17. 8月 2019 · みんなと絵本とMAYA MAXX展、好評開催中! はコメントを受け付けていません。 · Categories: 展覧会

どうしてブログって滞ってしまうんでしょうね…世のブロガーさんたちを尊敬します。

 

久々の更新ですが、7月27日から「みんなと絵本とMAYA MAXX」、開催しております!

愛媛県出身、1961年生まれのアーティスト、MAYA MAXXさん。

みなさんどこかで名前を聞いたり絵を見たりしたことあるんじゃないでしょうか。

ロックバンドthe pillowsのアルバム『RUNNERS HIGH』のジャケット、なつかしの番組ポンキッキーズで流れていた『ピ ピカソ』、吉本ばなな『ハネムーン』、山田詠美『AMY SAYS』、北川悦吏子『空から降る一億の星』の挿画、京都駅前地下街「ポルタ」のイメージキャラクター「ポルタん」、CharaのツアーグッズなんかもMAYA MAXXさんが手がけました。

90年代カルチャーのアイコンでもあるMAYA MAXXさんは、デビューから現在に至るまで、ずーっと独学で絵を描き続けています。

そのなかでもとくに今回の展覧会で取り上げているのは絵本!

MAYAさんはこれまでたくさんの絵本を描いてきましたが、原画をお見せする機会はあまりありませんでした。というのも、絵本は印刷された書籍の形になって完成形なので、MAYA さん自身が原画を見せるということにあまり意味を感じていなかったためです。

しかし2018年に月刊誌「こどものとも」にて『さるがいっぴき』が発行された際に、原画の魅力をお見せしたいと思うようになったんだとか。

『さるがいっぴき』福音館書店、2018年

学芸員OがMAYA さんに個展をオファーしたのも、この『さるがいっぴき』に感銘を受けたからです。

とてもシンプルなストーリーがモノクロの画面のなかで展開しますが、1ページごとの力というか、重みというか、とにかく「圧」がすごい。

「生きる」という大きなテーマがたった数枚の紙に凝縮されていて、エネルギーをぶつけてくるような絵本でした。

絵本って、子ども向けでしょ?とあなどるなかれ。MAYAさんの作品は絵本であっても対象は子どもに限られません。むしろ、美術館やアートの存在を難しく考えている大人にこそ見て欲しい。

ものすごく乱暴に言えば、「考えるな、感じろ」タイプの作品です。言いたいことも言えないこんな世の中で、何かに感じることができるって、それだけでいいじゃないか!人間は感動する生き物だ~!と、展覧会を通してお伝えしたい(言わないけど)と個人的には思っています。

MAYAさん自身、近年制作環境が変わったことで、「自分が本当に描きたいものは何か」ということを改めて考えながら自由に制作をしています。

ライブペインティングやワークショップなどではお客様と気さくにお話したりサインしたりしていますが、飄々とフレンドリーに、誰とでもつかず離れず、対等に向き合う姿勢はかっこいいなと思います。

本展では、『さるがいっぴき』、『ぱんだちゃん』、『ばあちゃんがいる』(8月1日発行されたばかり!)、『ねこどんなかお』の4作の絵本原画と、最新の作品を合わせて展示しています。

ワークショップはすでに定員に達していますが、9月15日、9月29日のライブペインティングは申込不要です。午後ずっとMAYAさんが在館されますので、ぜひぜひご本人にも会いに来てください。

 

全館写真撮影可!SNS投稿可!グッズもかわいい!

お待ちしておりま~~す!

