06. 11月 2016 · 榊原澄人 永遠の変身譚(2) はコメントを受け付けていません · Categories: 展覧会

2016年11月6日(日)

 

今回の展覧会の見どころは、何といっても当館の細長い展示室をいかした作品の上映です。

幅5メートル、長さ約28メートルのきわめて細長く、しかも湾曲したこの展示室は、

学芸員泣かせと言ってもよいイレギュラーな形状で、普段私たちは、

どうしたら作品が映える展示にできるか、お客様の動線をいかにスムーズにつくるか、展示の度に頭を悩ませています。

 

ところが今回は、この細長く湾曲した壁がとても役に立ちました。

絵巻状に長い作品《É in Motion No.2》を、横幅23メートルの大スクリーンでご覧いただくことができます。

映像にすっぽりと包まれた、圧倒的な鑑賞体験。

dsc_3015

《É in Motion No.2》は《浮楼》の手法を継承・発展させた作品で、

光と闇、生と死、言葉と沈黙、戦争と平和、創造と破壊。。。

つまり世界のすべてが詰まった壮大な叙事詩です。

 

作品のフォーマットからして、またしても型破りなアニメーション。

人が絵巻を見るとき右から左に繰り進めるように、映像もまた全体がゆっくりと動いていきます。

止まって見ていても、まるで歩いているかのように、世界が次々と現れては消えていく様子は、

私たちの歴史を走馬灯のように眺めている感覚と言ったらいいでしょうか。

この作品と対峙していると、人間の来し方行く末についての瞑想に誘われていきます。

 

榊原澄人さんは《É in Motion No.2》を制作する際、絵巻物に着想を得ましたが、

本作が絵巻物と違うのは、始まりも終わりもないということ。そして、エンドレスにループし続けるということ。

《É in Motion No.2》は、円環状の輪になったスクリーンへの上映を念頭に作られた作品なのです。

 

ご来館のお客様にお配りしている作品リストに《É in Motion No.2》の全貌が載せてあります。

dsc_3212_mini←作品リスト

なので、これを輪っかにしてみていただければ、左右の端っこがつながり、

円環状に構想された作品だというのがお分かりいただけると思います。

dsc_3229_mini

 

作品リスト自体も、榊原さんが絵巻に着想を得て《É in Motion No.2》を制作したことにちなみ、

巻物を模したデザインとしました。巻いた状態で自立します。

dsc_3220_mini

 

当館では円環状のスクリーンはご用意できませんでしたが、《É in Motion No.2》のためにプロジェクター5台を連結し、

弧を描く壁面いっぱいに美しい絵が流れていく、という展示空間ができました。

彼の世界観は十分にお楽しみいただけます。

 

なお、本展の展示プランは、榊原さんご本人によるものです。

まだ実際に美術館にお越しいただいていない打ち合わせの段階で、展示室の図面をお見せしたところ、

すぐさま、この場所にこの作品をこういう形で上映したらどうかと、イラストで描いてくださいました。

その時の構想は、ほぼ実現されています。改めて、榊原さんの的確な判断に脱帽です。

 

 

 

 

 

【開催中の展覧会】

「榊原澄人 永遠の変身譚(メタモルフォーシス)」

会期:2016年10月4日(火)~12月11日(日)

開館時間:10:00~19:00(入館は18:30まで)

休館日:月曜日

観覧料:一般500円 中学生以下無料

 

 

 

 

04. 11月 2016 · 榊原澄人 永遠の変身譚(1) はコメントを受け付けていません · Categories: 展覧会

2016年11月3日(木)

 

開催中の企画展 「榊原澄人 永遠の変身譚(メタモルフォーシス)」。

sumito_exh_omote

展覧会チラシのメインビジュアルに惹かれてきてみたら、絵ではなく映像の展覧会だった、

そういうお客様もちらほらいらっしゃるようです。

 

榊原澄人さんは映像作家であり、アニメーションを多く制作しています。

不親切かもしれないけれど、あえて「アニメーションの展覧会」とは銘打ちませんでした。

それは彼が、一般的なアニメーションの「枠」を飛び越える作品を数多く生み出しているからです。

 

