13. 8月 2017 · 【特別編】学芸員の卵、参上! はコメントを受け付けていません。 · Categories: 展覧会, 教育普及

2017年8月13日(日)

こんにちは!博物館実習生Nです。

博物館実習生とは、言わば学芸員の卵というところです(自分で言っておいて恥ずかしいです)

実習生は学芸員になるため、実際に美術館の現場でその仕事を体験します。

清須市はるひ美術館には7月からおじゃましています。

もしかしたら、もうお会いしている人もいらっしゃるかもしれません…!

今までキッズアートラボのお手伝いやアートサポーターとの交流、

展示の工夫について教えていただく等々、多くの経験をしました。

実習生は事前に学校で講義を受けるのですが、現場に訪れると

学芸員の方がどのようなことを考えながらお仕事をしているのか

伺うことができ、発見ばかりです。

そして、本日は…こちら!

現在開催中の特別展「イラストレーター 安西水丸 ―漂う水平線(ホリゾン)―」展に

合わせて開催されたワークショップ「スノードームをつくろう!」のお手伝いをしました。

それぞれ自分の好きなオブジェを空き瓶にいれて、世界にひとつだけの

キラキラかわいいスノードームを作りました。

こちらのワークショップは人気のため、次回開催はすでに定員に達しております

実はワークショップ開催前に学芸員の方とスノードームの試作品をつくりました。

どうしたらスノードームが上手にできるのか、試行錯誤しました。

当日、参加者の皆さまにレクチャーできるように勉強することも

学芸員の仕事のひとつなのです。

学芸員の仕事のうち、普段私たちが目にする展覧会の企画・運営の仕事はほんの一部にすぎません。

実際は様々な活動をしており、突き詰めると奥が深いです。

私も学芸員になれるように精進します!

 

N

 

06. 8月 2017 · 安西水丸展 関連トークイベント はコメントを受け付けていません。 · Categories: 展覧会

2017年8月6日(日)

現在開催中「イラストレーター安西水丸 ―漂う水平線(ホリゾン)―」展、

関連トークイベント「知っておきたい!安西水丸さんのデザインを読み解くポイント」を開催

ゲストには、アートディレクターの水口克夫さんをお呼びして、

水丸さんのデザインのみどころを話していただきました。

水丸さんのデザインのお話にはいるまえに…

\\ デザインって、なんですか?//

さて、みなさん。

デザインという言葉は、いまや聞き馴染みのある言葉ですが、

説明できますか?

いざ、「デザインって、なに?」と聞かれると、意外に説明が難しいのではないでしょうか。

社会のあちこちにある課題(たとえば、若者の都会への流出による過疎化など)を解決し、

日常を豊かにするツールとしてデザインがあります。2016年のグッドデザイン賞金賞を

受賞したヤンマーの「トラクター(YT3シリーズ)」は、見た目のクールさだけではなく、

作業性にも配慮。若者も使いたくなるようなビジュアルで、農業への誇りを次世代の農業者に訴えかけています。

見た目の良さや、使いやすさだけではなく、社会の問題にもアプローチをするのがデザイン。深い。

水口さんのお話に、参加者のかたがたも学芸員も夢中でした。

そして、デザインについて学んだところで、水丸さんのデザインについてです

今回は、6つのテーマ(キャンバス、構図、モチーフ、色、文字、顔)に注目です。

教わったことを簡単にですが、以下にまとめてみます。

水丸展をご観覧されるときのご参考となれば幸いです

キャンバスについて

ーサイズを意識したデザインー

安西水丸さんの手がけた装丁をみてみると、

単行本と文庫本とでは表紙がガラッと変わっています。

本展でも展示している『村上朝日堂』は、その一例です。

中身は同じなのに、カバーが違う…

単行本の表紙を文庫本用に縮小したらいいのに…

なーんて思ってしまいそうですが、

大きさが違えば、絵の見え方も変わってきます。

それぞれのサイズに合わせてたイラストレーションを描くこと。

イラストレーターとしての水丸さんの誇りが感じられます。

構図について

ー全部は見せないずるさー

本展のメイン作品《スモモ》でもそうなのですが、

 