 

【開催中の展覧会】

「みんなと絵本とMAYA MAXX」

会期:2019年7月27日(土)~9月29日(日)

開館時間:10:00~19:00(入館は18:30まで)

休館日:月曜日(ただし祝日の場合は開館、翌火曜日が休館)

観覧料:一般700円 中学生以下無料

 

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07. 6月 2019 · 高北幸矢インスタレーション「落花、未終景。」 はコメントを受け付けていません。 · Categories: 未分類

名古屋市千種区にある古川美術館分館爲三郎記念館にて、当館館長・高北幸矢の個展が開催されています。

古川美術館HP

近年、椿、しかも枝から落ちた後の落花をモチーフに作品を制作している高北館長。

花びらが散るのではなく花が丸ごと落ちる落椿は、縁起が悪いと言われることもありますが、枝から離れてもなおさらに大地で美しく咲き誇るその生命力に、惹かれ続けているそうです。

 

今回の個展のタイトルは「落花、未終景。」

造語ですが、「未だ終わらぬ景」という言葉からは、まさに落ちた椿の終わらぬ命を思い起こさせます。

 

《流溜》

一つずつ木彫りでつくられた無数の椿は、さりげなく佇んでいることもあれば、圧倒的な力で迫ってくることもあります。

同じ形のようでいて、一つとして同じ形はなく、一つ一つが人格をもっているようにも思えてきます。

《終景》

生と死は相反するものではなく共存するもの。生があるからこそ死は尊く、死によって生が輝く。

生々流転、諸行無常、輪廻転生。

四季のめぐりの循環を思わせる空間になっていました。

 

会期は7月15日(月・祝)まで。

都会のオアシスのような爲三郎記念館で、静かなひと時をぜひどうぞ(抹茶もおいしい)。

 

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18. 5月 2019 · 清須ゆかりの作家 岡崎達也展 はコメントを受け付けていません。 · Categories: 展覧会, 未分類

令和初のブログです

現在、清須市はるひ美術館では、

「清須ゆかりの作家 岡崎達也展 セラミックデザインとクラフト」を開催しています。

フライヤーなど、じっくりみてもらうと・・・

お分かりいただけたでしょうか!!!!?

・・・開館20周年記念

清須市はるひ美術館は、今年で開館20周年となりました!

おめでたい。

これからもよろしくお願いします!!

さて、清須ゆかりの作家シリーズも今回で、第5弾となりました。

本展では、清須に工房をもつセラミックデザイナーの岡崎達也(おかざき・たつや)さんを

ご紹介しています。

ここでは、展覧会の予備知識として、「鋳込み(いこ・み)」について書きたいと思います。

岡崎さんの作品の多くは、鋳込みという技法で作られています。

鋳込みとは、成形型に泥漿(粘土と水と水ガラスを混ぜたもの)を流しいれ、

型に水分を吸水させて、泥漿を固まらせる方法です。

実際に、5月11日(土)に行われた

公開制作「イコミってなあに?」の様子を辿ってみてみましょう

これが、石膏でできた型です。そこに、ムラができないよう、よく混ぜ合わせた泥漿を流し込みます。

 

流したばかりだと、下の写真のように表面に艶が!

ここから、吸水性のある石膏が泥漿の水分を吸っていき、数分後には・・・

表面がマットな感じになっています。

石膏に近いところから水分が吸収されていくので、

まわりから固まってきます。

時間がきたら・・・なかの泥を流し出します。

そして、縁のまわりに固まったものを取り除き、

バリを取るために水を付けたスポンジでならしていきます。

 

時間を置くと、しだいに型と成形物とのあいだに隙間が生まれ、すぽっと外せます。

 

ポットの持ち手も鋳込みで作られています。

ポットにつけるために、持ち手の微調整が続きます。

持ち手をポットにつけるのも、泥漿です。

 

 

隙間ができてしまうと、後々取れてしまうため、

筆をつかって、隙間を埋めていきます。

注ぎ口も特製の道具で調整。

ああ完成するとこうなります!

