26. 7月 2015 · ミッフィーのキャラ弁をつくって食べよう! はコメントを受け付けていません · Categories: 展覧会, 教育普及

2015年7月26日(日)

 

今日は、「ミッフィーのたのしいお花畑」展関連イベントとして、

「ミッフィーのキャラ弁を作って食べよう!」を開催。

ミッフィーの展覧会で、キャラ弁が作れるの!?と驚いた方もいらっしゃるかもしれませんね。

そうなんです。美術館のイベントとしてはちょっと珍しいと思いますが、

楽しんでキャラ弁を作ることで、ミッフィーの世界に親しんでもらえればと企画しました。

 

会場は、美術館から程近い春日公民館の料理教室です。


集まったのは、あらかじめ往復はがきでご応募いただいた皆さん。

応募者多数につき、抽選によって12組の親子を選ばせていただきました。

(外れてしまった皆さんはごめんなさい!)

まずはみんなエプロンをつけましょう。

Exif_JPEG_PICTURE

講師はキャラクターデザイナーであり、イラストレーターの藤原まゆみさん。

↑ 上の写真のように、ミッフィーのキャラ弁のレシピをかわいいイラスト入りで作ってくださいました。

 

Exif_JPEG_PICTURE

↑ こちらの黄色い服の方が藤原さんです。

キャラ弁作りは、ご自身のお子さんの食が細かったため、どうにかしてたくさん食べてもらいたいと始めたのがきっかけ。

今ではお子さんから「次は○○のキャラ弁作って!」とリクエストがあるそうですよ。

 

Exif_JPEG_PICTURE Exif_JPEG_PICTURE

おにぎりを作る要領で、ご飯をラップにくるみミッフィーの頭の形に整えて…と実際にやってみなさんに説明しています。

興味津々で藤原さんの手元に見入る参加者たち。子どもも真剣です!

今日は、展覧会「たのしいお花畑」にちなんで、

お花畑をお散歩しているようなミッフィーをイメージして作ります。

 

Exif_JPEG_PICTURE Exif_JPEG_PICTURE

まずはおかず作り。ソーセージの断面に切り目をいれて炒めると、

切り目の部分が開いて花びらのようになります。中央にコーンを乗せればお花の出来上がり。

 

Exif_JPEG_PICTURE

他に用意したのは、かぼちゃとピンク色のかまぼこを花型でくりぬいたもの。

それに、にんじんとインゲンを、海苔と卵焼きでくるくるっと巻いたもの。

海苔の端は水溶き片栗粉で留めてくださいね。

プチトマトはミッフィーの足になります。

その右側の赤いパプリカは、チューリップ形に切ってあります。

 

Exif_JPEG_PICTURE Exif_JPEG_PICTURE

お弁当にフリルレタスをしき、ラップでミッフィーの形ににぎったご飯を置いていきます。

ミッフィーの顔、見た目は真っ白ですが、中にはサケフレークが入っていて、味付けもばっちり。

 

Exif_JPEG_PICTURE Exif_JPEG_PICTURE

体には薄焼き卵をかぶせてワンピースに見立て、かわいい丸襟もつけます 接着剤はマヨネーズ!

腕をつけるとより動きがでますよ。

ミッフィーの周りは、先ほど作ったお花で埋めていきます。

 

Exif_JPEG_PICTURE Exif_JPEG_PICTURE

最後に海苔を切って目と鼻をつくります。

この目と鼻の置き方次第で、ミッフィーっぽくなったりならなかったり。。。

ミッフィーがいかに絶妙な目鼻のバランスでできているかが分かります。

 

Exif_JPEG_PICTURE Exif_JPEG_PICTURE

決して珍しい食材や、高価な食材は使っていません。

ランチボックスの中で微笑むミッフィーと、色とりどりのお花。

それだけで、とってもかわいいお弁当になるのです。

 

Exif_JPEG_PICTURE Exif_JPEG_PICTURE

お母さんといっしょにお弁当を作るってたのしいね。

子どもたちはお母さんのお料理の腕前に改めて感心したのではないでしょうか。

 

Exif_JPEG_PICTURE

できたキャラ弁を持って、みんなで記念写真をパチリ。

 

Exif_JPEG_PICTURE

そのままランチタイムとなりました。

食べるのがもったいない!そんな声もあちこちから聞こえましたが、意を決して一斉に「いただきます!」

特別に藤原さんがスープも作ってくださいました おかわり続出。好評でした。

 

