04. 5月 2020 · May 4, 2020* Art Book for Stay Home / no.1 はコメントを受け付けていません · Categories: 日記

『謎解き アクセサリーが消えた日本史』浜本隆志(光文社新書、2004年)

アートの本というと、美術評論家や美術史家、あるいはアーティストによるものが多い。そこに「アートって難解」の要因がある。

美術の専門家が美術の専門用語を使って、読み手もまた美術関係者、あるいはコアな美術ファンだったりする。テーマもまたコアなものが多い。

浜本隆志は、ドイツ文学者、関西大学名誉教授。 専門はドイツ文化論、比較文化論。美術と無関係の分野ではないが、専門ではない。こういうスタンスで美術を捉えると、美術の専門家では気が付かない「あっ」というテーマに気づく。本書はそんな本。

指輪、耳飾り、首飾りなど日本のアクセサリー文化は、古代には勾玉など多く存在していた。古代資料館を訪れると、銅鐸、銅鏡とともに、多くの耳飾り、首飾り、冠などが展示されている。埴輪においてもそのことは確認され、アクセサリー文化が盛んであったことは否定しようがない。ところが、奈良時代以降、歴史の中で忽然と姿を消してしまう。復活するのは開国以降の明治維新からである。何故なのか。

民俗学、考古学、歴史学、宗教学社会学、図像学などさまざまな角度から解き明かしていく。

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