08. 7月 2014 · ムナーリのワークショップ「コラージュ」 はコメントを受け付けていません · Categories: 展覧会

2014年7月8日(火)

 

ムナーリ展3日目です。

今日は6日(日)に開催したワークショップをご紹介します。

ムナーリのワークショップ「アートとあそぼう」は、本展覧会で5種類実施します

展覧会2日目にあたる6日(日)は、午前に「コラージュ」、午後に「テクスチャー」をおこないました。

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まずは、講師の有福一昭さん(こどもの城)をご紹介し、展覧会についてやムナーリについての説明を

簡単にした後、みんなで展覧会を鑑賞しました

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学芸員と一緒にムナーリの作品を体験した子どもたち。

いつも美術館で見る作品とはどこか違った様子にすぐに反応して、とても楽しそうに鑑賞してくれました

 

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場所をワークショップの会場へ移します。午前の部は「コラージュ」。

このワークショップでは、様々な素材を切り貼りして作品をつくります

キラキラした紙、ざらざらした紙、トレーシングペーパーのような薄いものから、

ダンボールのように厚いものまであります。

さらに、部屋の壁紙や穴が空いた紙など、「紙」と一言で言ってもたくさんの種類の紙が配布されました

 

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いろんなタイプの紙の中から、まずは自分の気に入った紙を3枚選んでみよう

ということで、みんな立ち上がって、「これでもない、あれでもない」と必死に選んでいる姿が印象的でした。

 

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紙を選んだら、いよいよ制作にとりかかります。

どんな作品にしようかな?と時間をかけて考える子もいれば、

すぐにひらめいて早速、制作に取りかかる子もいました

動きだしたら、みんなもくもくと紙を切ったり貼ったり、集中しています。

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使っている素材は、基本的には茶色や白っぽい色ばかり。

つまり、色彩がない素材を使って、どれだけ自分の思い描いている世界を作れるか、

というトレーニングにもなるのです

参加してくれた子どもたちは、色がなくても、それぞれの素材の質感などを利用して

面白い作品を作れることを実感したのではないでしょうか

 

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完成作品は壁に貼り付けて、みんなが見れるようにしました。

最後に、講師の有福さんから一点一点丁寧にコメントをいただき、参加者も大満足

素材にたくさんの種類があることで、表現の幅もずいぶん広がることを体験できましたね。

 

他にもまだまだたくさんのワークショップを実施しますので、

是非、いろいろ参加してみてください!

 

 

【開催中の展覧会】

特別展 ブルーノ・ムナーリ アートのなかの遊び

会   期:2014年7月5日(土)~9月28日(日)

開館時間:10:00~19:00(最終日18:30まで)

休  館  日:月曜日(月曜日が休日の場合は次の平日が休館)

〈インターネット割引券〉

 

 

 

 

06. 7月 2014 · オープニングイベント:ワークショップ「木をつくろう」 はコメントを受け付けていません · Categories: 展覧会

2014年7月6日(日)

 

昨日は無事に特別展「ブルーノ・ムナーリ アートのなかの遊び」の初日を迎えることができました。

初日からかけつけてくださった多くのムナーリファンの皆様、関係者の皆様、ありがとうございました

そして、オープニングイベントとして開催したワークショップ「木をつくろう」も大盛況でした!

今日はワークショップ「木をつくろう」の様子をご紹介します。

 

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展覧会期中、ムナーリが考案したワークショップは全部で5種類開催しますが、

この「木をつくろう」だけは、展覧会初日の1回のみ。

そのせいもあってか、あっという間に定員に達してしまいました

 

参加したみんなは、講師の有福一昭さん(こどもの城)の説明に一生懸命耳を傾けていました。

壁には茶色の紙が何枚も貼ってあります。しかも、幅がそれぞれ違うようです。

わたしたちが普段目にしている「木」の特徴を、優しい口調で説明しながら、

有福さんは一番幅の広いものを選び、もう一度壁に貼り直しました

「木の幹の一番下の部分は、一番太いよね」という感じで。

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続いて、木は生長していくと2本に分かれて、その分かれた2本はさらに2本に分かれて・・・