またミッフィーちゃんに会いたかったら、夏休み中にぜひ家族で作ってみてくださいね。

みんなが笑顔になること間違いなしです。

 

 

ミッフィーのたのしいお花畑 ディック・ブルーナが描くお花と絵本の世界展

会   期:2015年7月4日(土)~9月30日(水)

開館時間:10:00~19:00 (入館は18:30まで)

休 館 日:月曜日(ただし祝日の場合は開館、翌平日が休館)

観 覧 料:一般800円、高大生700円、中学生以下無料

 

 

 

 

20. 7月 2015 · 〈工作〉消しゴムスタンプをつくろう はコメントを受け付けていません · Categories: 展覧会

2015年7月20日(月・祝)

 

本日「ミッフィーとたのしいお花畑 ディック・ブルーナが描くお花と絵本の世界展」の

関連イベント第一弾となる「消しゴムスタンプをつくろう」を開催しました

       

ミッフィーの生みの親ディック・ブルーナにならって、シンプルな消しゴムスタンプ作りに挑戦

 

消しゴムスタンプの作り方について、少しご紹介します。

まず、鉛筆で紙にイラストを描きます。

ブルーナさんのようになるべくシンプルで力強い線で、凸凹や地と図の関係を意識しながら描くことがポイント

その中から気に入った図柄を選んで、上からトレーシングペーパーをあてて鉛筆で写し、

それを消しゴムの上にのせて転写します。

  

 

さぁ、いよいよ、消しゴムをカッターや彫刻刀で削っていきます

この瞬間は、ちょっとドキドキしますが、慎重にていねいに~

   

消しゴムは黄色と白色の二層になったスタンプ専用のものなので、削った部分が一目瞭然

初心者にもとっても削りやすいんです。

 

最後に、完成したスタンプを使って、オリジナルカードをつくりました

   

スタンプの押し方やインクの色を変えたりするだけで、いろんなニュアンスが楽しめます

言葉を添えれば、一層、気持ちのこもったオリジナルカードになりますよ

ほかにも、封筒や便箋に押してもおしゃれですね

 

みなさん思い思いの素敵なオリジナルスタンプが完成しました

 

今日は開館前から多くのお客様にお並びいただき、ありがとうございました!

残念ながら、定員に達しご参加頂けなかった方、ご興味のある方も、

残り3回開催いたしますので、どうぞ奮ってご参加ください。

 

「消しゴムスタンプをつくろう」

日時:8月2日(日)、9月5日(土)、9月21日(月・祝)10:30~11:30

材料費:200円(観覧料は別途必要)

定員:各日20名 【各日10時から整理券配布】

対象:どなたでも【小学校低学年以下は保護者同伴】

 

 

ミッフィーのたのしいお花畑 ディック・ブルーナが描くお花と絵本の世界展

会   期:2015年7月4日(土)~9月30日(水)

開館時間:10:00~19:00 (入館は18:30まで)

休  館  日:月曜日(ただし祝日の場合は開館、翌平日が休館)

観  覧  料:一般800円、高大生700円、中学生以下無料

 

19. 7月 2015 · 第2回清須キッズアートラボ はコメントを受け付けていません · Categories: 展覧会, 教育普及

2015年7月19日(土)

 

清須市内の小学3・4年生対象の、アートを気軽に楽しんでもらえるプログラム、キッズアートラボ。

全4回のうち今日は2回目です

 

今回のテーマは、「キャラクターをつくろう!」

 

世の中にはたくさんのキャラクターがいますが、それがどのように作られているか、知っていますか?

もちろん、そのキャラクターによって作られ方はさまざまですが、

現在はるひ美術館で開催中の特別展「ミッフィーのたのしいお花畑」展に関連付けて、

ディック・ブルーナが生み出したミッフィーというキャラクターを例に、その秘密に少しだけ迫ってみましょう

まずは、展示室で作品をみるところから

 

ディック・ブルーナは、ミッフィーをはじめとして、

くまのボリスやぶたのうたこさんなど数々のキャラクターを描いています。

そこには、デザインにとって大切なことやキャラクターづくりの基本などが詰まっているんですよ。

 

