29. 3月 2020 · 美術館で「よくみて、考える」ということ はコメントを受け付けていません。 · Categories: 未分類

こんにちは。

 

前回のブログ(http://museum-kiyosu.jp/blog/curator/)の通り、学芸員のFさんがご卒業されました。

そしてこのブログを書いている学芸員IがFさんの後任として、今後みなさまに美術館のいろいろを発信していきます。

 

3月のはじめ、この美術館にやってきましたが、

残念なことに、コロナウイルスの影響で臨時休館することになってしまいました。

そして臨時休館は4月末まで延長になりました。

 

今日は寒いですが、だんだんと春が近づいてきています。美術館近くでは菜の花が咲いています。

 

さて、今回は新たにやってきたIの今後の抱負を綴っていきたいと思います。

わたしの抱負は、

 

美術館での活動を通じて「よくみて、考える」経験を多くの方々と共有すること

 

です。

 

突然の質問ですが、日常のなかで、なにかを「よくみる」ことはありますか。

 

忙しない日々を過ごしていると、ふぅと気持ちを落ち着けて、なにかをじっとみてじっくり考える機会は少ないように思えます。

 

わたしは、作品をよく知るためには、「よくみて、考える」ことがとても大切だと考えています。

作品のキャプションに記載された「情報」も重要ですが、

まず自分の目で作品をよくみて、なにがどんなふうに描かれているのか確認し、

そこから疑問や気づきをみつけることが、作品の深い理解につながると思います。

 

作品は必ずしも誰がみても明らかな表現をしているとは限りません。

そのため、作品をみたときに、人によって異なることを感じ、考えることは不思議なことではないのです。

 

作品はみる人に多様な解釈をもたらすという前提で、他人と共に作品をみると、

自分とは異なるみかたや意見が現れたとき、

「こんなみかたもあるのか!」とわくわくすると思います。

多様な意見を共有し、尊重し、楽しむことは、

自分とは異なる意見を排除する傾向にある現代において、とても大切だと思います。

 

来館された方が、美術館で「よくみて、考える」経験をし、

その経験を普段の暮らしにまでつなげ、

日常がわくわくすることに包まれるような展覧会やイベントを企画していきたいと思います。

 

美術館でわくわくしましょう。

 

I

26. 3月 2020 · 【卒業ブログ】展覧会から溢れる学芸員のカラー はコメントを受け付けていません。 · Categories: その他

2020.3.26

本日をもって、学芸員Fは清須市はるひ美術館から卒業します。

新型コロナウイルス感染の拡大防止のため、今月末まで臨時休館中・・・。

来館者の方やサポーターの方にもう会うことなく、去るのか・・・と、大変名残惜しく、

ブログで思いを綴っていこうと思います

このブログでは、Fが企画してきた展覧会を振り返りながら、

展覧会から滲み出る担当学芸員の個性・こだわり・モットーの面白さをお伝えしたいと思います。

また、学芸員について少しでも馴染みを持ってもらえる機会になれば幸いです!

わたしが、清須市はるひ美術館にきたのは2016年12月のことです。

(それまでは大学院で19世紀フランス美術(特にドガ)の研究をしていました。)

ここでわたしが企画・担当した展覧会は・・・

〇収蔵作品展「四季と日本画、ふたつの移ろい―星野逸朗コレクションを中心に―」

〇特別展「イラストレーター 安西水丸―漂う水平線(ホリゾン)―」

〇企画展「清須市はるひ絵画トリエンナーレ アーティストシリーズ Vol.84 生川和美」

〇企画展「清須市はるひ絵画トリエンナーレ アーティストシリーズ Vol.86 野中洋一」

〇特別展「元永定正展 おどりだすいろんないろとかたちたち」

〇企画展「清須市はるひ絵画トリエンナーレ アーティストシリーズ Vol.87 田中秀介」

〇企画展「清須市はるひ絵画トリエンナーレ アーティストシリーズ Vol.89 堀至以」

〇収蔵作品展「どこからみる?彫刻・立体作品の魅力」

〇企画展「清須ゆかりの作家 岡崎達也展 セラミックデザインとクラフト」

〇収蔵作品展「はるひ美術館の足跡」

〇企画展「嗅覚のための迷路」

〇企画展「清須市はるひ絵画トリエンナーレ アーティストシリーズ Vol.92 羽尻敬人」

〇収蔵作品展「つなげる、過去から未来へー作品の修復ー」

みなさん、いくつ来ましたか?

当館に在籍している学芸員は2名。

1年に開催する展覧会(6本くらい)を交互に担当します。

(したがって、大体1年3本を担当することに!)

ほとんどの方は、展覧会を見にいって「これは学芸員の○○さんが担当したんだ~」と

考えることはないと思います(同業者間では、結構考えたりします)。

作品の魅力を引き出す企画・展示を考えるのは学芸員の仕事では当たり前ですが、

やはりわたしたちも人間。担当者のこだわりや好みはあります。

作品の見せ方、空間作りは個人によってどうしてもかわってくるのです。

わたしが展示構成を考えるときには、まず、第一印象を大切にしています

展示室に足を一歩踏み入れたときの「わぁ!」という気持ち。

なんかよくわからないけれど「楽しそう!」と思ってもらえる空間。

わくわくした気持ちで美術館に来てほしいと常に思っています。

たとえば・・・

▲元永定正展(2018)の展示室2

本展では、メインとなる作品をはじめにもってきて、来館者をお出迎え。

入ってすぐに壁を立てて、全体をすぐに見渡すことができないようにしました。

そして壁の向こうには、広がる色の海

章解説は、ポンジ生地のものを天井から吊るしました。

 

実はこれ、前年に開催した安西水丸展でもやっていました(笑)

▲安西水丸展(2017)

そう。わたしは、これがだいすきなんです!