たとえば、出世作 《浮楼》(2005年)。

flow_spring_small

設定は、教会のある牧歌的な町。この背景は固定のままずっと動きません。つまり、カット割りはないのです。

そこに登場する8人の女性たちがそれぞれに一定の動きを繰り返しながら、変身していきます。

赤ちゃんが少女になり、娘に成長し、恋をして、結婚し、出産し、老いていく。。。

私たちは、小さな町を去来する8人の小さな物語を追いながら、

次第にそれが女性の一生という一つの大きな物語として編み上げられていることに気づくのです。

このかつてない手法に気づいたとき、複雑な構想を可能にした精緻な計算に驚くとともに、

命の営みに向けられた作家の巨視的な 眼差しに、感動さえ覚えます。

反復(ループ)と変身(メタモルフォーゼ)を巧みに組み合わせて、ミクロの世界にマクロの世界が体現されています。

 

flow_summer_small

人物が変身を繰り返すうちに桜が散って、町は新緑の季節に。

どうしても人物の動きに気を取られがちですが、

季節の移ろいまでこまやかに表現されていますのでチェックしてみてくださいね。

 

 

【開催中の展覧会】

「榊原澄人 永遠の変身譚(メタモルフォーシス)」

会期:2016年10月4日(火)~12月11日(日)

開館時間:10:00~19:00(入館は18:30まで)

休館日:月曜日

観覧料:一般500円 中学生以下無料

 

 

 

 

 

10. 8月 2016 · ワークショップ「ゲイダイでリトグラフ体験!」 はコメントを受け付けていません · Categories: 展覧会, 教育普及

2016年8月10日(水)

 

開催中のミュシャ展の関連イベントとして、8月6日に「ゲイダイでリトグラフ体験!」を開催しました。

ミュシャの作品に用いられている版画技法「リトグラフ」を体験する目玉企画です

リトグラフは特殊な溶剤や水洗い場、そして大きなプレス機を必要とする技法なので、美術館内で開催するのはちょっと難しいかもしれない…でもやりたい…

ということで、清須市のお隣、北名古屋市にある名古屋芸術大学にご協力いただけないだろうかと依頼しました。

美術学部の教授である西村正幸先生が快く引き受けてくださり、名芸リトグラフ工房での開催が実現したのでした

IMG_3585 IMG_3595

はじめに先生からリトグラフやミュシャの作品について説明してもらい、デモンストレーション。

リトグラフは「石版画」と書くように、もともとは石灰石を使いますが、手に入りにくく扱いも難しいため、最近ではアルミ版を使うことが多いようです。

油性のリトクレヨンで描画した後、薬品をかけて化学反応を起こし描画を定着させ、版を水洗い。版が乾かないよう気を付けながらローラーでインクを付けてプレス機で印刷する。

先生の慣れた手つきにみんな興味津々で見入っていました

 

ひと通り工程を理解したところで、いざ実践

まずは作品のイメージ作りからテーマは「たからもの」。自分や家族の好きなものや好きなことをそれぞれアルミ版に描いていきます

IMG_3598

絵が描けたらタルクとアラビアガムを塗布。

IMG_3599

版画コースの学生さんたちにも手伝ってもらって、化学反応を起こさせる薬品を版に塗っていきます。

IMG_3605 IMG_3607 IMG_3624

乾燥→水洗いを経ていよいよインクを付けるところ!

ほかの版画と同じくリトグラフも色ごとに版が必要ですが、今回は2つの版のなかでローラーを使って色を塗り分けました。

版画用インクですが、普通の絵具と同じように複数のインクを混ぜて自分の好きな色を作ることもできます色とりどりのインクが練られたテーブルを見るだけでわくわくしますね!

IMG_3640 細かいところはローラーで色分けするのがちょっと大変

IMG_3627 プレス機の重たいハンドルを一生懸命回して…

IMG_3612 そーっとめくる…できてる??

IMG_3613 完成!カラフルなインクがしっかり乗っています!

版画は複数枚同じものが作れるところも大きな特徴。同じ作品を4枚印刷し、2版多色刷りのオリジナル版画が世界に4枚ずつ生まれました

IMG_3642

個性あふれる作品たち。最後に自分のサインとエディションナンバーを書き込み、プロのアーティストのよう

インクの渇きが遅かったため、残念ながら当日中にお持ち帰りいただくことはできませんでしたが、後日美術館から郵送させていただきました

受け取ったみんなの反応が見たかった!

 

ミュシャ展でもよくある質問ナンバーワンの「リトグラフ」。

私たちが一般的にイメージする版画とは少し異なるので、言葉で説明してもなかなかわかりづらい技法です。

今回のワークショップで実際に制作するところを目の当たりにできて、学芸員自身も勉強になりました

参加者みんなの夏の思い出に残りますように!