例えば、ミッフィーの絵本に使われる色。

ブルーナは、赤・黄・緑・青(+茶・灰)という、ごく限られた色数で画面を構成しています。

それぞれの色は、部屋の中や家の外といった環境、

うれしい、たのしい、かなしいなどの感情をあらわしていて、

文字の読めない子どもでも、視覚的にお話のなかに入り込めるよう、工夫されています

 

また、ブルーナが手がけた本のデザインでは、物語の主人公たちが一種のキャラクターとしてあらわされていて、

パイプや黒い外套など、特徴的なアトリビュート(持ち主を特定するモノ)が効果的に使われています。

これがあるから、一目見て、パッと「あ、これは○○のシリーズだな」と見る人は気づけたわけですね。

 

さあ、場所を移して実際にオリジナルキャラクターを作ってみましょう

まずは、ミッフィーのほかに、よく見かけるキャラクターを思い出してみます。

ミッキーマウス、キティー、くまモンなど、私たちの身の回りにはたくさんのキャラクターがありますね。

実はそれぞれに、ちゃんと設定が考えられています。

外見はもちろん、年齢、性格、特技なども細かく決められているんですよ。

 

 

そこでまず、各自がオリジナルキャラクターの設定を考えます。

ワークシートにそのキャラクターの姿や家族構成、得意なことを記入。

 

 

次に、その設定をもとに、オリジナルキャラクターをかたちにします。

ペンギンや電車、キリンやたこ焼きなど、面白いキャラクターがたくさん生まれました。

 

 

鉛筆で線を描いたら、そのかたちに色紙を切り抜いて、貼っていきます。

こうすることで、パキっとした色使いになり、見る人の印象に残るのです。

普段はおしゃべりが弾んで、じっとしていない年頃の子どもたちですが、

このときばかりは静かになって、黙々と作業を進めます。

キャラクター作りにすっかり夢中になっているようですね。

 

 

上の2つの写真、左のイラストは水中を泳いでいるところ、右のイラストは隠れているところ。

右は、金銀の色紙を一枚めくると隠れていた魚が現れる仕掛けです。

みんな、オリジナルキャラクターが特技を披露している場面をイラストにしました。

 

最後にできあがったイラストを貼って、みんなで鑑賞。

1つとして同じものがない、ユニークなキャラクターたちが並びましたよ。

 

今日のキッズアートラボではキャラクターとは何かを学び、

設定を自分で考えイラストにするという一連の工程を体験しました。

日本ではすっかりおなじみのキャラクター。

それらがどのように作られ、なぜこんなにも愛されているかを考えるきっかけになれば嬉しいです。

 

 

ミッフィーのたのしいお花畑 ディック・ブルーナが描くお花と絵本の世界展

会   期:2015年7月4日(土)~9月30日(水)

開館時間:10:00~19:00 (入館は18:30まで)

休 館 日:月曜日(ただし祝日の場合は開館、翌平日が休館)

観 覧 料:一般800円、高大生700円、中学生以下無料

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

07. 7月 2015 · ミッフィーのたのしいお花畑 開幕! はコメントを受け付けていません · Categories: 展覧会

2015年7月4日(土)

 

みなさん、ご存知でしたか?今年はミッフィーが誕生してから60周年の節目にあたります。

当館では毎年夏休みを挟む時期に、家族連れで楽しんでいただける展覧会を企画していますが、

この夏は、「ミッフィーのたのしいお花畑 ディック・ブルーナが描くお花と絵本の世界展」を開催。

今日はそのオープン初日ということで、開会式をおこないました。

 

DSC_0486

この展覧会を一番楽しんでもらいたいのは子どもたち。

というわけで、清須市にお住まいの幼稚園・保育園年長クラスと小学1年生から希望者をご招待しました。

あら、ミッフィーも椅子にちょこんと座っていますね。

 

DSC_0505 DSC_0507

ご招待したお子さまも2人加わって、テープカット。

リボンを切り終えたら、いよいよ「ミッフィーのたのしいお花畑」展の開幕です。

 

DSC_0520

展示室の扉をオープンして、これから約3ヶ月続く展覧会の初めてのお客様が入ります。

 

展示室の中を少しご案内しましょう。

DSC_0535 DSC_0537

ミッフィーの生みの親であるオランダのディック・ブルーナの紹介や、

ブルーナがどうやって絵本を作っているか、その工程をみていただくことが出来ます。

 

DSC_0538 DSC_0533

ミッフィーをはじめとして、絵本の登場人物であるボリスやうたこさん(ポピーさん)を描いた

作品の数々が並びます。

 