静的な展示室で風に揺れる章解説。

動きのあるものが存在すると、展示室の空気がスッと抜けるような、

なんともいえない安心感がでていいなと気に入っています。

(とはいえ、動くから少し読みにくいですよね・・・すみません。)

また、ここでは・・・

▲元永定正展(2018)の展示室1

わたしの優柔不断さが・・・(笑)

本当にいいものって、ひとつに決められない。

そこはいっそ欲張りになって、全部みせちゃえ!と考えています。

▲元永定正展(2018)、岡崎達也展(2019)のフライヤー

これらも、決められなかった例のひとつです。

バリエーションのあるフライヤーになりました。

元永定正展に関していえば、左は大人向けで、右は子ども向けのつもりでつくりました。

フライヤーを手に取るときも、選べた方が絶対に楽しい!

展覧会が開幕する前からも楽しいという感覚を味わってもらいたかったのです。

さて、

「で、Fともうひとりの学芸員Oとの違いは!?」と気になりますよね。

このブログを書くにあたって、過去の展覧会の写真を見直したり、

Oさんに「展示のときに気にしていることは?!」と(いまさらながら)聞いたりして、

(後任の学芸員Iさんがナイスなことをいってくれたおかげで!!)わかってきたのは、

「調和」の違いでしょうか。

わたしの展示は、

建物や展示室に作品が馴染むような「空間を統一する調和」だとすると、

学芸員Oさんの展示は、

建物や作品の新たな面をみせるような「メリハリある調和」といえるのかもしれません。

 

学芸員Fの場合・・・

▲元永定正展(2018)

トイレの鏡に丸いカラーシールで、絵本『ころころころ』にでてくるシーンを再現。

▲いろんなかたちと素材を楽しむスペース。

\わたしは、館内全体を展覧会カラーに染めるのが、とにかく好きでした。

(ボールと友だち・・・ならぬ、建物と友だち

「○○の空間には、こういうスペースが似合いそうね」とか考えたり・・・

展覧会をみて得た気づきや感動、学びを展示室のなかだけで完結させたくない。

家まで、(なんなら今後の人生まで)持ち帰ってもらえればと思って企画しました。

 

一方、学芸員Oさんは・・・

MAYA MAXX展(2019)

作品に合わせて片方の壁色を黒色に!!

宮脇綾子展(2017)

一点一点、作品の魅力を損なわないように、かつ単調にならないように、展示に緩急を付けています。

(ちなみに、学芸員Oさんは段違いに展示するのが好き

▲宮脇綾子展と同時開催していたモンデンエミコ展(2017)

モンデンさんが1日1点ずつ制作している《刺繍日記》。

カレンダーに見立てて展示することで作品の日記的要素を提示したり、

▲モンデンエミコ展(2017)

作品にも使われている赤い糸を作品を囲むように巻き付け、

結界のかわりにしたり。

(ここでは、モンデンさんの一日一日の出来事に注目してもらいたかったようです。)

 

一言断りをいれておきたいのですが、

もちろん個人の「好き」ですべて展示しているわけでは決してありません。

「どの作品を展示すべきか、その作品をどうみせるか」が第一にあって、

その手段としてよく使う(好きな)方法があるというお話になります。

そこには担当学芸員の個性が溢れていて、そこが魅力だったりするのだろうと思います。

それから、展覧会の企画内容について。

とりあえずわたしは、「やったことのないことをやってみたい!」という挑戦心が

強くありました。

▲収蔵作品展「どこからみる?彫刻・立体作品の魅力」

当館は、公募展「清須市はるひ絵画トリエンナーレ」をベースに作品をコレクションしているため、収蔵作品は平面(絵画や額に入った作品)がほとんど。

わずかに収蔵している立体作品を展示する機会はあまりありませんでした。

▲収蔵作品展のイベント様子

「彫刻をあらゆるところから見てほしい」と思い、展示室で横になるワークショップを企画・・・!

大変シュールな光景となりました。

 

▲嗅覚のための迷路(2019)展示室2

「嗅覚のための迷路」展では、

スマートフォンやパソコンといったデジタル画面をみることに辟易し、

視覚情報ばかりで目も心も疲れた・・・という日常での気づきと、

パリの香水博物館での経験が加わり、「嗅覚をつかった展覧会がしたい!」と

企画を進めていきました。動機はほんの些細なことなんです。

進めるうちに、越えなくてはならない壁がいくつも出てきました。

たとえば、

「香りアレルギーの方が来た時の対応はどうするのか」

「何かあったときは誰がリスクをとるのか」

「木で迷路をつくるには、予算が足りない!でも展示したい!」

(実際には、当初予定していた作品3点のうち2点を変更することに)

展覧会が開幕できるか、白紙になるか、

それは結構、担当学芸員の熱量&愛にかかっているのかもしれませんね。

(もちろん、作家さんやまわりの力も必要ですが!あとは運!!)

学生の頃から、ずっとなりたかった学芸員。

そのデビューがはるひ美術館で本当によかったと思っています。

わたしは本日で、はるひ美術館とさよならですが、

学芸員Fの担当した展覧会が好み!という、そこのあなた!!

近い将来、「この展覧会気になる~」と思ったものが

実はわたしの企画だったりして・・・!なんて。そうなるといいですね。

 

展覧会は一人では決して作り上げることはできません・・・

いつも応援してくださっている、はるひ美術館ファンの皆様!!

