13. 11月 2019 · 特別編 誠信高等学校インターンシップ① はコメントを受け付けていません · Categories: 未分類

当館では、2019年11月12日(火)から14日(木)まで

誠信高等学校の生徒さんがインターンシップとして

来ています!

中の人は、普段高校生と話すことが少ないので緊張しました・・・(笑)

まずは、現在開催中の「嗅覚のための迷路」を鑑賞してもらいました。

若いからか、すぐに匂いの濃度をかぎ分けられる生徒たち

・・・スゴイ!

その後、

「学芸員って、どういう仕事?」ということで、

学芸員の主な仕事(収集・保存/調査研究/展示/教育普及)や

ひとつの展覧会ができるまでの流れをお話ししました。

「研究」といっても、なかなかイメージがつかなかったり・・・

説明の難しさを感じました

そして午後からは、収蔵庫のなかへ!!

学芸員が作品のコンディションチェックを行っている様子をみてもらったり、

立体作品をどこからみるのがいいのか、みんなで考えたり・・・

身近に作品を感じる機会になったのではないでしょうか?

今日の感想をみんなに書いてもらいました!

【インターン生/Mさん】

今日は展示作品や収蔵庫内、収蔵してある作品のコンディションチェックなどの見学を行いました。学芸員という仕事についてお話をお聞きしたのですが、その中でも、いかに「作品」の世界を壊すことなく「作品」に目を向けてもらうかという課題に対して、様々な工夫がされていることに驚きました。

たとえば、展示室に一歩はいった瞬間に、来館者にどこを見てほしいのかや、一般的な人の視線の高さまで考えた上で作品の展示の位置や角度、照明の当て方を考えていると知り、学芸員の方々の努力を目の当たりにしたような気がしました。学芸員の方の工夫があるからこそ、そこにある「作品」の世界に入り込むことができるということに気がつき、初めてその「作品」を見たときよりも感動しました。

【インターン生/Yさん】

今日は、美術館内の展示物や収蔵庫の見学、コンディションチェックの説明がありました。まず、僕の将来の夢が美術やイラスト関係なので、美術館でのインターンに興味を持ち、清須市はるひ美術館を選択しました。

普段、自分が来館者として来るときは、「飾ってあるだけ」とか「置いてあるだけ」というイメージがどうしてもありました。しかし、実際に展示の説明を受け、配置の仕方であったり、来館者の目線で考えたりと、自分の知らなかった配慮が多くあり、とても驚きました。

更に、作品の保存の方法や果てには、作品に影響のある虫まで調べなければならないと聞き、自分の考えていた「学芸員は楽そう」というイメージが、やりがいのあるとても難しい仕事という風に大きく変わりました。

【インターン生/Oさん】

今日は、色々な絵を見ることができました。絵を見て、保管の仕方が細かくて、傷がつかないようにプチプチを使ったりしていました。額縁に触るときに指紋がつかないよう白手袋をしたり、絵にカビがないか隅々までライトで見て、細かい作業だと思いました。

また展示作品には、匂いのカーテンもあり、布の縫合の線が一枚目と二枚目と重なるように意識していてすごいと思いました。

【インターン生/Hさん】

今日から3日間のインターンシップが始まりました。僕は清須市はるひ美術館に初めてお邪魔させていただきました。着いた時の感想は建物の形がでこぼこしていて外から来館者を楽しませるような工夫がされ、入る前から楽しさが伝わってきました。

まずはじめに僕達4人と担当者のFさんと自己紹介をしました。その後館内を見学して、展示している作品を鑑賞しました。作品を見たとき、その世界観をつくるために様々な配置にしたり、展示空間の色を統一したり、作品を生かすために細心の注意を払って来館者を楽しませようとする学芸員さんに、僕はとてもすばらしい仕事であり、見えないところで工夫していてカッコイイの言葉しか出てきませんでした。その後、収蔵庫で作家さんの絵を生で見ることが出来て、作品それぞれに個々の味が出ていて作品のすばらしさに気づくことができました。

今日は濃い1日でしたが、残りの2日間も自分が学びつつ、楽しんでいけたらいいなと思います。

 

4人とも1日お疲れさまでした!

