18. 12月 2015 · アーティストシリーズVol.80 大山紗智子展 はコメントを受け付けていません · Categories: はるひ絵画トリエンナーレ, 展覧会

2015年12月17日(木)

 

今年度4人目のアーティストシリーズは、

「清須市第8回はるひ絵画トリエンナーレ」にて優秀賞を獲得した大山紗智子さん。

愛知県立芸術大学大学院に通う学生です。

 

DSC_1430

今回の個展では、「よくある運命」というサブタイトルで、

昨年・今年の2年間に制作した15点を出品しています。

 

DSC_1392 DSC_1385

大山さんの作品には、人々の日常生活に戦闘機が突如出現するという場面がよく描かれます。

ただ、戦闘機の出現という異常な事態にもかかわらず、画中の人々は驚いている様子もなく、

入浴をしたり、食事をしたり、遊んだり、休息したりと、もっぱら日々の営みに没頭しています。

なぜでしょうか。

 

12月12日(土)、アーティストトークにて、大山さんが作品について語ってくださいました。

Exif_JPEG_PICTURE  Exif_JPEG_PICTURE

戦闘機は、大山さんが愛好するプラモデルなのだそうです。

同時に、彼女にとっては、身近な人の死の象徴でもあります。

つまり、わたしたちの生の営みに突如出現するプラモデルは、

われわれに寄り添う、死の存在でもあるのです。

 

死はいつ私たちを襲うかもしれない。

けれど、それをことさらに恐れ、騒ぎ立てるのではなく、淡々と毎日を過ごしていきたい、

そんな思いがこめられています。

 

Exif_JPEG_PICTURE Exif_JPEG_PICTURE

大山さんの作品は、タイトルを一ひねりしてあったり、

よく見ると人が穴に落ちていたり、浴槽から脚だけが出ていたりと、

見る人をクスリと笑わせる部分があります。

テーマの重さは前面に出さず、ユーモアをもって人の営みを捉えているのです。

まるで、「人生は滑稽だ」と言っているかのよう。

 

そして、戦闘機の出現に驚くでもなく、目の前の用事を粛々とこなす人間の姿は、

現代社会の縮図にも見えてきます。

日々どこかで起こる事件を、新聞やテレビ、SNS等で見聞きしてはいても、

他人事に深入りすることなく、我が事にのみ心をくだいている。

そんな人間の様子を、「人間ってこうしたものだ」とやや離れた所から肯定的に見ているのが、

大山さんの作品世界のような気がします。

 

Exif_JPEG_PICTURE Exif_JPEG_PICTURE

ただ、最新作では、戦闘機が出現しない作品も。

色味も、赤茶と紺を基調にしたものから、紫がかった寒色を多く使ったものへと変化しています。

これら最新作では、物語性が引っ込んだ代わりに、

色や形をキャンバスにどのように配置するかという、造形的な実験が目を引きます。

 

今後の展開がとても楽しみな大山紗智子さん。

ぜひ、会場に足を運んで、大山ワールドを味わってくださいね。

12月27日まで開催中です。

 

 

 

【開催中の展覧会】

清須市はるひ絵画トリエンナーレ アーティストシリーズ Vol.80 大山紗智子展

会期:2015年12月10日(木)―12月27日(日)

開館時間:10:00―19:00

休館日:月曜日(ただし祝日の場合は開館、翌火曜日が休館)

観覧料:一般200円、中学生以下無料

03. 12月 2015 · アーティストシリーズVol.79 矢島史織展 はコメントを受け付けていません · Categories: はるひ絵画トリエンナーレ, 展覧会

2015年11月29日(日)

 

アーティストシリーズ3人目、矢島史織さんの展覧会を開催しています

矢島さんは清須市第8回はるひ絵画トリエンナーレで準大賞を受賞されました

受賞作《Monster》は、トリエンナーレ会期中の来場者の投票によって「美術館賞」にも選ばれています

《Monster ♯1》2015年

 

展覧会のタイトルは、「ひかりのなかの永遠」。

DSC_1301

矢島さんは、「光と影」をテーマに作品を制作してきました。

きっかけは木漏れ日のピンホール現象を見たこと。

無数の楕円形の光が地面に落ちて揺れ動いている光景に感動したそうです

はじめは目に映った景色そのものを表現していましたが、次第にテーマは「目に見えない光と影」へ。

人間の心のなかにある輝きと闇のようなものを、コップや家といった身近なものに映し出していきました

DSC_1341

今回の展示では、2009年から2015年までの22点の作品をご紹介しています。

注目は、最新作の《Monster》シリーズ!

