2016年3月16日(水)
美術館は絵を見るところ、ではありますが、お客様の目には触れない裏方仕事がたくさんあります。
今日は3月初めの休館日中におこなった作品の写真撮影作業について、少しご紹介します
美術館にはたくさんの作品が所蔵されていますが、それらを管理するうえで写真データは必要不可欠です。
いろいろな用途がありますが、言ってみれば作品の「証明写真」のようなものですね
データベースで作品情報を整理するときはもちろん、展示プランを考えるときや広報活動などでも使用します。
レンズの歪みや色ムラ、光の反射が出ないようにする技術が必要になるので、美術作品の撮影経験が豊富なプロのカメラマンさんにお願いしました
撮影スタジオがある美術館もありますが、当館にはないので展示室でおこないました。
(必然的に、展覧会撤収直後か搬入直前の休館中しかできない作業です・・・)
エコパリ展撤収後、何もなくなったがらんとした展示室に、撮影対象の作品をずらっとスタンバイ。
撮影スペースに作品を1点ずつ運んで、撮り終えたら次の作品と交代
大きな作品はとくに工夫が必要です。
照明の角度やカメラの高さなど、微調整しながら撮影します
表面がガラスやアクリル板で保護されているものはストロボの光が反射してしまうので、額から取り出します。
作品の下に敷いてある黒い布も、反射を防ぐためのもの。白い台や布の上に置くと、作品画面そのものの写り方に影響してしまいます
見にくいですが、作品の上にある細長い2つのカードはカラーチャートこれと一緒に撮影することで、デジタル画像になっても実作品に忠実に色補正ができます
普通の写真撮影に比べて少し特殊なテクニックが必要な作品撮影ですが、さすがプロの力あっという間に約50点の撮影が終了しました
休館中の作業も無事終えて、現在は貸ギャラリーの展示中
学芸員は4月末からの企画展に向けて、絶賛準備中です
3月も半ば。春が近づいております。早咲きの河津桜が満開です
【開催中の展覧会】
貸ギャラリー展示
■高橋遊写真展「み仏」
会 期:2016年3月15日(火)~3月21日(月・祝)
開館時間:10:00~19:00(最終日16:00まで)
■こどもデザイン室展2016
会 期:2016年3月16日(水)~3月21日(月・祝)
開館時間:10:00~19:00(最終日17:00まで)