(美術缶アンケートやTwitterなど全部読んでおります!心の支えでした。)

収蔵作家の皆様に、サポーターさん、展覧会に携わってもらった全ての方々、

そして、美術館スタッフの皆さん。

本当にありがとうございました!

はるひ美術館で学芸員として過ごせてしあわせでした。

またどこかでお会いしましょう。

 

清須市はるひ美術館学芸員

藤本 奈七

 

 

 

05. 1月 2020 · 想いを伝えるために はコメントを受け付けていません。 · Categories: その他

12月の半ばに、全国美術館会議の学芸員研修会に参加しました。

毎年異なるテーマが設定されるこの研修会。今回は「大規模災害被災地における学芸員の役割を知る」というお題でした。

会場は東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県気仙沼市にある、リアス・アーク美術館

これまでに何度も津波を経験している土地の在りようを、歴史的・文化的に伝えるため、震災直後から膨大な記録による調査・研究をおこない、常設展示として展開している館です。

(美術館の取り組みについは、学芸員の山内宏泰さんが詳しく語られていますのでぜひ。https://artscape.jp/report/curator/10156245_1634.html

防災や歴史教育の観点から災害が扱われることは一般的ですが、美術館として災害をどのように伝えていくのか、学芸員として何ができるのかということはとても難しい問題で、学芸員個人がスキルを磨けばどうにかなるというものではありません。

実際、震災当時は美術業界やアート界隈が自粛ムードになり、「こんな大変なときに芸術なんて」という空気があったように思います。

しかしそれでも、何年か経った後に必要になるのは、記録であり記憶です。「〇〇年にこんなことがあった」という客観的事実だけでなく、「このときに、人が何に対しどのように向き合い、感じ、考えたのか」というとてもナイーブなことを可視化し、表現し、共有することが人間には必要なのだということを登壇者の皆さんが口々におっしゃっていました(登壇者の立場は研究者、学芸員、自治体職員とそれぞれですが、皆さん自身、自宅が流されるなど被災者でもあります)。

過去・現在を含め、人の生きた証としての文化を守り未来へ伝えていくことがミュージアムの役割であるとすれば、私たち学芸員こそが「伝承」に際しできることがあるのではないかと考えさせられた、とても濃い研修会でした。

 

2019年、震災の記憶を伝えるための新たな施設「気仙沼市 東日本大震災遺構・伝承館」が新たにオープンしました。

海岸のすぐそばに位置し4階まで津波が到達した気仙沼向洋高校の旧校舎を遺構としてそのまま残し、映像や写真で生々しく震災の様子を伝える伝承館は、市の依頼で計画段階からリアス・アーク美術館が協力して、学芸員のマインドが全面的に生かされたそうです。

知識や数字で学ぶだけでなく、心で感じてほしい、体感してほしいという意向から、被災物が物語る強さや被災者の思いがダイレクトに伝わる施設になっています。

震災遺構はまさに衝撃的。

教室のなかに丸太や車が流れ込んできています。

津波によって流れてきた別の建物が外壁にぶつかってえぐれたんだそう。金属の手すりのポールが針金のようにぐにゃぐにゃ。

 こんな目を疑うような光景も。

震災直後は地域全体がこんな感じだったんですね・・・

 

災害後にもっとも危惧されるのは風化。伝承にあたり必要になるのは、想像力、表現力、感性、主観といった、アートにも通じるキーワードです。きれいごとにも思われるかもしれませんが、物事を他人事ではなく自分事として考えるには、結局「想い」や「心」に行き着くんだなと感じました。

遺構の屋上から見た穏やかな海と、早朝運よく見られた気嵐(けあらし)。

 

 

O

05. 12月 2019 · 「学芸員は展示作品」 はコメントを受け付けていません。 · Categories: 展覧会, 教育普及

今週末(12月8日)で企画展「嗅覚のための迷路」(以後、嗅覚展)も閉幕します。どの展覧会でもそうなのですが、会期が終わりに近づくと寂しくなるものですね。

前回のブログには、展覧会紹介と企画した背景について書かせていただきました。今回は、本展で新しく挑戦した「視覚障がい者向けのガイドツアー」について書きたいと思います。

嗅覚展の開催が決まったと同時に、やってみたいと思ったことが、視覚障がい者向けのイベントでした。

これまで、絵画から彫刻、映像と幅広いジャンルの展示をおこなってきましたが、視覚障がい者の方が来館されたことは(私の知る限り)ほとんどありませんでした。

嗅覚を使った鑑賞であれば、障がいに関係なく鑑賞していただけるのではと、ぼんやりと考えていました。しかし私自身、障がいをもっている方を対象としたイベントを企画したこともなければ、参加したこともない・・・

そんな時、あいちトリエンナーレで視覚障がい者向けイベントを実施すると知り、お邪魔させていただけるかアタック。ありがたいことに研修から参加させていただくことができました。本当に感謝しています。

研修では、視覚障がい者の方が普段どういった生活を送っているのか(たとえば、蛍光灯がまぶしくてサングラスをかけることがある、エレベーターやエスカレーターよりも階段のほうが安心するため利用することが多い、などなど)を知りました。

ほかにも、案内をする際は、どんな道を歩くのか、凹凸や傾斜の有無を確認したり、「10mくらい歩きます」など距離を具体的に伝えたり、どれくらいの広さの空間なのか数値で表したり。当たり前のことですが、言われないと気づかないことばかりでした。

