05. 6月 2014 · 第3回アートサポーター はコメントを受け付けていません · Categories: 展覧会, 教育普及

2014年6月5日(木)

 

清須アートサポーターの第3回目。

今日はまず、7月から始まる特別展「ブルーノ・ムナーリ アートのなかの遊び」について、

担当学芸員から説明をしました。→展覧会HPはこちら

サポーターの皆さんには、この特別展にいろいろな形でかかわり、サポートしていただく予定です。

 

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刷り上ったばかりのチラシを配り、会期中予定している様々なイベントを紹介。

ムナーリは、遊びを通してさまざまな発見をし学んでいくことを大事にし、

たくさんのワークショップを行った人です。

展覧会では関連イベントでその一部を体験してもらうことができます。

 

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今日は特別に、ムナーリの考え方に想を得たプログラムを開発・実践してこられた、

元愛知県児童総合センター長の田嶋茂典さんにお越し頂き、

サポーターのみなさんにお話していただきました。

 

ムナーリが取り組んだ仕事。ムナーリとの出会い。展覧会を企画して日本に招聘したこと。

それから、ムナーリに大いに影響を受けて編み出した様々なプログラムについて。

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↑こちらは愛知県児童総合センターで実際に行われている「あそびプログラム」の様子です。

ムナーリならこういう風に考えただろうなということを組み込んで、

参加者の反応を見たりして少しずつ改良しながらプログラムをつくっていくそうです。

 

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田嶋さんは、センターが日ごろ重視しているポイントをレジュメにまとめ、分かりやすく説明してくれました。

一見無駄なことでも実はそれが重要であること、また、

不自由なルールを作るからこそその中で工夫し創造していくのだ、というお話は、

何も遊びに限ったことではなく、普段の生活の中でもとても大事なことなんだろうなと思いました。

 

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サポーターたちもぐいぐい引き込まれ、熱心に聞き入っていました。

田嶋さんは、愛知県児童総合センターでの経験を生かし、

現在でも各地の児童館や美術教育の現場へ招聘され、理論と実践を多くの人に伝えていらっしゃいます。

話すのもお上手なのですが、それ以上に熱いハートが聴く側の心を捉えるのだと感じました。

 

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こちらは、今回のムナーリ展の関連イベントで実施するプログラムです。

左は「ひかり・いろ・かたち」というプログラム。“どんどん” “にゅるり” “ひゅーひゅー”といった擬音語や擬態語を、

さまざまな色やかたちの素材で表現します。

右は「ひもでかお」というプログラム。長いロープで決められた範囲の床に顔を作ります。

 

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休憩中も田嶋さんの熱いトークは続きました。

田嶋さんは、愛知県児童総合センターで、ムナーリが開発したプログラムをそのまま模倣するのではなく、

いくつかご紹介したように、ムナーリの考え方を解釈した上で、田嶋流にムナーリの世界を広げてきた方なのです。

そんな「ムナーリイズム」を本展覧会に来館くださる多くのお客様、そして、サポーター、私たち美術館スタッフに

浸透させてくださることを期待しています!

 

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ティーブレイクのあとは、サポーター全員でムナーリ展のポスター、チラシの仕分け作業を行いました。

これから各美術館、図書館などの文化施設、教育施設へ発送します。

遊び心たっぷりのデザインに仕上がっています。

お手に取ってぜひ、その「しかけ」を楽しんでくださいね。

 

 

 

【開催中の展覧会】

清須ゆかりの作家 鳥羽美花展 時空を超えて-辿りついた場所より

会   期:2014年4月12日(土)~6月8日(日)

開館時間:10:00~19:00(最終日18:30まで)

休  館  日:月曜日(月曜日が休日の場合は次の平日が休館)

〈インターネット入館割引券〉

 

 

 

04. 6月 2014 · 第3回清須アートラボ はコメントを受け付けていません · Categories: 教育普及

2014年6月4日(水)

 

今年度3回目の清須アートラボ。

今日は「ミュージアム鑑賞ツアー」と言って、他の美術館の展覧会にお邪魔してきました。

愛知県陶磁美術館で開催中の特別企画展

「桃山・江戸の華やぎ 古唐津・古武雄」(6月15日まで)です。

 

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清須から陶磁美術館までは、電車を乗り継いで1時間とすこし。

