09. 8月 2014 · ムナーリのワークショップ「さまざまなかたち」 はコメントを受け付けていません · Categories: 展覧会

2014年8月9日(土)

 

全部で5種類合計9回実施する「ムナーリのワークショップ」

今回は4種類目の「さまざまなかたち」です

 

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他の回と同様に、まずは展覧会鑑賞ツアーからスタート

作品鑑賞のルールを確認して、いざ出発!!

 

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今回は、講師の田嶋さんと担当学芸員とが作品ごとで別れて解説を行いました。

田嶋さんのトークは、さすが生前のムナーリと交流があっただけに

お話される内容もリアリティがあり、熱い思いが伝わってきました

 

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さて、展覧会鑑賞後は場所を移し、ワークショップ会場へ

「さまざまなかたち」というタイトルですが、一体どんなことをやるのでしょうか???

田嶋さんの話術で子どもたちも集中しています

 

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突然、こんなに大きな紙が出てきました。

そして、その紙をビリビリ、 ビリビリ、破ってしまいます

みんな、「ぽかん」と見上げるばかり。

 

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見本を見せてくれました。

そう、この適当に破った紙片を使って、どんなものに見えたか絵を描きます

同じ形でも人によってみんな違うはず。

 

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紙を破っていいのは、田嶋さんだけ

床に並べられた紙片を1枚ずつ持っていき、絵を描き、完成したら2枚目へ。

もうみんなどの紙を取るのか決めているようで、どんどん身を乗り出して

いまかいまかと待ち構えています

 

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お目当ての紙を取ったら、カラーペンで一斉に描き始めます

みんなどんな「かたち」に見えたのかな??

 

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完成した子から前のグレーの大きな画用紙にぺたぺたと貼っていきます。

みんなの勢いは止まりません。次から次へと描いていきます。

同じような形でも電車に見える子がいれば、山に見える子もいたり

面白いですね

 

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さらに、色がきれい!みんな自由です

 

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次なる「かたち」を探す姿も真剣です

最終的に選んだもの以外でも、こうして捜し歩いている間に、

いろんな「かたち」を頭のなかで想像していることでしょう。

この「想像する」行為そのものが、ムナーリの作品の根底を支えているといってもいいのかもしれません

 

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最後は一つずつどんな「かたち」なのか、描いた子に発表してもらいました

みんな、他の子の発想に興味津々

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お父さんやお母さんたちも一緒に聞いてもらいました。

 

このプログラムは、通常の「お絵かき」とは少し違います。

普通は描きたいものが先にきて、そのために輪郭線や色を使って描いていきます。

でも、この「さまざまなかたち」はすでにある「かたち」を見て、

どんなものが「描けるのか(=見えるのか)」という思考順路になっているのです

 

ある程度の制限を与えられ、でもその中で自由な発想を展開する。

ムナーリらしいものの考え方が、このワークショップにもあらわれているようです

 

 

【開催中の展覧会】

特別展 ブルーノ・ムナーリ アートのなかの遊び

会   期:2014年7月5日(土)~9月28日(日)

開館時間:10:00~19:00(最終日18:30まで)

休  館  日:月曜日(月曜日が休日の場合は次の平日が休館)

〈インターネット割引券〉

 

 

 

06. 8月 2014 · 博物館実習5日目(歴史資料編) はコメントを受け付けていません · Categories: 教育普及

2014年8月6日(水)

 

今日は博物館実習5日目でした。

いつもは美術館での実習が多いのですが、本日の午後は清須市歴史資料展示室の

担当職員・小出さんにレクチャーをしていただきました

清須市には美術作品のほかにも、歴史民俗資料がたくさんあります!

ちなみに、午前中は美術館で「展覧会の企画・運営について」のレクチャーでした。

(レクチャーの嵐・・・

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小出さんお手製の実習生用資料

きっちりまとめられていて勉強になります!