「いざ企画するぞ!」となったものの、今回の展示作品の説明は特に難しかったです。たとえば、展示室2の《嗅覚のための迷路 ver. 4》では・・・

「天井から小瓶が108個ぶら下がっています」という説明だけでなく、どのくらいの大きさの瓶がどういった状態でぶら下がっているのかを伝える必要があります。

「碁盤の目のように規則正しくぶらさがっていて、1列に6つの瓶がぶら下がっています。それが18列あります。瓶と瓶の間は70センチです。」

どんな言葉を使えばいいのか・・・。誤解のないように伝えるには・・・。

もうひとりの学芸員に目を瞑ってもらい、練習を重ね、二人でどういった言い回しがいいのか考えました。

そもそも、当館の建物は特殊な形をしているので、手で触れる模型をつくってまずは建物のかたちを理解してもらおう!というところから始めました。

この模型もどういう風につくればいいのか試行錯誤しました(平面図の建物の輪郭に紐を貼り付ける?あるいは平面図の裏から鉛筆でつよくなぞって立体的にしてみる?などなど。→結果、全体を把握しにくいため没!ダンボールで外形を切り抜いてみました)。

そして、いざ本番!!

まず、当館がどういった建物、空間なのかということを模型を使いながらお話しします。

模型の緑マークは、作品のある場所を指しています。事務所にあった丸シールを何枚も重ねて貼り、ぷっくりとさせました(今、自分がどこにいるのか、今からどこに向かうのかをイメージしてもらうため)。

《嗅覚のための迷路 ver. 4》鑑賞中

腕を広げて、身体に当たった瓶を嗅いでいってもらいました。

「さっきよりも匂いが濃いかな~」なんて話しながら、一つずつ匂いを確認します。

実際のお花見では、手に取れる高さの桜の枝をもって匂いを嗅いでいるそうです。

《嗅覚のための迷路 ver. 5》鑑賞中

珪藻土マットを触って、どれくらいのサイズのマットが敷き詰められているのかをイメージしてもらいます。

そのあとに、それぞれのスリッパの色をお伝えしながら匂いを嗅いでもらい「あぁ~、これは何の匂いだっけ?」としっかり悩んでもらいました。

そして、スリッパを履いてナビゲートをしながら足跡をつけてもらい、さっき歩いたところを匂いだけで辿ります。ゴールまで辿りつけるかは、人それぞれ。

《OLFACTOSCAPEーローズ香の分解ー》鑑賞中

カーテンに触れながら8つの香料を嗅いでもらいました。

匂いは混ざり合っていると知る機会になった!と喜ばれていました。

目には見えない匂いだからこそ、障がいの有無に関わらずフラットに共有できる。嗅覚アートの可能性をまた一層強く感じました。

↑ 談笑中。嗅覚に関するエピソードなど。

最後に参加者の方から胸に刺さる言葉をいただきました。

「私たちにとって、学芸員は展示作品なんです。」

「学芸員の話を聞くこと、コミュニケーションをとることが面白い。美術館に行けば会える学芸員は作品と同じ。」

学芸員は癌だと言う人もいれば、作品と言う人もいる。ほんとうに面白い職業です。

みなさまにも、嗅覚アートの可能性を是非感じていただきたいと思います。

お待ちしております。

【開催中の展覧会】

「嗅覚のための迷路」

会期:2019年10月12日(土)~12月8日(日)

開館時間:10:00~19:00(入館は18:30まで)

休館日:月曜日(ただし祝日の場合は開館、翌火曜日が休館)

観覧料:一般500円 中学生以下無料

F

15. 11月 2019 · 特別編 誠信高等学校インターンシップ② はコメントを受け付けていません。 · Categories: 教育普及

11月13日(水)

午前は学芸員Fへのインタビューということで、学芸員になった経緯や仕事のやりがいなどお話ししました。

「一番好きな作品はなんですか?」という非常に難しい質問がでたり(ひとつに絞れない・・・)、「過去に戻れるとしたらいつがいいですか?」という質問も。(「過去には戻りたくない」と答えて生徒たちを少々困らせた・・・)

話をしていくうちに、

今の高校生がどういった考えをもっているのか(入試制度に対してなど)、

何に関心を示しているのかを知ることができ、こちらにとっても収穫の多いものになりました。

そして午後からは、アートサポーター活動に参加してもらいました。

スペシャルゲストとして、清須市にゆかりのある作家・富永敏博さんに来ていただき、これまでの活動や作品についてお話しをしていただきました。

↑ 富永さんのポートフォリオに食いつくサポーターとインターン生。

この日は、作家/サポーター/学芸員と立場の異なる人の話を聞くことができ、さまざまな考え方の人がいるのだと感じたのではないでしょうか。

11月14日(木)★最終日★

本日は、高校生を対象にした展覧会・ワークショップを企画してもらいました。高校生が関心を持つものをピックアップしていき、そのなかでも自分が伝えたいものを決めてもらいました。

途中、他のインターン生からコメントをもらったり、

学芸員と相談したり・・・と、4時間ほどじっくり考えてもらいました。

アニメや漫画の展覧会や、スターバックスをメインとした企画も・・・!!

