13. 9月 2019 · 【特別編 博物館実習生ブログ】実践としてのキュレーション はコメントを受け付けていません · Categories: その他, 教育普及

こんにちは。現在当館に実習生として来ているSです。☺︎

人生初ブログで右も左も分かりませんが頑張って書いてみようと思います。💪

 

僕は大学で学芸員課程を履修しており、理論はある程度学んできましたが、やはり実践となると全く勝手が違います。

特に来館者の目に見えない部分の仕事の多さには驚きました。展覧会の企画や図録の作成はもちろん、建物の管理、虫の駆除、作品の保存・管理、教育普及事業、ワークショップなどなど、仕事の幅が広すぎて日々その大変さを実感してばかりです。💦

現在はMAYA MAXXさんの特別展が開催中です。
それに伴い子ども向けのワークショップがあったので僕も参加してきました。👶

 

子どもたちは本当に無邪気で自分の描きたいものを描きたいように描いていました。見ている僕も楽しんでしまって、子どもたちの作品の力強さに感動したし、負けてられないなあと思いました。👴笑
完成した作品は当館に展示してあるので是非見てみてください!すごくいい作品になってます。

もちろんMAYAさんの個展も見てほしいです。
今回は絵本の原画中心の展示になっています。
僕は絵本の原画は初めて見たのですが、絵本になった絵と原画の絵の違いにとても驚きました。

その違いは、、ぜひ見に行って感じてみてください。🏃‍♂️
MAYAさんの新作絵画もめちゃくちゃかっこいいのでそちらも併せてぜひ。

 

先程学芸員はやることがありすぎて大変だ、と言っていましたが、やっぱり自分の企画した展覧会が形になり、図録が出版されて、お客さんがたくさん来てくれる、これ以上幸せなことはないと思いますし(僕はまだやったことがないので想像ですが笑)、それがキュレーターのメインストリームです。

作品は見る人に何かしらを与えるかもしれないし与えないかもしれない。僕はそれは感動でなくてもいいと思っています。なにか違和感のようなもの、今まで自分が生きてきて、身につけてきたものの外側を実感させてくれるのが芸術作品です(とりわけ現代美術はその傾向が強いでしょう)。だから何かを見た後に心がもやもやしてすっきりしないこともあると思います。もしかしたら苛立ちすら感じるかもしれない。そして僕はそれでいいと思っています。それもひとつの感動であり、衝撃なのです。もちろん心温まる感動も大切だし、それがよくないというのではありません。新しい感覚との出会いは常に感動的でもあり、受け入れがたくもあるということです。芸術作品というのはその双方性をもっていると僕は考えています。

そして学芸員は、色々なことを考えながら展覧会を企画します。作家の個展からあるテーマに基づいたものまで、その形態は様々です。展示する順番や高さ、また、その作家のどの作品を展示するかまで学芸員が決めるのですから、キュレーションの仕方ひとつで、展示される作品は見え方が全く異なります。そして、そこには必ず意図が存在します。なぜこの作品なのか、なぜこの作家なのか、何か伝えたいことや感じてほしいことがあってこそ展覧会は企画されるのです。だから展覧会自体がひとつの作品でもあると僕は考えているし、もし自分が展覧会をつくるならそういったことを大切にしたいなと思っています。また、鑑賞者の側に立って考えるならば、こうしたことを踏まえて美術館に足を運んでみるとまた違った見え方もしてさらに展覧会が面白くなるんじゃないでしょうか?

少し長くなってしまいましたが、今回僕はこんなことを考えながら学芸員の実習に向き合っています。お忙しい中ご指導してくださる学芸員OさんとFさんには感謝しかないです。残り2日の実習も頑張ります。👍

そしてぜひはるひ美術館に足を運んでくれると嬉しいです。
ありがとうございました。

 

S

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