 

 

特別展「アルフォンス・ミュシャ デザインの仕事」

会  期:2016年6月25日(土)~9月25日(日)

開館時間:10:00~19:00 (入館は18:30まで)

休  館  日:月曜日(ただし祝日の場合は開館、翌平日が休館)

観  覧  料:一般800円、高大生600円、中学生以下無料

 

 

 

 

 

11. 7月 2016 · ワークショップ「あなたのミュシャ・スタイル」 はコメントを受け付けていません · Categories: 展覧会, 教育普及

2016年7月11日(月)

 

今回は、先日開催したワークショップ「あなたのミュシャ・スタイル」の模様について

このワークショップ、イベントのタイトルだけでは何をするのかわかりませんね。

まずミュシャ・スタイルとはなんぞや。

ミュシャの作品(おもにパリ時代のグラフィックデザイン)には、独特の「型」のようなものがあります。

明確に定義されているわけではありませんが、誰が見ても「これはミュシャの作品だ」あるいは「ミュシャっぽい」と思うような、ミュシャ作品らしい特徴を備えているということです(当然といえば当然なのですが)。

ミュシャが活躍していた当時からそれは「ミュシャ・スタイル」=ミュシャ様式 という言葉で呼ばれ、グラフィックデザインの流行として、“ミュシャもどき”のような多くの模倣作品が作られるまでに普及していたのでした。

ミュシャ・スタイルの特徴にはいくつかのポイントがあり、「パーツの組み合わせ」というのはキーワードの一つです

ミュシャの作品にはほとんどと言ってよいほど女性・植物・装飾文様のモチーフが登場しますが、それらは画面全体としてあらわされるというよりは、一つ一つ独立したパーツとして存在し、そのパーツの組み合わせによって画面が構成されています。

ミュシャ・スタイルが多くのデザイナーに模倣された背景には、個々のパーツに分解することができ、さらにその組み合わせによって無限にバリエーションを作ることができるミュシャ・スタイルの応用のし易さが影響していたのではないかと考えられます

そんなミュシャ・スタイルの特徴を生かしたのが今回のワークショップ

実際にミュシャの作品をパーツごとに分解して切り取り、それらを組み合わせて新たな作品を作る、というものです

手順はいたって簡単。色画用紙を台紙に、何種類もの作品から好きなパーツを切り取って貼り付けていくだけ

台紙の形も自由、ということにしましたが、あまり大きすぎると散漫なデザインになってしまうので、作品の画像シートはハガキサイズにしました。

どの作品にどんなモチーフが描かれているか、まずじっくりと作品を観察しながら、どのパーツを切り取るかアイデアをひねっているみなさんの様子が印象的でした

装飾フレームだけ切り取ってみたり、植物の装飾文様の一部を切り取ってみたり、人物モチーフを切り取ってみたり・・・

こちらはスタッフが用意したパーツのサンプルと制作例。本当にパーツを取り出せるんだということが実感できます。。

切り取ってからどのように配置するかということも肝ですね。みなさんかなり熱中して黙々と作業されていました

完成した作品の数々同じパーツを使っていても、まったく異なるデザインができあがっていますね。台紙の色や形によっても印象が変わってきます。

切り取り方もみなさんそれぞれオリジナリティーがあって、こんな作品にこんなモチーフが描かれていたのか!という新しい発見もありました

単純な作業ではありますが、性別・年齢を問わず楽しんでいただけたようです

このワークショップは同じ内容であと3回開催いたします。

(7月31日(日)、8月13日(土)、8月28日(日))

各回随時電話申込を受け付けておりますので、ぜひお気軽にご参加ください

 

・・・以下余談。

世の中のミュシャの受容度はどんなものかと日々検索エンジンやSNSなどを徘徊(?)してみたりしますが、インターネット上で「ミュシャ風」と検索すると驚くほどたくさんの「ミュシャ風イラスト」が出てきます。アニメキャラクターや少女漫画風の人物がパロディ化されているようなものがクオリティ高く表現されていたりして、オタク文化と結びつけられることも多いミュシャが日本人(特に若い世代!)に好まれる理由がちょっとわかるような気がします

これもミュシャ・スタイルの新たな形なのでしょうね

100年以上を経てもなお現代人に愛されるミュシャの魅力、おそるべし。

 

特別展「アルフォンス・ミュシャ デザインの仕事」

会  期:2016年6月25日(土)~9月25日(日)

開館時間:10:00~19:00 (入館は18:30まで)

休  館  日:月曜日(ただし祝日の場合は開館、翌平日が休館)

観  覧  料:一般800円、高大生600円、中学生以下無料

 

 

 

 

29. 6月 2016 · 「アルフォンス・ミュシャ デザインの仕事」 はコメントを受け付けていません · Categories: 展覧会

2016年6月29日(火)

 

特別展「アルフォンス・ミュシャ デザインの仕事」が6月25日にオープンしました

  DSC_2442

ミュシャという芸術家、ご存知でしょうか?