明日からもがんばっていきましょうね。

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13. 11月 2019 · 嗅覚鑑賞の可能性  はコメントを受け付けていません · Categories: 展覧会, 未分類

現在、当館では企画展「嗅覚のための迷路」(以降、嗅覚展)を開催しております!

ちょうど会期の半分が過ぎたところです。

想定していた入館者数を3週間余りで達し!(ありがたい・・・

嗅覚に関するみなさんのつよい関心を感じています。

嗅覚展が開幕してから「ブログを書かねば!」とずっと思っていたのですが、

会期中、たくさんの気づきがあり、文章化する時間がとれずにいました。

今日はちょっとだけブログにしたいと思います。

本展は、嗅覚アーティストのMaki Ueda(上田麻希)さんの国内美術館での初個展となります。

展示している作品は3点。

①《嗅覚のための迷路 ver. 5》@2階オープン展示室

②《嗅覚のための迷路 ver. 4》@展示室2

③《OLFACTOSCAPE ーローズ香の分解ー》@展示室1

同じ空間に複数の作品を展示すると匂いが混ざってしまうため、

ひとつの空間に1点の作品を展示しています。

当館での展示室は3つなので、展示作品も3点となりました。

(エントランスは3つの作品の匂いがすでに混ざっているため、なかなかの香りかも・・・)

本展では、「嗅覚」で鑑賞していただきます。

美術館で視覚ではない他の感覚を使うことは、あまりないのではないでしょうか?

(たまに、触れるものや音を聴くものもありますが)

最近では、あいちトリエンナーレで展示されていたタニア・ブルゲラさんの

メンソールをつかった作品がありました。

(私も行ったのですが、他の展示室からもメンソールの香りが・・・)

匂いは、快・不快がはっきりするものであり、

かつ自身の意思とは関係なく知覚してしまうもの。

そして現代では、「香害」という言葉もあったり・・・と、

実は、美術館での展示はハードルが高かったりします。

それでも、「展示したい!」と思ったのは、嗅覚鑑賞の面白さを

伝えたかったためです。

私がはじめて「嗅覚っておもしろい!展示したい!」と思ったのは

パリにあった「ル・グラン・ミュゼ・デュ・パルファン(Le Grand Musée du Parfum)」にいったことがきっかけです。

※この博物館は2018年に閉館しており・・・残念。

そこでは、古代の香りを嗅げたり、

香水に使われる単体香料を嗅げたり、

 

 

 

 

 

 

 

禁断の香りとしてアプサントの香りが嗅げたりと、

とにかく嗅ぎまくりました。

こんなにも嗅覚を使ったことはいままでになかったなと思い、

なんともいえない疲労感と満足感。

日本ではこうした経験はなかなかできない(こんなに面白いのに!!!)と思い、

ずっと企画してみたいと温めていました。

秋の企画展の担当が決まり、「ここはもう、やるっきゃない!」と

すぐにUedaさんにオファーをしました。

絵画や彫刻の企画とはちがい、何からすればよいのか

どういった問題点があるのか、果たして実現できるのか。

国内での前例がない分、不安とプレッシャーも・・・。

そんなとき、Uedaさんの「大丈夫ですよ!」に何度救われたことか

本当に感謝しかありません。

開幕してからは、老若男女問わず幅広い方にご来館いただいています。

(本展では、おしゃれカップルが多い・・・!?

そして、嗅覚展の開催が決まったときにまず「やってみたい!」と

思ったのは視覚障がい者の方を対象としたイベントでした。

嗅覚を扱う作品は、障害の有無にかかわらずフラットに鑑賞していただけると思ったためです。

でも、視覚障がい者向けのイベントを今までにしたことがないし、参加したこともなく・・・

そんなとき、あいちトリエンナーレの視覚障がい者向けイベントの

研修から(運よく!)お邪魔させていただくことができ、レクチャーを受けました。

そして、レクチャーを生かして

作品と同じ小瓶の見本を用意したり、

美術館の形が分かるように模型をつくったり・・・

ようやく当館でも実施することができました!

視覚障がい者向けガイドツアーの内容については、また改めて。

【開催中の展覧会】

「嗅覚のための迷路」

会期:2019年10月12日(土)~12月8日(日)

開館時間:10:00~19:00(入館は18:30まで)

休館日:月曜日(ただし祝日の場合は開館、翌火曜日が休館)

観覧料:一般500円 中学生以下無料

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