刈谷市美術館において、「深堀隆介展」が開催されている。
大変盛況で入場者4万人に達しそうだとのことである。
金魚をモチーフとした立体作品で有名である。
金魚のモチーフは日本画、工芸では珍しくないが、現代美術の中では異彩を放つ。
水を使うことのできない美術館で、いかにも泳いでいるかのような金魚は、多くの観る者の気を強く惹く。
達者な表現技術と樹脂を巧に使って、極めてオリジナル性の高いものになっている。
しんちう屋と題した金魚屋さんは、圧巻である。
しかし、深堀隆介作品がこれほどまでに注目を浴びているのは、いわゆるインスタばえによることが大きい。
実作品以上にSNS上での作品がリアリティを持って魅力的である。
そうした作品視点が作家の計画的なものであるとするなら、最も現代美術的であると言えるだろう。