18. 12月 2015 · アーティストシリーズVol.80 大山紗智子展 はコメントを受け付けていません · Categories: はるひ絵画トリエンナーレ, 展覧会

2015年12月17日(木)

 

今年度4人目のアーティストシリーズは、

「清須市第8回はるひ絵画トリエンナーレ」にて優秀賞を獲得した大山紗智子さん。

愛知県立芸術大学大学院に通う学生です。

 

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今回の個展では、「よくある運命」というサブタイトルで、

昨年・今年の2年間に制作した15点を出品しています。

 

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大山さんの作品には、人々の日常生活に戦闘機が突如出現するという場面がよく描かれます。

ただ、戦闘機の出現という異常な事態にもかかわらず、画中の人々は驚いている様子もなく、

入浴をしたり、食事をしたり、遊んだり、休息したりと、もっぱら日々の営みに没頭しています。

なぜでしょうか。

 

12月12日(土)、アーティストトークにて、大山さんが作品について語ってくださいました。

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戦闘機は、大山さんが愛好するプラモデルなのだそうです。

同時に、彼女にとっては、身近な人の死の象徴でもあります。

つまり、わたしたちの生の営みに突如出現するプラモデルは、

われわれに寄り添う、死の存在でもあるのです。

 

死はいつ私たちを襲うかもしれない。

けれど、それをことさらに恐れ、騒ぎ立てるのではなく、淡々と毎日を過ごしていきたい、

そんな思いがこめられています。

 

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大山さんの作品は、タイトルを一ひねりしてあったり、

よく見ると人が穴に落ちていたり、浴槽から脚だけが出ていたりと、

見る人をクスリと笑わせる部分があります。

テーマの重さは前面に出さず、ユーモアをもって人の営みを捉えているのです。

まるで、「人生は滑稽だ」と言っているかのよう。

 

そして、戦闘機の出現に驚くでもなく、目の前の用事を粛々とこなす人間の姿は、

現代社会の縮図にも見えてきます。

日々どこかで起こる事件を、新聞やテレビ、SNS等で見聞きしてはいても、

他人事に深入りすることなく、我が事にのみ心をくだいている。

そんな人間の様子を、「人間ってこうしたものだ」とやや離れた所から肯定的に見ているのが、

大山さんの作品世界のような気がします。

 

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ただ、最新作では、戦闘機が出現しない作品も。

色味も、赤茶と紺を基調にしたものから、紫がかった寒色を多く使ったものへと変化しています。

これら最新作では、物語性が引っ込んだ代わりに、

色や形をキャンバスにどのように配置するかという、造形的な実験が目を引きます。

 

今後の展開がとても楽しみな大山紗智子さん。

ぜひ、会場に足を運んで、大山ワールドを味わってくださいね。

12月27日まで開催中です。

 

 

 

【開催中の展覧会】

清須市はるひ絵画トリエンナーレ アーティストシリーズ Vol.80 大山紗智子展

会期:2015年12月10日(木)―12月27日(日)

開館時間:10:00―19:00

休館日:月曜日(ただし祝日の場合は開館、翌火曜日が休館)

観覧料:一般200円、中学生以下無料

03. 12月 2015 · アーティストシリーズVol.79 矢島史織展 はコメントを受け付けていません · Categories: はるひ絵画トリエンナーレ, 展覧会

2015年11月29日(日)

 

アーティストシリーズ3人目、矢島史織さんの展覧会を開催しています

矢島さんは清須市第8回はるひ絵画トリエンナーレで準大賞を受賞されました

受賞作《Monster》は、トリエンナーレ会期中の来場者の投票によって「美術館賞」にも選ばれています

《Monster ♯1》2015年

 

展覧会のタイトルは、「ひかりのなかの永遠」。

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矢島さんは、「光と影」をテーマに作品を制作してきました。

きっかけは木漏れ日のピンホール現象を見たこと。

無数の楕円形の光が地面に落ちて揺れ動いている光景に感動したそうです

はじめは目に映った景色そのものを表現していましたが、次第にテーマは「目に見えない光と影」へ。

人間の心のなかにある輝きと闇のようなものを、コップや家といった身近なものに映し出していきました

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今回の展示では、2009年から2015年までの22点の作品をご紹介しています。

注目は、最新作の《Monster》シリーズ!

受賞作品をきっかけとして、5作目まで制作されています。

子どもの成長をあらわしたこのシリーズ。繊細な筆遣いと色合いでありながら、生のエネルギーがみなぎるような画面は、矢島さんにとって新たな境地となる表現です

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今日おこなわれたアーティストトークでは、作品の制作背景や内容について、丁寧にお話ししていただきました。

矢島さんの作品は墨や岩絵具、膠(にかわ)、胡粉(ごふん)といった日本画の材質を使って描かれていますが、

なかなか扱いが難しいのだそう

それでも、自分の表現したいものに適しているからこそ、

こういった材質にこだわって作品を創り続けているんですね

キラキラと輝く岩絵具の質感、墨のにじみ、和紙のしっとりとした滑らかさを感じるような作品たちは、

どれも温かみがあり、見る人の気持ちを穏やかにしてくます。

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先日発表されたばかりの「シェル美術賞2015」でも、準グランプリを受賞された矢島さん!

今後の活躍がますます期待されます

12月5日(土)までの会期となっております。どうぞお見逃しなく

 

 

【開催中の展覧会】

清須市はるひ絵画トリエンナーレ アーティストシリーズ Vol.79 矢島史織展

会期:2015年11月18日(水)―12月5日(土)

開館時間:10:00―19:00

休館日:月曜日(ただし祝日の場合は開館、翌火曜日が休館)

観覧料:一般200円、中学生以下無料

 

 

 

 

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