2012年8月21日(火)
本日、渡辺おさむ展の見どころが中日新聞尾張版に掲載されました
せっかくなのでブログでもご紹介したいと思います。
展示作品のうちから1つ選んで詳しく解説したもので、2回にわたって連載予定です。
[全文掲載]
「渡辺おさむ お菓子の美術館 (上)」 笑いと幸福感を与える「ATLAS」 2012年
作品タイトルにある「アトラス」とは、ギリシャ神話に登場する地球を支える神の名前です。
本作品では地球を支えるのは、アトラスではなくロダンの《考える人》です。ギリシャ神話の一シーンと近代彫刻を代表する《考える人》とがどこか意味ありげに結びついています。
《考える人》は人類の普遍的な人間像として考えられてきました。よって本作品は、地球を支えるのは、神ではなく人類であるという近代以降の人間中心主義的な考え方を表しているようにも見えてきます。
渡辺おさむは、偽者のお菓子で事物をデコレーションすることで、その対象がもつ意味や機能を変え、ユーモアあふれる作品を作ります。
本作品は、甘いお菓子やフルーツ、生クリームなどでデコレーションされています。
一見、深刻なテーマを扱っているようにも見えますが、作品のテーマと見かけとのギャップは、私たちに笑いと幸福感を与えてくれます。
(清須市はるひ美術館・学芸員 野中祐美子)
清須市誕生7周年 渡辺おさむ お菓子の美術館
2012年7月7日(土)→9月30日(日)
開館時間:10:00~19:00(入館は18:30まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は開館、翌火曜日が休館)
観覧料:一般700円(600円)、高大生600円(500円)、小中生300円(200円)
※( )内は前売および20名以上の団体料金