18. 12月 2015 · アーティストシリーズVol.80 大山紗智子展 はコメントを受け付けていません · Categories: はるひ絵画トリエンナーレ, 展覧会

2015年12月17日(木)

 

今年度4人目のアーティストシリーズは、

「清須市第8回はるひ絵画トリエンナーレ」にて優秀賞を獲得した大山紗智子さん。

愛知県立芸術大学大学院に通う学生です。

 

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今回の個展では、「よくある運命」というサブタイトルで、

昨年・今年の2年間に制作した15点を出品しています。

 

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大山さんの作品には、人々の日常生活に戦闘機が突如出現するという場面がよく描かれます。

ただ、戦闘機の出現という異常な事態にもかかわらず、画中の人々は驚いている様子もなく、

入浴をしたり、食事をしたり、遊んだり、休息したりと、もっぱら日々の営みに没頭しています。

なぜでしょうか。

 

12月12日(土)、アーティストトークにて、大山さんが作品について語ってくださいました。

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戦闘機は、大山さんが愛好するプラモデルなのだそうです。

同時に、彼女にとっては、身近な人の死の象徴でもあります。

つまり、わたしたちの生の営みに突如出現するプラモデルは、

われわれに寄り添う、死の存在でもあるのです。

 

死はいつ私たちを襲うかもしれない。

けれど、それをことさらに恐れ、騒ぎ立てるのではなく、淡々と毎日を過ごしていきたい、

そんな思いがこめられています。

 

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大山さんの作品は、タイトルを一ひねりしてあったり、

よく見ると人が穴に落ちていたり、浴槽から脚だけが出ていたりと、

見る人をクスリと笑わせる部分があります。

テーマの重さは前面に出さず、ユーモアをもって人の営みを捉えているのです。

まるで、「人生は滑稽だ」と言っているかのよう。

 

そして、戦闘機の出現に驚くでもなく、目の前の用事を粛々とこなす人間の姿は、

現代社会の縮図にも見えてきます。

日々どこかで起こる事件を、新聞やテレビ、SNS等で見聞きしてはいても、

他人事に深入りすることなく、我が事にのみ心をくだいている。

そんな人間の様子を、「人間ってこうしたものだ」とやや離れた所から肯定的に見ているのが、

大山さんの作品世界のような気がします。

 

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ただ、最新作では、戦闘機が出現しない作品も。

色味も、赤茶と紺を基調にしたものから、紫がかった寒色を多く使ったものへと変化しています。

これら最新作では、物語性が引っ込んだ代わりに、

色や形をキャンバスにどのように配置するかという、造形的な実験が目を引きます。

 

今後の展開がとても楽しみな大山紗智子さん。

ぜひ、会場に足を運んで、大山ワールドを味わってくださいね。

12月27日まで開催中です。

 

 

 

【開催中の展覧会】

清須市はるひ絵画トリエンナーレ アーティストシリーズ Vol.80 大山紗智子展

会期:2015年12月10日(木)―12月27日(日)

開館時間:10:00―19:00

休館日:月曜日(ただし祝日の場合は開館、翌火曜日が休館)

観覧料:一般200円、中学生以下無料

03. 12月 2015 · アーティストシリーズVol.79 矢島史織展 はコメントを受け付けていません · Categories: はるひ絵画トリエンナーレ, 展覧会

2015年11月29日(日)

 

アーティストシリーズ3人目、矢島史織さんの展覧会を開催しています

矢島さんは清須市第8回はるひ絵画トリエンナーレで準大賞を受賞されました

受賞作《Monster》は、トリエンナーレ会期中の来場者の投票によって「美術館賞」にも選ばれています

《Monster ♯1》2015年

 

展覧会のタイトルは、「ひかりのなかの永遠」。

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矢島さんは、「光と影」をテーマに作品を制作してきました。

きっかけは木漏れ日のピンホール現象を見たこと。

無数の楕円形の光が地面に落ちて揺れ動いている光景に感動したそうです

はじめは目に映った景色そのものを表現していましたが、次第にテーマは「目に見えない光と影」へ。

人間の心のなかにある輝きと闇のようなものを、コップや家といった身近なものに映し出していきました

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今回の展示では、2009年から2015年までの22点の作品をご紹介しています。

注目は、最新作の《Monster》シリーズ!