名前を知らなくともどこかで絵を見たことがある、という人はきっと多いはず

淡い色彩で描かれた美しい女性や曲線的な柔らかい造形は、100年以上を経た今もなお、多くの人々を引き付けています。

黄道十二宮

19世紀末から20世紀初頭のヨーロッパで興ったアール・ヌーヴォーの潮流のなかで活躍したミュシャは、ポスターをはじめとするデザインの仕事において才能を発揮しました。

もともと油絵画家を目指していたミュシャ不本意な形でデザイナーとしての画業をスタートさせましたが、ポスターデザインのデビュー作《ジスモンダ》で一躍脚光を浴び、グラフィックデザイン全般、食器、ジュエリー、家具、室内装飾丸ごと、などさまざまなデザインの依頼を受けるようになります。

そもそも「デザイン」という概念が認識され始めたのもこのころです。普段何気なく使っている言葉ですが、改めて考えてみるとその定義は難しい。

広い意味では、日々の暮らしをより良いものに整えることや、問題を解決するための手立て、というとらえ方ができます。

(詳しくは講演会「“デザイン”ってそもそも何なの?」にて!)

鑑賞を主目的とする絵画や彫刻などの芸術とは異なり、情報を効果的に伝達したり、手に取って使ったり、身に着けたりすることを目的とするデザインは、人の暮らしに溶け込んでいます。

作り手の個人的な感情よりも、どんなデザインが見やすいか、目を引くことができるか、心地よいか、使いやすいかといった受け手の感触を第一に考えて作られるため、ある意味で客観的で科学的なところがあります。

デザイナーというのはそういったことをさりげなく潜ませながらデザインしていくわけですが、ミュシャももちろん例外ではありません。

街を歩く人々が注目するようなデザイン、媒体のモノとしての特徴を考慮したデザイン、誰が見ても美しく快く感じるようなデザインを研究・分析し、展開させていたのです。

 

***

日本ではこれまで何度もミュシャの展覧会が開かれてきましたが、初期から晩年までの作品を通してミュシャ像を俯瞰するような回顧展形式がほとんどで、テーマを絞った展示はあまりなされていません。

本展では、芸術家というよりも、職業デザイナーとしてのミュシャに焦点を当てることで、作品を見る視点に(ちょっとだけ)新鮮さを感じていただければ・・・ということを狙いとしています

「ポスター」、「装飾パネル」、「雑誌・挿絵」といったように媒体ごとでカテゴライズして展示しておりますので、ポスターのイメージが強いミュシャですがほかにもいろいろな仕事をしていたことがわかるのではないかと思います

出品作品のほとんどが個人コレクターの所蔵品ですので、なかなか見る機会のないマニアックな作品が多いのも見どころ

ミュシャファンの方も初めての方も、ぜひぜひお越しください

IMG_3335 IMG_3336

 

特別展「アルフォンス・ミュシャ デザインの仕事」

会  期:2016年6月25日(土)~9月25日(日)

開館時間:10:00~19:00 (入館は18:30まで)

休  館  日:月曜日(ただし祝日の場合は開館、翌平日が休館)

観  覧  料:一般800円、高大生600円、中学生以下無料

 

 

 

04. 5月 2016 · 新年度 はコメントを受け付けていません · Categories: 展覧会, 教育普及

2016年5月4日(水)

 

新年度・・・といっても早くも1ヶ月が過ぎてしまいました。

世はゴールデンウィークまっただなか。お天気もよくお出掛け日和です

 

私事ですが、はるひ美術館に来てようやく1年が過ぎ、

徐々に「はるひ民」になっているのかなぁとしみじみ思います。

(周りの方々にはもう何年もいるみたい、と言われますが…)

 

4月はバタバタしているうちにあっという間に終わってしまったので、ここでちょっと振り返り。

 

清須ゆかりの作家 中川幸作写真展 命が煌めく瞬間

0001

今年度1発目の企画展です!これまで2人の作家を取り上げてきた「清須ゆかりの作家」シリーズ第3弾。

清須市在住の写真家である中川幸作さんは、おもに人物写真を撮り続けています

節談説教師・祖父江省念をはじめ、伝統工芸などに携わる職人、画家、彫刻家、音楽家や、

俳優、ダンサー、指揮者、オペラ歌手などの舞台芸術家、そして「きんさんぎんさん」も被写体になっています。

作品総数はなんと145点!

