06. 5月 2020 · May 6, 2020* Art Book for Stay Home / no.2 はコメントを受け付けていません · Categories: 未分類

『絵でわかる マンダラの読み方』寺林峻(日本実業出版社、1989年)

仏教美術といえば、仏像と寺院。時代や宗派が異なって、なかなか一筋縄では行かない。

美術的視点から、密教は手が混んでいて色彩も美しくおもしろそうだ。ところが核になっているものにマンダラがある、曼荼羅と書く。

「絵画を楽しむのに理屈なんかいらない、感覚的に愉しむことだ。」というのがあるが、マンダラはどうもそういう訳にはいかなさそうだ。密教の智恵が込められ、広大な宇宙が凝縮されているという。「胎蔵界マンダラ」と「金剛界マンダラ」がある、やっぱり難解そうだ。

難解なところに出会ったら、できるだけ初心者向けのものを読むことをお勧めする。マンダラに関してはこの本だ。「絵でわかる」というキャッチフレーズが付いているようにさし絵が多い。

寺林さんに講演会でお会いした。「この本はとても良く売れていまして、生活の支えになり続けています。売れない小説家にはありがたいことです。」

やっぱり初心者向けの本は、誰もがページを開くようだ、したがってロングセラー。小説家が書くからおもしろく解りやすいのかと思いきや、実家は高野山真言宗鹿谷山薬上寺で僧侶の資格を持っておられるとのこと。