受賞作品をきっかけとして、5作目まで制作されています。

子どもの成長をあらわしたこのシリーズ。繊細な筆遣いと色合いでありながら、生のエネルギーがみなぎるような画面は、矢島さんにとって新たな境地となる表現です

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今日おこなわれたアーティストトークでは、作品の制作背景や内容について、丁寧にお話ししていただきました。

矢島さんの作品は墨や岩絵具、膠(にかわ)、胡粉(ごふん)といった日本画の材質を使って描かれていますが、

なかなか扱いが難しいのだそう

それでも、自分の表現したいものに適しているからこそ、

こういった材質にこだわって作品を創り続けているんですね

キラキラと輝く岩絵具の質感、墨のにじみ、和紙のしっとりとした滑らかさを感じるような作品たちは、

どれも温かみがあり、見る人の気持ちを穏やかにしてくます。

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先日発表されたばかりの「シェル美術賞2015」でも、準グランプリを受賞された矢島さん!

今後の活躍がますます期待されます

12月5日(土)までの会期となっております。どうぞお見逃しなく

 

 

【開催中の展覧会】

清須市はるひ絵画トリエンナーレ アーティストシリーズ Vol.79 矢島史織展

会期:2015年11月18日(水)―12月5日(土)

開館時間:10:00―19:00

休館日:月曜日(ただし祝日の場合は開館、翌火曜日が休館)

観覧料:一般200円、中学生以下無料

 

 

 

 

11. 11月 2015 · アーティストシリーズVol.78 原賢二展 はコメントを受け付けていません · Categories: はるひ絵画トリエンナーレ, 展覧会

2015年11月11日(水)

 

季節はすっかり秋ですね。

日中はまだ暖かいですが、朝晩は冷えてくるようになりました。着るものに困りますね。。

美術館入口の花壇には秋の草花が綺麗に咲いております

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さて、現在開催中の展覧会は、

清須市はるひ絵画トリエンナーレ アーティストシリーズ Vol.78 原賢二展 です!

今年度のアーティストシリーズ、2人目の作家さんになります

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今年おこなわれた第8回清須市はるひ絵画トリエンナーレでは、《ティツィアンとティントレット》が優秀賞を受賞しました

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この作品、ぱっと見ただけでは(よく見ても)わかりにくいのですが、実は写真を使っています

手前のワイングラスに焦点が当てられていて、その後ろにいる2人の人物はかなりぼんやり。

プリントした写真のうえから筆で絵具が重ねられているので、写真なのか絵画なのかわからなくなってくるような、

不思議な画面が作り出されているのです

 

今回の展覧会タイトルにもあるように、原さんは「絵画と写真の枠組み」というものを意識して制作に取り組んでいます。

芸術表現を(便宜的に)隔てている「絵画」や「写真」といったジャンル、

1枚の画面という限りある表現媒体、作品をおさめる額縁・・・など、いろいろな意味での「枠組み」を、

分割・解体したり、横断したり、重ねたり、強調したり、再構築したりして模索しています

その表現方法はほんとうにさまざま。

今回は新作を含め44点の作品が展示されていますが、同じ人が描いたとは思えないほどバラエティ豊かです。

あえてカオスな展示にすることで、これまで自分がやってきたことを全体として見てほしい!との意向です

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先日はアートサポーターの鑑賞会のなかで一つ一つ詳しく解説していただきました

不思議なインパクトがある作品を見ながら、「どうなってるの?」「どうやって描いているの?」と直接本人に話を聞くことで、

面白さが増していたようです

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11月14日(土)14時から、原賢二さんによるアーティストトークがあります。

最終日ですので、ぜひこの機会をお見逃しなく!