この資料をもとに「歴史民俗資料の調査・収集・保存整理」についてのお勉強

 

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こちらは中性紙という特殊な紙でできた封筒にひとつずつ資料を入れて、

特注のダンボール箱に収納されている様子です。

資料は大小さまざまなものがあり、時代もばらばら。

丁寧に保管してしすぎることはありません。保管用の資材はとても重要なのです

 

ということで、このダンボール箱の製作を体験

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意外と難しいのです。

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少しでも適当に折ってしまうと、しっかりしまりません。

実習生のみなさん、悪戦苦闘中?!でも、きれいにできていましたね。

 

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続いて、先ほどのダンボール箱には収まりきらないさまざまな資料の保管の様子を見学しました

このスペースには展示スペースはなく、すべて資料の保管場所として活用しています。

展示スペースは少し離れた市立図書館内にあります。

 

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民俗資料も山のようにあります。懐かしの?家庭で使われていた電化製品や道具類などなど。

でも、実習生のような若いみなさんにとってはもはや「懐かしの」という言葉も合わないですね

初めて見るようなものばかりではないでしょうか・・・

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なんだかよくわからないものを発見(左写真)

まるで理科室みたいと大はしゃぎ

右の写真は戦争関連のものを集めたスペースです。

とにかく、市内のご家庭で眠っていて資料として価値のあるものが集まっていますので、

場所がどれだけあっても足りないし、また管理台帳の整理も大変だというお話がありました。

 

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最後に、町史などの紙媒体の資料が保管されているスペースへ。

実習生のみなさん、とにかく資料の多さとスペースの広さに驚いている様子

 

だいたい資料保管の状況を把握した後、場所を移動しました。

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こちらは、清須市立図書館内にある「歴史資料展示室」です。

2年前にできたばかりなのでとってもきれい

現在は「戦争の軌跡―出征と帰還―」という展覧会を開催中です。

さきほど見学した場所から今回のテーマにあった資料が展示されています。

展示の工夫や展示内容を丁寧に説明していただきました。

 

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こちらの独立展示ケースは常設展示コーナーです。

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こちらも常設展示。

昔のそろばんや黒電話、商売で使った台帳なども展示されていました

右写真の奥に見えるのは、「棚階段」といって、階段の下に箪笥のように抽斗(ひきだし)がついていて、

しかも自由に階段ごと動かすことができる、可動式収納付階段なのです。

昔の人の生活の知恵が随所に垣間見え、とても楽しい展示空間になっていました

 

今日の午後はしっかり歴史民俗資料の調査・収集・保存・展示について学ぶことができました。

美術館との比較などしてみるのも、それぞれの特徴をより深く理解するのに役立つはずです

 

実習期間もあと2日間です。

みなさんがんばりましょう

 

 

 

【開催中の展覧会】

特別展 ブルーノ・ムナーリ アートのなかの遊び

会   期:2014年7月5日(土)~9月28日(日)

開館時間:10:00~19:00(最終日18:30まで)

休  館  日:月曜日(月曜日が休日の場合は次の平日が休館)

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05. 8月 2014 · あそびプログラム「ひもでかお」 はコメントを受け付けていません · Categories: 展覧会

2014年8月5日(火)

 

先週末に開催された関連イベント「あそびプログラム」の午後の部について。

午後は「かおでひも」を実施しました

 

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プログラム開始前に、講師の田島さんがスタッフに簡単に説明をしてくださいました。

おもむろに箱の中からロープを何本か取り出し・・・

 

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たちまち人の顔が完成

 

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このプログラムはムナーリの作品《お互いにみつめあおう》や《祖先の重み》といった

人間の顔の要素を取り出して、直線、曲線、破線、点線、平行線、太い、細い、可能な限りいろいろな線、

さまざまな色と形を組み合わせて、人間の容貌について視覚的な実験を行った作品をヒントに開発されました

 

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スタッフも試しに「ひもでかお」に挑戦してみました!