受賞作品をきっかけとして、5作目まで制作されています。

子どもの成長をあらわしたこのシリーズ。繊細な筆遣いと色合いでありながら、生のエネルギーがみなぎるような画面は、矢島さんにとって新たな境地となる表現です

DSC_1302

今日おこなわれたアーティストトークでは、作品の制作背景や内容について、丁寧にお話ししていただきました。

矢島さんの作品は墨や岩絵具、膠(にかわ)、胡粉(ごふん)といった日本画の材質を使って描かれていますが、

なかなか扱いが難しいのだそう

それでも、自分の表現したいものに適しているからこそ、

こういった材質にこだわって作品を創り続けているんですね

キラキラと輝く岩絵具の質感、墨のにじみ、和紙のしっとりとした滑らかさを感じるような作品たちは、

どれも温かみがあり、見る人の気持ちを穏やかにしてくます。

Exif_JPEG_PICTURE Exif_JPEG_PICTURE

先日発表されたばかりの「シェル美術賞2015」でも、準グランプリを受賞された矢島さん!

今後の活躍がますます期待されます

12月5日(土)までの会期となっております。どうぞお見逃しなく

 

 

【開催中の展覧会】

清須市はるひ絵画トリエンナーレ アーティストシリーズ Vol.79 矢島史織展

会期:2015年11月18日(水)―12月5日(土)

開館時間:10:00―19:00

休館日:月曜日(ただし祝日の場合は開館、翌火曜日が休館)

観覧料:一般200円、中学生以下無料

 

 

 

 

11. 11月 2015 · アーティストシリーズVol.78 原賢二展 はコメントを受け付けていません · Categories: はるひ絵画トリエンナーレ, 展覧会

2015年11月11日(水)

 

季節はすっかり秋ですね。

日中はまだ暖かいですが、朝晩は冷えてくるようになりました。着るものに困りますね。。

美術館入口の花壇には秋の草花が綺麗に咲いております

DSC_1259

さて、現在開催中の展覧会は、

清須市はるひ絵画トリエンナーレ アーティストシリーズ Vol.78 原賢二展 です!

今年度のアーティストシリーズ、2人目の作家さんになります

DSC_1209 DSC_1254

今年おこなわれた第8回清須市はるひ絵画トリエンナーレでは、《ティツィアンとティントレット》が優秀賞を受賞しました

DSC_1240

この作品、ぱっと見ただけでは(よく見ても)わかりにくいのですが、実は写真を使っています

手前のワイングラスに焦点が当てられていて、その後ろにいる2人の人物はかなりぼんやり。

プリントした写真のうえから筆で絵具が重ねられているので、写真なのか絵画なのかわからなくなってくるような、

不思議な画面が作り出されているのです

 

今回の展覧会タイトルにもあるように、原さんは「絵画と写真の枠組み」というものを意識して制作に取り組んでいます。

芸術表現を(便宜的に)隔てている「絵画」や「写真」といったジャンル、

1枚の画面という限りある表現媒体、作品をおさめる額縁・・・など、いろいろな意味での「枠組み」を、

分割・解体したり、横断したり、重ねたり、強調したり、再構築したりして模索しています

その表現方法はほんとうにさまざま。

今回は新作を含め44点の作品が展示されていますが、同じ人が描いたとは思えないほどバラエティ豊かです。

あえてカオスな展示にすることで、これまで自分がやってきたことを全体として見てほしい!との意向です

DSC_1224

 

先日はアートサポーターの鑑賞会のなかで一つ一つ詳しく解説していただきました

不思議なインパクトがある作品を見ながら、「どうなってるの?」「どうやって描いているの?」と直接本人に話を聞くことで、

面白さが増していたようです

Exif_JPEG_PICTURE Exif_JPEG_PICTURE

 

11月14日(土)14時から、原賢二さんによるアーティストトークがあります。

最終日ですので、ぜひこの機会をお見逃しなく!