 

【開催中の展覧会】

清須市はるひ絵画トリエンナーレ アーティストシリーズ Vol.78 原賢二展

会期:2015年10月28日(水)―11月14日(土)

開館時間:10:00―19:00

休館日:月曜日(ただし祝日の場合は開館、翌火曜日が休館)

観覧料:一般200円、中学生以下無料

 

 

 

07. 11月 2015 · 第4回清須キッズアートラボ はコメントを受け付けていません · Categories: 教育普及

2015年11月7日(土)

 

キッズアートラボの最終回です。

4回目ともなるとみんなメンバーやスタッフ、美術館にも慣れてきますね

打ち解けた頃に最後、というのはさみしいものです。

 

今回は何をやったかというと・・・

「セルフポートレートを撮ろう」という活動をしました

最近では多くの人が携帯電話のカメラを使って「自撮り」をしていますが、それはまさにセルフポートレートの進化系。

美術の世界では古くから「自画像」として自分の姿をうつしとってきました

そのなかには、ただ単にありのままの肖像を表現するのではなく、真似をしたり、扮装をしたりして

自分ではない誰かになりきったセルフポートレートもあります。

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今回はその手法を取り入れて、一風変わったセルフポートレートに挑戦しました

 

ウォーミングアップとして、有名な彫刻作品の真似をしてみます

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こちら、ある作品のポーズをとっているところなのですが・・・

ロダン

ロダンの《考える人》です。

ほとんどの人がどこかで目にしている、あるいは存在を知っているであろうこの作品。

みんなも「知ってる!」と答えてすぐにポーズを取りますが、よく見ると難しい

右ひじを左ももにつけ、左手は左ひざをつかむ。足は少し内股ぎみに、目線は斜め下に。

身体を少しねじって左側に寄せているので、やってみるとけっこうつらい姿勢なんです

 

お次はこちら。古代ギリシャの肉体美《円盤を投げる人》。

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右手にもった円盤を肩より高く上げ、左手は右ひざに。身体をひねりながら左ひざを直角に曲げて、真下を見る・・・

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代表で男の子たちがポーズを取りながら、まわりのみんなが「もっと腕は上に!」「足広げて!」とアドバイスしていきます。

普段やることのない不思議なポーズの数々。

絵や彫刻のなんてことのない動きでも、やってみると意外と面白かったりします

 

最後に全員で挑戦したのが、名画中の名画、レオナルド・ダ・ヴィンチの《最後の晩餐》です

イエスと十二使徒の晩餐の席で、このうちの誰かがイエスを裏切ったことが告げられる場面です。

最後の晩餐

衣装からこだわりましたよ~

聖人たちが身に着けている色とりどりの布地を、切ったり結んだり組み合わせたりしながらそれぞれ制作

リーダーの指示のもと、それぞれのポーズを確認しながら撮影したのがこちら↓

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すばらしい完成度

登場人物ひとりひとりの感情が際立つ作品を、見事に再現しました!

作品の真似をしてみるということも、アートを楽しむ方法のひとつかもしれません。

そして誰かの真似をしたセルフポートレートから、新たな自分を発見できるかも??

 

4回にわたって取り組んできたキッズアートラボ。今年はこれでおしまい。

みんなの心に少しでも何かが残ればうれしいです

 

 

【開催中の展覧会】

清須市はるひ絵画トリエンナーレ アーティストシリーズ Vol.78 原賢二展

会期:2015年10月28日(水)―11月14日(土)

開館時間:10:00―19:00

休館日:月曜日(ただし祝日の場合は開館、翌火曜日が休館)

観覧料:一般200円、中学生以下無料

 

 

 

 

 

 

18. 10月 2015 · 清須アートサポーターワークショップ:ハロウィンリースをつくろう! はコメントを受け付けていません · Categories: 教育普及

2015年10月18日(日)

