19. 11月 2020 · November 19, 2020 Art Book for Stay Home / no.45 はコメントを受け付けていません · Categories: 日記

『博物館の楽しみ方』千地万造(講談社現代新書、1994年)

美術館には学芸員というスタッフがいることは、多くの人の知るところである。それで学芸員とは何かと言えば、博物館法により博物館・美術館などに置かれる専門職員で、資料の収集・保管・調査研究・展示・教育普及などを行う者である。学芸員資格を得るために、大学で博物館に関わる必要な単位を取得する。単位には博物館実習というものがあり、現場経験が求められる。清須市はるひ美術館でも、毎年数名の博物館実習生を受け入れている。美術館で行われても美術館実習ではなく博物館実習である、博物館法に基づく資格であるのだから。

博物館法による博物館というのは、名古屋市博物館などの博物館のみを指すものではなく、美術館、文学館、産業博物館、考古学博物館、歴史館、明治村のような野外博物館、古い城や城址、登呂遺跡のような住居跡、更には科学館、動物園、植物園、水族館、自然保護区、国立公園など極めて広い。ちなみに愛知県の博物館の数は293である。

博物館と美術館はどちらも英語ではミュージアム、混乱するので美術館の方をアートミュージアムという言い方をする場合もある。現在愛知県美術館では「古代エジプト展」が開催されており、名古屋市博物館ではこれまで「アンパンマン展」「ゴジラ展」「北斎展」などが開催されてきている。その領域区分はかなり曖昧である。

本著はそういった「博物館とは何か」にはじまって、魅力的な博物館、美術館を多数紹介している。著者は、博物館の魅力を好奇心に応える場所、あるいは好奇心そのものとしている。なるほどである。

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