展示作業は夜遅くまで続きましたが、中川さんは誰よりもアクティブに動き回っておられました

重いカメラや機材を担いで日本中飛び回る中川さんやっぱり体力が違います。

よく笑い、よくしゃべる、とても素敵なお人柄です。

Exif_JPEG_PICTURE DSC_2122

表情や動きの一瞬の煌めきを捉えた作品の数々。

指揮者の振るオーケストラの音色を聞いたり、画家の描いた作品を見たりすることがあっても、

それらを生み出す人の表情というのはあまり意識することがないのではないでしょうか?

今回の展示では中央に不思議な立体物も。ぜひ間近でご覧ください。

 

清須アートラボ

毎年恒例の生涯学習講座、清須アートラボ今年は15名の方にご参加いただくこととなりました。

Exif_JPEG_PICTURE Exif_JPEG_PICTURE

第1回はオリエンテーション。

館長のお話やメンバーの自己紹介をしたあと、中川幸作展の鑑賞会もおこないました。

緊張気味のみなさんでしたが、これから仲良くなっていくことでしょう

1年間同じメンバーで活動するというのは市の生涯学習講座のなかでも異色(なはず)。

美術講座やミュージアム鑑賞ツアーを通して自らの知識や経験を蓄えることも大切ですが、

それらの体験を仲間と共有することが何よりも醍醐味なのではないかと思います

 

清須アートサポーター

今年度のアートサポーターの活動も始まりました。

Exif_JPEG_PICTURE Exif_JPEG_PICTURE Exif_JPEG_PICTURE

美術館のさまざまな活動をお手伝いしていただいているボランティアのみなさん。

アートラボを卒業された有志の方々がメンバーとなっています。

昨年度のアートラボ受講生からも数人仲間入りして、総勢23名。活動場所が少々手狭になってまいりました…

「美術館運営チーム」「イベント企画チーム」「広報チーム」に分かれて活動していますが、

新メンバーも加入しましたのでチーム替えもおこないました。

新しい風を感じながら、初回からみなさん活発に議論していて、大変たのもしいです!!

今後の活動が美術館にどう生かされていくのか、乞うご期待です。

 

 

今年度は中川幸作展にはじまり、6月18日(土)・19日(日)には清須市4中学校美術部展、

夏の特別展には「アルフォンス・ミュシャ デザインの仕事」展、

秋の企画展にはアートアニメーションの「榊原澄人展」が控えております!

それぞれよい展覧会にできるよう、せっせと準備中です。ぜひぜひお越しください。

 

 

 

【開催中】

清須ゆかりの作家

中川幸作写真展 命が煌めく瞬間

会   期:2016年4月23日(土)~6月14日(火)

開館時間:10:00~19:00 (入館は18:30まで)

休 館 日:月曜日

観 覧 料:一般300円、中学生以下無料

 

 

 

 

20. 2月 2016 · 第41回館長アートトーク:マリー・ローランサン、華やかなマドンナ画家。 はコメントを受け付けていません · Categories: 展覧会, 教育普及

2016年2月20日(土)

 

前回に引き続き、今回もエコパリ展に関連した作家がテーマです。

マリー・ローランサンはエコール・ド・パリの芸術家のひとりで、パリ生まれの女性画家

やわらかく丸みをおびた身体にパステルカラーのドレスをまとい、どこか物憂げな表情を浮かべた女性像などで人気を集めています。

現在、碧南市藤井達吉現代美術館でも展覧会が開催されていますね!