 

【開催中の展覧会】

清須市はるひ絵画トリエンナーレ アーティストシリーズ Vol.78 原賢二展

会期:2015年10月28日(水)―11月14日(土)

開館時間:10:00―19:00

休館日:月曜日(ただし祝日の場合は開館、翌火曜日が休館)

観覧料:一般200円、中学生以下無料

 

 

 

10. 10月 2015 · アーティストシリーズVol.77 興津眞紀子展 はコメントを受け付けていません · Categories: はるひ絵画トリエンナーレ, 展覧会

2015年10月10日(土)

 

今年行われた「清須市第8回はるひ絵画トリエンナーレ」にて、

高く評価された作家さんを個展形式でご紹介するアーティストシリーズ。

7日から、興津眞紀子展が始まりました。

今年度のアーティストシリーズでは、

興津さんの展覧会を皮切りに、順次4名の作家さんをご紹介します。

 

DSC_1057 DSC_1068

 

興津さんは、「清須市第8回はるひ絵画トリエンナーレ」の大賞受賞者。

《光と希望》(写真下)が最高賞に選ばれました。

DSC_1161

 

今年の2月頃、審査結果を受けて学芸員から興津さんへ、

この秋から始まるアーティストシリーズは、

ぜひとも大賞受賞者である興津さんの個展から始めたいとお願いしましたら、

別所での展覧会スケジュールを変更し、

当館の個展に向けて全力で挑んでくださいました。

 

DSC_1072 

興津眞紀子展では《光と希望》のほか、15点を展示しています。

 

ところで、このアーティストシリーズでは、

はるひ絵画トリエンナーレで評価を受けた作家の最新作が見られる、

というのが一つの大きな魅力です。

 

つまり、展示の予定が決まると、作家は可能な限り、新たな作品作りに取り組みます。

ただ、展示室の壁面長は合計すると60メートルほどありますので、新作だけでは埋まりません。

どのくらい前までさかのぼって、過去に描いた作品もとりまぜて展示を構成するか、

その際、どんなテーマで見せるのか、そういったことも、作品制作と並行して練り上げます。

 

DSC_1099

興津さんは、展覧会まで半年しかないという短い期間に、新作をなんと11点も描いたそう。

いかに短期間に集中力を高めて描いていたかが窺えます。

本展ではそうした新作のうち、9点を展示しています。

 

DSC_1076

それから、展覧会サブタイトルは「光と希望」とつけました。

これは、大賞作品《光と希望》から取ったものです。

「この作品が私にとって文字通り〈光と希望〉となりました。」と語る興津さんの言葉が、

今回の展覧会の性格を最もよく言い当てていると思います。

 

 

さて、今日は作家自身が作品解説をするアーティストトークを開催しました。

Exif_JPEG_PICTURE

1点1点、何を試みた作品なのか、集まったお客様に丁寧に説明してくれました。

興津さんは絵を描き始めて40年ほど。その間、一貫して追求してきたのは「透明感」です。

そもそも学生時代に、ガラス板に反射して映る像と、

ガラス板越しに透けて見える物とを画面上に統合しようとしたのが始まりなのだとか。

 

Exif_JPEG_PICTURE 

 

今回展示している2010年以降の作品では、その「透明感」を出すために、

画面に水滴や植物のシルエット、太陽に照らされて輝く水面などを配して、

手前から奥へと続く、空間の深さを作り出しています。

 

メインは、写真下の作品4点です。全て同じ大きさのキャンバス(162×162cm)に描かれています。

《光と希望》(写真下:左から2番目)のシリーズとして描いた新作。

《光と希望》がどういう作品だったのか、確かめるために描いたと言います。

DSC_1172

《光と希望》の受賞は、実は興津さんにとっては予想外だったそう。

なぜなら、それまで描いてきた、きっちり計算された構築的な画風と違い、

ラフな線や、偶然できた絵具の飛沫を活かした作品だったから。

これまで積み上げてきたものではない、別の側面を評価されて戸惑ったのですね。

 

はるひ絵画トリエンナーレに向けて制作していた作品が失敗し、締切が迫り、

時間のない中で、2作目として思い切って描いたことで、何かが吹っ切れたのでしょう。

それに、失敗した1作目があったおかげで、描きたいものが頭の中で整理されていたことが

結果的に功を奏したのかなと分析されていました。

 

 