そんな話をしながら木の構造を参加者に理解してもらいます。

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ひととおり説明が終わったら、早速、みんなで木をつくってみましょう!ということで・・・

二人一組で木の幹を運びます

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しっかりテープでつないでいきます。

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少しずつ幹は細くなり、枝になっていきます。

みんなで丁寧につなぎ合わせた木は・・・

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ずいぶん大きく生長しました

さて、次は何をやるのかな???

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ポスカと白い紙。有福さんがスラスラと絵を描き始めました。

葉っぱかな?木の実かな?お花かな?

そう!木は幹だけじゃないので、葉っぱや木の実を加えて素敵な木を完成させます

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みんなそれぞれ個性的な葉っぱを描いて、はさみで切っていきます

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ウルトラマン(?!)まで登場しました。

どんどんカラフルな木になってきて、葉っぱを描いて貼り付けるのが楽しくてしょうがない!という感じ

木の幹に直接描いている子もいましたね

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さあ、だいぶ出来てきました。

あっという間に、葉っぱでいっぱいの木になり、虫や鳥もところどころに描いてくれていました

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楽しい木ができて完成かな?と思ったところで次なるお話がありました。

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みんなで木を持ってみよう!

まずは、おへその高さまで。続いて、胸の高さまで。

木はどんどん起き上がっていきます

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頭の位置まで持っていったら、「少し風が出てきたよ!」の一声で、みんなで木をゆっくり揺らします

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「風がどんどん強くなってきたよ!」の掛け声に合わせて、木は上下に大きく揺れ始めます

みんなで作った木を、小さく、大きく揺らしました。

風が止んで、また床に木を置いて、おしまい。

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このワークショップの内容はムナーリが書いた『木をかこう』という本にまとめられています

最後は、有福さんがみんなに『木をかこう』を読み聞かせながら、

身近な木を観察してこのワークショップを考え出したムナーリさんのことを紹介して終わりました。

 

あっという間の1時間30分のワークショップでした。

木の生長を実感しながら、独創的な木を30人という大人数で作り上げていくワークショップは、

個人で何かを作り上げるものとは全く別で、ダイナミックであり協同作業から生まれる楽しさを

子どもたちは感じることができたのではないでしょうか

 

会期中、ムナーリのワークショップはまだまだ続きます。

すでに予約でいっぱいの回もありますが、受付中の回もたくさんありますので、

興味をもたれた方は、是非お電話でご予約ください

予約:052-401-3881

ワークショップ詳細はホームページをご覧ください。

 

 

【開催中の展覧会】

特別展 ブルーノ・ムナーリ アートのなかの遊び

会   期:2014年7月5日(土)~9月28日(日)

開館時間:10:00~19:00(最終日18:30まで)

休  館  日:月曜日(月曜日が休日の場合は次の平日が休館)

〈インターネット割引券〉

 

 

 

 

05. 7月 2014 · 特別展「ブルーノ・ムナーリ アートのなかの遊び」開会式 はコメントを受け付けていません · Categories: 展覧会

2014年7月5日(土)

 

特別展「ブルーノ・ムナーリ アートのなかの遊び」初日を迎えました

今日は、開会式の様子をご紹介します。

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美術館入口横の看板です。今回の展覧会の広報物でお馴染みのカラフルな色彩です。

遠くからでもすぐにわかるインパクトのある看板に仕上がりました

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朝から続々とご招待のお客様にご来館いただきました。

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当館のアートサポーター(左写真)や博物館実習生(右写真)もいつもと違う装いで開会式に参列します。

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階段をのぼっているのは、美術館の裏手にある夢の森保育園年長クラスのみなさんです。