 

 

 

 

 

《スモモ》シルクスクリーン、1991年 ©Kishida Masumi

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右端の本のようにモチーフを全部みせず、途中で切り取る水丸さん。

皆川博子さんの『恋紅』(新潮文庫、1989年)のように

女性の顔が全部描かれず、特に目元がわからない…

表紙を見た人に「どんな女性なの?」と想像させる巧みな切り取り方です。

モチーフについて

ー描かれているモチーフは水丸さんのお気に入りたちー

水丸さんの好きなもの…スノードーム

多くの作品にモチーフとして登場しています。

たとえば、村上春樹さんの『夜のくもざる』(平凡社、1995年)や

山本益博さんの『食卓のプラネタリウム』(講談社、1984年)など

本展にもスノードームが描かれているものが多く、

「あそこにも!ここにも!」と探してもらうと楽しいですよ。

そして、もうひとつの好きなもの、野球についても取り上げてもらいました。

共通して言えるのは、同じモチーフであっても描き方が

何パターンもあってすごいということ。描き分けに注目です!

について

ー不自由の中の自由 制限の中の無限ー

(水口さんが述べられたこの言葉、本当にその通りだと思いました)

独特な配色も、水丸さんの魅力。

現代では、背景の色や配色をパソコンでいろいろ変えることはできますが、

水丸さんは、パントーンを使い、決められた色数の中で制作していました。

色の数が限定されているからこそ、さまざまな色の組み合わせを考えられる、

偶然性が生まれ、作品に独特の雰囲気が生まれる…

まさに、制限の中の無限。

田辺聖子さんの『女のおっさん箴言集』(PHP研究所、2003年)の、

背景のうすピンク色と黒色の配色は、毒を感じさせます。

 

文字について

ー書体は声質ー

書体が変わるとイメージも変化するもの。

イラストレーションだけで魅せるのではなく、

同時に文字でも魅了する水丸さん。

村上春樹さんの『螢・納屋を焼く・その他の短編』(新潮社、1984年)の

タイトルは手書きになっています(最終的に採用したタイトル文字は、

初めに電話で依頼を聞いたときにその場で書いたものだったようです!なんと驚き!)

タイトルの文字で本の世界観を表現するのは至難の業。

本展にも手書きタイトルのものがいくつか展示されているので、

見比べていただくと面白いかと思います。

について

ー「あぁ~、何かみたことあるような顔」ー

本の「顔」をつくるのが上手だった水丸さん。

水丸さんが描いた『普通の人』(宝島社、1982年)と『平成版・普通の人』(南風社、1993年)の

表紙に描かれている男性の顔。昭和の方は、しかめっ面でセンター分け、刈り上げた髪型…

平成の方は、両手にファーストフードをもち、ななめに分けた前髪、どこか緩さを感じさせます。

昭和と平成をうまく表現しています。

みるだけで、「あぁ!わかるわかる!」となってしまう水丸さんの描くイラストレーション。

「普通」をうまく表現できるのは、難しいことです(鋭い観察眼をお持ちだったことがわかります)

本展にも、たくさんの顔が描かれた「JALプランナー」のポスター作品が展示してあります。

その中には、なんと嵐山光三郎さんが隠れています!是非、探してみてください。

【ちょっとひと息学芸員のひとりごと】

デスクワークが多い日、「仕事の気分転換に…」と展示室に足を運ぶたび、

ほのぼのとした空間に心が休まります。

水丸さんの人柄が、この居心地のよい空間を生み出してくれているのだなと思うのです

(「うまく展示できたな」とかちょっとは思ったりもしますが笑)

カッターでパントーンを切った跡(ちょっとした引っ掛かり)など

作業の痕跡が伝わってくるのは原画ならでは。水丸さんを身近に感じられます。

とくに、北川 悦吏子さんの『ロングバケーション』(角川書店、1996年)の

原画はおすすめです。貝殻の白い部分は切り抜きになっており、

作業の細かさを感じさせます。是非、直接ご自身の目でみてください。

 

お し ま い .