初めてのミュージアム鑑賞ツアーにしてはちょっと冒険かな?と思う遠出となりました。

 

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展示解説をしてくださったのは、この展覧会を担当された学芸員の佐久間さん。

まずは「古唐津(こがらつ)」と「古武雄(こだけお)」という焼き物の定義からお話が始まりました。

 

両方とも佐賀県で作られた陶器です。

「古唐津」は豊臣秀吉が天下人として活躍した1580年代から、

江戸時代初期の1620年代にかけてつくられた焼き物。

「古武雄」はその後の江戸時代を通じて生産されます。

(現在ではつくられていません)

 

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「古唐津」と「古武雄」の違いは何でしょう?

両方ともたくさんのバリエーションがあるので単純には言えないのですが、

「古唐津」は素朴で、こげ茶色の素地のほか、色味は灰の釉薬(ゆうやく)の白と、

鉄絵の具の黒褐色がほとんどです。枯淡の趣といったらいいでしょうか。

一方の「古武雄(こだけお)」はサイズが大振りで、絵には野太さがあります。

そして緑色が加わり、より華やか。

 

一つひとつの作品を一緒に観てまわり、特徴を丁寧にお話くださいました。

 

唐津焼のコレクターたちは陶片もこよなく愛し、欠けた部分の絵柄を想像で補ったり、

割れ目の土の表情を観察したり、いろんな楽しみがあることも知りました。

古い器にあまりなじみのなかった参加者も、「へぇ~」「ほぉ~」とうなって、

そんな楽しみの世界があるのだと感心しきり。

 

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焼き物の魅力や鑑賞のポイントに気づけた有意義な時間でした。

 

アートサポーターのメンバーにはこれをきっかけに、

どんどん美術館めぐりの面白さにハマってくれたらと思います。

今年度はあと3回ミュージアム鑑賞ツアーを予定しています。

ぜひお楽しみに。

 

 

 

 

【開催中の展覧会】

清須ゆかりの作家 鳥羽美花展 時空を超えて-辿りついた場所より

会   期:2014年4月12日(土)~6月8日(日)

開館時間:10:00~19:00(最終日18:30まで)

休  館  日:月曜日(月曜日が休日の場合は次の平日が休館)

〈インターネット入館割引券〉

 

 

 

24. 5月 2014 · 第20回館長アートトーク はコメントを受け付けていません · Categories: 教育普及

2014年5月24日(土)

 

館長アートトークも今日でなんと20回目を迎えることができました。

いつもご参加いただいている皆様、本日初めてご参加いただいた皆様、

ありがとうございます

 

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さて、今回の館長アートトークは「愛の画家シャガール、その幻想世界」というタイトルです。

現在、愛知県美術館とメナード美術館でシャガール展を開催中ということもあり、

この地域ではシャガールブーム到来でしょうか。

熱心なシャガールファンや美術好きの方々もたくさんお集まりいただいていたようです。

 

まずは、シャガールの生い立ちや性格などをざっと振り返ります。

なかなかのイケメン、そして愛妻家。素敵ですね~

 

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シャガールの原点ともいえる初期の作品も登場。

右の写真は出産の場面をリアルに描いています。

シャガールは生涯を通して「愛」「幸福」「平和」をテーマに制作に取り組みました。

 

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シャガールの代表作ともいえるニューヨーク近代美術館所蔵《私と村》(左)と《誕生日》(右)。

左は同時代の芸術運動キュビスムの影響が見られる作品です。

右の作品は一人目の妻ベラとの新婚生活の幸せいっぱいの様子が描かれています。

浮遊する人物像はシャガールの特徴的な描き方ですね

 

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こんな感じで、どんどんシャガールの作品を見ていきました。

97歳という長寿だったシャガールは、作品も数多くあります。

そのいずれにも「愛」「幸福」「平和」のテーマが込められていて、見ているこちらも

なんともいえない幸福感に包まれる、そんな力を持った作品だと改めて感じました

 

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こちらはパリ・オペラ座の天井画です。右の壁面には愛知県美術館のシャガール展ポスターを貼ってみました。

愛知県美術館の今回のシャガール展はこの天井画を中心に、オペラの衣裳なども展示された、

これまでにないシャガール展となっています。

ちなみに、メナード美術館ではシャガールの版画作品を見ることができますよ

 

当館館長アートトークを聞いてから、愛知県美術館やメナード美術館へ行かれる予定の方も

何人もいらっしゃいました。

みなさん予習はばっちりできましたか?