今日の開会式とワークショップに特別ご招待させていただきました。

みんなお揃いのスモッグでかわいらしいですね

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開会式が始まりました。

館長の挨拶が始まり、やや緊張気味のかわいらしいゲストたち。

最後までお話を聞けるか保護者のみなさんは心配しながら後ろから見守っていらっしゃいました

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清須市教育委員会 齊藤教育長(左写真)の挨拶、日本ブルーノ・ムナーリ協会 岩崎代表(右写真)の挨拶と

それぞれのお立場から、本展覧会の趣旨や魅力を語っていただきました

とりわけ、岩崎氏のお言葉は、まるでムナーリからのメッセージを代弁してくださっているかのような内容で、

大変心に残るスピーチでした

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テープカットは、館長、教育長はじめ、主催者の中日新聞一宮総局長、日本ブルーノ・ムナーリ協会岩崎代表、

こどもの城センター事業運営部有福課長、そして夢の森保育園の園児代表2名でおこないました

 

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テープカット後はいよいよ展示室オープンです。

入口の天井からはカラフルな入口サインをかけてみました。

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展示室内には、平面作品から立体作品まで全部で約200点以上の作品が展示されています。

みなさんとても楽しそうに鑑賞していて、担当者としてはほっと一安心

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館長と子どもたちのこんな微笑ましい光景も見られました。

そして、岩崎さんも来場者に丁寧にムナーリの魅力について説明してくださいました

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子どもも大人もとても熱心に鑑賞している姿が印象的でした。

ムナーリの作品は、もちろん子どものことを考えて作られたものが多数あります。

ですが、本来は大人にもわかってもらいたい、そんな強い思いがあったはずです。

ですから、ひとつひとつの作品や解説は、大人にこそ惹きつけられるものがあるのではないでしょうか

 

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展示室を出るとショップコーナーも充実しています

ムナーリの書籍や遊具、そのほか玩具やデザイン系のグッズなど

楽しいアイテムをたくさん取り揃えております。

展覧会と合わせてお楽しみください

 

 

【開催中の展覧会】

特別展 ブルーノ・ムナーリ アートのなかの遊び

会   期:2014年7月5日(土)~9月28日(日)

開館時間:10:00~19:00(最終日18:30まで)

休  館  日:月曜日(月曜日が休日の場合は次の平日が休館)

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05. 6月 2014 · 第3回アートサポーター はコメントを受け付けていません · Categories: 展覧会, 教育普及

2014年6月5日(木)

 

清須アートサポーターの第3回目。

今日はまず、7月から始まる特別展「ブルーノ・ムナーリ アートのなかの遊び」について、

担当学芸員から説明をしました。→展覧会HPはこちら

サポーターの皆さんには、この特別展にいろいろな形でかかわり、サポートしていただく予定です。

 

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刷り上ったばかりのチラシを配り、会期中予定している様々なイベントを紹介。

ムナーリは、遊びを通してさまざまな発見をし学んでいくことを大事にし、

たくさんのワークショップを行った人です。

展覧会では関連イベントでその一部を体験してもらうことができます。

 

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今日は特別に、ムナーリの考え方に想を得たプログラムを開発・実践してこられた、

元愛知県児童総合センター長の田嶋茂典さんにお越し頂き、

サポーターのみなさんにお話していただきました。

 

ムナーリが取り組んだ仕事。ムナーリとの出会い。展覧会を企画して日本に招聘したこと。

それから、ムナーリに大いに影響を受けて編み出した様々なプログラムについて。

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↑こちらは愛知県児童総合センターで実際に行われている「あそびプログラム」の様子です。

ムナーリならこういう風に考えただろうなということを組み込んで、

参加者の反応を見たりして少しずつ改良しながらプログラムをつくっていくそうです。

 

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田嶋さんは、センターが日ごろ重視しているポイントをレジュメにまとめ、分かりやすく説明してくれました。

一見無駄なことでも実はそれが重要であること、また、

不自由なルールを作るからこそその中で工夫し創造していくのだ、というお話は、

何も遊びに限ったことではなく、普段の生活の中でもとても大事なことなんだろうなと思いました。

 