こちらが浮かばないような斬新なアイデアがたくさんありました。

「自分は何を伝えたいのか」「何が好きなのか、興味があるのか」と自分を知るきっかけにもなっていたら嬉しいです。

以下、インターン生の感想です。

【インターン生/Mさん】

今日は、高校生が興味をもつ展覧会・ワークショップについて考えました。私は「スターバックス展」というのを企画したのですが、想像よりも考えるべき点が多くあり大変でした。「スターバックス」と「アート」のつながりを見出すために、さまざまな「アート」について調べました。調べていくと、フードアートやレシートアートなど、聞いただけでもワクワクするようなアートを作り上げている作家さんがいて面白かったです。

他の3人の考えた企画案も聞き、みんなで意見を出し合い、学芸員の方にもアドバイスをいただきながら、それぞれの企画の現実味が高まっていくのがとても楽しかったです。自分が考えたものを実際に形にする難しさとともに、形になればどれほど嬉しいのだろうという胸が躍るような気持ちになりました。

昨日お世話になったサポーターの方々にも企画の話を聞いていただき、アドバイスや意見をしていただきたかったなと思っています。今日でインターンシップは終わりますが、いつかまた清須市はるひ美術館へ足を運び、学芸員の方々、サポーターの方々と「アート」について語り合いたいです。

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【インターン生/Yさん】

今日は実際に展覧会を企画してみるということで、展示案を考えていました。「高校生が来そうな」ということで、どのようなものが良いか調べました。お題が「高校生」ということだったので、誰もが見聞きしているアニメや漫画を取り上げました。来館者が楽しく深く知ることが出来るものを考えるのがかなり難しかったし、順番や展示場所も加味してつくっていくことがとても大変なことなんだと改めて思いました。この3日間、インターンをしてみて、とにかく「考える!!」ということが大変で、とても重要なことなんだなぁと思いました。とても楽しかったです。

【インターン生/Oさん】

今日は、ワークショップの企画をしました。みんなは誰も思いつかないようなすごく面白い案を出していました。僕は、全然やってなくて、考えているうちに忘れたりしました。「無駄な時間を過ごすくらいなら、人に聞いたり、教えてもらったり、自分から聞くのだ」と教えてもらいました。インターンシップで、展示するときの作品の照明の当て方や、収蔵する作品はぷちぷちの袋で包んだりするということを学びました。

【インターン生/Hさん】

今日はインターンシップ最終日でした。短かった3日間でしたが、その中で学芸員さんたちとお話しした作品、作家さんに対する気持ち、僕達に対するアドバイスや休み時間に気軽に話しかけてくれる優しさ、そしてこの美術館のことを愛する気持ちが本当に伝わってきました。この3日間を思い返すと、最初は学芸員さんたちはビシビシしていて話しかけづらかったし、なかなか疲れるし、でもそれは最初だけで、学芸員やサポーターの皆様から作品のすばらしさを教えてもらい、楽しくなってきました。正直、今の僕の心は「やっと終わった」という気持ちと「さみしいなぁ」という気持ちのふたつが頭の中でリピートしています。3日間いた控室の外の景色、外から聞こえる子どもたちの遊ぶ声、となりを見ればいる学芸員さん。どれも僕にとっては忘れられない思い出になりました。これをきっかけに僕も今度、友達と清須市はるひ美術館に来ようと思います。もし今度会えたら、また相撲の話で盛り上がりましょう!3日間多くのことを学ばせていただき、ありがとうございました。

 

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「3日間で何かを汲み取ってもらえるのだろうか」と少々不安でしたが、若者の成長は凄まじいもので、1日目に比べると3日目には、意見のまとめ方や伝え方が格段に上手になっていました(こっちが指摘する分、それを糧にしてくれているのだと感じることができ、指導している方も嬉しい・・・!)。

今回を機に、彼らにとって美術館が身近なものとして感じてもらえたら嬉しいです。3日間本当にお疲れさまでした!また当館に足を運んでくださいね。

F

13. 11月 2019 · 特別編 誠信高等学校インターンシップ① はコメントを受け付けていません。 · Categories: 未分類

当館では、2019年11月12日(火)から14日(木)まで

誠信高等学校の生徒さんがインターンシップとして

来ています!

中の人は、普段高校生と話すことが少ないので緊張しました・・・(笑)

まずは、現在開催中の「嗅覚のための迷路」を鑑賞してもらいました。

若いからか、すぐに匂いの濃度をかぎ分けられる生徒たち

・・・スゴイ!

その後、

「学芸員って、どういう仕事?」ということで、

学芸員の主な仕事(収集・保存/調査研究/展示/教育普及)や

ひとつの展覧会ができるまでの流れをお話ししました。

「研究」といっても、なかなかイメージがつかなかったり・・・

説明の難しさを感じました

そして午後からは、収蔵庫のなかへ!!

学芸員が作品のコンディションチェックを行っている様子をみてもらったり、

立体作品をどこからみるのがいいのか、みんなで考えたり・・・

身近に作品を感じる機会になったのではないでしょうか?

今日の感想をみんなに書いてもらいました!

【インターン生/Mさん】

今日は展示作品や収蔵庫内、収蔵してある作品のコンディションチェックなどの見学を行いました。学芸員という仕事についてお話をお聞きしたのですが、その中でも、いかに「作品」の世界を壊すことなく「作品」に目を向けてもらうかという課題に対して、様々な工夫がされていることに驚きました。

たとえば、展示室に一歩はいった瞬間に、来館者にどこを見てほしいのかや、一般的な人の視線の高さまで考えた上で作品の展示の位置や角度、照明の当て方を考えていると知り、学芸員の方々の努力を目の当たりにしたような気がしました。学芸員の方の工夫があるからこそ、そこにある「作品」の世界に入り込むことができるということに気がつき、初めてその「作品」を見たときよりも感動しました。

【インターン生/Yさん】

今日は、美術館内の展示物や収蔵庫の見学、コンディションチェックの説明がありました。まず、僕の将来の夢が美術やイラスト関係なので、美術館でのインターンに興味を持ち、清須市はるひ美術館を選択しました。