 

すがすがしい秋晴れの日曜日

今日は第3回目となるアートサポーターの工作ワークショップがおこなわれました

今回のテーマは、10月のイベントにちなんで、「ハロウィン」

かぼちゃのジャック・オ・ランタンやおばけ、こうもり、魔女などのモチーフを使って、リースに仕上げます。

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直前のセッティングの様子。長い時間と労力をかけて企画を練り上げました

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参加者のネームカードもずらり。色紙を切り貼りしたジャック・オ・ランタンがかわいい

今回のワークショップでは、あらかじめ用意しておいたパーツを組み立てたり貼り付けたりしてリースを作っていきます。

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まずはダンボールのパーツで六角形の土台を作って・・・

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フェルトのキャラクターに目や口のパーツをボンドでくっつけていきます。

パーツの切り出しはサポーターさんたちがやってくれていますが、貼り付けるのもなかなか細かな作業

つまようじや小さなスプーンを使いながら丁寧におばけたちの顔を作っていました。

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リースの土台のどこに何を配置していくか、それぞれの個性が出ます

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飾り付けようの松ぼっくりやどんぐりを、シールでカラフルに彩ったものも!

どんぐりはそのままボンドでくっつけると取れやすいので、綿を敷いて固定します。

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オレンジ色と黒色のハロウィンカラーの毛糸で作ったポンポンを取り付けて、完成

リースの真ん中にはほうきに乗った魔女もゆらゆら揺れています

最後には「トリック・オア・トリート!」ということでささやかなプレゼントも。

親子で楽しめるワークショップとなったのではないでしょうか

サポーターさんたちの綿密な計画と準備の甲斐あって、とても充実した時間となりました

また次回が楽しみですね

 

 

【開催中の展覧会】

清須市はるひ絵画トリエンナーレ アーティストシリーズ Vol.77 興津眞紀子展

会期:2015年10月7日(水)―10月24日(土)

開館時間:10:00―19:00

休館日:月曜日(ただし祝日の場合は開館、翌火曜日が休館)

観覧料:一般200円、中学生以下無料

 

 

10. 10月 2015 · アーティストシリーズVol.77 興津眞紀子展 はコメントを受け付けていません · Categories: はるひ絵画トリエンナーレ, 展覧会

2015年10月10日(土)

 

今年行われた「清須市第8回はるひ絵画トリエンナーレ」にて、

高く評価された作家さんを個展形式でご紹介するアーティストシリーズ。

7日から、興津眞紀子展が始まりました。

今年度のアーティストシリーズでは、

興津さんの展覧会を皮切りに、順次4名の作家さんをご紹介します。

 

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興津さんは、「清須市第8回はるひ絵画トリエンナーレ」の大賞受賞者。

《光と希望》(写真下)が最高賞に選ばれました。

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今年の2月頃、審査結果を受けて学芸員から興津さんへ、

この秋から始まるアーティストシリーズは、

ぜひとも大賞受賞者である興津さんの個展から始めたいとお願いしましたら、

別所での展覧会スケジュールを変更し、

当館の個展に向けて全力で挑んでくださいました。

 

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興津眞紀子展では《光と希望》のほか、15点を展示しています。

 

ところで、このアーティストシリーズでは、

はるひ絵画トリエンナーレで評価を受けた作家の最新作が見られる、

というのが一つの大きな魅力です。

 

つまり、展示の予定が決まると、作家は可能な限り、新たな作品作りに取り組みます。

ただ、展示室の壁面長は合計すると60メートルほどありますので、新作だけでは埋まりません。

どのくらい前までさかのぼって、過去に描いた作品もとりまぜて展示を構成するか、

その際、どんなテーマで見せるのか、そういったことも、作品制作と並行して練り上げます。

 

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興津さんは、展覧会まで半年しかないという短い期間に、新作をなんと11点も描いたそう。

いかに短期間に集中力を高めて描いていたかが窺えます。

本展ではそうした新作のうち、9点を展示しています。

 