DSC_0541 DSC_0544

展示室の一角には読書スペースも。

展示しているイラストが使われた絵本を、実際に手にとって読むことができます。

 

 

DSC_0601

2階では、工作コーナーと写真コーナー、それに読書コーナーがあって、自由に楽しめるスペースになっています。

 

DSC_0605 DSC_0646

↑ こちらは「いろがみワーク」といって、

ミッフィーのイラストに色紙を切って貼って、上から透明シートをかぶせ、

ディック・ブルーナの絵本の作り方が体験できるもの。

 

DSC_0588 DSC_0603

↑ こちらは印刷されたミッフィーの耳をチョキチョキ切り取って、

頭にかぶってミッフィー気分をあじわえる「みみmiミッフィー」。

 

DSC_0653 DSC_0610

ミッフィーやボリスたちと記念写真が取れるステージや、靴を脱いでゆったりとブルーナの絵本が読める場所も。

みなさん思い思いに時間を過ごしていらっしゃいました。

 

これらのコーナーは、他の大きなイベント開催時に一時的にご利用いただけない場合もありますが、

そのほかは会期中ずっとお楽しみいただけます。

 

小さなお子様をお連れの方も、安心してぜひ遊びに来てくださいね。

 

 

ミッフィーのたのしいお花畑 ディック・ブルーナが描くお花と絵本の世界展

会   期:2015年7月4日(土)~9月30日(水)

開館時間:10:00~19:00 (入館は18:30まで)

休  館  日:月曜日(ただし祝日の場合は開館、翌平日が休館)

観  覧  料:一般800円、高大生700円、中学生以下無料

 

 

 

14. 6月 2015 · 第3回清須市4中学校美術部展 小さなアーティストたち はコメントを受け付けていません · Categories: 展覧会, 教育普及

2015年6月14日(日)

 

6月13日(土)、14日(日)の2日間、清須市4中学校美術部展が開催されました

毎年恒例になりつつあるこの展覧会も3回目。

清須市の清洲中学校、春日中学校、新川中学校、西枇杷島中学校の4校の美術部による合同展です

この展覧会は生徒のみんなが主体。展示作業も自分たちでおこないます

作品を仮置きして配置を決め、壁に貼ったりワイヤーで吊ったり。

スペースやバランスを考えるのはなかなか難しい作業ですが、顧問の先生方の指導もあり、さくさくと準備が進んでいました

 

300点近い作品が展示され、いよいよ展覧会がオープン

初日からたくさんのお客様にご来場いただきました

美術部員はもちろん、保護者の方々、お友達もみんなそれぞれの力作を熱心に見て、会話が弾んでいたようです

 

作品は絵画や立体、グループによる合作など学校によってもさまざま。個性が光ります

「技術賞」「にっこり賞」「芸術が爆発で賞」などなど、先生方の審査による賞も付けられています。

こちらは4中学校の部員が共通のテーマで描いたF0号の作品。今年は「わ・た・し」というテーマでそれぞれが表現しました

第1展示室では卒業生も特別参加!高校生になっても制作を続けています。

受付係も生徒たちが交代で務め、しっかりとご案内していました

こんなかわいいオリジナルアンケートボックスも・・・

日曜日の午前中には、春日中学校の吹奏楽部も駆けつけて、展覧会を大いに盛り上げてくれました!

 

美術部員のみんなの今後がとても楽しみな、充実した展覧会でした

部員や先生方はとても大変だったと思いますが、4つの中学校の美術部が学校の外でいっしょに発表の場を持つというのは

刺激的な経験となったのではないでしょうか

素敵な作品を見せていただいてありがとうございましたこれからもみんなの活躍を期待しています!