普段、自分が来館者として来るときは、「飾ってあるだけ」とか「置いてあるだけ」というイメージがどうしてもありました。しかし、実際に展示の説明を受け、配置の仕方であったり、来館者の目線で考えたりと、自分の知らなかった配慮が多くあり、とても驚きました。

更に、作品の保存の方法や果てには、作品に影響のある虫まで調べなければならないと聞き、自分の考えていた「学芸員は楽そう」というイメージが、やりがいのあるとても難しい仕事という風に大きく変わりました。

【インターン生/Oさん】

今日は、色々な絵を見ることができました。絵を見て、保管の仕方が細かくて、傷がつかないようにプチプチを使ったりしていました。額縁に触るときに指紋がつかないよう白手袋をしたり、絵にカビがないか隅々までライトで見て、細かい作業だと思いました。

また展示作品には、匂いのカーテンもあり、布の縫合の線が一枚目と二枚目と重なるように意識していてすごいと思いました。

【インターン生/Hさん】

今日から3日間のインターンシップが始まりました。僕は清須市はるひ美術館に初めてお邪魔させていただきました。着いた時の感想は建物の形がでこぼこしていて外から来館者を楽しませるような工夫がされ、入る前から楽しさが伝わってきました。

まずはじめに僕達4人と担当者のFさんと自己紹介をしました。その後館内を見学して、展示している作品を鑑賞しました。作品を見たとき、その世界観をつくるために様々な配置にしたり、展示空間の色を統一したり、作品を生かすために細心の注意を払って来館者を楽しませようとする学芸員さんに、僕はとてもすばらしい仕事であり、見えないところで工夫していてカッコイイの言葉しか出てきませんでした。その後、収蔵庫で作家さんの絵を生で見ることが出来て、作品それぞれに個々の味が出ていて作品のすばらしさに気づくことができました。

今日は濃い1日でしたが、残りの2日間も自分が学びつつ、楽しんでいけたらいいなと思います。

 

4人とも1日お疲れさまでした!

明日からもがんばっていきましょうね。

a

F

 

 

13. 11月 2019 · 嗅覚鑑賞の可能性  はコメントを受け付けていません。 · Categories: 展覧会, 未分類

現在、当館では企画展「嗅覚のための迷路」(以降、嗅覚展)を開催しております!

ちょうど会期の半分が過ぎたところです。

想定していた入館者数を3週間余りで達し!(ありがたい・・・

嗅覚に関するみなさんのつよい関心を感じています。

嗅覚展が開幕してから「ブログを書かねば!」とずっと思っていたのですが、

会期中、たくさんの気づきがあり、文章化する時間がとれずにいました。

今日はちょっとだけブログにしたいと思います。

本展は、嗅覚アーティストのMaki Ueda(上田麻希)さんの国内美術館での初個展となります。

展示している作品は3点。

①《嗅覚のための迷路 ver. 5》@2階オープン展示室

②《嗅覚のための迷路 ver. 4》@展示室2

③《OLFACTOSCAPE ーローズ香の分解ー》@展示室1

同じ空間に複数の作品を展示すると匂いが混ざってしまうため、

ひとつの空間に1点の作品を展示しています。

当館での展示室は3つなので、展示作品も3点となりました。

(エントランスは3つの作品の匂いがすでに混ざっているため、なかなかの香りかも・・・)

本展では、「嗅覚」で鑑賞していただきます。

美術館で視覚ではない他の感覚を使うことは、あまりないのではないでしょうか?

(たまに、触れるものや音を聴くものもありますが)

最近では、あいちトリエンナーレで展示されていたタニア・ブルゲラさんの

メンソールをつかった作品がありました。

(私も行ったのですが、他の展示室からもメンソールの香りが・・・)

匂いは、快・不快がはっきりするものであり、

かつ自身の意思とは関係なく知覚してしまうもの。

そして現代では、「香害」という言葉もあったり・・・と、

実は、美術館での展示はハードルが高かったりします。

それでも、「展示したい!」と思ったのは、嗅覚鑑賞の面白さを

伝えたかったためです。

私がはじめて「嗅覚っておもしろい!展示したい!」と思ったのは

パリにあった「ル・グラン・ミュゼ・デュ・パルファン(Le Grand Musée du Parfum)」にいったことがきっかけです。

※この博物館は2018年に閉館しており・・・残念。

そこでは、古代の香りを嗅げたり、

香水に使われる単体香料を嗅げたり、

 

 

 

 

 

 

 

禁断の香りとしてアプサントの香りが嗅げたりと、

とにかく嗅ぎまくりました。

こんなにも嗅覚を使ったことはいままでになかったなと思い、

なんともいえない疲労感と満足感。

日本ではこうした経験はなかなかできない(こんなに面白いのに!!!)と思い、

ずっと企画してみたいと温めていました。

秋の企画展の担当が決まり、「ここはもう、やるっきゃない!」と

すぐにUedaさんにオファーをしました。

絵画や彫刻の企画とはちがい、何からすればよいのか

どういった問題点があるのか、果たして実現できるのか。

国内での前例がない分、不安とプレッシャーも・・・。

そんなとき、Uedaさんの「大丈夫ですよ!」に何度救われたことか

本当に感謝しかありません。

開幕してからは、老若男女問わず幅広い方にご来館いただいています。

(本展では、おしゃれカップルが多い・・・!?

