2013年12月12日(木)
今日は美術館アートサポーターの第8回目。
師走の忙しい合間をぬって、5人が参加しました。
メンバーが集まると自然にアートの話に花が咲き、
毎回この時間を楽しみにしてくれていることが分かります。
まずは当館で始まったばかりの新たな展覧会をご案内。
2012年に開催した「清須市第7回はるひ絵画トリエンナーレ」で大賞を受賞した
源馬菜穂さんの個展を、担当学芸員が解説しました。
大賞作品《contact》(2010年)に見られる源馬さん独自の描き方は、絵の具がかすれたような薄く長いストローク。
さわやかな風が通り過ぎていくような草原が表現されています。
この手法が生まれるまでの画風の変遷を追うことができるのが、今回の展覧会の見どころの一つなんです。
長いストロークは2013年の新作でも健在ですが、
3年前の受賞作には見られなかった、新たなモチーフや色にも挑戦しています。
まだご覧になっていない方は、それが何なのか、ぜひ会場で探してみてくださいね。
続いて収蔵作品展「緑を想う」も楽しみました。
これは、作品に使われた「緑色」に注目しようという企画です。
作品を前に、みんなで気づいたことや感想など、話が弾みます。
みなさん、積極的に絵を楽しみながら見ようとされているのが素敵でした。
その後控え室に移って、今度は美術の勉強会です。
開催中の展覧会3つの中から好きなものを選んで足を運び、
印象に残った作家について各自調べて発表するというもの。
前回のアートサポーターのブログ→こちら
Kさんは、稲沢市荻須記念美術館「日本画家が描いた西洋風景展」に
作品が出品されていた、前田青邨(まえだ・せいそん)を選びました。
生まれ故郷中津川出身の画家で、以前から気にはなっていたけれど、
これを機にちゃんと調べてみようと思ったそうです。
Aさんは同展覧会の画家、東山魁夷(ひがしやま・かいい)を選びました。
石造りの路地を描いた風景を見て、人は描かれていないのに
確かにそこに人の気配を感じる雰囲気にひかれたそうです。
Uさんはメナード美術館「コレクション名作展V 時代を代表する巨匠たち」で紹介されていた
岸田劉生(きしだ・りゅうせい)を選びました。
劉生は、娘の肖像画「麗子像」シリーズを描いたことで有名です。
これまで麗子は少々不気味だというイメージだったのですが、
1点、子どものあどけなさを漂わせる麗子像を見て、興味がわいたそうです。
自分が興味を持った作家や作品は、やはり調べ甲斐もありますし、
他のみんなにも感動を分かち合いたくて、発表にも熱が入りますね
作品を目にした時の驚きや心の揺さぶられた感じがダイレクトに伝わってくる皆さんの発表でした。
この充実感たっぷりで楽しい勉強会は、また次回も続きます。
【開催中の展覧会】
清須市はるひ絵画トリエンナーレアーティストシリーズ Vol.71 源馬菜穂展
会期:2013年12月8日(日)~12月27日(金)
開館時間:10:00~19:00
休館日:月曜日
観覧料:一般200円 中学生以下無料