今年度もさまざまな活動をおこなっているアートサポーター。
「みんなでどこかにお出かけしたい!」というご要望もあり、プチトリップを企画しました。
サポーターのみなさんは美術館にはよく足を運んでいるので、「美術館・博物館以外の隠れ(?)アートスポット」をお題に、12月の回にみんなで行先を話し合いました。
いろいろ出ましたが、最終的に「地下鉄アート」に決定!
「地下鉄アート」とは、ここでは名古屋市営地下鉄の壁画を指しています。※地下鉄アートという固有名詞が付いているわけではありません。
名古屋市内に住む学芸員Oが、通勤途中に出会う壁画を見ながらなんとなく気になっていたのがきっかけで、候補に推してみました(最終的に私の個人的な趣味にお付き合いいただいた感じに。ありがとうございます!m(__)m)。
名古屋近辺にお住まいの方なら必ず利用するであろう、名古屋市営地下鉄。公共建築によくある壁画が、ここにも設置されているのですが、なかなか面白いのです。
言い出しっぺなので、下調べをして旅のしおりも作ってしまいました。
調べてみると、6路線ある地下鉄のうち、後発の新しい路線である桜通線(1989年開通)に、計画的に壁画が設置されたことがわかりました。
今回は時間が限られていたので、桜通線のうちの7駅をピックアップしてめぐることにしました。
名古屋駅:高松次郎《イメージスペース・名古屋駅の人々》
ハイ・レッド・センターで有名な高松次郎の「影」シリーズがこんなところに。
吹上駅:ウィリアム・マクエルチュラン《“PLEASE DO NOT RUN”》
等身大の金属彫刻が大迫力です。
「そんなに早く走らないで。人生で最も美しいものを見失ってしまうから。」という言葉が添えられています。
桜山駅:《桜山物語》
桜が舞い散る金屏風と、その隙間から市電が走る昔の桜山のモノクロ風景がだまし絵のように描かれています。かなりクオリティの高い作品だと思うのですが、作者は不明です。
野並駅:川村秀樹《WHITE CONCEPTION》
セラミックデザイナーが手がけた、ボーンチャイナという高級磁器製の壁面装飾です。野並駅近くに本社がある鳴海製陶が寄贈しています。すべすべした特殊施釉が心地よい。
ところどころにスリットや突起があり、平面に表情を生んでいます。
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このほかに、桜本町駅、御器所駅、車道駅を回りました。
サポーターは清須在住・在勤の方々なので、もともと桜通線を利用することは少ないようですが、「地下鉄にこんな見どころがあったなんて!」と興味津々に鑑賞していました。
なぜ桜通線にまとまって壁画が設置されたのか、他の路線にはどのような作品があるのか、作者がわからない作品などについて、詳しく調べることはできませんでしたが、劣化・損傷が激しい作品や、目に留める人がほとんどいない様子を見ると、これから顧みられることはないのかもしれないなと残念な気持ちにもなりました。
普段素通りしているようなところにも、アートがあったりします。
それに気づいたときはちょっとうれしくなりますし、日常の視点がちょっと変わるかもしれません。
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