2013年8月30日(金)
博物館実習生5人。県内の大学4年生たちが、
現場で美術館全体の運営を学んだり、学芸員の仕事を体験したりしています。
先日は、一人ずつ展覧会の解説にトライしました。
一般のお客様のいる展示室で、実際の作品に囲まれてのギャラリートークです。
初めてのことに、少々緊張の面持ちの実習生たち。
持ち時間はだいたい15~20分程度。この間に、要点を絞ってお話しなければなりません。
何歳ぐらいの、どういうお客様に対してお話しするのか、
どういう順番で、どの作品を選んでご案内するのか、
その作品のどの部分に注目するのか。
そのやり方は、それぞれにゆだね考えてもらいました。
マニュアルなどはありませんので、さぞ戸惑ったことでしょう。
実習生たちは、リサとガスパール、ペネロペシリーズやその作者についてそれぞれ調べ、
解説するポイントをぎっしりノートに書いて挑みました。
真剣そのもの。気迫が伝わってきます。
絵本を読み込んで、ストーリーの面白さを紹介したり、
原画をよく見て、配色のすばらしさを指摘したり、
大人ではなく、小学生に語りかけるように話したり、
それぞれに工夫が凝らされていました。
人前に立つとどうしても緊張して、シミュレーションどおりにはいかないものです。
終わった後で、あの時はこう言えばよかったのに、と悔しい思いもあったでしょう。
でも、みんな一生懸命伝えたいという姿勢で、持ち味を生かしてやりきりました。
すばらしい!
一人ずつ解説し終わったあとは、お互いに、よかった点と、改善点とを出し合いました。
みんなよく観察していて、的確な指摘をします。
それに、人のやり方を見て、いいところをすぐに取り入れられていました。
作品解説は、基本は他人と会話すること。
相手に合わせて、声のトーンも変われば、言葉の使い方だって変わります。
けれど基本的には、
・客観的な事実と、個人的意見とを自分の中で分けておく。
・相手が理解できているかどうか確認しながら進める。
・自分が感動した点を、他の人に伝える。
これらができれば、お客さまも安心し、興味をもって聞いてくださるのではないでしょうか。
ちなみに、私はまだ毎回試行錯誤しながらやっています。
経験を重ねることが、上達へのなによりの道なのかもしれません。
【開催中の展覧会】
会 期:2013年7月6日(土)~9月29日(日)
開館時間:10:00~19:00 (入館は18:30まで)
休 館 日:月曜日(ただし祝日の場合は開館、翌火曜日が休館)