2013年8月8日(木)
今日の清須アートラボは、日本美術の講座を行いました。
「日本絵画史上最大の画派、狩野派徹底解剖!」という、恐るべき気合の入ったテーマ。
とはいえ、狩野派(かのうは)という画家集団についてのイロハを
分かりやすくお伝えする内容です。
狩野派は室町時代から江戸時代まで、連綿と続く画家たちの一大グループです。
よって、狩野派の絵師は、かなりたくさんいますが、
今回は中でも重要な次の4人にしぼってお話しました。
・狩野正信(かのう・まさのぶ)
・狩野元信(かのう・もとのぶ)
・狩野永徳(かのう・えいとく)
・狩野探幽(かのう・たんゆう)
元信以下は、おじいちゃんと孫の関係です。一族で次々と俊才を輩出したんですね。
それが長く続いた秘訣でしょうか。
ただ、どんな俊才でも、まったくゼロから作品を作り上げることはできません。
かならず、当時の基本的な画題や筆づかいをを習得して、その上で独自性を発揮しているのです。
だから、その画家が目にしたであろう当時の作例と比較することが大事。
アートラボのメンバーに、印象の違いなどを話してもらいました。
さて、狩野派はよく、大寺院の襖絵を描きました。
お寺のどういう役目を持った部屋に描くかによって、描くモチーフが変わります。
また、 描き方、筆の使い方も、部屋によってふさわしいものに変えているんです。
だから、その襖絵の位置を、建築とあわせて見ていきます。
時には、違う画家が同じようなモチーフを描いていることも。上の写真はツルです。
樹木や花鳥、そして岩や山などには、描き方に「型」があって、
それを応用しながらバリエーションをつけているのが分かります。
それに、狩野派、と一口に言っても、時代状況によって画風は変わります。
こちらは戦国武将が、覇を争っていた頃に描かれた有名な《唐獅子図屏風》。
猛々しさが伝わってきますね。
皆さん、お配りしたプリントに、たくさんメモを書き込みながら、熱心にきいてくれました。
知っているようで実はあまり知らない、日本最大の画派「狩野派」。
狩野派は400年もの間君臨し続けたので、あちこちのお寺やお城に作品を残しています。
近い所では、最近公開された「名古屋城本丸御殿」で、再現された狩野派の仕事ぶりが見られますよ。
次回は来月。
大好評の「ミュージアム鑑賞ツアー」で、メナード美術館にお邪魔する予定です。
お楽しみに!
【開催中の展覧会】
「リサとガスパール&ペネロペ展」
会 期:2013年7月6日(土)~9月29日(日)
開館時間:10:00~19:00 (入館は18:30まで)
休 館 日:月曜日(ただし祝日の場合は開館、翌火曜日が休館)
〈インターネット入館割引券〉