おもしろい

これは「太陽のハタ」以上にお手軽にでき、且つ何パターンでもできるため何度でもやりたくなります。

 

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参加者は過去の参加者が作成した「かお」をモニターで見ながら、

新たに自分なりのオリジナルな「かお」に取り組みます。

ひもの長さや太さもばらばら。

私たちが思っているような正確な「かお」にこだわらないことがポイントかもしれません

あとはなるべく大きな「かお」に取り組むと、楽しさも倍増します

 

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一人でなんとか完成させた子や、お母さんと一緒にがんばって作っている子など、

みんなそれぞれで楽しんでいました。

 

参加者の一部の作品をご紹介します。

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どれもユニークですね

涙の表現、雰囲気出てます!

思わず「かお?」と思ってしまうくらい自由な発想の「かお」もいいですね!

家族仲良しの素敵な「かお」を作ってくれました。

最後の横向きの「かお」は愛娘のためにお父さんががんばって作っていらっしゃいました。

むしろお父さんに似ている??

 

ムナーリの作品はいろいろな考え方や遊びにヒントを与えてくれるということを

改めて実感することができました

 

次回の「あそびプログラム」は、8月24日(日)10:30~12:00、14:00~15:30です。

内容は「さわってつたえる」です。さて、どんなことができるのかな?

清須市立図書館1階「おはなしの部屋」前のスペースでお待ちしております。

参加費無料、随時受付けております。お気軽にご参加ください

 

 

 

【開催中の展覧会】

特別展 ブルーノ・ムナーリ アートのなかの遊び

会   期:2014年7月5日(土)~9月28日(日)

開館時間:10:00~19:00(最終日18:30まで)

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03. 8月 2014 · あそびプログラム「太陽のハタ」 はコメントを受け付けていません · Categories: 展覧会

2014年8月3日(日)

 

今日はムナーリ展関連イベントの一つ、愛知県児童総合センターの「あそびプログラム」を実施しました。

会期中、合計5種類のプログラムを実施しますが、今日はそのうちの2つ「太陽のハタ」と「ひもでかお」。

愛知県児童総合センターは、1996年に開館し、愛・地球博の開催に伴い2002年3月~2006年6月まで休館、

2006年7月から再オープンした県立の児童館です。詳しくはこちらをご覧ください。

今回は、その愛知県児童総合センターが、開館以来開発してこられたプログラムを、

実際に元センター長の田島茂典氏を講師にお招きし、実施することになりました

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こちらが田島氏です

プログラム実施前に、スタッフへムナーリのワークショップやプログラムの説明をしてもらいました

 

なぜムナーリ展の関連イベントで愛知県児童総合センターのプログラムなの?

と思われる方も多いと思います

実は、愛知県児童総合センターで開発されているプログラムをはじめ、様々な取り組みの多くは、

ムナーリの考え方をベースに蓄積されてきたのです

「ムナーリだったらこんな風に考えるかな?」「ムナーリが生きていたら絶対に喜んでくれるはず!」

センターで働く職員の方々はいつもどこかでムナーリのことを意識して活動に取り組まれてきました

 

そのような「ムナーリ・イズム」ともいえる考え方が開館以来、脈々と伝えられてきた児童総合センター。

開発されてきたプログラムはいずれもびっくりするほど「ムナーリらしさ」を感じます

そこで、今回は子どもから大人まで誰でも自由に参加できるプログラムとして、

お隣の図書館で実施することになりました。

 

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本日、午前に実施したのは「太陽のハタ」

ムナーリの著書に『太陽をかこう』というワークショップをまとめた本があります。

その内容をヒントに、児童総合センターが考え出したプログラムが「太陽のハタ」です。

 

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ひととおり説明が終了すると、本日お手伝いに来てくださったアートサポーターと、博物館実習生とで準備です。

大きめのカラフルなチョークと経木(きょうぎ)を用意し、机の上は汚れないように養生シートを貼ります

 

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さっそくかわいらしい参加者がたくさん集まってくれました

この「太陽のハタ」のルールはとっても簡単。

「まる」だけ描くこと

みんな思い思いの「まる」をたくさん描いてくれました。

 