作品解説をしながらも、興津さんの視線は決して過去に向いてはいませんでした。

作品ごとに更なる課題を見つけ、「次はこうしてみたい」と意欲を語る興津さん。

 

今後ますます、興津さんの作品世界は深化していきそうで楽しみです。

 

 

【開催中の展覧会】

清須市はるひ絵画トリエンナーレ アーティストシリーズ Vol.77 興津眞紀子展

会期:2015年10月7日(水)―10月24日(土)

開館時間:10:00―19:00

休館日:月曜日(ただし祝日の場合は開館、翌火曜日が休館)

観覧料:一般200円、中学生以下無料

 

 

 

 

16. 6月 2015 · はるひ絵画トリエンナーレ「美術館賞」発表! はコメントを受け付けていません · Categories: はるひ絵画トリエンナーレ

2015年6月16日(火)

 

4月19日から始まった「はるひ絵画トリエンナーレ」。6月7日をもちまして閉幕いたしました

会期中にはたくさんのお客様にご来場いただき、誠にありがとうございました

 

「はるひ絵画トリエンナーレ」は、平面作品であるということと、サイズの制限はありますが、

誰もが自由に参加できる公募展です

性別や年齢、描き方もさまざま。鑑賞者にもいろいろな思いがわきあがります。

作家さんや学生さんのなかには、制作活動の刺激になった方もいらっしゃるのではないでしょうか

次回は3年後。みなさまのご応募、お待ちしております!!

 

さて、会期中に美術館の玄関付近に置いてあった投票箱・・・

DSC_0277

DSC_0278

ご来場いただいたお客様に、美術館に展示してある作品のなかからお気に入りの1点を選んでいただく

「美術館賞」の投票をおこなっておりました

総数683票ものたくさんの投票をいただきました。ありがとうございます

集計結果が出ましたので、発表いたします!

 

【美術館賞】

矢島史織 《Monster》 53票

590mini

 

野中洋一 《海辺の療養所》 53票

694mini

 

なんと同票数で2点の作品が選ばれました!!おめでとうございます!

光と影をテーマに、清らかな色彩でかわいらしい子どもを描いた《Monster》。

療養所をバックに、ざわめく草木を黒いペンと墨でびっしりと描き込んだ《海辺の療養所》。

どちらもとても魅力的な作品ですね

 

審査員による評価とは別に、

自分がどんな作品のどんなところに惹かれるのか、ということを考えながら作品を鑑賞することは、

美術館を楽しむコツの一つでもあります

これからもぜひ、美術館で「自分のお気に入り」を探してみてくださいね

 

 

 

 

 

 

 

 

09. 5月 2015 · 清須市第8回はるひ絵画トリエンナーレ アーティストトーク はコメントを受け付けていません · Categories: はるひ絵画トリエンナーレ

2015年5月9日(土)

 

現在開催中の清須市第8回はるひ絵画トリエンナーレ。

今日は、大賞を受賞した興津眞紀子(おきつ・まきこ)さんによるアーティストトークがおこなわれました

まずは学芸員からトリエンナーレと興津さんについて、簡単にご紹介します。

興津さんにバトンタッチし、これまでの制作や今回受賞した作品について語っていただきました

美術部だった学生時代からずっと絵を描き続けてきた興津さん。

美術大学に進み、当時の先生の影響で「新制作」という公募展に出品

毎年150号の作品を2・3点仕上げて、23年間出し続けたそうです。

 

ガラスをモチーフに選び、最初は無機質で幾何学的な作品や

きっちりと作りこんだ作品を目指していたという興津さん。

確かに、写真で見ると現在の作風とはかなり印象が異なります

公募展だけでなく、自由に作品を展開できる個展なども経験し、描き方は変化していきました。

 

余白や遊びを残したり、あらかじめ明確な計画を立てずに筆を進めたりして、

画面は柔らかく、繊細になっていきます。

↑この作品は、植物の形のような淡いシルエットや、中央に置かれた四角形、

水分の多い絵具を染み込ませたようなにじみなどに、

今回の受賞作品《光と希望》と通じるところがありますね

 

作品には植物が登場しますが、興津さんご自身、ご自宅のお庭で植物を育てることがお好きだそうです

また、なんといっても興津さんの作品の魅力はその清廉なブルー!