形ができあがるまでにも、デザインのアイデア出しや設計、

鋳込みでつかう石膏型の制作、試作など、

数多くの段階があります。

わたしたちの周りには、物があふれかえっています。

ですが、ひとつひとつは誰かがデザインしたもの。

もっと物を大事にしないといけないなと改めて考えさせられました。

【開催中の展覧会】

清須ゆかりの作家 岡崎達也展 セラミックデザインとクラフト

会期:2019年4月20日(土)~6月23日(日)

開館時間:10:00~19:00(入館は18:30まで)

休館日:月曜日(ただし祝日の場合は開館、翌火曜日が休館)

観覧料:一般300円 中学生以下無料

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28. 2月 2019 · 安曇野市での研修会 はコメントを受け付けていません。 · Categories: 教育普及

当館のボランティア組織である清須アートサポーターについて、ブログで発信したりしているせいか(最近あまり記事にしていませんが)、興味を持ってくださる方がたまにいらっしゃいます。

長野県安曇野市の職員の方から、「美術館職員やボランティアさんが集まる研修会で、活動について教えてくれませんか?」というお話をいただきまして、「茅野市美術館に続き再び・・・うちでいいのか??」と恐縮しつつ、お邪魔させていただきました。

長野は日本のなかでも美術館の多い県ですが、とくに安曇野市は「安曇野アートライン」という一帯を築くほどにたくさんの美術館・博物館がぎゅっと集まっている地域です。

美術館同士の連携が強く、ボランティア組織の「ミュージアムサポーター」も一つの館に所属するのではなく、お仕事があるたびに市内の複数の館に派遣されるというスタイルなのだそうです。

このミュージアムサポーターは昨年から始動したばかりなので、今後の活動の参考にするために、他館の例をいろいろと学んでいるとのことでした。

研修会前に寄った安曇野髙橋節郎記念美術館、田淵行男記念館、研修会会場の安曇野市豊科近代美術館。

天気が良くて、北アルプスの山脈が綺麗に見えました!

 

研修会には美術館の学芸員やサポーターの方々20名ほどにお越しいただきました。

当館のサポーターのこれまでの歩み、現在の活動状況、意義や課題など可能な範囲でお話させていただきました。

職員とサポーターとの心理的な距離感やサポーターの活動に対する姿勢に関する質問など、私にとっても勉強になる時間でした。

 

安曇野では、サポーターによる資料調査を展覧会として企画したり(髙橋節郎館で実際に展示中でした)、外国人観光客向けの英語ガイド(!)なども見据えているそう。

ボランティアスタッフの在り方は今後ますます多様になってくるのかもしれません。

当館もまだまだ模索中。現在のサポーターさんたちとの絆を大切にしながら、今後の活動を考えていきたいと気持ちを新たにいたしました。

 

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29. 1月 2019 · 収蔵作品展のワークショップ はコメントを受け付けていません。 · Categories: 展覧会, 教育普及

2019年1月26日(土)

現在、展示室1にて「どこからみる?彫刻・立体作品の魅力」展を

開催しています。

「これまであまり展示する機会がなかった彫刻・立体作品をみせたい!」

という思いのもと、企画しました。

いつも絵画の展示ばかりなので、

彫刻、立体作品の展示はすこし新鮮でした。

どこを正面と捉え、作品の向きはどうするか。

ちょっとした角度の違いが重要で、

作品のもつ迫力や纏っている空気感を生かすか殺すか・・・

ライティングもいろいろ試し、影のでき方をチェックします。

とくに難しかったのは、

渡辺おさむさんの《KARESANSUI》シリーズでした。

名前のとおり、枯山水・・・

「間のとり方が試されている!!?」と

あーでもない、こーでもないとせっせと向きや角度をかえ、

離れて近づいて何度も確認、そして・・・納得のいく位置に。

そして、展示室の床には、なぞのマークが!

大量の「!!(ビックリマーク)」ではありません・・・

鑑賞のお手伝いツールとして足跡マークを貼ってみました。

本展のねらいは、意識してからだを使って鑑賞をしてもらうこと。

絵画作品をみるときも、近づいて画家の筆致をみたり、

離れて構図や色合いのハーモニーをみたり、みなさんも

おそらく知らず知らずのうちに動き回っていると思います。

彫刻や立体作品も、作品のサイズによって

離れたり、近づいたりと作品との距離をかえて鑑賞されることでしょう。

今回はそこにもうひとつ。「上から・下から見ることを追加したい!」と

ワークショップ「どこからみる?からだをつかった鑑賞体験!」の

第1回目を実施しました!

作品の解説をしつつ・・・

こんなことをしたり

・・・こんなことまで!!!

