ブライアン氏が「なぜこのような絵を描くことになったのか」は、このホームページ上やチラシ裏面に説明されている。そのことは、多くの美術ファンにとって大変興味深いことである。
一方で、改めて近代における四角い絵画(歴史的には宮廷絵画として円、楕円というものもある)について考えてみたい。ブライアン氏の言葉を借りれば、四角い絵画というものは不自然である。眼の動きに適っていないということである。それは説得のある説明である。
しかし、その不自由な四角い画面であるが故に、多くの画家たちはイメージする絵(特に風景画)をどのように四角の画面に収めるかを工夫してきた。いわゆるどのような構図にするかということ。主テーマをどのように見せるか、何を省くか、その中で構図が生まれてきた。
絵画を観る一つの楽しみ方として、この構図がある。ブライアン・ウィリアムズの曲面絵画を楽しんだ後、改めて四角い絵画を楽しみたい。
曲面は、理に適っていると言う意味でも、屏風絵や扇子絵などやはり平面ではない絵画を曲面絵画と比べてみることもおもしろいと思う。