 

F

13. 6月 2017 · 宮脇綾子の理知とあたたかさ。 はコメントを受け付けていません。 · Categories: 展覧会

今秋に開催予定の「宮脇綾子展」の調査のため、富山県の砺波市美術館に行ってきました。

 

(建物が大きい・・・!)

宮脇綾子(1905-1995)は、古布の端切れなどを使ったアプリケ作品で知られ、名古屋を中心に活躍した作家です。

「手仕事」として表現されたアプリケ作品の題材は、庭に咲いた草花や畑でとれた野菜などとても身近なものばかり。

日常のささやかな幸福を綴るように制作された作品たちは、どれも心がほっこりするあたたかさにあふれていて、幸せとは心の豊かさから生まれるのだなぁということをひしひしと感じました。

色や形の組み合わせの妙はセンスの塊で、子どものあそびのような無邪気さがありながら、一方でモデルとなった対象や素材の布選びに対して鋭い観察眼が感じられます。

身の回りの人たちや自然への限りない愛情、そして妥協を許さない厳しさも垣間見たような気がしました。

本展は当館での企画展とは別物ですが、新収蔵品を中心に、当館なりのアプローチで綾子さんの作品の魅力をお伝えできたらと考えています。どうぞお楽しみに!

 

砺波といえば、チューリップ。

残念ながら見ごろは過ぎていましたが、道中いたるところで隠れチューリップを発見

 

O

 

 

 

13. 6月 2017 · 美術館の役割とは? はコメントを受け付けていません。 · Categories: その他

先日「全国美術館会議」というものに参加してきました。

全国美術館会議とは、1952年に設立された組織で、美術館のさまざまな問題をみんなで共有し、ともにつながりあう場として会合や研修会を開いています。

全国の美術館400館弱が加盟しており、美術館どうしの横のつながりを深める貴重な機会でもあります。

http://www.zenbi.jp/index.php

鎌倉で開催された第66回の総会では、美術館に関わる人たちが美術館の機能や役割についてどのように理解し、その内容をどのように共有していくべきか?ということについて、改めて話し合われました。

岐阜県美術館さんの「ミュージアムの女」やtwitterのハッシュタグ「♯学芸員のおしごと」等々、最近ようやく美術館の内部が社会に向けて発信される動きがありますが、

美術館や博物館は公共施設であるにもかかわらず、そもそもどういう役割をもっていて、誰がどんな仕事をしているのか、ということについて正しく理解されてこなかったのではないかと思います。

(美術は好きでも「美術館の中身」に関心を持つことは一般的に稀ですし、先日のニュースで初めて「学芸員」という言葉を耳にしたという方も少なくないでしょう…)

美術館は敷居が高いというイメージはいまだに根強く、関心がなければ一度も訪れることなく生涯を終えることもあるかもしれません。

もちろん、それぞれの美術館によって理念や特徴はさまざまですが、

美術館の活動基盤(調査・研究/収集・保存/展示・公開/教育・普及)のもと芸術を守っていくことを美術館に関わる者すべての共通理解とし、

そのためには芸術が人と社会に果たす役割を考え伝えていく努力をしなければならないということを改めて考えさせられました。

 

時代の流れによって、芸術のあり方も美術館のあり方も変化しています。

美術館はもはや象牙の塔やブラックボックスではなく、誰もがアクセスできるプラットフォームであるべきなのだろうと思います。

 

帰りに神奈川県立近代美術館にて「木魂を彫る 砂澤ビッキ展」を鑑賞。

黒蕨さんの作品と同じく、木彫作品のエネルギーがすさまじかったです。

写真は屋外展示のイサム・ノグチ《こけし》。

 

O

 

 

 

 

02. 5月 2017 · 驚きの造形と愉快な作家と。【黒蕨壮彫刻展】 はコメントを受け付けていません。 · Categories: 展覧会

新年度になりました。といいつつもうゴールデンウィーク(去年も同じことを言っている気がする…)!