そして、嗅覚展の開催が決まったときにまず「やってみたい!」と

思ったのは視覚障がい者の方を対象としたイベントでした。

嗅覚を扱う作品は、障害の有無にかかわらずフラットに鑑賞していただけると思ったためです。

でも、視覚障がい者向けのイベントを今までにしたことがないし、参加したこともなく・・・

そんなとき、あいちトリエンナーレの視覚障がい者向けイベントの

研修から(運よく!)お邪魔させていただくことができ、レクチャーを受けました。

そして、レクチャーを生かして

作品と同じ小瓶の見本を用意したり、

美術館の形が分かるように模型をつくったり・・・

ようやく当館でも実施することができました!

視覚障がい者向けガイドツアーの内容については、また改めて。

【開催中の展覧会】

「嗅覚のための迷路」

会期:2019年10月12日(土)~12月8日(日)

開館時間:10:00~19:00(入館は18:30まで)

休館日:月曜日(ただし祝日の場合は開館、翌火曜日が休館)

観覧料:一般500円 中学生以下無料

F

 

13. 9月 2019 · 【特別編 博物館実習生ブログ】実践としてのキュレーション はコメントを受け付けていません。 · Categories: その他, 教育普及

こんにちは。現在当館に実習生として来ているSです。☺︎

人生初ブログで右も左も分かりませんが頑張って書いてみようと思います。💪

 

僕は大学で学芸員課程を履修しており、理論はある程度学んできましたが、やはり実践となると全く勝手が違います。

特に来館者の目に見えない部分の仕事の多さには驚きました。展覧会の企画や図録の作成はもちろん、建物の管理、虫の駆除、作品の保存・管理、教育普及事業、ワークショップなどなど、仕事の幅が広すぎて日々その大変さを実感してばかりです。💦

現在はMAYA MAXXさんの特別展が開催中です。
それに伴い子ども向けのワークショップがあったので僕も参加してきました。👶

 

子どもたちは本当に無邪気で自分の描きたいものを描きたいように描いていました。見ている僕も楽しんでしまって、子どもたちの作品の力強さに感動したし、負けてられないなあと思いました。👴笑
完成した作品は当館に展示してあるので是非見てみてください!すごくいい作品になってます。

もちろんMAYAさんの個展も見てほしいです。
今回は絵本の原画中心の展示になっています。
僕は絵本の原画は初めて見たのですが、絵本になった絵と原画の絵の違いにとても驚きました。

その違いは、、ぜひ見に行って感じてみてください。🏃‍♂️
MAYAさんの新作絵画もめちゃくちゃかっこいいのでそちらも併せてぜひ。

 

先程学芸員はやることがありすぎて大変だ、と言っていましたが、やっぱり自分の企画した展覧会が形になり、図録が出版されて、お客さんがたくさん来てくれる、これ以上幸せなことはないと思いますし(僕はまだやったことがないので想像ですが笑)、それがキュレーターのメインストリームです。

作品は見る人に何かしらを与えるかもしれないし与えないかもしれない。僕はそれは感動でなくてもいいと思っています。なにか違和感のようなもの、今まで自分が生きてきて、身につけてきたものの外側を実感させてくれるのが芸術作品です(とりわけ現代美術はその傾向が強いでしょう)。だから何かを見た後に心がもやもやしてすっきりしないこともあると思います。もしかしたら苛立ちすら感じるかもしれない。そして僕はそれでいいと思っています。それもひとつの感動であり、衝撃なのです。もちろん心温まる感動も大切だし、それがよくないというのではありません。新しい感覚との出会いは常に感動的でもあり、受け入れがたくもあるということです。芸術作品というのはその双方性をもっていると僕は考えています。

そして学芸員は、色々なことを考えながら展覧会を企画します。作家の個展からあるテーマに基づいたものまで、その形態は様々です。展示する順番や高さ、また、その作家のどの作品を展示するかまで学芸員が決めるのですから、キュレーションの仕方ひとつで、展示される作品は見え方が全く異なります。そして、そこには必ず意図が存在します。なぜこの作品なのか、なぜこの作家なのか、何か伝えたいことや感じてほしいことがあってこそ展覧会は企画されるのです。だから展覧会自体がひとつの作品でもあると僕は考えているし、もし自分が展覧会をつくるならそういったことを大切にしたいなと思っています。また、鑑賞者の側に立って考えるならば、こうしたことを踏まえて美術館に足を運んでみるとまた違った見え方もしてさらに展覧会が面白くなるんじゃないでしょうか?

少し長くなってしまいましたが、今回僕はこんなことを考えながら学芸員の実習に向き合っています。お忙しい中ご指導してくださる学芸員OさんとFさんには感謝しかないです。残り2日の実習も頑張ります。👍

そしてぜひはるひ美術館に足を運んでくれると嬉しいです。
ありがとうございました。

 

S

23. 8月 2019 · 尾張旭市の城山公園「彫刻の森」 はコメントを受け付けていません。 · Categories: 教育普及

もはや2か月ほど前のことになりますが・・・

当館のボランティアスタッフ、アートサポーターさんたちとの活動で、愛知県尾張旭市にある城山公園に行ってきました

昨年の名古屋市営地下鉄壁画めぐりに引き続き、今年度もプチトリップです。

今回城山公園を選んだのは、中日新聞に掲載されていたとある記事がきっかけでした。

ここは「彫刻の森」という名が付いていて、散策しながらたくさんの彫刻に触れられるのだとか。

みなさん行ったことがない(私も知らなかった)隠れアートスポット(?)に白羽の矢が立ちました

城山公園は、名鉄瀬戸線・尾張旭駅から徒歩約10分。旭城(新居城)が迎えてくれます。

早めに到着したサポーターさんが公園のパンフレットを入手してくれていました。助かる!