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完成したら一穴パンチで上下に穴を開け、天井から紙紐に通して吊るします。

たったこれだけのことなのに、一人一人全く異なる「太陽」が出来上がり、

見ているだけでも楽しい気分になります

しかも、「まる」だけ描けばいいので、上手や下手といったこともありません。

子どもから大人まで簡単に取り組めるプログラムです。

 

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一枚だけでは満足できず、お母さんにお願いして2枚、3枚と制作する子もいましたね

完成作を吊るしていくと、「太陽のハタ」のカーテンのようになります!

光が挿すと経木から光が透けてとてもきれいです

 

チョークの淡い色と経木のほのかに香る木のにおいが、なんだか優しい気持ちにしてくれる、

そんな「太陽のハタ」でした

 

明日は午後のプログラム「かおでひも」について報告します

 

 

【開催中の展覧会】

特別展 ブルーノ・ムナーリ アートのなかの遊び

会   期:2014年7月5日(土)~9月28日(日)

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29. 7月 2014 · 福祉観覧デー はコメントを受け付けていません · Categories: 展覧会

2014年7月29日(火)

 

昨日は月曜日なので美術館は休館日。

その休館日を利用して、毎年恒例の「福祉観覧デー」を実施しました。

 

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福祉観覧デーとは?

清須市はるひ美術館近隣の福祉施設(6施設)に入居している方々を対象に、

展覧会へご招待する日のことです

入居者の皆さんは、車椅子の方も大勢いらっしゃいます。

通常の開館時に来館されると、車椅子の方も一般の来館者の方もゆっくりと鑑賞することが難しいのです。

そこで、当館では5年ほど前からこの「福祉観覧デー」という日を設け、入居者のみなさんが気兼ねなく、

ゆっくりと作品を鑑賞できる日をつくっています

 

今年は付添の職員の方も含め、合計112名の方に来館いただきました。

暑いなかありがとうございました

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展示室に入る前の「触覚の小径」を体験です。

みなさん目を閉じて慎重に触っていました

「あっ、でこぼこ!」「あら、気持ちいいね~」「今度はつるつるしているねぇ」「なんだか、あたたかい」

などなど。一つ一つに丁寧に反応されていた様子が印象的でした

 

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年表をしっかり読み込み、自分たちの若かりし頃を思い出されている場面などは、

高齢の方々ならではの楽しみ方だなと思いました

また、積極的に学芸員に質問される熱心な方もいらっしゃったり、なかには鋭い指摘をされる方も

来館者と接していて興味深いのは、世代ごとで反応が大きく異なる点です。

ムナーリ展は比較的若い世代の来館者が多いため、今回は新しい反応を聞くことができてとても新鮮でした。

 

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ムナーリ展は若い世代が多いと書きましたが、それはムナーリの作品や実践してきたことが、

比較的若い世代向け、という印象があることから当然といえば当然なのかもしれません。

そのため、今回ご招待した施設に入居されている高齢者の皆様に楽しんでいただけるのか、

正直、少し心配していました

ところが、こちらの心配はよそに、展示室に入るとみなさんとても熱心に鑑賞してくださっていて、

しかも生き生きしていらっしゃる様子を見て、ムナーリの作品の力を改めて感じました

 

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このように、作品を前に各々の感想を話す姿もたくさん見られました

 

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また、ムナーリのユニークな部分を、しっかりと受け止め「おもしろい!」と思ってくださっていたようです

 

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2階の読書コーナーではじっくりと絵本を読んだり、絵を楽しんだりされていました

 

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カードゲームのコーナーでも、とても盛り上がっていましたね!