(美術館サイト→マリー・ローランサン 愛と色彩のシンフォニー)

Exif_JPEG_PICTURE

ここ最近で最多の参加者です!ローランサン人気、おそるべし

 

Exif_JPEG_PICTURE

ローランサンはお針子の母に育てられ、名門女学校にも通いますが、画家として生きる道を諦めきれず、母の反対を押し切って前衛芸術の世界に足を踏み入れます

モンマルトルの共同アトリエ「バトー・ラヴォワール(洗濯船)」で交流したのは、ジョルジュ・ブラックやピカソなどキュビストたちでした。

詩人のギヨーム・アポリネールとも出会い、恋人関係に。ローランサンの画業に大きな影響を与えます

Exif_JPEG_PICTURE Exif_JPEG_PICTURE

あえて形を単純化・平面化して、稚拙にも思えるような画面に仕上げるのは、素朴派アンリ・ルソーからの影響です。

伝統的な写実絵画からは程遠い表現技法は、当時の前衛芸術家たちの目には新しく魅力的なものとして映ったようです

Exif_JPEG_PICTURE

やがて作品にはキュビスム的な要素が入り込んできます。が、その難解な理論には興味を示さず、自分らしい表現をつくりあげるうえでの一要素として、表面的に摂取していたといえます

存在感のある建物の輪郭線が画面を分割しながらも、グレーやピンクの淡くくすんだ色調はローランサンらしいやわらかさを感じさせます。

Exif_JPEG_PICTURE Exif_JPEG_PICTURE

第一次大戦後に、現代の私たちがイメージする「ローランサンらしい」画風が確立されます。

細く幾何学的だった人物の身体はふっくらと肉感を持ち、黒く鋭い輪郭線は消え、パステルカラーの色面で画面が構成されているのがわかります。

灰色を基調としながらも、ピンクや水色などの割合が増してより明るく華やか、フェミニンな印象に

当時の上流階級のご婦人方はこぞってローランサンに肖像画を注文したのだとか

まさに、女性による、女性のための、女性らしい作品として受け入れられていたのでしょう

Exif_JPEG_PICTURE Exif_JPEG_PICTURE

今回は館長独自の視点として、東山魁夷や東郷青児も取り上げられました。

東山魁夷が描いた白馬シリーズや、東郷青児が描いた物憂げな少女は、どことなくローランサンの作品を思わせる独特の美しさによってファンを得ています。

直接的な影響関係というよりは、多くの人々が理屈抜きで「なんだかいいな」「部屋に飾りたいな」と思うような作品の「愛されポイント」のひとつとして、「ローランサン風」という特徴が共通しているということなのかもしれません。

 

変遷の過程がなかなか面白いマリー・ローランサンの作品。エコパリ展では初期と晩年の二作品を展示しています

同じ作家の作品の画風の違いなどもぜひ比較してみてください

 

【開催中】

北海道立近代美術館・札幌芸術の森美術館コレクションによる

エコール・ド・パリ -パリに咲いた異邦人の夢-

会   期:2016年1月9日(土)~2月28日(日)

開館時間:10:00~19:00 (入館は18:30まで)

休 館 日:月曜日

観 覧 料:一般700円、中学生以下無料

 

 

14. 2月 2016 · 染め花でつくるバラのコサージュ はコメントを受け付けていません · Categories: 展覧会, 教育普及

2016年2月14日(日)

 

次々と開催しております、エコパリ展のイベント。

今回はワークショップ「染め花でつくるバラのコサージュ」です。

講師は「染め花horry」の矢野仁代さんです。

イベントを企画するにあたり、展覧会に合ったワークショップを何かできないだろうか~と思い悩んでいたところ、矢野さんの染め花作品を見つけ、これだとひらめきました。

矢野さんはいろいろな染め花作品を制作されていますが、儚げな造形や美しくくすんだ色合いがどこかエコール・ド・パリの作品と通じるところがあって、とても魅力的です

身に着けられるコサージュは、形に残る展覧会の思い出にもなるのではと思い、講師をお願いするに至りました

IMG_3178

染め花というのは、染料で染めた布でつくった植物のこと(つまり、造花です)

