31. 1月 2016 · 「まるでパリじゃん!」 はコメントを受け付けていません。 · Categories: 展覧会, 教育普及

2016年1月30日(土)、31日(日)

 

エコパリ展のビッグイベント、「まるでパリじゃん!」が1月30日(土)、31日(日)の2日間をかけて開催されました

グラフィックデザイン、アートディレクション、イベント企画など幅広く活動するユニット、holidayの堀出隼さんによる似顔絵イベントです

堀出さんはいわゆる「似顔絵師」ではなく、さまざまな活動の内の一つとして、出会った人たちの似顔絵をその場で描く似顔絵イベントを各地でおこなっています。

(※holidayについてはこちら→http://we-are-holiday.com/

今回はエコール・ド・パリ展の内容に合わせ、モンマルトルやモンパルナスの街角にいるような似顔絵画家をヒントに、お客様がまるでパリの下町にいるかのような気分を少しでも味わっていただきたく、堀出隼もといCROQUIS MONSIEUR(クロッキームッシュ)として似顔絵を描きまくっていただきました!

ちなみに「まるでパリじゃん!」というタイトルも堀出さんのアイデアです。(ダジャレになっているの、気がつきましたでしょうか?)

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似顔絵はムッシュが手にしているトリコロールのカードに描きます。油性ペンで一発勝負。一人当たり5分ほどで完成させます。

(手前のカンヴァスはディスプレイですが、ムッシュの息子さんが2歳のときに描いた作品とのこと。)

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開館直後からたくさんの方にご来場いただき、瞬く間に予約でいっぱいに・・・

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お一人の方もいれば、カップルやご家族も。なかには「1枚は一人で描いてもらって、2枚目は家族と!」というお客様もいました

性別も年齢層もさまざまで、「美術館で似顔絵」という企画に興味津々。

しかしいざ始まるとけっこう緊張するもので・・・ スタッフも合間に描いてもらったのですが、誰かにずっと見つめられたり、5分間とはいえ目の前の人と言葉を交わさずじっと目を合わせたりというのは思っていたよりもどぎまぎしてしまうことがわかりました。これもひとつのコミュニケーションですね。

 

恥ずかしがりながらもモデルを努めたみなさん。

完成した似顔絵を目にすると思わず歓声と笑顔が!

とても特徴をとらえていて、名前もかっこよくデザインされています

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終日予約は途切れることなく、最終的に2日間で約80人の方に参加していただきました

展覧会を見たついでに寄っていかれた方、イベントを目当てに来られた方、みなさんがとても充実した表情で館をあとにされるのを見て、スタッフも大変嬉しかったです

エコール・ド・パリ展をちょっと異なる視点から楽しんでいただけたのではないでしょうか。

 

描き続けて腱鞘炎になってしまったムッシュも、「楽しかった!」と言いながら帰っていきました。

参加していただいたみなさま、堀出さん、本当にありがとうございました!

 

次のイベントは2月7日(日)14:00~のバイオリン・コンサートです。

名古屋出身のバイオリニスト、中川香さんと松本一策さんによるデュオをお楽しみいただけます。

★料金無料(要観覧料)

★先着50名(当日13:30から整理券配布)

 

 

【開催中】

北海道立近代美術館・札幌芸術の森美術館コレクションによる

エコール・ド・パリ -パリに咲いた異邦人の夢-

会   期:2016年1月9日(土)~2月28日(日)

開館時間:10:00~19:00 (入館は18:30まで)

休 館 日:月曜日

観 覧 料:一般700円、中学生以下無料

 

 

 

 

 

 

 

23. 1月 2016 · 第40回館長アートトーク:エコール・ド・パリ 藤田嗣治、困窮からパリの寵児へ はコメントを受け付けていません。 · Categories: 展覧会, 教育普及

2016年1月23日(土)

 