(安心してください。洋服が汚れないようにシートの上です!)

なんともシュールな光景に。

(学芸員Fは、左端ローアングルからの《KARESANSUI》がおすすめ)

上からみないとわからない服の皺の表現。

下からみないとわからない奥行きの表現の仕方。

同じ作品でも、目線の位置や高さをかえることで

作品のみえるものは異なり、印象もがらりとかわります。

このブログを読んで、ちょっと気になったそこのあなた!

2回目の開催が決まっています!

是非お申込みください!!

【ワークショップ詳細】

日 時 : 1月26日(土)、2月23日(土) 各日、10:30~11:30
場 所 : 清須市はるひ美術館 展示室1
参加費 : 無料(観覧料は別途必要)
定 員 : 各日、先着6名(小学校低学年以下は保護者同伴)
申 込 : 電話受付 TEL: 052-401-3881

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おそらく、展示室に横になることができるのは

このときくらいしかないのでは・・・?!

いっしょに好きなアングルをみつけましょう!

【開催中の展覧会】

収蔵作品展「どこからみる?彫刻・立体作品の魅力

会期:2018年12月4日(火)~2019年3月8日(金)

開館時間:10:00~19:00(入館は18:30まで)

休館日:月曜日(ただし祝日の場合は開館、翌火曜日が休館)

観覧料:一般200円 中学生以下無料

F

 

 

 

 

 

24. 1月 2019 · アーティストシリーズVol.88 田岡菜甫展「全く同じ家」 はコメントを受け付けていません。 · Categories: はるひ絵画トリエンナーレ, 展覧会

当館恒例企画のアーティストシリーズは、開館当初からおこなっている絵画(平面作品)の公募展「はるひ絵画トリエンナーレ」の受賞者のなかから選抜してご紹介する展覧会です。

新しい審査体制となった第9回はるひトリエンナーレで大賞を受賞した田岡菜甫さんの個展を開催中です。

大賞受賞作《遠吠え》

田岡さんの作品を予備知識なしで見たとき、「なんだかよくわからないけどなんか変??」みたいな感想を抱く人が多いのではないかと思います。

描かれているものはなんとなくわかるけど、どうやって描いているのか、画面上で何をしているのかがとらえがたいというか、ノイズが入った途切れ途切れの音声のような、捕まえられそうで捕まえられないもどかしさを感じます。

田岡さんの関心は、オリジナリティの追求にあります。

芸術作品である以上それは当たり前といえば当たり前のことなのですが、田岡さんの場合は制作の過程がおもしろい。

例えば、

・実物を見て描いた絵と、描いた絵を見ながらそっくりそのまま写した絵を並べる

・両手で同じ題材を同時に描く

・キャンバスの四辺から異なる題材を描く

・自由に手を動かして引いた線を避けながら、別の絵を重ねて描く

・モノの輪郭線の一部を写し取り、脈絡なく別の部分のラインを繋ぎ合わせていく

・見たことのないものを想像で描く

等々、作品ごとにいろいろなことをおこなっているのですが、すべて描くうえでストレスとなるような行為であることがポイントです。

自分の好きなものを描いたり、思い通りに描くことをせずに、あえて「やりにくい」状態で描くことで、オリジナリティ(制御されてもなお発生してくるもの、癖や無意識の領域にあるようなもの)をあぶり出していく、という手法で制作しています。

田岡さんは、完成した一枚のキャンバスではなく、描く前の画材選びから展示空間にすべての作品を配置するところまでを含んで一つの作品ととらえています。

綿密に練られた展示構成のなかでは、見上げるような高さにある作品や、床に平置きされている作品、壁に立てかけられているだけの作品も。

また絵に描かれた題材の実物や造花などのモノも重要な役割を果たしています。

そういう、「なんか変」な展示のなかで、私たちは否応なく作品とモノを見比べたり、見る角度を変えてみたり、「なんでこれがこんなところにあるんだろう?」とか、「隣同士にあるこの作品たちはこういうところが共通しているな」とか、単純に「なんか変な組み合わせだな~」とか、翻弄されたりヒントを得たりしながら鑑賞していくことになります。

(謎の提灯!)