本来は布を染める段階から作業が始まりますが、今回は手軽なワークショップということで、矢野さんが1人ずつにキットを準備してきてくださいました。

IMG_3181 IMG_3206

何種類かの花びら、がく、葉、飾りのリボンなどのパーツを組み立てていきます

IMG_3183

まずは芯に最初の花びらのかたまりを貼り付けて、つぼみのようなバラの核を作ります。

IMG_3189 IMG_3186

次に大輪に咲く花びらのニュアンス付け。5~6枚重なっている花びらの端にボンドを少しつけて、すぐに手のひらでこすり合わせて、あえて「しわ」や「めくれ」を付けます。

そのままでもきれいな花びらですが、この一手間を加えることで華やかさが全然違ってくるんですね

みなさん「ここまでやっていいの…?」とおそるおそるこすっていましたが、思い切ってゴシゴシとしたほうが全体的にきれいなバランスになるようです。

IMG_3192

大きさが少しずつ異なる花びらの束にボリュームが出ました

重なっている花びらはそれぞれ生地の素材も違っていて、それらを組み合わせることで独特の味わいが生まれるんだとか。

すこしだけ濃いピンク色に染められた部分がポイントになっています

IMG_3188 IMG_3197

だんだんと花の形が見えてきて・・・

IMG_3211 IMG_3212

茎や葉、がく、リボン、ブローチピンも取り付けて、完成です!

手作りとは思えないクオリティ、みなさんすばらしいです一番外側の花びらの位置やしわの付け方などでそれぞれの個性が出ます。色は白とピンクから選んでいただきましたが、どちらも素敵に仕上がりました

IMG_3217 IMG_3216

落ち着いた色とデザインなので、どんなお洋服にも合いやすそうです

IMG_3191

10人という少人数制のワークショップで、それぞれのテーブルではわきあいあいと会話も弾ませながら作業を進めている様子がみられました

1時間半ほどで作り上げたコサージュたち、美術館の思い出になれば幸いです

 

【開催中】

北海道立近代美術館・札幌芸術の森美術館コレクションによる

エコール・ド・パリ -パリに咲いた異邦人の夢-

会   期:2016年1月9日(土)~2月28日(日)

開館時間:10:00~19:00 (入館は18:30まで)

休 館 日:月曜日

観 覧 料:一般700円、中学生以下無料

 

 

 

 

 

 

07. 2月 2016 · バイオリン・コンサート はコメントを受け付けていません · Categories: 展覧会, 教育普及

2016年2月7日(日)

 

今日は名古屋出身のバイオリニスト、中川香さんと松本一策さんをお招きして、エコパリ展関連イベントとして「バイオリン・コンサート」を開催しました

DSC_1683 DSC_1666

中川さんは武蔵野音楽大学音楽学部器楽学科を首席で卒業。現在はセントラル愛知交響楽団団員としてご活躍されています。

松本さんは信州大学理学部物理科学科を卒業後、愛知県立芸術大学へ進学。卒業後は自主企画のコンサートをはじめ、レッスン、依頼演奏やアマチュアオーケストラの指導など、後進の育成にも力を入れています。

今回はエコール・ド・パリ展にちなんで、同時代の音楽家やフランスの映画音楽などを中心に、全部で10曲(+アンコール1曲)演奏していただきました

1. ジュ・トゥ・ヴ (サティ)
2. シェルブールの雨傘 (ルグラン)
3. Where is your heart (オーリック)
4. 2台のヴァイオリンのためのソナチネ (オネゲル)
5. 亡き王女のためのパヴァーヌ (ラヴェル)
6. ハバネラ (ビゼー)
7. 月の光 (ドビュッシー)
8. 愛の賛歌 (モノー)
9. 私の心はヴァイオリン (ラパルスリー)
10. ツィガーヌ (ラヴェル)

DSC_1648

先着50名のイベントでしたが、立ち見も出るほど大勢のお客様にお越しいただきました

エコパリの芸術家たちが生きた時代、同じくパリで活動していた音楽家としてよく知られているのはエリック・サティやモーリス・ラヴェル。

少し上の世代にはクロード・ドビュッシーなどがいます。

オネゲル、オーリックは「フランス6人組」と呼ばれる作曲家集団のなかの2人で、彼らはモンパルナスの画家のアトリエで、美術と音楽のコラボレーション企画などもおこなっていたそうです

諸芸術が花開いた20世紀初頭のパリにおいて、絵画や彫刻だけでなく、音楽の世界にも新しい波がもたらされたことがうかがえますし、彼らがアトリエやカフェなどで芸術談義を交わしていたのだろうか・・・と妄想が膨らみます

DSC_1681 DSC_1674

ご夫婦でもあるお二人。息ぴったりの演奏で、会場がパリの空気に包まれました

聞きなれた美しい旋律のメロディーもあれば、20世紀らしい個性的な調性の音楽もあり、エコパリ展の雰囲気をより深く味わっていただけるようなラインナップでした

DSC_1692

とくに、超絶技巧を要するラヴェルの「ツィガーヌ」は圧巻の一言!弾き終わるとみなさんの感嘆のため息が洩れました

DSC_1652 DSC_1696

音楽家や曲のエピソード、練習の裏話などのトークも交えながらの楽しい1時間となりました

展覧会と合わせて、余韻に浸りながらお帰りいただけたのではないでしょうか?