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サポーターたちもぐいぐい引き込まれ、熱心に聞き入っていました。

田嶋さんは、愛知県児童総合センターでの経験を生かし、

現在でも各地の児童館や美術教育の現場へ招聘され、理論と実践を多くの人に伝えていらっしゃいます。

話すのもお上手なのですが、それ以上に熱いハートが聴く側の心を捉えるのだと感じました。

 

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こちらは、今回のムナーリ展の関連イベントで実施するプログラムです。

左は「ひかり・いろ・かたち」というプログラム。“どんどん” “にゅるり” “ひゅーひゅー”といった擬音語や擬態語を、

さまざまな色やかたちの素材で表現します。

右は「ひもでかお」というプログラム。長いロープで決められた範囲の床に顔を作ります。

 

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休憩中も田嶋さんの熱いトークは続きました。

田嶋さんは、愛知県児童総合センターで、ムナーリが開発したプログラムをそのまま模倣するのではなく、

いくつかご紹介したように、ムナーリの考え方を解釈した上で、田嶋流にムナーリの世界を広げてきた方なのです。

そんな「ムナーリイズム」を本展覧会に来館くださる多くのお客様、そして、サポーター、私たち美術館スタッフに

浸透させてくださることを期待しています!

 

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ティーブレイクのあとは、サポーター全員でムナーリ展のポスター、チラシの仕分け作業を行いました。

これから各美術館、図書館などの文化施設、教育施設へ発送します。

遊び心たっぷりのデザインに仕上がっています。

お手に取ってぜひ、その「しかけ」を楽しんでくださいね。

 

 

 

【開催中の展覧会】

清須ゆかりの作家 鳥羽美花展 時空を超えて-辿りついた場所より

会   期:2014年4月12日(土)~6月8日(日)

開館時間:10:00~19:00(最終日18:30まで)

休  館  日:月曜日(月曜日が休日の場合は次の平日が休館)

〈インターネット入館割引券〉

 

 

 

25. 5月 2014 · 鳥羽美花展 アーティストトーク2 はコメントを受け付けていません · Categories: 展覧会

2014年5月25日(日)

 

「清須ゆかりの作家 鳥羽美花展 時空を超えて―辿りついた場所より」

今日は鳥羽美花さんによるアーティストトークの2回目。

1回目は、前期展示期間中の4月26日に行いました。

5月13日から始まった後期展示では初めての開催です。

前回を上回る、なんと80名ほどのお客様にお越しいただき、会場は熱気に包まれました。

 

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まずはエントランスロビーで、鳥羽さんご自身がこれまでの作家活動と、この展覧会のコンセプトをご説明。

今回の展覧会の副題は、鳥羽さんの発案によるものです。

鳥羽さんは1994年に初めてベトナムを訪れ、風景やそこに住む人々に魅了されて以来20年、

一貫してベトナムの風景を型染め技法を使って染め描いてこられました。

 

「気づいたら20年経っていた。」

その20年間の集大成である三部作《辿りついた場所》を日本初公開する展覧会が本展なのです。

 

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展示室に入り、作品一点一点について、丁寧にベトナムでの取材地や制作動機について語ります。

その言葉は聞いている人を暖かく包み込む音楽のようにやさしいけれど、

芯の強さを感じさせる、凛とした響きがあります。

 

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後期展示では季節に合わせ、ベトナムの雨をテーマとした《雨上がり》《モンスーン》といった作品が新しく加わりました。

たたきつけるように降る雨、霧雨のような細い雨。

肌にまとわりつく湿度の高い空気まで感じることができます。

 

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↑こちらが本邦初公開となる三部作《辿りついた場所》。

展示室の奥に互い違いに立てて置き、インスタレーションとして展示してあります。

モチーフはベトナム中部にある世界遺産のミーソン遺跡。

まるで遺跡の中を歩くような感覚で、鑑賞していただけます。

 

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一番右の屏風は、一般的な屏風の広げ方とは違うのにお気づきになりますか?

