7月6日(土)午後6時30分から8時まで、愛知芸術文化センター12階・アートスペースAで開催の名古屋造形大学公開講座2013で講演を行う。
昨年まで学長を務めていた名古屋造形大学からの依頼である。私が40年間研究の軸の一つにおいてきた「デザインとアートの関係」がテーマ。「応用美術」「純粋美術」など、日本では根本的にアートとデザインの関係を間違った方向に向けて来ている。それは義務教育の中でも「美術の時間内でデザインを学ぶ」といったところからも間違いを生じさせることになっている。
デザインは、美術の一部ではない。美術、理科、技術・家庭、社会など多くの科目に関わる学問であり、大学では工学部、社会学部の中でデザインが学ばれるということも珍しくない。
そのような日本の状況において、デザインを拒む形でアート活動が近年行われて来た。よく言えば「アートの自立」であった。しかしながら、結果的にはアートが社会から分離する特殊なものとして扱われるようになった。「崇高な」「難しい、理解困難」「超贅沢な」などの位置は、本来の美術のあるべき姿ではない。
「デザインを孕むアート」は、アートとデザインの本来の関係にあるもので、近代以前、光琳、クリムトなどの時代ではその区別さえなかった。反近代美術思考の現代美術では、アートがデザインを孕む流れになってきている。有名な「マルセル・デュシャンの泉」は、デザインがアートと分離されていることによって、デザインを孕む意味が明確にされることによって生まれることができたアートである。
90分の公開講座内容の概要をここで述べることは、とても難しい。多くの方に公開講座に出かけて欲しい。
※ 講義申し込み方法
氏名、住所、電話番号、FAX番号、高北幸矢講演聴講希望と書いて
Eメール:zokokai@nzu.ac.jp
往復はがき:〒485−8563小牧市大草年上坂6004/名古屋造形大学社会交流センター「公開講座」係宛