 

本プログラムは一人でも多くの方に「美術っておもしろい!」と思っていただける

きっかけになればという思いから始めました。

今後も、さまざまなテーマに取り組み、みなさまを美術の面白さ、奥深さへの入口へご案内いたします

 

次回は、6月14日(土)16:00-17:00

「線の彫刻家ジャコメッティ、限界の造形・精神性」です。

ご興味のある方は是非一度ご参加ください

前日までお電話で受付けております(清須市はるひ美術館:052-401-3881)

 

 

【開催中の展覧会】

清須ゆかりの作家 鳥羽美花展 時空を超えて-辿りついた場所より

会   期:2014年4月12日(土)~6月8日(日)

開館時間:10:00~19:00(最終日18:30まで)

休  館  日:月曜日(月曜日が休日の場合は次の平日が休館)

〈インターネット入館割引券〉

 

 

 

21. 5月 2014 · 第2回清須アートラボ はコメントを受け付けていません · Categories: 教育普及

2014年5月21日(水)

 

今日は清須アートラボ美術史講座の初回でした。

清須アートラボは、美術史講座と近隣美術館見学を月替わりで開催しています

今月は、名画鑑賞(日本美術史編①)「マンガの原型!絵巻の世界にご案内」というタイトルで

絵巻について勉強をしました。

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絵巻は、奈良時代に中国から伝わったといわれていますが、その後、日本で物語や説話文学と結びついて、

独自の発展と洗練をみせていきました。

その背景には、日本固有の絵画様式「やまと絵」の成立が重要な役割を担ったのですが、

では、「やまと絵」ってどんな絵なの?!というところから話を始めてみました

スクリーンに映された2つの画像を見比べながら、それぞれの特徴を記述してもらいました。

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作品の特徴を書く。

一見単純な作業のように思えますが、これは美術作品を見るときにはとても役に立つトレーニングです。

見えたこと、気がついたことを言葉にするというのは、なかなか難しいのです

受講生の皆さんも「えー?!」と言いながらも、がんばって特徴を書いてくれていましたね。

そして「やまと絵」の特徴をしっかり理解した上で、数々の絵巻の画像を見ていきました。

 

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日本最古の絵巻、『源氏物語絵巻』は日本人であれば誰もが知っていると言ってもいい作品のひとつかもしれません。

作品の内容もさることながら、随所に見られる絵巻独特の表現技法も確認していきました

「俯瞰描写(ふかんびょうしゃ)」「吹抜屋台(ふきぬけやたい)」「作り絵」「引目鉤鼻(ひきめかぎばな)」など。

 

amakiminomaki178 伴大納言絵巻2

『信貴山縁起』や『伴大納言絵巻』では、物語の展開を担う主要人物が、絵巻を開き、巻くことを繰り返すなかで、

何度も画面に登場する「反復描写(はんぷくびょうしゃ)」や

ひとつの画面に同一人物が複数回登場する「異時同図法(いじどうずほう)」

という技法についてもお話しました。

 

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みなさん一生懸命メモを取ったり、質問をしてくださったり。とてもいい雰囲気の講座でした

ちなみに、みなさんに配布したテキストは、各回担当学芸員が講座の内容に合わせて作成しています。

自宅でもテキストを見ながら講座の内容が思い出せるよう、カラー図版もなるべくたくさん入れてみました。

みなさんの関心をより深められるお手伝いができたら嬉しいです!

 

さて、来月は美術館見学です。

愛知県陶磁美術館で開催中の「古唐津・古武雄」展を見学します!

普段はなかなか見ることのない九州の焼き物の展覧会です。

学芸員さんの解説も楽しみですね

 

 

【開催中の展覧会】

清須ゆかりの作家 鳥羽美花展 時空を超えて-辿りついた場所より

会   期:2014年4月12日(土)~6月8日(日)

開館時間:10:00~19:00(最終日18:30まで)

休  館  日:月曜日(月曜日が休日の場合は次の平日が休館)

〈インターネット入館割引券〉

 

 

 

 

15. 5月 2014 · 第2回清須アートサポーター はコメントを受け付けていません · Categories: 教育普及

2014年5月15日(木)

 

今日は、今年度第2回目の「清須アートサポーター」活動日。

「清須アートサポーター」は、「清須アートラボ」受講修了生の中から、

清須市はるひ美術館の運営をサポートしてくださる方が集まっています。

 

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4月の初顔合わせをすませ、今月から活動が本格的にスタート。

サポーターは今年度、総勢25名に増えました!