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それから、展覧会サブタイトルは「光と希望」とつけました。

これは、大賞作品《光と希望》から取ったものです。

「この作品が私にとって文字通り〈光と希望〉となりました。」と語る興津さんの言葉が、

今回の展覧会の性格を最もよく言い当てていると思います。

 

 

さて、今日は作家自身が作品解説をするアーティストトークを開催しました。

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1点1点、何を試みた作品なのか、集まったお客様に丁寧に説明してくれました。

興津さんは絵を描き始めて40年ほど。その間、一貫して追求してきたのは「透明感」です。

そもそも学生時代に、ガラス板に反射して映る像と、

ガラス板越しに透けて見える物とを画面上に統合しようとしたのが始まりなのだとか。

 

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今回展示している2010年以降の作品では、その「透明感」を出すために、

画面に水滴や植物のシルエット、太陽に照らされて輝く水面などを配して、

手前から奥へと続く、空間の深さを作り出しています。

 

メインは、写真下の作品4点です。全て同じ大きさのキャンバス(162×162cm)に描かれています。

《光と希望》(写真下:左から2番目)のシリーズとして描いた新作。

《光と希望》がどういう作品だったのか、確かめるために描いたと言います。

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《光と希望》の受賞は、実は興津さんにとっては予想外だったそう。

なぜなら、それまで描いてきた、きっちり計算された構築的な画風と違い、

ラフな線や、偶然できた絵具の飛沫を活かした作品だったから。

これまで積み上げてきたものではない、別の側面を評価されて戸惑ったのですね。

 

はるひ絵画トリエンナーレに向けて制作していた作品が失敗し、締切が迫り、

時間のない中で、2作目として思い切って描いたことで、何かが吹っ切れたのでしょう。

それに、失敗した1作目があったおかげで、描きたいものが頭の中で整理されていたことが

結果的に功を奏したのかなと分析されていました。

 

 

作品解説をしながらも、興津さんの視線は決して過去に向いてはいませんでした。

作品ごとに更なる課題を見つけ、「次はこうしてみたい」と意欲を語る興津さん。

 

今後ますます、興津さんの作品世界は深化していきそうで楽しみです。

 

 

【開催中の展覧会】

清須市はるひ絵画トリエンナーレ アーティストシリーズ Vol.77 興津眞紀子展

会期:2015年10月7日(水)―10月24日(土)

開館時間:10:00―19:00

休館日:月曜日(ただし祝日の場合は開館、翌火曜日が休館)

観覧料:一般200円、中学生以下無料

 

 

 

 

12. 9月 2015 · 第3回清須キッズアートラボ はコメントを受け付けていません · Categories: 教育普及

2015年9月12日(土)

 

6月から始まった清須キッズアートラボも3回目。

今回は美術館を飛び出して、名古屋芸術大学の版画工房にお邪魔しました

 いいお天気!

お世話になったのは、アートクリエイターコースの西村先生と、助手のお姉さん2人。

みんな初めてのキャンパス体験にわくわくしながら、今日やることについて聞いています。

お題は「秋と芸大」(っぽいもの)。

今日はこれを「ドライポイント」と「コラージュ」という技法を使って表現します!楽しみ!

 

まずは外に出て、秋っぽいもの、芸大っぽいものを見つけてスケッチ

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なかなか難しいお題では・・・と思いましたが、みんなそれぞれ発見していましたよ

構内にはなにやら面白い彫刻がたくさん住人のようにあちらこちらに隠れています。

こんな光景が見られるのも、芸大ならでは

Exif_JPEG_PICTURE Exif_JPEG_PICTUREとげとげして痛そう…

 

スケッチを終えたら再び工房へ。版画を制作していきます。

ドライポイントは、ニードルという針を使い、版を引っかいて図柄を描いていく凹版技法のひとつ。

本来は金属版を使いますが、今回は透明で柔らかい塩ビ版で挑戦です

スケッチの上に塩ビ版を置いて、鉛筆の線をニードルでなぞるように引っかいていきます。

Exif_JPEG_PICTURE 黙々と彫版。ニードルは硬くて鋭いので注意

 

版が完成したら、コラージュに使う色紙を選んで配置してみます。

インクは黒一色で刷るので、完成したときに色紙がアクセントになります

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版が完成したらいよいよ印刷工程へ!

