2012年8月23日(木)
一昨日のブログで渡辺おさむ展の見所について紹介した新聞記事をアップしました
2回連載のうちの2回目が昨日掲載されましたので、そちらもご紹介します
中日新聞尾張版の朝刊です!
[全文掲載]
「渡辺おさむ お菓子の美術館(下)」 クリームで枯れ山水表現「KARESANSUI」2012年
枯れ山水は、水を一切使わず石と砂で自然の美を表現する日本独自の庭園様式です。本作品で渡辺は、偽物のクリームを白砂に見立て、クリームの配列で水の流れを表現しました。整然と並んだ生クリームは、三種類の口金と微妙な力加減で大きさを調節しながら、渡辺が一つ一つ丁寧に搾り出したものです。
渡辺が制作するKARESANSUIのイメージの源泉は、昭和を代表する作庭家・重森三玲による枯れ山水庭園にあります。重森の庭は力強い石組みとモダンな構成が特徴です。KARESANSUIのインスタレーションでは、重森の庭園空間をほうふつとさせる大胆な曲線を取り入れた広がりのある空間によって、鑑賞者はまるで作品の中に入り込み、包まれているような感覚を覚えます。
色とりどりのかわいらしい作品世界からは一変し、真っ白なクリームだけを使った本作品は、渡辺の新境地といえるでしょう。
(清須市はるひ美術館・学芸員 野中祐美子)
清須市誕生7周年 渡辺おさむ お菓子の美術館
2012年7月7日(土)→9月30日(日)
開館時間:10:00~19:00(入館は18:30まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は開館、翌火曜日が休館)
観覧料:一般700円(600円)、高大生600円(500円)、小中生300円(200円)
※( )内は前売および20名以上の団体料金