多くの方が清須市はるひ美術館の活動に興味を持ってくださり、うれしい限りです。

 

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まずはいつものように、最近訪れた美術館を、紹介する情報交換からはじめました。

それぞれの興味に応じて、どんな美術館・展覧会に行ってきたかを報告するのです。

ポイントは、作品を鑑賞するだけでなく、展示、ショップ、案内などに関してどのような工夫がしてあったか、

当館にも取り入れられることはないか、といった観点で見てくること。

今日は、県外の三重県や、東京での展覧会に出かけてきたと紹介してくれました。

 

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それから、国外に飛び出して、スペインの美術館めぐりをしたサポーターも。

スペインの地図を示しながら、訪れた都市を説明してくれました。

エル・グレコが住んだことで知られるトレドの町は、オススメだそうですよ。

 

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その後、↑のプリントを配り、私たち学芸員から、サポーターの今後の活動内容を発表

担当する内容に応じて3つのチームに分けることで、

大所帯となったサポーターの活動をより活発に進めよう!というわけなのです。

 

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チームは以下の3つ。

広報チーム: 清須市はるひ美術館の活動紹介定期刊行物の企画・発行

イベント企画チーム: サポーター主催のイベントの企画・運営、清須市はるひ美術館主催のイベントのサポート

美術館運営チーム: 清須市はるひ美術館の展覧会や運営のサポート

 

みんなどれかのチームに所属しています。

チームごとに集まって、さっそく具体的に何から取り組むか、作戦会議です。

 

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他の美術館や図書館で実際に行われているワークショップやイベント、

また、発行されているニュースペーパーの情報を集めたり、

当館で夏に開催予定の特別展「ブルーノ・ムナーリ展」について情報収集したり。

 

さぁ、パワーアップしたサポーター活動がこれからどんな展開をするか、楽しみですね。

次回以降、またこのブログでお知らせしていきます。

 

 

 

 

【開催中の展覧会】

清須ゆかりの作家 鳥羽美花展 時空を超えて-辿りついた場所より

会   期:2014年4月12日(土)~6月8日(日)

開館時間:10:00~19:00(最終日18:30まで)

休  館  日:月曜日(月曜日が休日の場合は次の平日が休館)

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10. 5月 2014 · 第1回清須キッズアートラボ はコメントを受け付けていません · Categories: 展覧会, 教育普及

2014年5月10日(土)

 

清須市生涯学習講座の一環として、

市内在住の小学3・4年生向けに行っている「清須キッズアートラボ」。

固定メンバーで年4回連続開催しています。

今日は、新メンバーを迎えてはじめての回でした。

 

15名の子どもたちも初顔合わせということで、お互い自己紹介することに。

大人の世界では、自己紹介には「名刺」が欠かせませんよね。

まずは学芸員が手作りの「名刺」を見せて、自分の名前を紹介しました。

 

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次は、みんなの番。まずは自分の「名刺」を作るところからはじめましょう。

 

といってもただ紙に名前を書くわけではありません。

新聞やチラシ、雑誌など印刷物の活字を切り抜いて、作るのです。

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ひらがなでも、カタカナでも、漢字でもかまいません。

一文字一文字、紙面をくまなく見て、自分の名前に使われている文字を探します。

 

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見つけたらはさみで切り取って、台紙に糊ではりつけます。

文字はできるだけカラフルで、大きさが違っているほうが面白い名刺になります。

1時間ほど熱中して、それぞれ1~3枚の個性的な名刺ができあがりました。

 

中には、なかなか活字になっていない文字があって、

みんなで手分けして探してあげる場面もありましたね。

 

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できたら名刺を持って、みんなの前で自己紹介です。

ちょっぴり恥ずかしそうだけれど、みんなどこか誇らしげです。

 

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例えばおなじ「あ」という文字でも、細かったり太かったり、