通常4曲屏風は、上から見るとM字に折りたたんだり広げたりするようになっていますが、

これだけは一部ジグザグを逆にして広げています。

こうすることで、観る方の視線を誘導して、遺跡にたどり着きやすくしているのです。

自然に最奥へといざなわれている感じ。

屏風の置き方ひとつで、いろんな空間演出が可能になることを今回鳥羽さんから教わりました。

 

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今日は特別に、鳥羽さんのご配慮により屏風の裏側もご覧いただきました。

表具師さんに作品の遺跡のイメージを伝えたところ、古代裂(こだいぎれ)という古い織物をダーツにして貼り、

こんなすてきな表具に仕立ててくださったそうです。

見えないところになんとも粋な職人技ですね。

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引き続きもう一つの展示室でも作品解説していただきました。

お客さまが入りきらないほどの盛況ぶり。

 

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最後に2階で、型染めの制作工程をご覧いただきました。

《辿りついた場所》を制作する際に実際に使った型紙を約10点吊るして展示しています。

実物を見れば、型彫りがいかに根気が要る作業なのかが伝わってきて圧倒されます。

 

作品世界に浸り、また鳥羽さんのお人柄にふれてファンになられた方も大勢いらっしゃることでしょう。

そんな方に朗報です。

鳥羽さんは現在、建仁寺の襖絵52面を染め上げるプロジェクトを進行中です。

今秋11~12月には、完成に先駆けてその一部が建仁寺で公開予定。

これからまたどんな世界を私たちに見せてくれるのか、楽しみですね。

詳細は鳥羽美花さんの公式HPをご覧ください。→こちら

 

 

 

 

【開催中の展覧会】

清須ゆかりの作家 鳥羽美花展 時空を超えて-辿りついた場所より

会   期:2014年4月12日(土)~6月8日(日)

開館時間:10:00~19:00(最終日18:30まで)

休  館  日:月曜日(月曜日が休日の場合は次の平日が休館)

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10. 5月 2014 · 第1回清須キッズアートラボ はコメントを受け付けていません · Categories: 展覧会, 教育普及

2014年5月10日(土)

 

清須市生涯学習講座の一環として、

市内在住の小学3・4年生向けに行っている「清須キッズアートラボ」。

固定メンバーで年4回連続開催しています。

今日は、新メンバーを迎えてはじめての回でした。

 

15名の子どもたちも初顔合わせということで、お互い自己紹介することに。

大人の世界では、自己紹介には「名刺」が欠かせませんよね。

まずは学芸員が手作りの「名刺」を見せて、自分の名前を紹介しました。

 

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次は、みんなの番。まずは自分の「名刺」を作るところからはじめましょう。

 

といってもただ紙に名前を書くわけではありません。

新聞やチラシ、雑誌など印刷物の活字を切り抜いて、作るのです。

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ひらがなでも、カタカナでも、漢字でもかまいません。

一文字一文字、紙面をくまなく見て、自分の名前に使われている文字を探します。

 

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見つけたらはさみで切り取って、台紙に糊ではりつけます。

文字はできるだけカラフルで、大きさが違っているほうが面白い名刺になります。

1時間ほど熱中して、それぞれ1~3枚の個性的な名刺ができあがりました。

 

中には、なかなか活字になっていない文字があって、

みんなで手分けして探してあげる場面もありましたね。

 

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できたら名刺を持って、みんなの前で自己紹介です。

ちょっぴり恥ずかしそうだけれど、みんなどこか誇らしげです。

 

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例えばおなじ「あ」という文字でも、細かったり太かったり、

デザインがいろいろあることに気づいたかな。

できた名刺を交換し合って、お友達になった子もいました。

 