久しぶりの更新です。

現在開催中展覧会はこちら。

黒蕨壮彫刻展 木によるリアリティと情念

 

「清須ゆかりの作家」シリーズの第4弾となります。

清須市にある医王寺さんというお寺に、黒蕨さんが仏像と飛天像を奉納しているというご縁で、展覧会を開催する運びとなりました。

愛知在住歴は長いですが、鹿児島生まれの九州男児。豪放磊落な薩摩隼人という言葉がぴったりの、おおらかな空気をまとった作家です。

彼の作品の特徴は、なんといってもまずは木彫とは思えないその造形。

ポスターやチラシを見て、「なんだこれは?」とぎょっとした方も多いのではないのでしょうか。

 

黒蕨さんの作品には人間のようなものが彫られていますが、身体の一部であったり、どこかが欠けていたり、「抜け殻」(つまり衣服などの身体の「入れ物」)だったりと、いびつでちょっと不気味です。

ほぼすべての作品に共通しているのは顔がないこと。感情を表情から読み取ることに慣れている私たちですが、顔がない身体(のようなもの)からはかえって強烈な情念を感じます。

展覧会のタイトルにもあるように、黒蕨さんはリアリティのある造形を通して、人間の情念を表現しています。

喜び、悲しみ、怒り、苦しみ、とまどい、あこがれ、、などなど、何かしらの「情」が、つやつやとした木肌からにじみ出てくる。

そこにちょっとしたユーモアが加味されることで、彫刻の重厚なイメージから良い意味で脱しています。

黒蕨さんが「とにかく驚いてほしい、なんじゃこりゃ!と思ってほしい」と話すように、難しいことを考えずにただただ面白い!と思える作品です。

それと同時に、その裏にある確かな技術と、人間の細やかな感情を読み取る敏感な感受性も、感じていただければと思います。

ご来館されたことのある方はご存知の通り、当館はとっても小さな美術館です。

限られたスペースにどのように配置していくかということに関しては絵画とは勝手が違い少々苦戦しましたが、

作家と試行錯誤しながら空間を作り上げました。

(お客様の動線や鑑賞ポイントが想定とは違っていたりして、様子を見ながら会期中にも配置や角度を変えたりしています。)

   

会期中は不定期に在館されているので、わはは!と豪快な笑い声が聞こえたらぜひお話してみてください。

5月4日(木・祝)14:00からはアーティストトークも開催します。

 

 

19. 3月 2017 · 親子ワークショップ「ポップアップカードを作ろう!」 はコメントを受け付けていません。 · Categories: 教育普及

2017年3月12日(日)

アートサポーターさんによる親子ワークショップ「ポップアップカードを作ろう!」を開催しました!

ポップアップカードとは、こんな風に…

ああああああ// じぃ~~~~~っ \\

とびだすカードのことです。

でははじめに、みんなで作り方のお話をききます。

今回は、このなかから好きなものを選んでもらって

つくります

くまさんにバス、パトカーにお家

まよってしまいそう…

つくるものを決めたところで、台紙に色をぬっていきましょう!

 

丁寧にぬってみたり、力強くぬってみたり…気のままにぬってみたり。

カラフルな台紙が完成していきます

次は、しかけにも色をぬりましょう

ああ

ああ\\ あっ!バスに人がのってる! //

お友達がのっているのかな??家族なのかな??

想像するとおもしろいですね。

色をぬれたら、台紙としかけをくっつけます!!

ここがいちばん難しいところ 気を抜かないでっ!!