 

残すところ会期もあと20日ほど。

まだ・・・という方も、もう一度!という方も、ぜひぜひお越しくださいませ。

 

【開催中】

北海道立近代美術館・札幌芸術の森美術館コレクションによる

エコール・ド・パリ -パリに咲いた異邦人の夢-

会   期:2016年1月9日(土)~2月28日(日)

開館時間:10:00~19:00 (入館は18:30まで)

休 館 日:月曜日

観 覧 料:一般700円、中学生以下無料

 

 

 

 

 

 

 

31. 1月 2016 · 「まるでパリじゃん!」 はコメントを受け付けていません · Categories: 展覧会, 教育普及

2016年1月30日(土)、31日(日)

 

エコパリ展のビッグイベント、「まるでパリじゃん!」が1月30日(土)、31日(日)の2日間をかけて開催されました

グラフィックデザイン、アートディレクション、イベント企画など幅広く活動するユニット、holidayの堀出隼さんによる似顔絵イベントです

堀出さんはいわゆる「似顔絵師」ではなく、さまざまな活動の内の一つとして、出会った人たちの似顔絵をその場で描く似顔絵イベントを各地でおこなっています。

(※holidayについてはこちら→http://we-are-holiday.com/)

今回はエコール・ド・パリ展の内容に合わせ、モンマルトルやモンパルナスの街角にいるような似顔絵画家をヒントに、お客様がまるでパリの下町にいるかのような気分を少しでも味わっていただきたく、堀出隼もといCROQUIS MONSIEUR(クロッキームッシュ)として似顔絵を描きまくっていただきました!

ちなみに「まるでパリじゃん!」というタイトルも堀出さんのアイデアです。(ダジャレになっているの、気がつきましたでしょうか?)

IMG_3105

似顔絵はムッシュが手にしているトリコロールのカードに描きます。油性ペンで一発勝負。一人当たり5分ほどで完成させます。

(手前のカンヴァスはディスプレイですが、ムッシュの息子さんが2歳のときに描いた作品とのこと。)

IMG_3113

開館直後からたくさんの方にご来場いただき、瞬く間に予約でいっぱいに・・・

IMG_3131 IMG_3147

お一人の方もいれば、カップルやご家族も。なかには「1枚は一人で描いてもらって、2枚目は家族と!」というお客様もいました

性別も年齢層もさまざまで、「美術館で似顔絵」という企画に興味津々。

しかしいざ始まるとけっこう緊張するもので・・・ スタッフも合間に描いてもらったのですが、誰かにずっと見つめられたり、5分間とはいえ目の前の人と言葉を交わさずじっと目を合わせたりというのは思っていたよりもどぎまぎしてしまうことがわかりました。これもひとつのコミュニケーションですね。

 

恥ずかしがりながらもモデルを努めたみなさん。

完成した似顔絵を目にすると思わず歓声と笑顔が!

とても特徴をとらえていて、名前もかっこよくデザインされています

IMG_3145 IMG_3126

 

終日予約は途切れることなく、最終的に2日間で約80人の方に参加していただきました

展覧会を見たついでに寄っていかれた方、イベントを目当てに来られた方、みなさんがとても充実した表情で館をあとにされるのを見て、スタッフも大変嬉しかったです

エコール・ド・パリ展をちょっと異なる視点から楽しんでいただけたのではないでしょうか。

 

描き続けて腱鞘炎になってしまったムッシュも、「楽しかった!」と言いながら帰っていきました。

参加していただいたみなさま、堀出さん、本当にありがとうございました!

 

次のイベントは2月7日(日)14:00~のバイオリン・コンサートです。

名古屋出身のバイオリニスト、中川香さんと松本一策さんによるデュオをお楽しみいただけます。

★料金無料(要観覧料)

★先着50名(当日13:30から整理券配布)

 

 

【開催中】

北海道立近代美術館・札幌芸術の森美術館コレクションによる

エコール・ド・パリ -パリに咲いた異邦人の夢-

会   期:2016年1月9日(土)~2月28日(日)

開館時間:10:00~19:00 (入館は18:30まで)

休 館 日:月曜日

観 覧 料:一般700円、中学生以下無料

 

 

 

 

 

 

 

ツールバーへスキップ