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彫った溝にインクを詰め込むように、ヘラでインクをのばして、

描画部分以外の余分なインクを丁寧に拭き取り…

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プレス機にセット。

色紙と湿らせた印刷用の紙を載せて、いざプレス

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ちょっとわかりにくいですが、みんなの背丈ほどもある大きなハンドルを回しています

気分は海賊の船長

 

そしてプレス機から出てきた紙をゆっくりめくると…

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完成!

ドライポイント特有の線のにじみと、絶妙なバランスの色紙がいい感じです!

Exif_JPEG_PICTURE 文字が反転しちゃいましたが、いい味出してます。

インクが色紙を透過して印刷されているところも面白いですよね

 

版画は、インクやプレスのコンディションによって、描いた人が思いもよらないような意外な結果が出るところも魅力です。

どうなったかな…とプレス機から出てきた作品をそーっとめくったときの、みんなのぱっとした笑顔が印象的でした

 

最後までドライポイントの名前を覚えるのには苦戦していましたが(笑)、貴重な体験になったのではないでしょうか

見ているだけでこちらも楽しくなりました

西村先生、どうもありがとうございました!

 

 

 

【開催中】

ミッフィーのたのしいお花畑 ディック・ブルーナが描くお花と絵本の世界展

会   期:2015年7月4日(土)~9月30日(水)

開館時間:10:00~19:00 (入館は18:30まで)

休 館 日:月曜日(ただし祝日の場合は開館、翌平日が休館)

観 覧 料:一般800円、高大生700円、中学生以下無料

 

 

 

02. 9月 2015 · 博物館実習(最終日) はコメントを受け付けていません · Categories: 教育普及

2015年9月2日(水)

 

学芸員資格取得を目指す学生を対象におこなっている、博物館実習。

全7回のプログラムもついに最終回です

展覧会のオープニングから、各種ワークショップ、展示解説、収蔵庫での作品管理にいたるまで

さまざまなことを体験してもらいましたが、最後は展覧会企画の発表会

実際に清須市はるひ美術館を使用することを想定して、考えた展覧会企画をプレゼンしてもらいます

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趣味から得た知識を生かした歴史系の企画、はるひ美術館のコレクションに注目した企画、

関連イベントも含めてコンセプトを明確にした企画といったように、

それぞれの個性と専門分野が反映された、とても面白い企画を考えてきてくれました

 

どの作品をどのように配置するかという具体的なプランも出され、

この企画でどんなことを伝えたいのか、そのためにはどのように展示したらよいかということを、

彼らなりに一生懸命考えてくれたんだな、ということがわかる充実した発表でした

 

また、企画の内容だけでなく、自分のアイデアを誰かに伝えるという作業そのものがとても重要なことです。

わかりやすい資料を提示したり、作品の画像を見せることで、相手の理解度もぐんと変わります

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発表後には、ほかの受講生と学芸員、高北館長から1人ずつコメントしました。

よかった点、改善すべき点、いろいろな意見が出てきて、学芸員の私たちもとても勉強になりました

自分とは違う視点を受け入れることで、新たな発見や気づきがたくさん生まれます。

その発見や気づきを通して、3人は大きく成長したのではないでしょうか

 

長いようであっという間だった実習期間。

それぞれの実習記録簿のまとめには、何かを感じ取ってくれたみんなの言葉が綴られていました

将来どんな職業に就くにしろ、今回の経験で得たものはきっと役に立つはずです

また美術館に遊びに来てくださいね!