このあと、場所を美術館展示室に移し、みんなで一緒に絵を鑑賞して楽しみました。

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「まずは静かにじっくり絵を見てね」の掛け声で、

子どもたちは画面を食い入るように見つめます。

しばらくして、「この絵には何が描かれている?」と問いかけると、

ハイハイっと手が上がります。

「自転車がある」「服がたくさん吊ってある」「青い鳥が飛んでる」「燃えてる!」

子どもたちは自由な発想で、見えた形をさまざまなものに見立てます。

観察が深まってくると、描かれた場面は洋服やさんで、時間は夜だ、

などと次第に輪郭ができ上がってくるのです。

 

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2点目もみんなでじっくり観察します。

「船がある」「崩れそうな家がある。津波が来たんじゃないか?」

「船長さんが座ってる」「バーベキューしてる」

一人のこの発言が、他の子どもたちを刺激し、新たな観察を引き出します。

 

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最後は大作に挑みました。

ここでもみんな細かな観察を披露してくれました。

言葉にはならないけれど、長い長い時の流れと、

人々がかつてそこにいたであろう雰囲気をちゃんとつかんでいました。

人知を越えた圧倒的な何ものかに対する畏怖の念を感じたようです。

 

 

今回は「この絵はこういう場面を描いた作品だよ。」というようなことは一切紹介しませんでした。

なので、中には未解決のままの、もやもやした感じが残った子がいたかもしれません。

そのもやもやは、絵を見ることに積極的だったからこそ残るものです。

 

絵の見方に正解はない。ただ、自分の感覚をフルに使うことが求められる。

それは、遊びに近い感覚かもしれません。

 

子どもたちには子どもたちなりの自由な絵の見方があっていい。

自分で「あれは何だろう?」と思って、主体的に観て、考えることが大切なのです。

そこから、いろんな世界が広がってきます。

 

 

 

【開催中の展覧会】

清須ゆかりの作家 鳥羽美花展 時空を超えて-辿りついた場所より

会   期:2014年4月12日(土)~6月8日(日)

開館時間:10:00~19:00(最終日18:30まで)

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08. 5月 2014 · 朝日新聞に作品紹介記事が掲載されました はコメントを受け付けていません · Categories: 展覧会

2014年5月8日(木)

 

開催中の鳥羽美花展が、朝日新聞夕刊の「美博ノート」の欄に

3週連続で取り上げられました。

展示作品の中から記者さんが3点を取り上げて、詳しく紹介しています。

作品の魅力が凝縮された記事ですので、以下転載してご紹介したいと思います。

 

 

4月23日(水)

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《オリエンタルドリーム》1998年 3曲屏風の一部

愛知県清須市出身の鳥羽美花は、日本の伝統的な型染めの技法でベトナムの移りゆく風景を20年にわたって描いてきた染色画家だ。中国の支配や、フランスの植民地時代、そしてベトナム戦争。「風景がこの国の変遷を見てきたんだと思う瞬間があった」と鳥羽は話す。

この初期の作品では、鳥たちを強い日差しから守る、布がかけられた鳥かごがずらりと軒に下がる様子を描いた。ベトナムには、年配の男性たちが朝の公園で大切に飼っている鳥を鳴かせ合う風習があり、ハノイの街には鳥や鳥かごを売る店がたくさんある。宙吊りの宮殿のように見えたという鳥かごには鳥はいない。生命を一切描かないことが、風景の中のざわめきや匂いをより鮮明にしているのだ。

 

 

4月30日(水)

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《香河》1998年 2曲屏風

朝のサイゴン川が、市場で売るバナナや野菜を運んできた舟で埋め尽くされている。舟には自転車や竿(さお)などさまざまなものが積まれて、家のようだ。

ホーチミンのありふれた朝の風景は、トラック輸送の発達により20年後の今では見ることはできない。染色画家の鳥羽はベトナムを訪れた当初から「ここは変わる」と直感し、作品として残した。懸命に働き、勉強する人々の姿から、この国の発展が当時から容易に予想できた。