「全く同じ家」という展覧会タイトルには、コピーやトレース、シンクロといったイメージが含まれていますが、展示の内容と合わせて想像を膨らませていただければと思います。

かめばかむほどおもしろい“スルメ作品”ですので、ぜひ会場にて空間全体をじっくり鑑賞してみてください。

 

【開催中の展覧会】

清須市はるひ絵画トリエンナーレ アーティストシリーズVol.88 田岡菜甫展「全く同じ家」

会期:2019年月1月16日(水)~2月8日(金)

開館時間:10:00~19:00(入館は18:30まで)

休館日:月曜日(ただし祝日の場合は開館、翌火曜日が休館)

観覧料:一般200円 中学生以下無料

 

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24. 1月 2019 · アートサポーター活動「名古屋市営地下鉄壁画めぐり」 はコメントを受け付けていません。 · Categories: 教育普及

今年度もさまざまな活動をおこなっているアートサポーター。

「みんなでどこかにお出かけしたい!」というご要望もあり、プチトリップを企画しました。

サポーターのみなさんは美術館にはよく足を運んでいるので、「美術館・博物館以外の隠れ(?)アートスポット」をお題に、12月の回にみんなで行先を話し合いました。

いろいろ出ましたが、最終的に「地下鉄アート」に決定!

「地下鉄アート」とは、ここでは名古屋市営地下鉄の壁画を指しています。※地下鉄アートという固有名詞が付いているわけではありません。

名古屋市内に住む学芸員Oが、通勤途中に出会う壁画を見ながらなんとなく気になっていたのがきっかけで、候補に推してみました(最終的に私の個人的な趣味にお付き合いいただいた感じに。ありがとうございます!m(__)m)。

名古屋近辺にお住まいの方なら必ず利用するであろう、名古屋市営地下鉄。公共建築によくある壁画が、ここにも設置されているのですが、なかなか面白いのです。

言い出しっぺなので、下調べをして旅のしおりも作ってしまいました。

調べてみると、6路線ある地下鉄のうち、後発の新しい路線である桜通線(1989年開通)に、計画的に壁画が設置されたことがわかりました。

今回は時間が限られていたので、桜通線のうちの7駅をピックアップしてめぐることにしました。

名古屋駅:高松次郎《イメージスペース・名古屋駅の人々》

ハイ・レッド・センターで有名な高松次郎の「影」シリーズがこんなところに。

吹上駅:ウィリアム・マクエルチュラン《“PLEASE DO NOT RUN”》

等身大の金属彫刻が大迫力です。

「そんなに早く走らないで。人生で最も美しいものを見失ってしまうから。」という言葉が添えられています。

 

桜山駅:《桜山物語》

桜が舞い散る金屏風と、その隙間から市電が走る昔の桜山のモノクロ風景がだまし絵のように描かれています。かなりクオリティの高い作品だと思うのですが、作者は不明です。

野並駅:川村秀樹《WHITE CONCEPTION》

セラミックデザイナーが手がけた、ボーンチャイナという高級磁器製の壁面装飾です。野並駅近くに本社がある鳴海製陶が寄贈しています。すべすべした特殊施釉が心地よい。

ところどころにスリットや突起があり、平面に表情を生んでいます。

・・・

このほかに、桜本町駅、御器所駅、車道駅を回りました。

サポーターは清須在住・在勤の方々なので、もともと桜通線を利用することは少ないようですが、「地下鉄にこんな見どころがあったなんて!」と興味津々に鑑賞していました。

なぜ桜通線にまとまって壁画が設置されたのか、他の路線にはどのような作品があるのか、作者がわからない作品などについて、詳しく調べることはできませんでしたが、劣化・損傷が激しい作品や、目に留める人がほとんどいない様子を見ると、これから顧みられることはないのかもしれないなと残念な気持ちにもなりました。

 