見本をしっかりみたり、サポーターさんに教えてもらったり…

ゆっくり確実にくっつけていきます…どきどき

くっつけると…

ああああああ\\ 完成っ!!! //

じぶんだけのバス、お家ができました

みんな素敵です

そして、なんといっても…

親子ワークショップの魅力といえば、

ああああああ\\  これっ  //

親子一緒に楽しそうにつくっているところをみると

こちらまで楽しく、嬉しくなります

一緒になってつくるのはいいですね。

そして、こんなポップアップカードも…

アートサポーターさんが考えるワークショップはいつもおもしろいです

親子で一緒に遊べるワークショップは、これからも企画していきます。

お気軽にご参加ください

 

12. 3月 2017 · ミュシャの《スラヴ叙事詩》 はコメントを受け付けていません。 · Categories: その他

2017年3月12日(日)

 

昨年当館で開催した「アルフォンス・ミュシャ デザインの仕事」展の会期前後から、何かと話題になっていた「《スラヴ叙事詩》来日」。

いよいよ開幕ということで、初日に国立新美術館に行ってきました。

(公式サイトはこちら→http://www.mucha2017.jp/ 展示作業の様子が動画で見られるのは貴重!「ミュシャ団」作業着がおちゃめ。)

 

《スラヴ叙事詩》とは、アルフォンス・ミュシャ晩年のライフワークともいえる作品で、20点の油彩(テンペラ)画から成っています。

ポスターやイラストレーションなどの商業美術でアール・ヌーヴォー全盛のパリを席巻したミュシャでしたが、元来備えていた愛国心と「画家」への憧れを募らせ、20世紀に入ったころから《スラヴ叙事詩》を構想し始めます。

資金援助をとりつけ故郷のチェコに帰国したのが1910年。チェコとスラヴ民族の歴史を壮大なスケールで描き出した《スラヴ叙事詩》は、そこから18年もの時間をかけて制作されました。

プラハ市に寄贈されたのちは展示スペースの問題や政治状況・戦争の影響等で長らく不遇の状態にあった作品。20点全てが国外にまとめて出るのは初めてのことです。

展示室は一部撮影OK。

まあとにかく大きい。すべて同じサイズではないのですが、最大のもので約6×8m。

あまりにも巨大なので、それだけでモニュメンタル。圧倒されます。

西洋美術において伝統的に高位の画題とされてきた歴史画は「大きいこと」が一つの条件となっていましたが、ここではまさにデザイナーではなく、アカデミックな歴史画家としてのミュシャの一面を思い知らされます。

そのような伝統への回帰が20世紀以降の前衛美術の時代には受け入れられず、今なお必ずしも高い評価を受けているわけではないこの作品。

日本では非常に人気のあるミュシャですが、多くの人にとっての「好きなミュシャ」とはかなり異なる作品だと思います。

デザイナーとしてのミュシャが大好きな日本人、そしてスラヴという民族にあまり馴染みのない日本人が、この《スラヴ叙事詩》を見て何を感じるのか、率直な感想を知りたいところです。

 

最初で最後かもしれない全20点の来日。

貴重な体験となることは間違いないでしょう。おすすめです^^

 

14. 2月 2017 · アーティストシリーズVol.83 北籔和展 はコメントを受け付けていません。 · Categories: はるひ絵画トリエンナーレ, 展覧会

2017年2月11日(土)

アーティストシリーズVol.83北籔和展が先週から開催中です。

北籔さんは、2015年に開催された第8回はるひ絵画トリエンナーレで

優秀賞を受賞された方です。

あああああ    《のしてんてん 道》

本展のいちばんの見どころは、はるひ美術館オーダーメイドの作品といっても過言ではない

《ナウイズムの夢》。

この作品は、91cmの正方形のカンヴァスが44枚、194cm×97cmのカンヴァスが2枚の

計46枚の作品で構成されています。長さはなんと約22m

4枚1組で《現世》《浄土》《五次元》を描き続け、はるひ美術館に展示することが決まってからは、今回のような組作品になるように追加で制作されたようです。

あ     ああ// 長いっーーー!!! \\

当館特有の、ゆるやかに湾曲した細長い展示室。

今回は、このカーブが良い味を出してくれ、北籔さんの世界観をうまく

引き出しています。

 

ああ

そして本日は、アーティストトーク。

北籔さんを目当てに大阪、和歌山、東京とさまざまなところから足を運んでくださいました。

 

今回のアーティストトークのテーマは、北籔さんが提唱されている「ナウイズム」や「五次元」について。四次元(過去、現在、未来などの時間の流れ)までは、よく耳にするのではないでしょうか?

