色も桜の花の色)というように、具体的な色を表している。ピンクは赤と白の間の幅広い色として呼ぶことができるので、とても使い勝手が良い。幅広いピンクのイメージを限定するためには、コーラル(珊瑚)ピンク、サーモン(鮭)ピンク、チェリー(桜)ピンク、そのほかベビーピンク、ショッキングピンク、ダスティ(濁った)ピンクがある。

残念ながら、日本色名に幅広いピンクに該当するものがない。

(絵:サノエミコ)