2013年5月5日(日)
今日は「清須ゆかりの作家 加藤正音展」の関連イベントとして、ミュージアムトークを開催しました。
加藤正音さんは、信長をテーマにした作品を何点か描いており、
今回の展覧会チラシには、三英傑の肖像を描いた作品を選んでいます。
そんな縁から、清須市で学芸員を務めていた田中博久氏に、
「江戸時代の清須と信長 ~死してなお清須に影響を与えた信長一族~」という題で話をしてもらいました。
戦国時代の信長については、清須と言う土地柄、お詳しい方もたくさんいらっしゃいますね。
でも今日は、江戸時代における信長の影響力をたどろうという珍しい切り口。
田中さんが注目したのは、清須を通る街道「美濃路」。
ここを通った大名たちを、史料から丹念に拾い上げました。
すると分かるのが、主に美濃路を選んだのは、比較的家格の高い
徳川一族や、その姻戚関係に当たる大名、譜代大名たちだったという事実でした。
その中で目を引くのが、小藩である「丹波国柏原藩」が頻繁に利用していること。
なぜか
「丹波国柏原藩」は実は信長の次男、信雄の血を引く織田家が治める藩です。
よって、祖先との縁の深い清須は、「丹波国柏原藩」にとって特別な場所であり、
移動の際にはあえてその清須を通る美濃路が選ばれたのではないか、
というのが田中氏の説明でした。
史料にはそのようなことまでは明記されてはいません。
でも、歴史のロマンに思いをはせる…。
これはとっても人間らしく、楽しいことであるはず。
信長ゆかりの地で、信長亡き後の痕跡をたどる、いい機会になりました。
加藤正音さんは、歴史人物画でも高く評価された日本画家です。
歴史好きの方にも楽しんでいただける展覧会ですので、ぜひ足を運んでみてください。
【開催中の展覧会】
清須ゆかりの作家 加藤正音展
会期:2013年4月12日[金]~2013年6月9日[日]
時間:10:00~19:00 (入館は18:30まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は開館、翌火曜日が休館)