ムナーリの本や遊具は老若男女関係なく、楽しむことができるのです

 

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そして、ショップコーナーも外せませんよね

ショップでもしっかり楽しんでいただけていたようです。

普段、なかなか美術館やお店などに行く機会の少ない入居者の皆さんにとって、

今日の福祉観覧デーが思い出に残る一日となれば嬉しいです。

 

 

 

【開催中の展覧会】

特別展 ブルーノ・ムナーリ アートのなかの遊び

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28. 7月 2014 · 講演会「アートから生まれる遊び」 はコメントを受け付けていません · Categories: 展覧会

2014年7月28日(月)

 

昨日は日本ブルーノ・ムナーリ協会代表の岩崎清氏による講演会が開催されました

講演会のタイトルは「アートから生まれる遊び」。本展覧会の趣旨に合わせてご講演いただきました。

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会場は美術館のお隣、清須市立図書館研修室です。

約40名ほどのお客様にお集まりいただきました

 

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講演会の内容は、本展覧会のコンセプトを中心に、ムナーリの造形活動と「遊び」がどのような関係にあるのか、

ということを具体的な作品を取り上げてご説明いただくものでした。

ムナーリの理解とあわせて、展覧会のより深い理解にも繋がる充実した内容でした

 

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こちら(左写真)が日本ムナーリ協会代表の岩崎氏です

親しみやすい口調で、やさしくムナーリの魅力を語っていただくその姿は、

時々ムナーリさん本人と錯覚してしまうようなときもあります。

そういえば、どこかムナーリさん(右写真)に似ているような・・・??

 

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講演会に参加された皆さんはとても熱心な方が多く、メモをとっていらっしゃる姿もよく見かけました

講演会の内容は、展示作品だけでなく、実際におこなったワークショップにまで及びました。

ムナーリのワークショップは、いずれも子どもたちの知的好奇心を掻き立てるものばかり

あらゆることが考え抜かれたワークショップは、テレビゲームやパソコンといった電子機器のなかで育った子どもたちにも

十分効果的であることがわかります。

ムナーリの「遊び」は子どもの思考や行動からよく練られた普遍的な「遊び」でもあります

 

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最後の30分間は質疑応答タイム

生前のムナーリと交流のあった岩崎さんだからこその秘話や逸話がどんどん出てきます。

参加者のみなさんも、聞きたいことがたくさんといった様子。

時間を超過しての質問タイム。でも、それだけムナーリ作品やムナーリその人への関心が高いという証拠。

担当者も知らなかった話が盛りだくさんで、大変有意義な講演会となりました

 

岩崎さん、楽しいお話をありがとうございました。

何よりも、岩崎さんがムナーリ作品やムナーリさんを愛しているのがとてもよく伝わる講演でした

 

 

【開催中の展覧会】

特別展 ブルーノ・ムナーリ アートのなかの遊び

会   期:2014年7月5日(土)~9月28日(日)

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27. 7月 2014 · 第22回館長アートトーク:雄弁なる東山魁夷の日本画 はコメントを受け付けていません · Categories: 教育普及

2014年7月27日(日)

 

毎月1回開催の館長アートトークも気がつけば22回目です!

初回からもうすぐ2年が経とうとしています。常連のお客様も徐々に増え、嬉しいかぎりです

さて、今回は日本人ならば誰もがうっとりするはず(?!)の東山魁夷についてのお話でした。

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東山魁夷といえば、やはり緑青をたっぷりと使った美しい緑や青の世界ですよね。

あるいは、「白馬」のモチーフを思い浮かべる方も多いのかもしれません

どこかで一度は見たことがある、それが東山魁夷作品に対する多くの人の経験だと思います。

 

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そのようなわけで、東山魁夷といえば誰もが認める天才画家と思われがちですが、

実はかなり遅咲きの画家。そして努力の画家だったようです

長寿のため、たくさんの作品を残したことも彼の名声を高める要因の一つだったといえます。

 

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東山魁夷や彼の作品の魅力をホワイトボードに列挙。

・美しい絵

・風景を美しく描く画家

・旅情

・自然の移ろいがつくり出す美

・小さいけれど燃え上がる命

こうした言葉からも想像できるように、わたしたち日本人は、東山作品にどこか「共感」できる部分があり、

だからこそ「いい絵だな」「ずっと見ていたいな」、そんな風に感じるのでしょう

 