想像以上に広い公園の敷地に、18点もの彫刻が点在しています。

遠山静夫《初夏の玉遊び》からスタート。

石段を上ると黒田栄一《石頭(ゴリラ・キリン・獏)》が登場。

なぜこの動物のチョイスなんでしょうね?丁寧に彫られていて生首っぽいです。

今度は抽象的な形。海景のイメージでしょうか。(粕谷圭司《海の曲》)

上り坂が続いてちょっと大変ですが、ぬっとあらわれる彫刻に驚いたり、癒されたり。

 角儀介《RING-交感するもの》

 大成浩《耀風No.10》

茂みの中からこんにちは。(腹筋に効きそう)

 加納秀美《風と…》

中間地点には展望台が!休憩がてらみんなで尾張旭を一望

建物内には地域の歴史民俗を紹介している展示室や天体観測室もありました!

反対側に下ると大きな池が広がります。噴水も上がっています。

噴水を眺めるバレエ少女たち。

 石田武至《レッスン》

1点、どうしても見当たらない作品をみんなで探しましたが、どうやら伸びすぎた水辺の植物に隠れてしまっていたようです。パンフレットでは鹿の親子のブロンズ像が紹介されていましたが、人の気配に気付いて逃げてしまったのかも・・・!?

いい表情ね~と感心したり、これなんだろう~?と不思議に思ったり、タイトルと見比べて納得したり首をひねったり、同じポーズを真似してみたり、みんなで意見を言い合えるのは大勢での鑑賞の醍醐味ですね。

みなさんかなり楽しめたようです。

あなたもぜひ「彫刻の森」に訪れてみては?

 

O

 

 

 

 

 

 

17. 8月 2019 · みんなと絵本とMAYA MAXX展、好評開催中! はコメントを受け付けていません。 · Categories: 展覧会

どうしてブログって滞ってしまうんでしょうね…世のブロガーさんたちを尊敬します。

 

久々の更新ですが、7月27日から「みんなと絵本とMAYA MAXX」、開催しております!

愛媛県出身、1961年生まれのアーティスト、MAYA MAXXさん。

みなさんどこかで名前を聞いたり絵を見たりしたことあるんじゃないでしょうか。

ロックバンドthe pillowsのアルバム『RUNNERS HIGH』のジャケット、なつかしの番組ポンキッキーズで流れていた『ピ ピカソ』、吉本ばなな『ハネムーン』、山田詠美『AMY SAYS』、北川悦吏子『空から降る一億の星』の挿画、京都駅前地下街「ポルタ」のイメージキャラクター「ポルタん」、CharaのツアーグッズなんかもMAYA MAXXさんが手がけました。

90年代カルチャーのアイコンでもあるMAYA MAXXさんは、デビューから現在に至るまで、ずーっと独学で絵を描き続けています。

そのなかでもとくに今回の展覧会で取り上げているのは絵本!

MAYAさんはこれまでたくさんの絵本を描いてきましたが、原画をお見せする機会はあまりありませんでした。というのも、絵本は印刷された書籍の形になって完成形なので、MAYA さん自身が原画を見せるということにあまり意味を感じていなかったためです。

しかし2018年に月刊誌「こどものとも」にて『さるがいっぴき』が発行された際に、原画の魅力をお見せしたいと思うようになったんだとか。

『さるがいっぴき』福音館書店、2018年

学芸員OがMAYA さんに個展をオファーしたのも、この『さるがいっぴき』に感銘を受けたからです。

とてもシンプルなストーリーがモノクロの画面のなかで展開しますが、1ページごとの力というか、重みというか、とにかく「圧」がすごい。

「生きる」という大きなテーマがたった数枚の紙に凝縮されていて、エネルギーをぶつけてくるような絵本でした。

絵本って、子ども向けでしょ?とあなどるなかれ。MAYAさんの作品は絵本であっても対象は子どもに限られません。むしろ、美術館やアートの存在を難しく考えている大人にこそ見て欲しい。

ものすごく乱暴に言えば、「考えるな、感じろ」タイプの作品です。言いたいことも言えないこんな世の中で、何かに感じることができるって、それだけでいいじゃないか!人間は感動する生き物だ~!と、展覧会を通してお伝えしたい(言わないけど)と個人的には思っています。

MAYAさん自身、近年制作環境が変わったことで、「自分が本当に描きたいものは何か」ということを改めて考えながら自由に制作をしています。

ライブペインティングやワークショップなどではお客様と気さくにお話したりサインしたりしていますが、飄々とフレンドリーに、誰とでもつかず離れず、対等に向き合う姿勢はかっこいいなと思います。

本展では、『さるがいっぴき』、『ぱんだちゃん』、『ばあちゃんがいる』(8月1日発行されたばかり!)、『ねこどんなかお』の4作の絵本原画と、最新の作品を合わせて展示しています。

ワークショップはすでに定員に達していますが、9月15日、9月29日のライブペインティングは申込不要です。午後ずっとMAYAさんが在館されますので、ぜひぜひご本人にも会いに来てください。

 

全館写真撮影可!SNS投稿可!グッズもかわいい!

お待ちしておりま~~す!

 

【開催中の展覧会】

「みんなと絵本とMAYA MAXX」

会期:2019年7月27日(土)~9月29日(日)

開館時間:10:00~19:00(入館は18:30まで)

休館日:月曜日(ただし祝日の場合は開館、翌火曜日が休館)

観覧料:一般700円 中学生以下無料

 

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