12. 3月 2017 · ミュシャの《スラヴ叙事詩》 はコメントを受け付けていません · Categories: その他

2017年3月12日(日)

 

昨年当館で開催した「アルフォンス・ミュシャ デザインの仕事」展の会期前後から、何かと話題になっていた「《スラヴ叙事詩》来日」。

いよいよ開幕ということで、初日に国立新美術館に行ってきました。

(公式サイトはこちら→http://www.mucha2017.jp/ 展示作業の様子が動画で見られるのは貴重!「ミュシャ団」作業着がおちゃめ。)

 

《スラヴ叙事詩》とは、アルフォンス・ミュシャ晩年のライフワークともいえる作品で、20点の油彩(テンペラ)画から成っています。

ポスターやイラストレーションなどの商業美術でアール・ヌーヴォー全盛のパリを席巻したミュシャでしたが、元来備えていた愛国心と「画家」への憧れを募らせ、20世紀に入ったころから《スラヴ叙事詩》を構想し始めます。

資金援助をとりつけ故郷のチェコに帰国したのが1910年。チェコとスラヴ民族の歴史を壮大なスケールで描き出した《スラヴ叙事詩》は、そこから18年もの時間をかけて制作されました。

プラハ市に寄贈されたのちは展示スペースの問題や政治状況・戦争の影響等で長らく不遇の状態にあった作品。20点全てが国外にまとめて出るのは初めてのことです。

展示室は一部撮影OK。

まあとにかく大きい。すべて同じサイズではないのですが、最大のもので約6×8m。

あまりにも巨大なので、それだけでモニュメンタル。圧倒されます。

西洋美術において伝統的に高位の画題とされてきた歴史画は「大きいこと」が一つの条件となっていましたが、ここではまさにデザイナーではなく、アカデミックな歴史画家としてのミュシャの一面を思い知らされます。

そのような伝統への回帰が20世紀以降の前衛美術の時代には受け入れられず、今なお必ずしも高い評価を受けているわけではないこの作品。

日本では非常に人気のあるミュシャですが、多くの人にとっての「好きなミュシャ」とはかなり異なる作品だと思います。

デザイナーとしてのミュシャが大好きな日本人、そしてスラヴという民族にあまり馴染みのない日本人が、この《スラヴ叙事詩》を見て何を感じるのか、率直な感想を知りたいところです。

 

最初で最後かもしれない全20点の来日。

貴重な体験となることは間違いないでしょう。おすすめです^^

 

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