2016年最初の館長アートトークのテーマは「藤田嗣治」。

現在当館で開催中の「エコール・ド・パリ -パリに咲いた異邦人の夢-」展に作品が展示されている作家の一人です。

展覧会と合わせてご来場いただいた方が多かったようで、いつもより密集度高めです

藤田嗣治の人気の高さもうかがえますね

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エコール・ド・パリのなかでもとくにその名が知られる藤田嗣治。

東京美術学校(現在の東京藝術大学)卒業後、1913年に渡仏。

ピカソやモディリアーニなど当時の前衛美術の最先端にいた芸術家たちと交流しながら独自の画風を築き上げ、1920年代にはフランス国内で高い評価を得るようになります。

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この独特の風貌、見覚えある方もいらっしゃるかもしれません。

おかっぱ頭に丸眼鏡、両耳にリングのピアスをつけて粋なスーツを着こなす藤田は、当時のパリでもかなり個性的だったようです

(上映中の映画「FOUJITA」ではオダギリジョーが藤田を演じていますが、完璧に再現されていますね・・・!)

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藤田をフランス語表記にすると FOUJITA になることから、頭の「FOU」をとって「FOUFOU(フーフー=お調子者)」という愛称でも親しまれていました。

奇抜な格好をしたり、ユーモラスな愛称をつくったりすることは、彼にとって自己表現のひとつであったと言えます。

モンマルトルやモンパルナスにヨーロッパ中から大勢の芸術家の卵たちが集まってきた1920年代。遠い東の異国からやってきた名もなき日本人画家が、芸術の都パリでいかにして生き抜いていくかということは、非常に重要な問題だったでしょう。芸術家としての技術はもちろん、自分を売り込むための自己プロデュース力も必要になってきます。藤田はその点で突出した才能を見せ、一躍パリの寵児になったのです

 

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彼の作品の代表的な特徴といえば、乳白色の肌の裸婦です。特殊なメディウムの配合でつくり出されたなめらかで艶やかな肌の色は唯一無二のもの。

藤田は終生、自らの表現技法について誰かに教えることはなかったのだとか(近年研究が進み、タルク(ベビーパウダーの材料)を使用していたことが指摘されています

またその乳白色を際立たせているのが、日本画で使用する面相筆と墨を使って描かれた繊細な輪郭線です。

浮世絵をはじめ日本の文化がフランスで流行していたことは有名ですが、藤田は日本人という自分のアイデンティティを強みにして、作品表現に生かしていた部分もあったのでしょう

 

その後、世界恐慌から第二次世界大戦へと続く激動の時代に入り、藤田は日本に帰国します。

フランスで確立したスタイルだけでなく、そのときの興味関心や描く対象によってさまざまな画風を見せていることから、藤田の類稀なる芸術センスと技量がうかがえます

 

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戦中は軍からの要請で、戦地の様子を伝えたり兵士たちや国民の戦意を高揚させたりするような「戦争画」を手がけています。

こういった作品に対して今なおさまざまな意見がありますが、当時の日本に生きる画家として戦争に向きあい、彼ができることをやった結果であるということは言えそうです。

 

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戦後、藤田をはじめとする戦争画家たちは戦犯として糾弾されることとなります。彼はそのような日本の美術界に見切りをつけ、再びフランスへ。フランス国籍を取得し、キリスト教に改宗して洗礼名「レオナール」を授かります。

晩年は教会建築にも携わり、フランス人「レオナール・フジタ」として生涯を終えました。

 

美しい女性や可愛らしい子どもの絵だけではない、藤田の多様な作品。

いまだ謎めいている部分も多く、魅力は尽きません

 

今回のエコパリ展では藤田作品を3点展示。

独自の画風を確立する以前の初期の作品と、最晩年の作品になります。

貴重なラインナップなので、ぜひこの機会をお見逃しなく

 

【開催中】

北海道立近代美術館・札幌芸術の森美術館コレクションによる

エコール・ド・パリ -パリに咲いた異邦人の夢-

会   期:2016年1月9日(土)~2月28日(日)

開館時間:10:00~19:00 (入館は18:30まで)

休 館 日:月曜日

観 覧 料:一般700円、中学生以下無料

 

 

 