ベトナムでの展覧会は5回開催され、会場には学生も訪れる。精緻(せいち)な職人技で染め上げた絹地を屏風(びょうぶ)の形で展示する作品は反響を呼んだ。しかし何より自分の目ではもう見ることができない母国の景色が彼らの心を捕らえたのかも知れない。

 

 

5月7日(水)

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三部作《辿りついた場所》2013年 4曲屏風

2~15世紀にベトナム中南部で栄えたチャンパ王国の聖地ミーソンに点在する遺跡を表現したインスタレーション。

この地を訪れた染色画家の鳥羽は、この盆地独特の蒸し暑さに日本の夏を思い出し、同時に王国の長い戦乱やベトナム戦争で破壊され続けた遺跡の女神やハスの花の台座のレリーフなどが昇華していくように感じたという。シャープな線や点を出すことのできる刀で、細部まで精緻に彫り込んでいる。昼から日暮れにかけて、レンガ造りの建物を照らす日の色あいが変わる3点の屏風(びょうぶ)を互い違いに並べることで、遺跡の間を通っていくような印象を与えている。

 

 

 

【開催中の展覧会】

清須ゆかりの作家 鳥羽美花展 時空を超えて-辿りついた場所より

会   期:2014年4月12日(土)~6月8日(日)

開館時間:10:00~19:00(最終日18:30まで)

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26. 4月 2014 · 鳥羽美花展アーティストトーク はコメントを受け付けていません · Categories: 展覧会

2014年4月26日(土)

 

本日、鳥羽美花さんご本人によるアーティストトークを行ないました。

以前から鳥羽さんのファンだった方や、今回初めてその作品をご覧になる方など、

50人以上のお客様においでいただきました。

 

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鳥羽さんはこれまでベトナムの国立美術博物館やフエ王宮、薬師寺などで展示されてきましたが、

当館のようなコンクリート打放ち、白い壁の近代的な建物に作品を飾ることはほとんどなかったそうです。

今回の展示に当たっては、弧を描いた扇形の展示室をどのように活かすかを考え、

まるでベトナムの街をめぐるような展示構成としたことを説明。

「ぜひご一緒に旅をしましょう」と、お客様を展示室にいざないました。

 

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途中、「今日は特別にお見せしようと思って持ってきました」と、

鳥羽さんが小さな型紙を取り出しました。

画面全体の構図を決定する大きな型紙とは別に、

この小さな型紙を反復して使用することで、画面に地模様のような、

影のような小さな点々をつけているのだそうです。

これによって、景色に深みが出て、大気のゆらぎまで感じられますよね。

展覧会では見えない、そうした制作の裏側も惜しみなくご紹介。

 

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それから、作品の舞台となったベトナムの都市の事や、制作の動機となった出来事、

ベトナムで展覧会をした際の現地の人の反応なども、ていねいにお話くださいました。

 

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ライフワークとしているベトナムの風景のほかに、本展では、日本の古都を描いた作品も展示しています。

引き算の美学、余白の美を尊ぶ日本のモチーフを制作することで学ぶことも多く、

結局、それがベトナムの風景を制作する時にも役立つのだとか。

 

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最後に2階の、型染め制作工程を解説したコーナーへ。

ここには、鳥羽さんが実際に使われた大きな型紙が何枚も展示されています。

 

型染め技法では、この型紙を使って模様を作り出していきます。

型紙を切り取ったところが、最終的には白く残ります。

絹の上に型紙を置き、そのの上から糊(のり)を塗るので、

型紙が切り取られた場所には糊がついて、防染になるというわけなのです。

 

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染める際に使う道具も特別に披露してくださいました。

動物の毛をつかった刷毛、糊置きの際に使う、もみの木のへらなど。

この木べらは、今はもう作る職人さんがいなくなってしまったとのこと。

 

型染めを下支えする様々な職人技が、時代の波にもまれ、いまや風前の灯となっている。

そんな厳しい現状にも思いを馳せる時間となりました。

 

鳥羽さんの作品世界を出発点として、ベトナムの歴史や日本が誇るべき伝統文化にも触れられる展覧会。

二重三重にお楽しみいただけること間違いありません。

 