北籔さんの「五次元」は何を示しているのか…それは、「スケール」です。

人のからだはたくさんの素粒子(ちいさな物質)があつまってできています。

そして、どんなちいさな物質でもその物体と物体のあいだには空間が存在します。

その空間は、宇宙にある空間と同じもの。自分自身も空間そのものと言えるのでは?

というお話です。

宇宙を彷彿させる一方で、自分の体内をも思わせます。

これらの作品を北籔さんはシャープペンシルで描いています。

わたしたちの生活と身近な道具、シャープペンシルで描いたとは

思えないほどのリアリティ。

 

そして、モチーフのまわりにある暗闇。

その闇がどこまで続いているのかわかりません…

北籔さんの作品には、無限の空間が存在していると思わずにはいられません。

闇と光。そして、宇宙。

ぜひ、北籔ワールドを体験してみませんか?

北籔和展は来週末2月26日までです。お待ちしております。

◆◇◆学芸員雑談◆◇◆

紙面上で考えた展示プランで「うまくいきそう!」と思っても、

実際に作品を空間に置いていくと「あれ?違うな…」となることが多いです。

今回は思いのほか、湾曲した壁が作品にあう空間をうまく作ってくれました。

作品を配置することで、同じ空間なのに展覧会ごとに違った空気が流れ始める…

「面白いな」と毎回思ってしまいますし、くせになりますね。

 

開催中の展覧会】

「清須市はるひ絵画トリエンナーレ アーティストシリーズ Vol.83 北籔和展」

会期:2017年2月8日(水)~ 2017年2月26日(日)

開館時間:10:00~19:00(入館は18:30まで)

休館日:月曜日(ただし祝日の場合は開館、翌火曜日が休館)

観覧料:一般200円 中学生以下無料

28. 1月 2017 · 第4回清須キッズアートラボ はコメントを受け付けていません。 · Categories: 教育普及

2017年1月28日(土)

 

清須市内の小学3~4年生を対象に年4回行っている子ども向け講座「清須キッズアートラボ」も今日で最終回

寂しいですね。。。

現在開催中の「アーティストシリーズVol.82 原勉展」と関連づけてみんなで「ステンシル」に挑戦してみました

ステンシルとは、図柄や文字を切り抜いて、その切り抜いた部分にスポンジや筆で色をつけていく、版画の一種です。

原さんの作品の下地には、本物のレースを使って模様を施されているのです(前回のブログを参照していただけるとわかります)。

まずは、みんなで作品を鑑賞します

「何が描かれているかな?」

「何をつかって色をつけてると思う?」

「どんな印象をもった?」

みんな作品をじっくりみて、言葉にしていきます。

また、おなじ名前の作品がいっぱいあることに気づいた子どもたち。

作品をみて、それぞれ何が違うのかを教えてくれました

すると途中で、スペシャルゲストが登場しました

原さんが来てくださり、話もしてくださりました

みんな真剣に耳を傾けます。そして、作品の下地には、

本物のレースを使い、模様をつけていることを直接教えてもらい、

いざ、ステンシルに挑戦です今回は原さんの真似っこをしてレースも使います。

何にステンシルをするかというと・・・

この時期には特に欠かせないマスクです

まずは、マスク全体に下地となるレースをのせて・・・

絵の具をつけたスポンジで ポンポンッ  レースの隙間部分に色をつけていきます。

力をいれすぎてしまうと、レースの模様がつぶれてしまい、

力を抜きすぎてしまうと、あまり色がつかず・・・力加減がむずかしい

全体にレースの模様がついたら、次は・・・

かための紙でつくった型紙をつかってアレンジしましょう

ああああああ\\   完 成   //

うっすらとレースの模様がでています。

ステンシルのやり方を学んだので、次はみんながつくる番です

あああああああああああああ//  ポンポンッ  \\

みんな上手です

レース模様の下地ができたら次はアレンジです。

三角形、四角形、丸形の型紙を組み合わせていきます。

大好きな緑色をたくさん使って模様をつけたマスク、

食べ物のような配色のマスク(みていてお腹が空いちゃいました・・・)