 

 

【次回の展覧会】

清須市はるひ美術館収蔵作品展 その道の向こうに

会期:2013年6月17日[水]~6月27日[土]

時間:10:00~19:00 (入館は18:30まで)

休館日:月曜日(祝日の場合は開館、翌火曜日が休館)

 

 

 

 

 

 

 

10. 1月 2015 · 木下令子展 アーティストトーク はコメントを受け付けていません · Categories: 展覧会

2015年1月10日(土)

 

現在開催中の『アーティストシリーズVol.75 木下令子展』。

出展作家によるアーティストトークが行われました

 

アーティストシリーズとは、

当館が開館以来継続して開催してきた公募展で、高い評価を得た作家を個展形式により紹介する企画です。

現在出展中の木下令子(きのした れいこ)さんは、

2012年の公募展、第7回清須市はるひ絵画トリエンナーレにて優秀賞を受賞された作家さんです

 

優秀賞を受賞した2011年の作品《fixing》から、2014年の最新作に至る全33点が一堂に会しています。

Exif_JPEG_PICTUREExif_JPEG_PICTURE

 

14時から始まったアーティストトーク。

木下さんによるトークに入る前に、簡単にアーティストトーク&木下さんの経歴についてご紹介

Exif_JPEG_PICTURE

木下さん自身による制作の裏側が聞けるとあって、たくさんの方が参加してくれました!

Exif_JPEG_PICTURE

木下さんの作品の特徴のひとつは、制作技法にエアブラシを取り入れていること。

そんなエアブラシを使って制作された、最初期の作品《fixing》からトークがスタート。

Exif_JPEG_PICTURE

エアブラシ特有の、ぼんやりした、筆触がわからない背景。

白く浮かび上がっているのは、髪の長い人の後姿

その上から、ドリッピングされたり絵筆で描かれた色班が、しみのように重なり、

まるでレンズ越しにみえるピントのずれた風景のような、不思議な景色を作っています。

この《fixing》が優秀賞を受賞したことで、エアブラシという技法をもっとつきつめてみよう、

そう決心がついたと言います。

Exif_JPEG_PICTURE

2012年以降は、布のしわが画面に登場します。

もともと画布にしわが寄るのがストレスだったという、木下さん。

ある日、アトリエに丸まって捨てられていた紙を広げて見たところ、

しわが寄った紙の中に、文字がぼんやりと判別できたそうです。

そんな体験から得た感覚をヒントに、布にあえてしわを寄せ、

その痕跡をエアブラシによって浮かび上がらせる制作スタイルへと変わってゆきます。

吊るしたり、地面においてしわを寄せた布に、外側から徐々にエアブラシで絵具を定着させ、

ひきのばして木枠に固定すると、平面でありながら非常に立体的でオールオーヴァーな画面が現れます

Exif_JPEG_PICTURE

また、この頃から制作に取り入れる素材も多様化。

たとえば、印画紙という光を受けて変色する紙や、日焼けしてぼろぼろになった古本、何かを包んでいた包装紙。

こうした素材を使い、時間の経過そのものや、誰かの手元にあったという由来や痕跡、

そして人と人との日常のやり取りを想起させるような作品を制作しています

Exif_JPEG_PICTURE

それぞれの作品について、丁寧に説明してくれた木下さん。

トーク終了後も、参加者の方が質問をされていました。

Exif_JPEG_PICTURE

 

 

『木下令子展』は1月24日(土)までの開催です。

忘れていた昔の体験や、見落としがちな日常のやり取りを思い出し、

ふりかえるきっかけを与えてくれるような作品がたくさん出品されています。

どうぞ足をお運びください

 

 

【開催中の展覧会】

清須市はるひ絵画トリエンナーレ アーティストシリーズ Vol.75 木下 令子 展

会期:2015年1月6日(火)―1月24日(土)

開館時間:10:00―19:00

休館日:月曜日(祝日の場合は開館、翌火曜日が休館)

観覧料:一般200円、中学生以下無料

 

 

13. 12月 2014 · 三浦高宏展 アーティストトーク はコメントを受け付けていません · Categories: 展覧会

現在、当館展示室2で開催中の『アーティストシリーズVol.74 三浦高宏展』。

アーティストトークが本日開催されました

 

アーティストシリーズとは、

はるひ絵画トリエンナーレで高く評価された作家から厳選して

個展形式で紹介する展覧会です。

三浦さんは、2012年に行われた清須市第7回はるひ絵画トリエンナーレにて

準大賞を受賞されました

今回の展覧会では、東京藝術大学在学時の作品から、

トリエンナーレ受賞の前後作、

そして最新作である2014年の作品に至るまで、

作家の表現活動の軌跡を追うことができます

 

そして、本日は三浦さん自身によるアーティストトーク!