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そして、東山魁夷といえば、構図の大胆さ、新しさも注目すべき点です

それまでにない斬新な構図は、風景という概念や、風景の見方そのものを大きく変えるものでした。

 

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このあたりにくると、もはや抽象絵画?!と思ってしまうくらいの大胆さが感じられます。

日本画や風景画と対峙し、新しいものを見出そうと挑戦し続けてきた画家の姿が想像できます

 

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また、東山魁夷は絵画だけでなく文章もたくさん残したことでも知られていますし、

小説家の川端康成との親交も深かったそうです。

川端が東山魁夷の作品について書いた文章です↑

「日本の自然を身にしみて感じ、日本人である自分の心情を見出して静かな安らぎに慰められる。

清らかないつくしみに温められる。」

 

これもまた、川端が東山の作品に「共感」を覚えたことを表現しているといえます。

東山作品は斬新な構図や、時に西洋の風景画や風景を取り入れながらも、

どこかに私たち日本人が「共感」する、心に染み入ってくる情景が表現されているのです。

 

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こちらの2点はヨーロッパの風景を描いた作品です。

 

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こちらは、水面に映る月光と山や森を描いています。

静寂と澄んだ空気の臭いまでが感じられそうな神秘的な作品です。

 

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最後に、紅葉した木の様子を描写した作品《行く秋》を見て、本日の館長アートトークは終了しました。

最初から最後まで、作品の画像にうっとり魅了された参加者のみなさん

やはり、東山魁夷作品は日本人の心に触れるものがあることを改めて感じました。

 

次回、館長アートトークは、現在開催中の展覧会「ブルーノ・ムナーリ アートのなかの遊び」

にあわせて、8月と9月と入替えて行います。

テーマは、「トリック宇宙で遊んだ福田繁雄のデザインとアート」です。

8月23日(土)16時~17時。

電話申込:052-401-3881、前日までにお申込みください。

 

福田繁雄はムナーリと親交もあり、また大のムナーリファンだったそうです

展覧会と併せてお楽しみください

 

 

【開催中の展覧会】

特別展 ブルーノ・ムナーリ アートのなかの遊び

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26. 7月 2014 · 第2回清須キッズアートラボ はコメントを受け付けていません · Categories: 展覧会, 教育普及

2014年7月26日(土)

 

清須市内の小学3・4年生を対象に、美術作品の鑑賞や創作を行う清須キッズアートラボ。

今回は、開催中の展覧会「ブルーノ・ムナーリ アートのなかの遊び」を鑑賞し、

その後、ムナーリのワークショップ「アートとあそぼう」のなかの「テクスチャー」に挑戦しました

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展示室に入る前に、注意事項の確認です。さすが、アートキッズメンバーは美術館に慣れているので、

みんなスラスラと注意すべきことを言ってくれました

さて、この展覧会、展示室に入る前からなにやら壁にカラフルなものが貼ってあり、「?」と思う人も多いのです。

これは一体なんでしょうか??

ポイントは「目を閉じて、ゆっくり触ってみること!」

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このカラフルなシートは、「ざらざら」「つるつる」「ぼこぼこ」「ちくちく」「がたがた」「さらさら」・・・・

様々な手ざわりを感じることができる素材でできています。

目を閉じて触っていると、この感覚を手ざわりのみで感じ取ることができます

目が見えていると、触る前から、それがどんなものであるのかをなんとなく想像してしまいます。

そうではなくて、触覚だけで何かを感じたり、伝え合ったりすることができる

ムナーリはそのように考えていました。

展覧会の入口では、そんなムナーリの考えを肌で感じてもらいながら入っていく構成になっています。

そして、後半に実施するワークショップ「テクスチャー」はまさに、

この触覚への関心から生まれたワークショップなのです。

 

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展示室内を約1時間、みんなでいろいろな意見を出し合いながら鑑賞していきました。

ムナーリの作品は、いつもどこかウィットに富んでいて、ちょっとおちゃめでいたずらっぽい部分があります。

こどもたちは、そんなムナーリらしさを瞬時に察知し、反応してくれます

こちらが思いもつかない意見が出ることもしばしば。

ムナーリの作品は、こどもの想像力を存分にかき立ててくれるようです

 

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展覧会鑑賞後は、ワークショップです!