自分だけのおしゃれマスクがたくさん完成しました

レースの上からつけたアレンジがポイントになっていますね。

 

今回は、いつもとちがい、筆ではなくスポンジを使ってみました。

いろんな方法で色をつけることができると知ってもらえたかな

最後には、「清須キッズアートラボ」メンバーの認定書をひとりひとりに渡していきます。

この一年で、美術館が身近なところだと思ってもらえたら嬉しいです。

また、美術館でみんなの顔をみれますように

いつでもお待ちしております。

【開催中の展覧会】

「清須市はるひ絵画トリエンナーレ アーティストシリーズ Vol.82 原勉展」

会期:2017年1月17日(火)~2017年2月4日(土)

開館時間:10:00~19:00(入館は18:30まで)

休館日:月曜日(ただし祝日の場合は開館、翌火曜日が休館)

観覧料:一般200円 中学生以下無料

 

21. 1月 2017 · アーティストシリーズ Vol. 82 原勉展 はコメントを受け付けていません。 · Categories: はるひ絵画トリエンナーレ, 展覧会

2017年1月21日(土)

アーティストシリーズVol.82原勉展が、今週からはじまりました

原さんは、2015年に開催された第8回はるひ絵画トリエンナーレで優秀賞を受賞されました

↓こちらが受賞作品《ひとのいれもの》

白地が美しく、モチーフは繊細に描かれています。

実は、下地にはレース模様がほどこされているのです(写真で伝えきれないのが悔しい!!)。

このような表現方法で描き始めたのは40代になってからとのこと。

自分の思ったことをどのような技法で表現すればいいのか、

描き続ければ自分にぴったりの表現方法がみつかるのではないかと

あきらめずに模索されていたようです。

そして、本日はアーティストトークでした。みなさん熱心に耳を傾けます

熱心にメモを取られる方も・・・

レース模様の下地の作り方についての説明もありました。

下地がどのようなものなのか触れるようにとサンプルを作ってきてくださりました

わたしもスリスリと・・・

レースのところはすこしだけデコボコでしたが、手触りは良かったです

原さんの制作のもとになっているのは、基本的には負の感情。

生活していく上で生まれた心のモヤモヤ、それを網で掬い取り、自分の心を浄化する。

「墓参りをしているのに近い」と原さんはおっしゃっていました。

《やわらかな迷路》は、見えているのになかなかたどり着けない、

蜃気楼のような印象を与えます。もどかしささえ感じさせます。

おぼろげでやわらかそうなのに硬度も同時に兼ね備え、行く手を阻んでいるかのよう。

それはまるで、人生に立ちはだかる壁や障害物。

こうした負の感情も 心のひだ として自分の一部と化していく。

嬉しいことも悲しいこともつらいことも、感じているのは自分自身。

負の感情から目を背けるのではなく、自分といういれものの中にちゃんとしまうことの大切さを教えられた気がします。

そして、その先には・・・

《bloom》

いまある幸せを思って描かれた作品。

未来への希望を感じさせます。

原さんもおっしゃっていた通り、

写真では伝えきれないおぼろげな表現。それはカメラの技術を超えた

人の目でしか捉えきれないニュアンスがあるからです。

是非とも、ご自身の目でじっくりとご覧ください。

原勉展は、2月4日(土)までです。

心よりお待ちしております。

 

【開催中の展覧会】

「清須市はるひ絵画トリエンナーレ アーティストシリーズ Vol.82 原勉展」

会期:2017年1月17日(火)~2017年2月4日(土)

開館時間:10:00~19:00(入館は18:30まで)

休館日:月曜日(ただし祝日の場合は開館、翌火曜日が休館)

観覧料:一般200円 中学生以下無料