次回のアーティストトークは5月25日(日)14時からを予定しています。

ぜひお出かけください。

 

 

【開催中の展覧会】

清須ゆかりの作家 鳥羽美花展 時空を超えて-辿りついた場所より

会   期:2014年4月12日(土)~6月8日(日)

開館時間:10:00~19:00(最終日18:30まで)

休  館  日:月曜日(月曜日が休日の場合は次の平日が休館)

〈インターネット入館割引券〉

25. 4月 2014 · テレビ取材 はコメントを受け付けていません · Categories: 展覧会

2014年4月25日(金)

 

開催中の「鳥羽美花展」、おかげさまでお客様から大変好評いただいています。

メディアからの取材も相次いでいます。

 

メーテレ取材1 メーテレ取材2

こちらは名古屋テレビの取材。

カメラの前で、展覧会の構成や見どころをお話になる鳥羽さんです。

 

ご覧くださった方もいらっしゃることと思います。

4月12日(土)、早速夕方のニュースで展覧会の開幕が報じられました。

 

 

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こちらは地元のケーブルテレビであるクローバーTVの取材の様子です。

今回、日本初公開となる最新作《辿りついた場所》の魅力をお話されている鳥羽さん。

 

3部作《辿りついた場所》は、壁に吊るされた平面ではなく、自立する屏風仕立てです。

細長い清須市はるひ美術館の展示空間を活かし、その屏風を互い違いに配置することで、

建物の間を実際に歩いているかのような感覚にさせてくれます。

 

クローバーチャンネルをご覧になれる方は、ぜひ以下の番組をチェックしてくださいね

4月26日(土)「デイリートピックス」(121ch) 7:00、9:00、12:00、18:00、21:00~

5月3(土)~9日(金)「ウィークリートピックス」(121ch) 13:00~、22:00~

 

 

 

【開催中の展覧会】

清須ゆかりの作家 鳥羽美花展 時空を超えて-辿りついた場所より

会   期:2014年4月12日(土)~6月8日(日)

開館時間:10:00~19:00(最終日18:30まで)

休  館  日:月曜日(月曜日が休日の場合は次の平日が休館)

〈インターネット入館割引券〉

 

 

 

23. 4月 2014 · 中日新聞文化面で取り上げられました はコメントを受け付けていません · Categories: 展覧会

2014年4月23日(水)

 

開催中の「清須ゆかりの作家 鳥羽美花展 時空を超えて―辿りついた場所より」が、

本日の中日新聞朝刊、文化面で取り上げられましたので、ご紹介します。

 

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(抜粋)

ベトナムの喧騒や川を描いた作品群を、町を通り抜けるように進むと、初の連作「辿りついた場所I~III」=写真=に行き着く。ベトナム中部のミーソン遺跡が題材。国を超えて普遍的な「祈る」場所を描く。20年前から日本の型染めの技法で、急速に発展し変わりゆくベトナムを描いてきた鳥羽が辿りついた集大成であり、伝統技法に不可欠な材料が減っていく危機を制作で守ろうとする決意でもある。

2メートルを超える型紙を精密に彫りこみ、染め上げられたシャープな線の交錯が、寺院の壁面をより重厚に見せる。同時に、立ち込める湿気とともに揺らぎ、消えていくようなはかなさも感じる。

過去の作品では慎重に色を調整していた鳥羽が原色の緑や赤の染料を布に直接載せた。補色がより動きを生む。経験がなしえた挑戦。新たな出発も予感させる。(村)

 

 

 

【開催中の展覧会】

清須ゆかりの作家 鳥羽美花展 時空を超えて-辿りついた場所より

会   期:2014年4月12日(土)~6月8日(日)

開館時間:10:00~19:00(最終日18:30まで)

休  館  日:月曜日(月曜日が休日の場合は次の平日が休館)

〈インターネット入館割引券〉

 

 

 

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