初期の作品からブルーがよく用いられていますが、当初は、

ブルーという色は薄いものから濃いものまで全てきれいな色であるため、その「使いやすさ」を気に入っていたとのこと。

ですが最近は、色は「組み合わせ」が重要で、きれいな色でも組み合わせによっては魅力が損なわれてしまうということも考えているそうです

とくに注目しているのは白色の表現で、つやのあるもの、マットなものなどを使い分けながら

新しい表現に取り組まれています

《光と希望》にも新たな白色が表現されていますので、角度を変えたりしながらじっくり見てみてくださいね

作品の透明感そのままに、やさしい語り口でお話しいただいた興津さん…ありがとうございました

 

今年の10月には、トリエンナーレ受賞者をピックアップする「アーティストシリーズ」にて

興津さんの個展を開催する予定です。

今日ご紹介された初期の作品や新作も含め、作品の展開をたどれるような展示になりそうです。

みなさまどうぞお楽しみに

 

【開催中の展覧会】

清須市第8回はるひ絵画トリエンナーレ

会  期|2015年4月19日(日)-6月7日(日)

休館日|

〈美術館〉4月20日(月)・27日(月)、5月7日(木)・11日(月)・18日(月)・25日(月)、6月1日(月)

〈図書館〉4月20日(月)・27日(月)・30日(木)、5月7日(木)・11日(月)・18日(月)・25日(月)~6月4日(木)

時  間|10:00-19:00(美術館の入館は18:30まで)

観覧料|〈美術館〉一般300円、中学生以下無料 〈図書館〉無料

 

 

 

 

 

 

 

 

29. 4月 2015 · H27第1回清須アートラボ はコメントを受け付けていません · Categories: はるひ絵画トリエンナーレ, 教育普及

2015年4月29日(水)

 

「清須アートラボ」とは、清須市生涯学習講座の一環として美術館が担当している、

清須市在住・在勤の方を対象にした通年の講座です。

学芸員が当館の展覧会をご紹介したり、美術史講座を行ったり、

また、みんなで他館の展覧会を見に行くこともあります。

 

開講してから5年目。

毎年新たな受講生をお迎えし、今回は12名の方が登録されました。

 

初顔合わせの今日はまず、開催中の展覧会「清須市第8回はるひ絵画トリエンナーレ」をご案内。

この展覧会は、当館が開館以来ずっと続けていて、活動の1つの柱となってもいるものです。

近隣の方が対象なこともあって、15年前の第1回展も見たよ!という嬉しい声も。

 

←大賞を受賞した興津眞紀子さん《光と希望》

 

北海道から沖縄まで、1,021点もの応募作品が寄せられ、

その中から選ばれた28点が美術館に展示してあります。

 

 

描かれているテーマ、使われている技法、作者の意図、そして審査員によって評価されたポイントなど、

かいつまんでお話しました。

 

写真と絵画を融合した作品があったり、

こつこつと気の遠くなるような作業を積み重ねで描かれた作品があったり、

現実にはありえない組み合わせを楽しむユーモラスな作品があったり。

一口に「絵画」と言っても、作家によってとても多様な表現があるのだ、ということにみなさん驚かれたようです。

 

 

最後には、自分の好きな1点を選んで、投票もしてもらいました。

みなさん、ビビビッとくる作品と出会えたでしょうか!?

 

そのあと、会場を移して高北館長から、絵の楽しみ方についてお話がありました。

絵が「分からない」という感覚は誰しももつもの。

それを、こわがらないで、嫌がらないで、大事にしてほしい。

現代社会では効率や結果を追い求め、ややもすると、すぐに白黒をつけたがります。

けれど、分からないものの前で立ち止まって、これは何だろう?と

考えをめぐらせてみることも、時には必要。それが心の豊かさにつながります。

ぜひ、このアートラボを、一つの新しい世界への扉を開くきっかけにしてください。

そういうお話でした。

 

 

最後に、メンバーが一人ずつ自己紹介して、話に花が咲き、和やかな雰囲気に。

 

アートに親しんできた人もそうでない人も、これから1年間、楽しんでともに学びましょう!