デザインがいろいろあることに気づいたかな。

できた名刺を交換し合って、お友達になった子もいました。

 

このあと、場所を美術館展示室に移し、みんなで一緒に絵を鑑賞して楽しみました。

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「まずは静かにじっくり絵を見てね」の掛け声で、

子どもたちは画面を食い入るように見つめます。

しばらくして、「この絵には何が描かれている?」と問いかけると、

ハイハイっと手が上がります。

「自転車がある」「服がたくさん吊ってある」「青い鳥が飛んでる」「燃えてる!」

子どもたちは自由な発想で、見えた形をさまざまなものに見立てます。

観察が深まってくると、描かれた場面は洋服やさんで、時間は夜だ、

などと次第に輪郭ができ上がってくるのです。

 

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2点目もみんなでじっくり観察します。

「船がある」「崩れそうな家がある。津波が来たんじゃないか?」

「船長さんが座ってる」「バーベキューしてる」

一人のこの発言が、他の子どもたちを刺激し、新たな観察を引き出します。

 

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最後は大作に挑みました。

ここでもみんな細かな観察を披露してくれました。

言葉にはならないけれど、長い長い時の流れと、

人々がかつてそこにいたであろう雰囲気をちゃんとつかんでいました。

人知を越えた圧倒的な何ものかに対する畏怖の念を感じたようです。

 

 

今回は「この絵はこういう場面を描いた作品だよ。」というようなことは一切紹介しませんでした。

なので、中には未解決のままの、もやもやした感じが残った子がいたかもしれません。

そのもやもやは、絵を見ることに積極的だったからこそ残るものです。

 

絵の見方に正解はない。ただ、自分の感覚をフルに使うことが求められる。

それは、遊びに近い感覚かもしれません。

 

子どもたちには子どもたちなりの自由な絵の見方があっていい。

自分で「あれは何だろう?」と思って、主体的に観て、考えることが大切なのです。

そこから、いろんな世界が広がってきます。

 

 

 

【開催中の展覧会】

清須ゆかりの作家 鳥羽美花展 時空を超えて-辿りついた場所より

会   期:2014年4月12日(土)~6月8日(日)

開館時間:10:00~19:00(最終日18:30まで)

休  館  日:月曜日(月曜日が休日の場合は次の平日が休館)

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30. 4月 2014 · 平成26年度 第1回清須アートラボ はコメントを受け付けていません · Categories: 教育普及

2014年4月30日(水)

 

今年で4年目を迎える清須アートラボ。

本年度もたくさんのご応募をいただきありがとうございました

応募者全員を当選にしてしまいたい気持ちを抑え、抽選で15名のみなさんを選ばさせていただきました。

本日は初日。初顔合わせです。

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まずは、館長の挨拶から。

清須アートラボに参加するみなさんへ、一年間一緒に楽しく、そして深く、

アートに触れることの素晴らしさを、館長らしい熱い言葉で語りました。

みなさん、期待でいっぱいのきらきらした表情が印象的でした

4月です。新しいことを始めるフレッシュな気持ちがこちらにも伝わってきました

 

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館長の挨拶の後は、学芸員も交えて、一人ずつ自己紹介をしていただきました

お名前、住んでいる地域、志望動機などなど。

みなさん、年齢もさまざま、お仕事もさまざま。

 

もちろん、美術への接し方もさまざまです

ほとんど美術館に行ったことのなかった人や、時々行くけど何が楽しいのかわからないという人から、

仕事も子育てもひと段落ついたから、新しいことを始めてみたい!という人まで。

 

一年後、みなさんが少しでも「美術館って楽しいところ」、そんな風に思ってもらえるよう、

これから一年がんばっていきたいと思います

 

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そんなわけで、今日の締めくくりは、現在開催中の「鳥羽美花展」を担当学芸員が解説しました。

普段は見ることのできない屏風の裏側まで・・・

これぞアートラボの特権

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2階の型紙や制作工程の展示では、質問も飛び交い、みなさんの「知りたい!」という意欲全開でした。

美術作品は見て楽しむことはもちろんですが、「何故だろう?」と疑問をもつこともとても重要です

だって、アートはわからないことだらけ。当然です。

「何故だろう?」から出発して、いつのまにかいろんなことを感じ、考えられるようになるのです。

 

新年度のアートラボのみなさん、一年間どうぞよろしくお願いします

 

 

【開催中の展覧会】

清須ゆかりの作家 鳥羽美花展 時空を超えて-辿りついた場所より

会   期:2014年4月12日(土)~6月8日(日)

開館時間:10:00~19:00(最終日18:30まで)

休  館  日:月曜日(月曜日が休日の場合は次の平日が休館)

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17. 4月 2014 · H26年度 第1回清須アートサポーター はコメントを受け付けていません · Categories: 教育普及

2014年4月17日(木)

 

今日から清須アートサポーターは新体制になりました!

