ひっそりとしてもの静かなさまをあらわす「寂静(じゃくじょう)」という言葉は、煩悩を離れ、この世の苦しみから脱した悟りの境地を示す仏教用語でもあります。この言葉から連想されるのは、永遠に続く絶対的な静寂や、決して乱れることのない心の平穏、虚無といったイメージです。この世に生きる者が持つ感情や感覚をすべてとりはらい、「無」となった世界には、何が「在る」のでしょうか。そもそも「無」とは「在る」ものなのでしょうか。「無」のなかに自らを置き、自らも「無」になろうとすることで、ほんのかすかな風のそよぎや光のきらめき、生命の息遣いが立ち現れてくるのを感じることができるのかもしれません。
ここでは清須市はるひ美術館の収蔵作品のなかから9点を展示しています。作品を前に沈思黙考し、無音の世界に感覚を研ぎ澄ませば、日常に埋もれている微細な何かにふと気付くでしょう。 じっくりとご覧いただければ幸いです。
会 期 | 2015年10月7日(水)~12月27日(日) |
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開館時間 | 10:00~19:00 (入館は18:30まで) |
休館日 | 月曜日 (ただし祝日の場合は開館、翌火曜日が休館) |
観覧料 | 一般:200円 中学生以下、各種障害者手帳提示者及び付添人1名は無料 ※企画展「清須市はるひ絵画トリエンナーレ アーティストシリーズVol.77~80」も 合わせてご覧いただけます。 |
岡本増吉《窓辺にて》2006年
栗木清美《gray head》2006年
No. | 作家名 | タイトル | 制作年 | 技法・材質 | サイズ(縦×横cm) |
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1 | 長谷川 冬香 | カーテン | 2004年 | キャンバス 油彩 | 100.0×65.2 |
2 | 岡田 徹 | 星の夜 | 1993年 | キャンバス 油彩 | 72.0×90.0 |
3 | 大西 久 | Untitled | 2003年 | キャンバス 油彩 | 100.0×80.3 |
4 | 岡本 増吉 | 窓辺にて | 2006年 | キャンバス 油彩 | 91.0×72.7 |
5 | 今林 明子 | 午後3時の憂鬱 | 2010年 | キャンバス 油彩 パネル | 56.0×92.0 |
6 | 三浦 高宏 | 二重身 | 2012年 | 油彩 エマルジョン地 パネル | 162.0×97.0 |
7 | カミムラ ケイサク | 28日16時 | 2006年 | 綿布 墨 | 182.0×185.0 |
8 | 栗木 清美 | gray head | 2006年 | キャンバス 油彩 | 91.0×91.0 |
9 | 栗木 清美 | fairy | 2006年 | キャンバス 油彩 | 91.0×91.0 |