作家から直接制作活動について聞けるということで、

多くの方が参加されました

Exif_JPEG_PICTURE

Exif_JPEG_PICTURE

会場に入ってすぐ目にはいる《足》は、大学在学時の作品

まずはこの作品から説明をはじめ、自分の中でどう意識が変化していったか、

「現実主義」と「ドキュメンタリズム」という

キーワードをつかって説明してゆきます。

作家は、「レアリスム」という言葉が、特に日本の芸術界において

含意しがちな「写真のようにリアルな」作品、「写実主義」ではなく、

マネやクールベにつらなる現実主義としての絵画を追及したい、といいます。

また、現代に生きる作家として、

画像処理やCGなどのテクノロジーに背を向けるのではなく、

それらを制作活動に取り込みつつも、

コマンド・ゼット―すでに出した指示や処理を「元に戻す」機能、が通用しない、

絵具の蓄積としての絵画、不可逆的な絵画を追求しようとしています

 

個々の作品についてもじっくり説明してくれます。

皆さん興味津々

Exif_JPEG_PICTURE

Exif_JPEG_PICTURE

質疑応答では、多くの方が手を挙げて質問してくれました。

作品の構図の問題、

モチーフについて、

自分の気に入った作品について、

アーティストと直接言葉を交わせる機会とあって、

皆さん思い思いの質問をされます。

そうした忌憚ない意見をうけて、

作家も自らの制作活動を改めて言語化し、

ふりかえる機会となるのではないでしょうか。

和やかな雰囲気ながらも、充実したアーティストトークになりました

 

三浦高宏展は今月、12月27日(土)までの開催です。

会期が短くなっておりますので、見逃さないよう是非足をお運びください。

 

【開催中の展覧会】

清須市はるひ絵画トリエンナーレ アーティストシリーズ Vol.74 三浦 高宏 展

会期:2014年12月7日(日)―12月27日(土)

開館時間:10:00―19:00

休館日:月曜日

観覧料:一般200円、中学生以下無料

 

 

 

 

 

16. 11月 2014 · 岡田徹展 ギャラリートーク はコメントを受け付けていません · Categories: 展覧会

2014年11月16日(日)

 

開催中の岡田徹展。

今日は、担当学芸員によるギャラリートークを行いました。

会期中3回目のギャラリートークで、最も多くのお客様に来ていただきました。

Exif_JPEG_PICTURE

展示室1では1930年代~60年代の作品を、

展示室2では1970年代~2002年の作品という風に、年代を追って展示しています。

 

ご遺族から2007~2014年の間に当館へ作品をご寄贈いただき、

現在、美術館としては最も多い計21点をコレクションしています。

本展ではこれに加え、現存する岡田の最も古い作品群を所蔵する岐阜県美術館より

初期作品5点をお借りして展示を構成しています。

 

Exif_JPEG_PICTURE

これらは戦前・戦中の作品。

1930年代、当時最先端の美術運動だったシュルレアリスムが日本にもたらされると、

若き岡田も熱心に研究し、ダリの影響を感じさせる作品を描いています。

 

Exif_JPEG_PICTURE

戦中、シュルレアリスム弾圧事件が起こり、岡田は特高警察に作品を没収され、

ついに返却されませんでした。

また、同じく美術文化協会に所属していた友人の画家は検挙されてしまいました。

自由な制作が許されないこうした過酷な戦争体験を経て、

岡田は戦後、反権力、反戦をテーマとして描いていくこととなります。

 

Exif_JPEG_PICTURE

↑「カラスのシリーズ」は岡田の作品の中で最もよく知られた連作です。

岡田にとってカラスは、黄泉の番人であり、人々を導く知恵者でもありました。

カラスとほおずきは、彼岸のイメージを幻想的に彩るモチーフとして共によく登場します。

 

Exif_JPEG_PICTURE

↑今回ポスターやチラシのメインビジュアルとして使用しているこちらの作品は、

「原爆幻想シリーズ」の一つ。

一見、良く晴れ渡ったさわやかな青空のようですが、よく見ると、

手前では奇岩が空からバラバラと落ちてきているという凄惨な場面です。

奇岩の一つひとつは絶叫する顔であったり、肢体であったり…。

私たち見る者の心をざわつかせ、想像をかきたてる作品です。

 

Exif_JPEG_PICTURE

↑こちらは88歳の時に描き、絶筆となった《呪縛》。

おそらくは未完ですが、却って制作の過程を垣間見ることが出来る貴重な作品です。

様々なものが行く手を阻もうとするなか、もがき苦しみつつも前進しようとする人間。

生(せい)そのものを描いた作品のように思えます。

 