普段素通りしているようなところにも、アートがあったりします。

それに気づいたときはちょっとうれしくなりますし、日常の視点がちょっと変わるかもしれません。

 

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21. 11月 2018 · 収蔵作品展「連想ゲーム」 はコメントを受け付けていません。 · Categories: 展覧会

「美術に対する知識がないから、何をどう見たらいいのかわからない。」

お客様からよく言われる言葉の一つです。

学芸員としては「これはですね・・・」とすべてに対して明確にお答えしたいのはやまやまですが、実際のところ私たちにもよくわからないものもたくさんあります。

もちろん、知識があるに越したことはありません。しかし「わからない」から「見ない」のは早計です。

開催中の収蔵作品展「連想ゲーム」は、絵画鑑賞のひとつの楽しみ方を提案する企画です。

タイトルの通り、ゲームのように鑑賞のルール(手順)を設けています。

キャプションにあるキーワードから、連想して作品をつなげていくようなイメージで展示室を進んでいきます。

例えばこちらのキャプション。キーワードが2つありますがサンプルとして「幻想的な赤色」を選んでみましょう。

作品①と②はどちらも同じキーワードが当てはまりますが、①の「幻想的な赤色」と②の「幻想的な赤色」は全く同じではないはずです。

同じ赤色でも、温かさのある夕焼け空のような赤色、鮮烈な血液のような赤色、神秘的な夜の空気をまとう赤ワインのような赤色と、表現はさまざま。

見る人によっても解釈が異なるでしょう。

キーワードを足掛かりにして、共通するところ、違うところを比較しながら鑑賞してみるだけでも、作品を見る行為を主体的に楽しめるのではないかと思います。

ちなみにキーワードの内容は描かれたモチーフや制作技法、作者の心情、作品の雰囲気などさまざまな観点から設定しています。後半になるにつれて難易度が上がります(個人差あり)。

(先日アートサポーターの皆さんにも実践してもらいました。キーワードを選びながら思い思いにうろうろ。)

 

人は一般的に、「理解できること」「知っていること」「見たことがあるもの」に対して安心感を持ち、「理解できないこと」「知らないこと」「見たことがないもの」を拒絶します。

わからないからこそ、見て、感じて、考える(考えてもやっぱりわからなければそれはそれで良いのです)という、ある意味「手間」とも言える作業を惜しまずに、生きていきたいものです。

 

収蔵作品展「連想ゲーム

会期:2018年11月3日(土)~11月28日(水)

開館時間:10:00~19:00(入館は18:30まで)

休館日:月曜日(ただし祝日の場合は開館、翌火曜日が休館)

観覧料:一般200円 中学生以下無料

 

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10. 11月 2018 · 臨時休館中の美術館では・・・ はコメントを受け付けていません。 · Categories: その他

