16. 9月 2012 · September 16, 2012* 美術館での作品を撮影したいという来館者の欲求。 はコメントを受け付けていません。 · Categories: 未分類

 近年ブログ、ツイッター、フェイスブックなどのソーシャルメディア(SM)の人気にともなって、美術館での作品を撮影したいという来館者の欲求が高まっている。異常とも思えるほどであるが、私もブログ、ツイッター、フェイスブックを楽しむ身としてそのことはとてもよく解る。

 基本、日本の美術館での作品撮影は禁止である。「日本の」と書いたのは、欧米の美術館では殆どが撮影が許可されている。ルーブル美術館、オルセー美術館、大英博物館、メトロポリタン美術館、ニューヨーク近代美術館など、大美術館もみな撮影を認めている。ただし、フラッシュは絶対禁止である。理由は、強い光が作品を痛める可能性が高いこと、他の鑑賞者の大きな妨げになることが理由である。もっともである。

 美術館の先進国である欧米で認められていることが、何故日本では一般に認められないのか。「著作権を侵害する」というのが大きな理由であるが、著作権に関しては欧米の場合も同様である。撮影をしてソーシャルメディアも含めて個人的に楽しむのは著作権の侵害にはあたらない。撮影した作品を、ビジネス目的で利用したり、年賀状等の印刷物に使用したり、あるいは作品を写真上で変更を加えたりした場合に著作権の侵害にあたる。日本では、それに関するルールがきちんと認識されていないというのが大きな問題で、撮影した写真を自分のものと考えてしまうことによる。

 また撮影を許可すると、すべての気に入った作品を撮影し、作品集やポストカードが売れないといった理由もある。展覧会で観た作品を写真で再度楽しむというのであれば、プロの写真家が撮影した作品集を求めるのが本来であるが、多くの日本人の場合、単に記念写真感覚であるので、こういう撮影不可が一般的になってしまう。

 とは言うものの、ソーシャルメディア大流行の現代において、撮影不可は広報効果の点で大きなマイナスである。美術館においては、そのあたりの加減を考えなければならない時代である。

 現在開催中の「渡辺おさむ お菓子の美術館」では、ロビー作品のみ撮影を許可している。互いの鑑賞者へ配慮し、ソーシャルメディアへは、どんどんアピールして行きたいと願っている。おかげで、「渡辺おさむ お菓子の美術館」の来館者は増加の一途をたどっている。