岡田徹は70年にわたる長い画業において、5~10年くらいの周期で、

描くモチーフや描き方をめまぐるしく変えています。

一方で、生涯一貫して人間の愚かさを主題にし、告発し続けました。

本展は、各時期に手がけたシリーズを通して、

画家としての軌跡をご覧いただける貴重な機会です。

ぜひ一度ご覧になり、闘い続けた一人の画家の生き様に思いを馳せてみませんか。

 

 

 

【開催中の展覧会】

生誕100年 前衛を駆け抜けた画家 岡田徹展

会期:2014年10月5日(日)―11月30日(日)

開館時間:10:00―19:00

休館日:月曜日(ただし祝日の場合は開館、翌火曜日が休館)

観覧料:一般500円、中学生以下無料

 

 

 

 

05. 10月 2014 · 岡田徹展オープン! はコメントを受け付けていません · Categories: 展覧会

2014年10月5日(日)

 

本日、企画展「生誕100年 前衛を駆け抜けた画家 岡田徹展」がオープンしました!

岡田徹(おかだ・てつ, 1914-2007年)氏は名古屋で生まれ、シュルレアリスム絵画を追求し、

戦後の名古屋の画壇を、力強く引っ張った画家として知られています。

 

Exif_JPEG_PICTURE OLYMPUS DIGITAL CAMERA

オープンに先立って行われた、開会式の様子をご紹介します。

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

まずは当館館長が挨拶に立ちました。

「前衛を駆け抜けた画家」というタイトルについて、

岡田徹氏の生き様と重ね合わせてつけたことを紹介しました。

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

教育長からは、今秋岡田徹氏のご遺族から清須市はるひ美術館へ、

作品12点を寄贈していただいたことが紹介されました。

2007年、ご遺族からすでに9点ご寄贈いただいていたのと合わせると、

公立美術館の中では最多の、21点を収蔵することとなりました。

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

次に、岡田徹氏ご長男の奥様季美枝さんより、お言葉を頂戴しました。

ご夫妻は、千葉のご自宅に「岡田徹絵画館」を開いて、

とても素敵な空間で作品を公開されています。

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

最後に岡田徹氏が40年以上にわたり代表を努めた団体「美術文化協会」代表の浅野輝一さんが登壇。

岡田徹氏の文章を引用し、どのように絵画と向き合ったかという貴重なお話をいただきました。

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA OLYMPUS DIGITAL CAMERA

テープカットのあと、展示室の扉を開けて、いよいよ中へご案内です

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA OLYMPUS DIGITAL CAMERA

70名を越えるたくさんの関係者の方々がお越しくださいました。

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA OLYMPUS DIGITAL CAMERA

展示室では、現存する最も古い作品《黄昏による暗示》(1936年)から、絶筆となった《呪縛》(2002年)まで、

年代を追って26点の作品を展示しています。

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA OLYMPUS DIGITAL CAMERA

岡田徹氏はとても精力的に活動した画家で、社会情勢や文明、人間のあり方を問う作品を制作しました。

その時々の興味に沿って、テーマも画風も約5年をサイクルに刷新されていきます。

今回の展覧会では、その画風の変遷を、ひと通り辿れるようになっています。

 

生誕100年の節目に、改めてこの画家の生き様を振り返ってみると、

私たちに大切なメッセージを送ってくれているように感じます。

 

皆さんもこの気候のよい時期にお出かけになり、

ぜひ作品と対話をしてみてくださいね。

 

 

【開催中の展覧会】

生誕100年 前衛を駆け抜けた画家 岡田徹展

会期:2014年10月5日(日)―11月30日(日)

開館時間:10:00―19:00

休館日:月曜日(ただし祝日の場合は開館、翌火曜日が休館)

観覧料:一般500円、中学生以下無料

 

 

 

18. 9月 2014 · ムナーリのワークショップ「直接の映写」 はコメントを受け付けていません · Categories: 展覧会

2014年9月18日(木)

 

会期中、合計9回のプログラムを組んだムナーリのワークショップも

9月15日(月・祝)の「直接の映写」で最終回でした。

最終回も定員いっぱいまで申込みがありました

 