「テクスチャー」というワークショップは、その名のとおり「触覚、手ざわり」を意識したもの。

さまざまな手ざわりのボードを用意し、

その上にコピー用紙を置いてそれぞれの「テクスチャー」を浮かび上がらせます

 

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色をかえて重ねてみたり、素材をかえて重ねてみたり。

みんな思い思いの模様をつくり、無限にできる独特な表現を楽しんでいました。

 

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ある程度、模様ができたら、今度はそれを切り貼りしていきます

浮き出させたテクスチャーの模様をいかして、一枚の絵をつくります。

 

Exif_JPEG_PICTURE ←見本はこんな感じです。

 

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黙々と集中して、各自でつくりあげたテクスチャー模様の紙をどんどん形にしていきます。

さすが、キッズアートラボのメンバーは鑑賞だけでなく創作もお手のもの。

みんなあっという間に素敵な作品が完成していきました

 

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最後は一人ずつ発表してもらいました

何をつくったのか、どんな工夫をしたのか。それに対して、みんなで意見交換しました。

作ることも見ることも、どちらも同じくらい大切なことですし、

どちらも同じくらい楽しい!と思ってもらえたら嬉しいです

 

次回は名古屋芸術大学でキャンパス体験&版画体験をします

どんな面白いことが待っているのか、今から楽しみですね

 

 

 

【開催中の展覧会】

特別展 ブルーノ・ムナーリ アートのなかの遊び

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25. 7月 2014 · ムナーリ 展覧会グッズの紹介 はコメントを受け付けていません · Categories: 展覧会

2014年7月25日(金)

 

いよいよ夏休みも始まり、暑さに負けず元気に遊ぶお子様や

大きなキャリーバックやリュックを背負って観光に出かける方をよく見かけるようになりました。

「今年の夏はどこにいこうかな~?」と楽しい夏休みのご予定を立てられているかと思います。

当館では、 「ブルーノ・ムナーリ アートのなかの遊び」を開催中です。

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今や展覧会には、欠かせなくなってきたミュージアムグッズ

そこで、今回は 特設ショップのグッズを一部ご紹介いたします。

 

なんといっても、「展覧会リーフレット」が好評です

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展示中のムナーリ作品が詳しい解説と写真付きで掲載されているので、

リーフレットを片手に館内を回れば、より一層、楽しく鑑賞できますよ

ムナーリの「読めない本」より、着想を得てデザインされています。

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コンパクトな手のひらサイズで、2冊1組 200円(税込) です

受付で観覧券と一緒にお買いお求めいただくこともできます。

 

 

さらに、今回はムナーリ関連の絵本&書籍コーナーも設けました。

ムナーリファン必見

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なかなか入手できない貴重な書籍や絵本もありますので、

ぜひ、この機会にお買いお求め下さい

また、展示中および販売中の書籍は、2階オープン展示スペースの読書コーナーで、

お読みいただけます ムナーリの世界にどっぷり浸って、じっくり吟味してください。

 

ほかにも、カラフルなキャンディやハイセンスな玩具が目白押し

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(※数に限りあるグッズがございますので、お気軽にスタッフまでお問い合わせください。)

 

会期中は、お子様向けのワークショップや大人の方も楽しめるイベントが盛りだくさん

展覧会鑑賞後は、1階の特設ショップでお買い物したり、

2階でムナーリの絵本や書籍を読んだり、ムナーリ考案の遊具で遊んだりと

一日ゆったりと美術館でお過ごしいただけます

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この夏休みは、お子様だけでなく、大人の方も童心に返って

「アートのなかの遊び」を楽しんでみてはいかがでしょうか

 

