25. 1月 2014 · 第16回館長アートトーク はコメントを受け付けていません。 · Categories: 教育普及

2014月1月25日(土)

 

今年初めての館長アートトーク。

「円空の正体、祈りと創造」というテーマでお話しました。

 

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円空(えんくう)ってご存知でしょうか?

江戸時代、各地を旅しながら木彫りの仏をたくさん作ったことで知られる僧です。

現在でも、円空が彫った素朴で温かみのある仏さまが、お寺や個人宅に多く伝えられています。

 

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円空が生涯に作った仏の数は、半端ではありません。

なんと12万体もの仏像を彫ったとされています。

並外れて多作だったために、現存する像も多いんですね。

とりわけ、出身地である岐阜や、お隣の愛知には作例が多いんですよ。

 

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当館が位置する愛知県清須市にも、円空仏を大切に守り伝えているお寺・栄寿院があります。

スライドでお見せしているのが、その栄寿院さんにある合掌する円空仏。

にっこりと私たちに微笑みかけて、気持ちを和ませてくれます。

スライドの写真は、館長がこのトークの前に栄寿院さんにおじゃまして、

撮らせていただいたものです。

 

円空仏の魅力は、なんと言ってもそのお顔。

ふくよかでにこやか。悩みを吹き飛ばしてくれそうな表情です。

それに、彫りあとが残る木彫の素朴な肌合いと、大胆に簡略化した姿に

とっても親しみやすさを感じますね。

 

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この彫り方は、最初からこうだったわけではありません。

東北地方に多く伝わる初期の作品は、まだ硬直さがあり、

美しく形を整えようとする若き円空の意思が見て取れます。

しかし晩年に近づくにつれ、そうした職人的な几帳面な仕上げから自由になり、

荒削りだけれども味があり、あたたかみのある表現になっていくのです。

 

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このように、見る人を包み込むような表情はどこから生まれるのでしょうか。

館長は、その理由を、円空が手業より先に信仰がある人だったことに由来するのでは?と言っていました。

つまり、ものづくりの人・仏師である前に、祈る人・僧であったからなのではないかと。

 

その祈りが、幾体もの仏のかたちとなって生み出されるのですね。

年齢を重ねるにつれ、作品も堅さが取れ、魅力を増していく。

円空仏そのものが、なぞの多い円空自身の人となりや生き様を語っているようです。

 

 

次回の館長アートトークは以下の内容で開催します。

ぜひ、お気軽にご参加ください!

2月22日(土) 16:00~17:00

「田中一村、孤高なる人生と奄美の風土」

 

 

 

【開催中の展覧会】

清須市はるひ絵画トリエンナーレアーティストシリーズ Vol.73 打田宗平 展

会期:2014年1月30日(木)~2月15日(土)

開館時間:10:00~19:00

休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日)

観覧料:一般200円 中学生以下無料