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サポーター発足から3年目を迎える今年度。

新規サポーターが9名加わり28名の大所帯となりました

今日は、現在開催中の「鳥羽美花展」を担当学芸員の解説を交えて鑑賞し、

その後、いつもの活動場所へ移動しました。

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サポーターのみなさんには、展覧会の内容や作品、作家について良く理解していただけるよう

展覧会が変わるごとに担当学芸員が案内しています

また、展示の工夫や作品の借用、搬入出時の様子など、

学芸員の仕事についても知っていただけるような裏話もお伝えしています

 

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展示室からサポーターの活動場所へ移動し、まずは自己紹介から。

やや緊張しつつも、各自の持ち味が出た自己紹介タイムとなりました。

このメンバーでこれから清須市はるひ美術館を盛り上げていってくださるかと思うと、

とても心強い仲間が増えた気分です

 

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自己紹介がおわり、年間の活動予定やもろもろ事務連絡が済んだらティータイム

第1期生が率先してお茶の準備をしてくださいました。

人数も増えて準備が大変いつもありがとうございます。

お茶とお菓子があると会話も弾みます

 

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ティータイム後は、夏の特別展「ブルーノ・ムナーリ」について担当学芸員から紹介しました。

特別展では、毎年サポーターのみんさんにはいろいろな面でサポートしていただいています

そのためには、まずは展覧会のことを良く知っていただく必要があります。

近々勉強会も開きたいと思っています

一緒にいい展覧会になるようにがんばりましょう

 

そして、28名という大所帯となったサポーター。

これまで以上に活発な活動を期待しています

 

 

 

【開催中の展覧会】

清須ゆかりの作家 鳥羽美花展 時空を超えて-辿りついた場所より

会   期:2014年4月12日(土)~6月8日(日)

開館時間:10:00~19:00(最終日18:30まで)

休  館  日:月曜日(月曜日が休日の場合は次の平日が休館)

〈インターネット入館割引券〉

 

 

 

 

20. 3月 2014 · 第12回アートサポーター はコメントを受け付けていません · Categories: 展覧会, 教育普及

2014年3月20日(木)

 

今年度最後のアートサポーター活動日。

前々回12月から続けている美術勉強会のつづきで、今日はHさんが発表です。

Hさんは、稲沢市荻須記念美術館で開催されていた展覧会「日本画家が描いた西洋風景展」に足を運び、

前から気になっていたという、横山操(よこやま・みさお)に着目。調べてくれました。

 

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横山操は大正から昭和にかけて活躍した日本画家。

代表作のひとつは、東京国立近代美術館にある《塔》です。

Hさんは、横山操といえばこのように黒を基調とした力強い描写が特徴だと思っていたのですが、

稲沢市荻須記念美術館で目にした《シャンゼリゼ》は、意外にも細く几帳面な線で構成された1点だったので、

そのギャップに驚いたといいます。

 

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↑ Hさん、なんとこんな立派なレジュメに要点をまとめてきてくださってました!

 

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レジュメを見ながら、横山操は、もともとは日本画ではなく洋画を学んでいたこと、

シベリヤ抑留経験が作画に影響していることなどをみんなで学びました。

新しいことを知るというのは、とっても楽しいことですね。

 

「日本画家が描いた西洋風景」

このタイトルが示すように、本展覧会では、日本画家がつかの間日本を離れ、

見聞を広げるため西洋に渡り、旅の途上で制作した作品も多く出品されていました。

つまり、いつもの自分の土俵とは違うところで、新鮮なまなざしで描いたものです。

そのため、その画家がふだん得意とする画材やモチーフが登場しないことも多く、

よい意味で期待を裏切る、画家の意外な一面を垣間見せてくれる作品がありましたね。

一方で、日本画の画材と技法を駆使しながらヨーロッパの風景に取り組み、独自の画風にまで高めた画家もいました。

 