 

 

 

【開催中の展覧会】

清須市第8回はるひ絵画トリエンナーレ

会  期|2015年4月19日(日)-6月7日(日)

休館日|

〈美術館〉4月20日(月)・27日(月)、5月7日(木)・11日(月)・18日(月)・25日(月)、6月1日(月)

〈図書館〉4月20日(月)・27日(月)・30日(木)、5月7日(木)・11日(月)・18日(月)・25日(月)~6月4日(木)

時  間|10:00-19:00(美術館の入館は18:30まで)

観覧料|〈美術館〉一般300円、中学生以下無料 〈図書館〉無料

 

 

 

23. 4月 2015 · 新緑の季節 はコメントを受け付けていません · Categories: はるひ絵画トリエンナーレ

2015年4月23日(木)

 

新緑のまぶしい季節になりましたね。

DSC_0325 DSC_0321

公園のなかに建つ清須市はるひ美術館では、木々の新芽が青々と繁って、

木漏れ日が美しく、散歩するのに心地よい陽気です。

 

DSC_0296 DSC_0299

今朝も、公園にはケリという野鳥がやってきました。

黄色くて長い足をしています。盛んに地面を掘り返しては虫を採って食べていました。

 

当美術館は名古屋駅から10キロ。

JR東海道本線では、名古屋駅から約7分。2つ目の駅が最寄の清洲駅です。

(清洲駅からは徒歩20分かかりますが。)

お客様から「名古屋からすごく近いのに、こんなにのんびりしたところがあるのね。」と声をかけられることも。

DSC_0323 DSC_0318

お昼時になると、公園でレジャーシートを広げてお弁当を食べる家族連れの姿もちらほら。

↑ この建物の外観を頼りに、ぜひお越しください。

きっとリフレッシュできるはず。

 

DSC_0234 DSC_0235

現在、館内で開催中の「清須市第8回はるひ絵画トリエンナーレ」。

展示室の最初に、審査で最高賞を獲得した、興津眞紀子さんの《光と希望》を展示しています。

淡い色彩で植物のシルエットが描かれ、とても瑞々しい作品。

ちょうど、公園の木漏れ日のイメージと重なります。

 

DSC_0254 DSC_0267

美術館では入賞・入選作品、計28点を展示しています。

こうして並べてみると、とても表現の幅が広くて、意欲的な作品が選ばれていることがよく分かります。

作家のコメントも掲示していますので、そちらも合わせてお楽しみください。

 

 

 

清須市第8回はるひ絵画トリエンナーレ

会  期|2015年4月19日(日)-6月7日(日)

休館日|〈美術館〉4月20日(月)・27日(月)、5月7日(木)・11日(月)・18日(月)・25日(月)、6月1日(月)

      〈図書館〉4月20日(月)・27日(月)・30日(木)、5月7日(木)・11日(月)・18日(月)・25日(月)~6月4日(木)

時  間|10:00-19:00(美術館の入館は18:30まで)

観覧料|〈美術館〉一般300円、中学生以下無料 

      〈図書館〉無料

 

 

19. 4月 2015 · 清須市第8回はるひ絵画トリエンナーレ 表彰式 はコメントを受け付けていません · Categories: はるひ絵画トリエンナーレ

2015年4月18日(土)

 

本日、清須市第8回はるひ絵画トリエンナーレの表彰式がおこなわれました。

国内外から過去最多となる506名、1,021点の作品が寄せられた今回の公募展

これまでにない厳しい審査を潜り抜けたのは、大賞1名、準大賞2名、優秀賞5名、

入選20名(そのうち「きよす賞」1名)、佳作30名のみなさんです

 

DSC_0085mini

大賞の興津眞紀子さんに賞状とトロフィーが贈られます

DSC_0088mini

 

続いて、準大賞の矢島史織さん、平野えりさん。

DSC_0095mini DSC_0105mini

表彰式後は、展示室にて入賞・入選の作品の講評会を行いました

DSC_0183mini

審査員の櫃田伸也先生、山脇一夫先生、高北幸矢館長による講評(中村英樹先生は所用のためご欠席)にみなさん聞き入っています

会場では受賞者のみなさんそれぞれの、制作の経緯や作品に対する思いなどもお話しいただきました

 

今回のトリエンナーレは応募点数の多さもさることながら、表現の手法も幅広く、

レベルの高い作品が多く集まりました

受賞者のみなさん、本当におめでとうございます

DSC_0170mini

 