前回のブログから2ヶ月が経ってしまいました。

元永展のみどころをご紹介するはずだったのですが、台風21号の暴風雨を受け、展示室に雨漏りが発生。

そのため、元永展は9月11日(火)より開催中止となりました。

そして、長期間の臨時休館をいただいて、補修工事を行っていました。

不幸中の幸いで、作品に被害がなかったことが何よりでした。

酷暑だった8月からようやく涼しくなってきた9月末、

これから元永展に行こうと予定を立てていただいていた皆様には、

大変ご迷惑をおかけし、誠に申し訳ありません。

「元永展をより多くの方にみていただきたかった。魅力を紹介したかった。

楽しんでいただきたかった。」という思いを抱きながら、

作品のこと、これからの展覧会と美術館のことを考えると、

いま休館することが良いのではないかという判断となりました。

ただただ悔しい気持ちで胸がいっぱいでした。

「台風なんてこなければ・・・」「もっと前から対策ができたのでは?」と

沢山の「たられば」が頭をかすめつつ、臨時休館に伴う普段とは異なる

慣れない業務に追われました(この対応が相応しいのだろうかという不安に苛まれる日々)。

そして、一刻も早く開館できるように、雨漏りの原因解明につとめていました。

ですが、雨漏りの原因解明は一筋縄ではなかなかいかず、

怪しいとおぼしき箇所を補修しては、雨を降るのを待ち、

雨が降ったら、また雨漏り・・・。

「さて、次に怪しいところは・・・」の繰り返しでした。

他にも、建物の図面を引っ張り出してきて、建物の構造を確認したり、

過去の修繕記録を確認して「この建物の弱いところは、ここか」と知ったり。

前向きに捉えるならば、

これまで以上に、はるひ美術館について詳しく知ることができました。

学芸員のお仕事は

「収集・研究」、「展示・公開」、「保存・保管」、「教育普及」とよくいわれますが、

美術館の建物自体を知ることも重要なことですね。

とくに当館のような小さな美術館では、改修する予算を得ることも難しく、

予算が下りずに閉館を余儀なくされることも。

美術館を存続させていくためには、魅力的な展覧会を企画しつづけるだけではなく、建物自体を長く維持することも必要なのです。

今年は、愛知県美術館や豊田市美術館など改修工事で休館する美術館が多いです。

休館のあいだは、展覧会がみられないので寂しい・物足りないでしょうが、

建物自体の長寿命化は、美術館の長寿命化だとポジティブに考え、

次の展覧会を楽しみにゆったりと待つのもいいかもしれませんね。

そして当館は、11月3日(土)より開館しています。なんとか雨漏りがとまりました!!

現在は、収蔵作品展「連想ゲーム」を開催中です。

また、来月12月4日(火)からはお待たせしていた

清須市はるひ絵画トリエンナーレ アーティストシリーズVol.87 田中秀介展」がはじまります!

※当初のスケジュールから変更がありましたので、

新しいスケジュールはこちらからご確認ください。

無事にふたたび開館することができ、美術館スタッフ全員一安心。

(でも、やっぱり元永展中止は悔しい・・・)

これからも、はるひ美術館をどうぞよろしくお願いします。

【開催中の展覧会】

収蔵作品展「連想ゲーム

会期:2018年11月3日(土)~11月28日(水)

開館時間:10:00~19:00(入館は18:30まで)

休館日:月曜日(ただし祝日の場合は開館、翌火曜日が休館)

観覧料:一般200円 中学生以下無料

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01. 9月 2018 · 元永定正展 おどりだすいろんないろとかたちたち はコメントを受け付けていません。 · Categories: 展覧会

元永定正展を7月14日(土)より開催しております!

外観風景 

具体美術協会(略称、具体)の代表的なメンバーでもあり、

人気絵本『もこ もこもこ』(文・谷川俊太郎)の絵を担当された元永定正さん(1922-2011)。

本展では、絵本原画を入口として元永さんの多岐にわたる作品をご紹介しています!

本展は4つのチャプターで構成しています。

 

あああ

▶Chapter 1 おと と かたち

展示風景

ここでは、絵本原画を展示しています。

 

元永さんは、「これまでにないものをつくる」というモットーを掲げていた具体に参加していました。

その精神は具体を脱退後も引き継がれており、抽象画の絵本をつくることとなりました。

『もこ もこもこ』では、オノマトペと何にでも見える生き物が登場します。

みなさんは、何にみえますか?山?パックマン?切れ込みのあるかまぼこ??

元永さんの作品には、何にでも見える抽象的なかたちがたくさん登場します。

特にみどころは、『ころころころ』(どれも、みどころですが)!!!

《ころころころ》の展示風景

回は、都合上一列に展示することができなかったのですが、

実は、ページの終りの道の高さと、次ページの道のはじまりの高さが

同じで、絵本のページを追うと一本道になるようになっています。

凸凹の道や下り道、雲の上の道など、いろんなところを転がる色玉たち

転がる道に意識すると、自然に「ころころころ」の読み方も変わるのではないでしょうか?

▶Chapter 2 空間 を あそぶ

ああ

ここでは、立体物と色玉シリーズの作品を展示しています。

展示している《ななころびやおき》と《もーやんるーれっと(黒)》は実際に触ってお楽しみいただけます。

《ななころびやおき》は靴下のようなⅬ字型をしており、おきあがりこぼしなのです!