 

 

 

【開催中】

ミッフィーのたのしいお花畑 ディック・ブルーナが描くお花と絵本の世界展

会   期:2015年7月4日(土)~9月30日(水)

開館時間:10:00~19:00 (入館は18:30まで)

休 館 日:月曜日(ただし祝日の場合は開館、翌平日が休館)

観 覧 料:一般800円、高大生700円、中学生以下無料

 

 

 

29. 8月 2015 · 第35回館長アートトーク:窓辺の光、ヨハネス・フェルメール 静寂の絵画。 はコメントを受け付けていません · Categories: 教育普及

2015年8月29日(土)

 

本日の館長アートトークのテーマは、フェルメール

17世紀オランダの画家です

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現在真作とされているのが30点余りと寡作な画家ですが、

繊細でどこかほっとするような作品は、日本人にとても愛されていますね

 

17世紀オランダといえば、美術史において重要な時代のひとつ

スペインからの独立を機に、経済的に発展したオランダでは市民階級が台頭。

それまで重要視されていなかった、風景画、風俗画、肖像画、静物画など

市民の日常の視点から見た親しみやすい画題が好まれました。

 

フェルメールはいったん歴史のなかで忘れられた存在となりますが、19世紀フランスで再び評価されます。

作品数が少ないことで希少価値が高まり、ついには贋作事件・盗難事件などのスキャンダルに巻き込まれたことも・・・

 

そんなフェルメールの作品の魅力は、まず鮮やかな色

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特に青色は、高価なラピスラズリという鉱石からつくられた、ウルトラマリン・ブルー

真っ白な壁を背景に白い牛乳が注がれる、質素な日常風景に、衣服の青・赤・黄が効いています。

 

それから、日常のドラマや会話に想像がふくらむような人物像(女性が多い)

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何気ない日常の一こまを切り取ったスナップショットのようであり、鑑賞者は感情移入しやすいかもしれません。

ただその何気なさのなかでフェルメールは作品に寓意や象徴を紛れ込ませていて、

一種の謎解きゲームのような趣もあります

絵の主題が何なのか、いまだ研究者の意見がまとまっていない作品もあり、真相は画家のみぞ知る・・・

 

そして、なんといっても光の表現が特徴的です

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画面の左側にある窓を光源として、1人の人物が窓に向かっているという構図が多い、フェルメールの室内画。

スポットライト的な光を当てて陰影との対比を強調したり、

部屋全体をやわらかく包むような光を当てたりと、巧みな表現力がうかがえます。

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また、白い絵具で入れられたハイライトにも注目

真珠の鈍く上品な輝き、みずみずしい真っ赤な唇の照り、生気にあふれる瞳の光、

とても小さな部分ですが、このハイライトがあるのとないのでは、作品の印象が全く異なってくるでしょう

 

卓越した技術はもちろん、謎めいた内容やスキャンダルも含めて、世界中の人々を魅了するフェルメール。

やっぱり、すてきですね

 

ちなみに京都市美術館で9月27日まで開催している「ルーヴル美術館展」にフェルメールの《天文学者》が出品されているようです。

だんだんと過ごしやすくなってきたこの季節に、足を運ばれてみてはいかがでしょう

 

 

 

【開催中】

ミッフィーのたのしいお花畑 ディック・ブルーナが描くお花と絵本の世界展

会   期:2015年7月4日(土)~9月30日(水)

開館時間:10:00~19:00 (入館は18:30まで)

休 館 日:月曜日(ただし祝日の場合は開館、翌平日が休館)

観 覧 料:一般800円、高大生700円、中学生以下無料

 

 

 

 

 

 

 

 

 

26. 8月 2015 · 博物館実習 はコメントを受け付けていません · Categories: 教育普及

2015年8月26日(水)

 

当館では7~9月にかけての約1週間、博物館実習生を受け入れています。

今年度は3名の大学生が、

美術館の運営にかかわる、学芸員のさまざまな仕事を体験しています。

 