20. 1月 2016 · 第8回清須アートラボ はコメントを受け付けていません。 · Categories: 教育普及

2016年1月20日(水)

 

清須市内在住在勤の方を対象に通年で開講している「清須アートラボ」。

今日は美術講座の西洋美術編②として、

「ルネサンスの幕開け ボッティチェリの《ヴィーナスの誕生》」と題してお話しました。

 

パワポ

《ヴィーナスの誕生》といえば、名画中の名画。

ルネサンス期に入って、ギリシア神話の女神ヴィーナスを等身大の裸体で表現した

初めての作例として名高い作品です。

 

改めてよく観察してみようということで、何が描かれているのか一つひとつ確認してみました。

描かれた人物は何人か、場所はどこか、天候はどうか、季節はいつか、構図はどうなっているか?

気づいたことを各自書き込んでいきます。

 

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まずはじっくり画面を見る。当たり前のようですが、これが絵画鑑賞の基本ですね。

 

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描かれている人物や構図を確認したところで、

次はその人物のしぐさや姿勢が、何を参考に描かれたのかを探っていきます。

 

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いかに高名なボッティチェリといえども、ゼロから全てを作り出すことはできません。

当時目にすることができた美術品などからアイデアをもらったはず。

親方ヴェロッキオの作品、パトロンだったメディチ家のコレクションのカメオ、

彼が暮らすフィレンツェの教会に描かれていた壁画、古代ギリシア・ローマの石像など、

いろんなものを着想源にして、描いたと言われています。

 

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当時、《ヴィーナスの誕生》の優雅で堂々とした女性のヌードは非常に革新的なものでした。

 

現代の私たちからすると、見慣れてしまっているものでも、

当時の人たちの目にはとても斬新に映ったり、不快なものだったり、

挑戦的なメッセージを放つものだったりということがよくあります。

 

それは、ボッティチェリ一人の作品を見ているだけでは分かりません。

同時期に活躍した画家や、ボッティチェリ以前の作品と比較することで、

彼の独自性や立ち位置が浮かび上がってくるのです。

 

また、ボッティチェリが生きた当時の社会情勢、宗教や思想、パトロンとの関係なども

作品の理解を大いに助けてくれます。

 

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それから、《ヴィーナスの誕生》の対作品と言われることも多いもうひとつの傑作《春》。

《春》は、ここに描かれた神々が一度に登場する文学的典拠がないために、

謎多き作品として、古来たくさんの研究者たちによって議論されてきました。

 

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ですが、注文主も制作年もはっきりせず、未だ結論は出ていません…。

いろんな解釈が可能な点も、多くの人をひきつけてやまない理由なのでしょう。

 

さまざまな先行作品や新しい思想を貪欲に吸収し、

歴史の大きなダイナミズムの中で、自らの才能を開花させ、

後世に残る名作を残したボッティチェリ。

 

今回は、1つの名画に見え隠れする、美術作品の図像の連鎖、

そして作者を取り巻く社会との関係に思いをはせる時間になったのではないでしょうか。

 

 

 

【開催中】

北海道立近代美術館・札幌芸術の森美術館コレクションによる

エコール・ド・パリ -パリに咲いた異邦人の夢-

会   期:2016年1月9日(土)~2月28日(日)

開館時間:10:00~19:00 (入館は18:30まで)

休 館 日:月曜日

観 覧 料:一般700円、中学生以下無料

17. 1月 2016 · エコール・ド・パリ -パリに咲いた異邦人の夢- はコメントを受け付けていません。 · Categories: 展覧会

2016年1月17日(日)

 

エコール・ド・パリとは。

1920~30年代のパリで活躍した芸術家たちの総称で、「パリ派」という意味です

文化の中心地のパリには、当時世界中から多くの芸術家たちが押し寄せていました。

彼らは異邦人として差別を受けたり貧困にあえいだりしながらも、前衛的な芸術に魅せられ、

それぞれ独自の個性を発展させていきます。

なかにはフランス人も含まれていますが、異邦人の芸術家たちと共同アトリエやカフェで交流し、

同じく新しい表現を追求していました

今回の展覧会では、パスキン、シャガール、ローランサン、ユトリロ、モディリアーニ、キスリング、ルオー、ヴラマンク、藤田嗣治・・・などなど総勢17人の画家・彫刻家の作品を展示しています。

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作品はすべて、北海道立近代美術館と札幌芸術の森美術館からお借りしています

なかでも北海道立近代美術館が誇る日本有数のパスキン・コレクションは必見です

 

解説パネルや展覧会図録、オリジナル紙袋にはそれぞれの作家の似顔絵イラストが(好評です!)