4月19日(日)からはじまるこの展覧会では、入賞8点と入選20点を清須市はるひ美術館に、

佳作30点のうち26点を、美術館隣の清須市立図書館にて展示します。

5月9日(土)午後2時からは、大賞受賞の興津眞紀子さんによるアーティストトークも開催。

ここから発信される新進作家たちの意欲あふれる作品を、ぜひお見逃しなく

 

*美術館のエントランスでは「美術館賞」投票コーナーも設置しています。

あなたのお気に入りの1点を探してみてはいかがでしょう。

DSC_0050mini

 

 

 

清須市第8回はるひ絵画トリエンナーレ

会  期|2015年4月19日(日)-6月7日(日)

休館日|〈美術館〉4月20日(月)・27日(月)、5月7日(木)・11日(月)・18日(月)・25日(月)、6月1日(月)

      〈図書館〉4月20日(月)・27日(月)・30日(木)、5月7日(木)・11日(月)・18日(月)・25日(月)~6月4日(木)

時  間|10:00-19:00(入館は18:30まで)

観覧料|〈美術館〉一般300円、中学生以下無料 

      〈図書館〉無料

 

 

 

 

 

12. 1月 2014 · 栗原光展 アーティストトーク はコメントを受け付けていません · Categories: はるひ絵画トリエンナーレ

2014年1月12日(日)

 

開催中の「アーティストシリーズVol.72 栗原光展」

今日は作家自ら作品についてお話しする、アーティストトークを開催しました。

 

Exif_JPEG_PICTURE←作品解説する栗原さん

 

展示室では、栗原さんの近作27点を展示しています。

ほぼテーマごとに分けて展示しているのですが、

展示空間の中での作品の大きさや色のバランスを考慮して配置してあるので、

厳密に制作年順というわけではありません。

 

ですが、アーティストトークでは、画風の変遷を分かりやすくお伝えするため、

栗原さんは展示室内をぬうようにして、制作年順に説明してくれました。

 

Exif_JPEG_PICTURE

栗原さんはここ3・4年、水をモチーフに描いています。上の写真はその契機となった作品。

大学4年生の時に描いた滝の絵です。

 

郷里・長崎にある「つがね落しの滝」を描いたものですが、これ以降、刻々と姿を変える

滝つぼの水の姿に魅せられて、下の写真の《cross section》3点を描きます。

こうなると、水を実際の姿に似せて再現的に描いたというより、

水を材料にして、イメージを膨らませて独自の世界を作っていますね。

 

Exif_JPEG_PICTURE

ほぼ同じ構図で、色味や筆づかいを少しずつ変えて描いています。

3作品のうち真ん中が、2012年の「清須市第7回はるひ絵画トリエンナーレ」で

優秀賞に選ばれた作品。

 

Exif_JPEG_PICTURE Exif_JPEG_PICTURE

同主題は、横が2メートルを超えるような大作でも挑戦しました。

画面が大きいので、思うような線がなかなか出せず、とても苦労したそうです。

 

 

Exif_JPEG_PICTURE Exif_JPEG_PICTURE

↑ 左の作品は、水に切込みを入れたような《slash》という作品。

大型の作品と、小画面の作品とを同時並行で描いていくという栗原さん。

それぞれの作品を描く時に意識した点や新しく試みたことを、

慎重に言葉を選びながら解説してくださいました。

 

Exif_JPEG_PICTURE

こちらは最新作の《involution》。

タイトルのとおり、水流が渦を巻くようなストロークが特徴。

 

作家自身が語る言葉に、皆さん興味深く聞き入っていました。

作品だけ見ていても分かりづらい、制作の背景などが生の声で聞けるのが

アーティストトークの醍醐味です。

合わせて作家さんのお人柄にも触れられる絶好の機会なんですよ。

 

今日はとりわけ参加者の皆さんの、栗原さんを応援する暖かい雰囲気が印象的でした。

スタッフ一同、栗原さんの今後のさらなる飛躍を期待しています

 

 

 

 

【開催中の展覧会】

清須市はるひ絵画トリエンナーレアーティストシリーズ Vol.72 栗原 光 展

会期:2014年1月7日(火)~1月25日(土)

開館時間:10:00~19:00

休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日)

観覧料:一般200円 中学生以下無料

 

 

 

ツールバーへスキップ