実習6日目の今日、午前中は展示解説を実際にやってもらいました。

開催中の「ミッフィーのたのしいお花畑」展を、

自分のことばで来館者に分かりやすく説明するのです。

 

実習生たちは、緊張で頭が真っ白になったと口々に言っていましたが、

三人三様、それぞれに工夫できていましたよ。

 

まずは杉浦さん。

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聞いているお客様は小さな子どもたち、という想定。

ディック・ブルーナの絵本に出てくる「お花」にしぼって、見るポイントを話しました。

 

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ミッフィーの誕生を描いた『ちいさなうさこちゃん』に出てくるお庭の花から、

『うさこちゃんのたんじょうび』に登場するお花のワンピースまで。

途中、うっかりして説明に使う絵本を忘れるというハプニングもありましたが、

笑顔を絶やさず、子どもに語りかける口調で解説できていました。

 

 

続いて飯田さん。

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解説を聞くのは大人という設定。

ディック・ブルーナの描く「線」をテーマに選び、話しました。

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自身、洋画コースに在籍する立場から、学芸員ではなく作家目線の解説になってしまう場面もありましたが、

ブルーナが影響を受けたと語っているマティスをはじめ、

幾人かの作家の絵を資料として用意し、視覚的に伝わるよう配慮されていました。

 

 

最後は櫻井くん。

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解説の対象は大人です。

ディック・ブルーナの絵本作りの特徴について、いくつかのポイントを選んで解説しました。

60年にわたるミッフィーのかたちの変遷、絵本のかたちとページ数、色など。

 

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まず基本的な情報を伝える前に、個別の特徴を取り上げてしまう部分がありましたが、

作品をよく見て自分なりに分析し、考えたことをお客さんに問いかける、ということも出来ていました。

 

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実習生の解説が終わるたび、一度みんなで集まり、学芸員も交えて

解説者のよかった点と、改善点を出し合います。

 

話す態度はどうだったか、声の大きさはどうだったか、

情報を出す順番は適切だったか、客観的で正確な情報を提示できたか、

自分の考えを述べる場合、それ相応の根拠のある内容だったか、などなど。

 

自分が解説をするだけでなく、人の解説を見るのも大いに勉強になります。

そして、改善点をきちんと言葉にして指摘することで、よりスキルアップできるのです。

 

緊張の解説が終わったあと、午後は収蔵庫に案内。

収蔵庫の仕組みや温湿度調整について一通り説明した後、作品の調書を取るという作業を行いました。

 

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当館のコレクションの中から日本画1点、洋画1点を選んで、まずはじっくり観察。

調書に作品の状態をつぶさに記録していきます。

サイズ、材質、サインをはじめ、画面の傷やカンヴァスのたるみなど。

 

「モノ」としての作品の状態を把握し、いかによい状態を保って、

永く保存していくかを考える、これも学芸員に課せられた仕事の一つです。

 

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最後にそれぞれが画面から読み取った情報を、3人で答え合わせ。

見落としていた所はないか?ライトを当てて確認します。

 

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保存箱に入っていた作品は、慎重に元の状態に戻し、庫内の所定の場所に収めて完了。

 

作品を扱う時は、落としたり傷をつけたりしないよう、とても気を遣います。

実習生にとっては、午前、午後ともに緊張の連続だったことと思います。

それでも、作品に一番近い所にいるというのは何よりもやりがいのあること。

 

実習も残りあと1日となりました。

最終日には、実習生それぞれが考えた企画をもちよって発表です。

次回もがんばりましょう

 

 

 

【開催中】

ミッフィーのたのしいお花畑 ディック・ブルーナが描くお花と絵本の世界展

会   期:2015年7月4日(土)~9月30日(水)

開館時間:10:00~19:00 (入館は18:30まで)

休 館 日:月曜日(ただし祝日の場合は開館、翌平日が休館)

観 覧 料:一般800円、高大生700円、中学生以下無料

 

 

 

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