平成26年度、清須市はるひ美術館は、開館15年の節目にあたります。当初、旧春日町の設立した美術館として、地域の人たちが収集し大切にしてきた作品や、交流のあった作家の作品、また地域が輩出した作家の作品をコレクションの核として、第一歩を踏み出しました。本展は、そうした初期のコレクションを展示することで改めて来し方を振り返ろうとするものです。
丹羽有芳(にわゆうほう)(1870-1946)は、下之郷(しものごう)村(現清須市春日)に生まれた日本画家です。写実を基にした山水や花鳥を得意とし、当館に寄託されている3点は、市の文化財に指定されています。
また、倉光博之(くらみつひろし)(1911-2007)は、岡崎市に生まれ、東京美術学校(現東京藝術大学)に学び、日展を中心に活躍した日本画家です。春日村(現清須市)の村長を務めた星野逸朗(ほしのいつろう)氏と親交が深く、折に触れて星野家を訪れていました。星野家から当館へ寄贈された作品群「星野逸朗コレクション」には、この倉光の描いた花鳥や風景が多く含まれています。
また、小川武雄(おがわたけお)(1929-2012)は春日町(現清須市)出身の洋画家です。鬼頭鍋三郎(きとうなべさぶろう)に師事し、光風会や日展に出品しました。四季の移ろいが見せる自然の折々の表情を描き、当館には9点が所蔵されています。
このように、当館は郷土が育んだ作品を礎としつつ、新しい芸術の発信地として今後も歩んでいきたいと思っています。
会 期 | 2015年3月10日(火)~3月15日(日) |
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開館時間 | 10:00~19:00 (入館は18:30まで) |
観覧料 | 一般:200円 中学生以下及び各種障害者手帳提示者は無料(付添人1名半額) |
小川武雄《湖畔残雪》
倉光博之《白梅》