2014年3月20日(木)
今年度最後のアートサポーター活動日。
前々回12月から続けている美術勉強会のつづきで、今日はHさんが発表です。
Hさんは、稲沢市荻須記念美術館で開催されていた展覧会「日本画家が描いた西洋風景展」に足を運び、
前から気になっていたという、横山操(よこやま・みさお)に着目。調べてくれました。
横山操は大正から昭和にかけて活躍した日本画家。
代表作のひとつは、東京国立近代美術館にある《塔》です。
Hさんは、横山操といえばこのように黒を基調とした力強い描写が特徴だと思っていたのですが、
稲沢市荻須記念美術館で目にした《シャンゼリゼ》は、意外にも細く几帳面な線で構成された1点だったので、
そのギャップに驚いたといいます。
↑ Hさん、なんとこんな立派なレジュメに要点をまとめてきてくださってました!
レジュメを見ながら、横山操は、もともとは日本画ではなく洋画を学んでいたこと、
シベリヤ抑留経験が作画に影響していることなどをみんなで学びました。
新しいことを知るというのは、とっても楽しいことですね。
「日本画家が描いた西洋風景」
このタイトルが示すように、本展覧会では、日本画家がつかの間日本を離れ、
見聞を広げるため西洋に渡り、旅の途上で制作した作品も多く出品されていました。
つまり、いつもの自分の土俵とは違うところで、新鮮なまなざしで描いたものです。
そのため、その画家がふだん得意とする画材やモチーフが登場しないことも多く、
よい意味で期待を裏切る、画家の意外な一面を垣間見せてくれる作品がありましたね。
一方で、日本画の画材と技法を駆使しながらヨーロッパの風景に取り組み、独自の画風にまで高めた画家もいました。
お勉強の後はちょっとブレイク。
みなさんが持ち寄ったお菓子やレモンでティータイムです。
最後に、4月から新しく始まる企画展について、担当学芸員からみなさんにご説明。
「清須ゆかりの作家 鳥羽美花展 時空を超えて―辿りついた場所より」(4/12~6/8)
ポスターは↑こんな風に出来上がりました。
お見せすると、「かっこいいね!」とか「すご~い」とか歓声が上がって、ずいぶん好評なんです。
この展覧会では、清須生まれの染色画家、鳥羽美花さんの代表作を一堂に集めてご紹介します。
鳥羽さんは、日本古来の染色技法「型染め」を使って、ベトナムの風景を表現しています。
ベトナムでは、急速に経済発展を遂げる傍らで、日々失われていく風景がある。
それを、旧来の「型染め」の枠とスケールをはるかに超えて制作のモチーフと定め、20年来取り組んでこられました。
日本独自の技法を使いながらも、異国の風景を自分の中で消化し、オリジナルの作風を確立した、
その好例のひとつと言えるでしょう。
人の背丈を越える大きな画面に色鮮やかに染め出された情景に、きっと圧倒されるはずです。
楽しみにしていてくださいね
さて、展覧会の幕開けには、アートサポーターの協力が欠かせません。
開会式は、会場整理やドアオープンなど、あちこちでサポーターが活躍します。
当日の段取りを確認したり、お客様へのご案内の仕方について改善点を話し合ったりして解散となりました。
アートサポーターが発足してまる2年。
美術館にとって、最近ますます心強い存在になっているサポーターさんたちです。
【開催中の展覧会】
[貸ギャラリー] 清須市文化協会 新川絵画クラブ展
会 期:2014年3月18日(火)~3月23日(日)
開館時間:10:00~17:00
[貸ギャラリー] 清須市文化協会 清洲絵画クラブ展 第42回春彩の会
会 期:2014年3月18日(火)~3月23日(日)
開館時間:10:00~17:00(最終日は16:00まで)