 

【開催中の展覧会】

特別展 ブルーノ・ムナーリ アートのなかの遊び

会   期:2014年7月5日(土)~9月28日(日)

開館時間:10:00~19:00(最終日18:30まで)

休  館  日:月曜日(月曜日が休日の場合は次の平日が休館)

〈インターネット割引券〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

16. 7月 2014 · 第4回清須アートラボ はコメントを受け付けていません · Categories: 教育普及

2014年7月16日(水)

 

今日の清須アートラボは、日本美術の魅力をお伝えする講座を行いました。

テーマに選んだのは、江戸時代中期に京都で活躍した画家、伊藤若冲(じゃくちゅう)です。

 

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若冲は、2000年に京都国立博物館で没後200年を記念する展覧会が開かれたのを機に、

広く知られるところとなり、一大ブームを巻き起こしました。

そのずば抜けた個性と筆力に大勢の人が目をみはり、

評判が評判を呼んで、主催者の予想をはるかに超える入館者数を記録。

以来、日本のみならず、海外でも非常に人気の高い画家です。

今日はその若冲の画業をたどり、江戸絵画の面白さに触れていただこうと2時間お話しました。

 

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まずは、修行時代の紹介から。絵描きの修行は、過去の名作を模写するのが基本です。

写真の右は中国明代の画家が描いた鶴。それを手本として若冲が模写したのが左です。

ただ、模写と言っても全くそっくりに写しているわけではありません。

じっくり見比べて、違いを受講生の方々に言ってもらいました。

崖の線や波の形が違いますね。

ではそれらが違うことによって、印象がどう変わるのでしょうか?そんなことも一緒に考えます。

 

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それからこちらは虎の図。

右の明代の画家の作品を手本として、左を若冲が描きました。

「私は虎の実物を見た事がないので、中国の作品を模写するしかないのだ」と

若冲本人が言い訳のように、作品の右上に書いています。

 

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若冲は修行を経て、過去の名作を自分のものにしてしまうと、

模写に飽き足らず、実物をつぶさに観察して描くようになりました。

そして生まれたのが、彼の代表作、30幅からなる「動植綵絵」です。

鶏をはじめとする様々な鳥、梅や松やひまわりなどの植物、虫、魚、貝といった

生物が、鮮やかな色彩で描かれています。

 

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今回は1点ずつプロジェクターで投影して、全30幅の魅惑の世界をご堪能いただきました。

ちょっとした鑑賞会です。

皆さん、若冲独特の色彩、画面を埋め尽くすモチーフ、鶏の精悍な様子に

食い入るように見入っていました。

 

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若冲は「動植綵絵」のほかにも、寺院の障壁画や、ユーモラスな水墨画も多く残しています。

真正面から見た、とぼけた鶏の顔など、おかしくて噴き出しそうになりますよ。

 

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最晩年には、お釈迦さまの涅槃図(ねはんず)ならぬ、野菜涅槃図なるものも描いています。

なんと二股大根をお釈迦さまに見立て、様々な野菜たちがその脇で死を嘆き悲しんでいるというもの。

当時の人たちも、これにはクスっと笑ったのではないでしょうか。

 

若冲の作品には人をあっと驚かせる独創性があり、ずっと見ていたいと思わせる妙技があります。

今日は、そうした一人の絵師の魅力と、江戸絵画の奥深さに触れていただけたことと思います。

 

これを機に、実際の作品を鑑賞しに展覧会に出かけたり、

京都に行った際には、若冲のことを思い出していただけたら嬉しいです。

 

 

 

【開催中の展覧会】

特別展 ブルーノ・ムナーリ アートのなかの遊び

会   期:2014年7月5日(土)~9月28日(日)

開館時間:10:00~19:00(最終日18:30まで)

休  館  日:月曜日(月曜日が休日の場合は次の平日が休館)

〈インターネット割引券〉

 

 

 

 

 

 

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