時間があれば、ずっと作品をゆらゆらしていたくなります。

\\ そして、なんといっても今回の目玉はこれ!!//

展示風景

《いろだまごまいしろ》(内4枚のみ展示)と《いろだまボール》です!

平面に描かれた色玉が実際に木製の色玉となって床を転がり始めました!

色玉は元永さん作品によく登場するモチーフのひとつです。

神戸の摩耶山のてっぺん辺りに輝くネオンの光からインスピレーションを受け、

ひっくり返したお椀のようなものの上に色玉をいくつか乗せた作品を描きました。

そこから色玉は絵画作品のみならず絵本『ころころころ』にも登場します。

展示室を転がっているカラフルな色玉は、なんと240個

触りたくなるのですが、この作品は触れません・・・!!

とある日、保護者の方に止められながらも、

「靴を脱いだら入れるのでは?」と考えた幼児が頑張って自分の靴を脱ごうと

している姿が微笑ましくも、「酷なことをしてしまった!?」と

思わずにいられませんでした。

(そのかわり、2階のさわったり踏んだりするコーナーでしっかりと遊んでもらいました

\\ 子どもたちに大人気!!!//

名古屋芸術大学の学生さんがつくってくれました

ああ

▶Chapter 3  いろ と かたち

ここからは、もうひとつの展示室に移動します。

一番大きな作品(Chapter 4 で説明)以外は、版画作品です。

いろいろなかたちを見てもらおうと、ランダムに配置しています。

絵本に登場していたかたちや、よく登場する「Q」のようなかたち。いろいろと探してもらうと面白い・・・!

元永さんは、水たまりのかたちや壁の染み、傷など自然の中から

たくさんのかたちを見つけ出し、ヒントにしていました。

水たまりのかたちなんて、なかなかじっくり見る機会はないですよね。

意識をすると、身の回りに面白いかたちが溢れているのかもしれません。

 

ああ

▶Chapter 4 理屈のない世界

ここでは、唯一、具体参加当時の作品を展示しています。

具体は、1954年に結成された関西の前衛美術グループです。

リーダーは吉原治良(よしはら・じろう)で、グループのモットーは

「これまでにないことをすること」、「他人の真似をしないこと」でした。

グループのメンバーは、足で絵を描いた白髪一雄(しらが・かずお)、

木枠に貼ったハトロン紙(計42枚)のあいだを突っ走って紙を破いた村上三郎(むらかみ・さぶろう)がいました。

それを聞いた人は、きっと「???」「なにがアートなの???」となってしまうのではないでしょうか。

ですが、彼らの中には確たるものがありました。それは、「精神と物質」についてです。

「具体美術は物質を変貌しない。具体美術は物質に生命を与えるものだ。具体美術は物質を偽らない。

具体美術に於ては人間精神と物質とが対立したまま、握手している。物質は精神に同化しない。

精神は物質を従属させない。物質は物質のままでその特質を露呈したとき物語りをはじめ、絶叫さえする。

物質を生かし切ることは精神を生かす方法だ。精神を高めることは物質を高き精神の場に導き入れることだ。 」

(「具体美術宣言」『芸術新潮』1956年12月号)

物質(絵具や紙など)を何かの表現するための道具として扱うのではなく、

精神を表現するときの相棒として物質と向き合っていました。

物質性を強調する白髪さんの盛り上がった絵具、

自らの身体・精神と物質を衝突させた村上さん。

そういった視点でみると、彼らの作品はとても面白いんです。

さて、本チャプターで展示している《作品》をみて、

元永さんの物質との関わり方を感じてみてください。

元永展のみどころはまだまだありますが、

とても長く書きすぎてしまったようなので、また次回に。

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【開催中の展覧会】

元永定正展 おどりだすいろんないろとかたちたち

会期:2018年7月14日(土)~9月30日(日)

開館時間:10:00~19:00(入館は18:30まで)

休館日:月曜日(ただし祝日の場合は開館、翌火曜日が休館)

観覧料:一般800円 高大生600円 中学生以下無料