こんにちは。
前回のブログ(http://museum-kiyosu.jp/blog/curator/)の通り、学芸員のFさんがご卒業されました。
そしてこのブログを書いている学芸員IがFさんの後任として、今後みなさまに美術館のいろいろを発信していきます。
3月のはじめ、この美術館にやってきましたが、
残念なことに、コロナウイルスの影響で臨時休館することになってしまいました。
そして臨時休館は4月末まで延長になりました。
今日は寒いですが、だんだんと春が近づいてきています。美術館近くでは菜の花が咲いています。
さて、今回は新たにやってきたIの今後の抱負を綴っていきたいと思います。
わたしの抱負は、
美術館での活動を通じて「よくみて、考える」経験を多くの方々と共有すること
です。
突然の質問ですが、日常のなかで、なにかを「よくみる」ことはありますか。
忙しない日々を過ごしていると、ふぅと気持ちを落ち着けて、なにかをじっとみてじっくり考える機会は少ないように思えます。
わたしは、作品をよく知るためには、「よくみて、考える」ことがとても大切だと考えています。
作品のキャプションに記載された「情報」も重要ですが、
まず自分の目で作品をよくみて、なにがどんなふうに描かれているのか確認し、
そこから疑問や気づきをみつけることが、作品の深い理解につながると思います。
作品は必ずしも誰がみても明らかな表現をしているとは限りません。
そのため、作品をみたときに、人によって異なることを感じ、考えることは不思議なことではないのです。
作品はみる人に多様な解釈をもたらすという前提で、他人と共に作品をみると、
自分とは異なるみかたや意見が現れたとき、
「こんなみかたもあるのか!」とわくわくすると思います。
多様な意見を共有し、尊重し、楽しむことは、
自分とは異なる意見を排除する傾向にある現代において、とても大切だと思います。
来館された方が、美術館で「よくみて、考える」経験をし、
その経験を普段の暮らしにまでつなげ、
日常がわくわくすることに包まれるような展覧会やイベントを企画していきたいと思います。
美術館でわくわくしましょう。
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