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個性的な面々と合わせて作品をお楽しみください

 

2階オープン展示室では、「ピンナップ・パリマップ!」と題したミニワークショップを常時実施しています

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大きなパリの地図に、おすすめスポットや思い出のエピソードなどを書き込んだマスキングテープやふせんをぺたぺた貼って、世界にひとつだけのパリマップをみんなでつくろう!という企画です

すでにけっこうマニアックな情報が集まっています。。!

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展覧会を見たあとに、ぜひお立ち寄りください

パリの異邦人気分を味わっていただければと思います

 

★そのほかにもイベントいろいろ。詳しくはこちらをご覧ください。

 

2月1日(月)に展示替をおこない、前後期合わせて67点を展示いたします。

半期しか見られない作品もありますので、どうぞお見逃しなく!

 

【開催中】

北海道立近代美術館・札幌芸術の森美術館コレクションによる

エコール・ド・パリ -パリに咲いた異邦人の夢-

会   期:2016年1月9日(土)~2月28日(日)

開館時間:10:00~19:00 (入館は18:30まで)

休 館 日:月曜日

観 覧 料:一般700円、中学生以下無料

 

 

 

 

 

 

 

 

17. 1月 2016 · エコール・ド・パリ -パリに咲いた異邦人の夢- 【展示作業】 はコメントを受け付けていません。 · Categories: 展覧会

2016年1月17日(日)

 

年があけてすっかり日にちが経ってしまいました。本年もどうぞよろしくお願いいたします

2016年最初の展覧会は、

「北海道立近代美術館・札幌芸術の森美術館コレクションによる エコール・ド・パリ -パリに咲いた異邦人の夢-」展

です!

岡山県の新見美術館、大分県の大分市美術館、広島県のはつかいち美術ギャラリーから巡回して、

ついに当館にやってきました

まずは搬入・展示作業の様子を少しだけ。

梱包された作品が展示室に運び込まれたところ。

点数はもちろんわかっていますが、この物量に「本当にうちに入りきるのだろうか・・・」とちょっと不安になりました

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大きい作品は2~3人がかりで慎重に運びます。(このなかにはシャガールの作品が。)

輸送中の傷や異常がないか作品をチェックしながら開梱し、展示プランに沿って仮置きしていきます。

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作品間隔や並び順を調整して、壁掛け作業へ。

展示室がだんだん完成形に近づいていくのを見るのはわくわくします

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キャプションや解説パネル、章バナーなども取り付け、最後にライティング作業

100年ほど前の作品もありますので、光による傷みをできるだけ抑えるため、1点ずつ照度を測りながら照明を当てていきました。

 

今回の展覧会は、これまで当館ではあまり展示する機会のなかったジャンルのものです。

どのような印象になるか、実際に展示してみないとわからない部分が大きかったのですが、

作品をお借りした北海道立近代美術館、札幌芸術の森美術館からのアドバイスや、

他館での展示風景を参考にしながら、なんとか形にすることができました

じっくりと鑑賞を楽しんでいただけるのではないかなと思います。

 

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みなさまぜひお越しください

 

【開催中】

北海道立近代美術館・札幌芸術の森美術館コレクションによる

エコール・ド・パリ -パリに咲いた異邦人の夢-

会   期:2016年1月9日(土)~2月28日(日)

開館時間:10:00~19:00 (入館は18:30まで)

休 館 日:月曜日

観 覧 料:一般700円、中学生以下無料