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お勉強の後はちょっとブレイク。

みなさんが持ち寄ったお菓子やレモンでティータイムです。

 

最後に、4月から新しく始まる企画展について、担当学芸員からみなさんにご説明。

「清須ゆかりの作家 鳥羽美花展 時空を超えて―辿りついた場所より」(4/12~6/8)

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ポスターは↑こんな風に出来上がりました。

お見せすると、「かっこいいね!」とか「すご~い」とか歓声が上がって、ずいぶん好評なんです。

 

この展覧会では、清須生まれの染色画家、鳥羽美花さんの代表作を一堂に集めてご紹介します。

鳥羽さんは、日本古来の染色技法「型染め」を使って、ベトナムの風景を表現しています。

ベトナムでは、急速に経済発展を遂げる傍らで、日々失われていく風景がある。

それを、旧来の「型染め」の枠とスケールをはるかに超えて制作のモチーフと定め、20年来取り組んでこられました。

日本独自の技法を使いながらも、異国の風景を自分の中で消化し、オリジナルの作風を確立した、

その好例のひとつと言えるでしょう。

人の背丈を越える大きな画面に色鮮やかに染め出された情景に、きっと圧倒されるはずです。

楽しみにしていてくださいね

 

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さて、展覧会の幕開けには、アートサポーターの協力が欠かせません。

開会式は、会場整理やドアオープンなど、あちこちでサポーターが活躍します。

当日の段取りを確認したり、お客様へのご案内の仕方について改善点を話し合ったりして解散となりました。

 

アートサポーターが発足してまる2年。

美術館にとって、最近ますます心強い存在になっているサポーターさんたちです。

 

 

 

【開催中の展覧会】

[貸ギャラリー] 清須市文化協会  新川絵画クラブ展

会   期:2014年3月18日(火)~3月23日(日)

開館時間:10:00~17:00

 

[貸ギャラリー] 清須市文化協会  清洲絵画クラブ展 第42回春彩の会

会   期:2014年3月18日(火)~3月23日(日)

開館時間:10:00~17:00(最終日は16:00まで)

 

 

 

 

13. 3月 2014 · 第10回清須アートラボ:愛知県美術館「印象派を超えて 点描の画家たち」展鑑賞 はコメントを受け付けていません · Categories: 教育普及

2014年3月13日(木)

今日は清須アートラボ最終回でした。

今回は、現在、愛知県美術館で開催中の展覧会「印象派を超えて 点描の画家たち」を鑑賞しました

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鑑賞の前に、展覧会担当の副田学芸員に本展の概要や見所、「点描」についての詳しいレクチャーをしていただきました。

やわらかい口調で、難しいこともわかりやすく丁寧に説明いただいたおかげで、すっかり点描通?!になった気分

約40分間のレクチャーもあっという間でした。

副田学芸員ありがとうございました

 

 

展覧会概要や出品作家について学んだ我々は、いざ展示室へ

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さすがに話題の展覧会。

平日の、しかも悪天候にもかかわらず広い展示室はお客さんでいっぱい

 

全体の展示構成は、「印象派の筆触」「スーラとシニャック-分割主義の誕生と展開」「ゴッホと分割主義」

「ベルギーとオランダの分割主義」「モンドリアン-究極の帰結」の5部構成。

まるで教科書のような展示は、印象派と新印象派との関係や流れがよくつかめる良質なものでした。

また、日本ではあまり見ることのできないベルギーやオランダの画家たちの作品も充実していて、

大変興味深い内容となっていました

 

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受講生のみなさんも食い入るように鑑賞。

作品を前に自分の意見や感想を述べ合う姿も印象的でした

 

一年間アートラボを開講して感じたことは、みなさんとても勉強熱心だということ。

市民にこういった美術ファンが増えることを願って、来年度以降も本講座を実施していきたいと思います。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします

 

 

【開催中の展覧会】

清須市文化協会 第8回春日絵画クラブ作品展

会   期:2014年3月11日(火)~16日(日)

開館時間:10:00~19:00 (最終日は17:00まで)

 

 

 

 

 

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