清須市にゆかりのある作家を紹介するシリーズの第3弾。
本展では、清須市在住の写真家・中川幸作(1946-)を取り上げます。人物を得意とする彼のキャリアは、写真家として独立した1975年、節談説教師・祖父江省念(1905-1996)を撮ったことで本格的に始動します。派手な身振りも演出もなく楽器ももたない話し手の魅力を、音のない写真でどのように表現するか。それは難しい挑戦でしたが、顔の表情という最小限の要素に全神経を集中させ、説教師の息づかいに迫る経験が、後の大きな糧となったと中川は語ります。
人物を撮る際中川が大事にしているのは、眼の奥に現れる心の動きを逃さないこと。その信念は、これまでカメラを向けてきた数々の職人、画家、陶芸家などの肖像や、愛嬌たっぷりのきんさんぎんさんの姿にも貫かれています。また、ここ30年、農村歌舞伎、オーケストラ、オペラ、バレエ、演劇といった舞台写真も精力的に手がけてきました。これらは、一瞬の動きの中に生の煌きを捉える仕事と言えるでしょう。
作品を発表し始めてから半世紀を迎える今年、代表作を通してその業績をご紹介します。
会 期 | 2016年4月23日(土)~6月14日(火) |
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会 場 | 清須市はるひ美術館 |
開館時間 | 10:00~19:00 (入館は18:30まで) |
休館日 | 月曜日 |
観覧料 | 一般 300円 中学生以下無料 団体(20名以上)・清須市立図書館貸出利用カード提示者250円 中学生以下無料 各種障害者手帳提示者及び付添人1名無料 【開催期間中限定】インターネット入館割引券 |
主 催 | 清須市はるひ美術館 |
共 催 | 清須市教育委員会 |
関連イベント |
アーティストトーク 中川幸作氏が作品解説をします。
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1946年 | 新潟県佐渡島生まれ 写真家 臼井薫、高間新治各氏に師事 |
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1975年 | 個展「節談説教師〈祖父江省念の世界〉写真展」(現名古屋三越/名古屋) |
1978年 | 『文芸春秋』広告「パロマ・職人シリーズ」No.1~31 写真を担当(1983年まで) 個展「職人〈伝承に生きる〉写真展」(セントラルパークイベントギャラリー/名古屋) |
1990年 | 個展「〈面展〉写真展」(セントラルギャラリー/名古屋) |
1992年 | 写真集『いまがしあわせ きんさんぎんさん100年の旅』(風媒社刊)写真を担当 |
1993年 | 個展「〈田峯子供歌舞伎・田楽・地狂言〉写真展」(シカゴ、愛知芸術文化センター アートスペース) |
2013年 | 個展「〈私が出会った芸術家100人〉写真展」(ノリタケの森ギャラリー/名古屋) |
2015年 | 第56回CBCクラブ文化賞(くちなし章)受賞 |
2016年 | 個展「中川幸作写真展〈私が出会った芸術家〉」(ノリタケの森ギャラリー/名古屋) |
JPS日本写真家協会会員、CBCクラブ名誉会員、ANET愛知芸術文化協会会員