Exif_JPEG_PICTURE Exif_JPEG_PICTURE

Exif_JPEG_PICTURE Exif_JPEG_PICTURE

まずは展覧会鑑賞タイム

今回の参加者はいつも以上に元気いっぱいのメンバーで、

こちらの質問にもどんどん手を上げて答えてくれました

作品を見ていろんなことを考え想像する力、そしてそれを言葉にする力。

美術作品を鑑賞するうえではとても大切なことですよね

 

Exif_JPEG_PICTURE Exif_JPEG_PICTURE

鑑賞後は本題のワークショップ会場へ移動し、内容を説明します

「直接の映写」の詳しい内容は前回のブログをご覧ください。

さまざまな素材をスライドマウントの中に挟みこみ、それをスライド映写機で大きなスクリーンに投影します

 

Exif_JPEG_PICTURE Exif_JPEG_PICTURE

スライド映写機を見たことも触ったこともない子どもたちに、

どんな構造で映像が映し出されるのか、実際に触っているところを見せながら説明しました。

コンピューターが主流の現代において、おそらくほとんど見ることのない機械でしょう。

みんな、とても興味深そうに聞いてくれていました

 

Exif_JPEG_PICTURE Exif_JPEG_PICTURE

Exif_JPEG_PICTURE Exif_JPEG_PICTURE

では、実際に投影するためのスライドを作ってみましょう

ということで、まずは学芸員が実演してみました。

前回のブログにも書きましたが、材料は本当にたくさんの種類があります

糸くずや布、お菓子の袋、カラーセロファン、たまねぎの皮、脱色した葉っぱ、紐等々。

光を透過しやすいものや、拡大すると面白そうなものなど集められています。

 

Exif_JPEG_PICTURE Exif_JPEG_PICTURE

Exif_JPEG_PICTURE Exif_JPEG_PICTURE

やり方がわかったら、早速、みんな集中し始めました

拡大するとどんな風に見えるんだろう?と想像しながら、自分の好みの色や形、模様を作っていきます。

 

Exif_JPEG_PICTURE Exif_JPEG_PICTURE

Exif_JPEG_PICTURE Exif_JPEG_PICTURE

アートサポーターのみなさんの指導のもと、一枚だけ入れられるスライド映写機で自分のスライドをチェック

「あれ?想像したのと違うな~」とか「おっ!思った以上にいいじゃん!!」など、

自分の予想通りには映らないスライドを見て大盛り上がり

 

Exif_JPEG_PICTURE Exif_JPEG_PICTURE

そして、いよいよ本番です

各自お気に入りベスト3を選んで映写機のなかに入れていきます。

まずは、全員のスライドを順に見ていきます

きれいなものや面白いものなど、どれも素敵なスライドばかりでした

 

Exif_JPEG_PICTURE Exif_JPEG_PICTURE

Exif_JPEG_PICTURE Exif_JPEG_PICTURE

ひととおり全員のスライドを見た後は、今度は一枚ずつじっくり見ていきました。

誰が作ったのかを聞いて、作者に作品のタイトルをつけてもらったり、どんな音がするのかを聞きました。

でも、自分が作ったはずの作品なのに、どれが自分のだかわからない人も実は大勢いたのです・・・

小さいものが大きくなる。

ただそれだけなのに、与える印象はずいぶん異なることを体験しました

 

Exif_JPEG_PICTURE Exif_JPEG_PICTURE

最後にムナーリさんが機械に関心を持ち、そしてそれを作品やワークショップに

積極的に取り入れていったお話をして終わりました。

iPadやパソコン、ゲームなどで遊ぶことが普通の現代の子どもたちにとっては、

新鮮な遊びのワークショップだったのではないでしょうか

 

これで全9回のプログラムがすべて終了しました。

展覧会開幕前からご予約もたくさんあり、

ムナーリの人気ぶりや保護者の方々の関心の高さを改めて実感しました。

 

清須市はるひ美術館としても、今回の経験を活かして、

日頃のワークショップのなかにムナーリの考えていた「遊び」の要素を取り入れていきたいと思います

ご参加いただいた皆様ありがとうございました

 

 

 【開催中の展覧会】

特別展 ブルーノ・ムナーリ アートのなかの遊び

会   期:2014年7月5日(土)~9月28日(日)

開館時間:10:00~19:00(最終日18:30まで)

休  館  日:月曜日(月曜日が休日の場合は次の平日が休館)

〈インターネット割引券〉

 

 

 

 

 

ツールバーへスキップ