過ごしやすい季節になり、はるひトリエンナーレの審査会がおこなわれた2月末が遠い過去のよう。。。
受賞作品展が5月4日より開幕しております。→展覧会詳細
各種広報媒体でもお伝えしている通り、第9回を迎えた本展、過去最高の応募点数が集まりました。
※はるひ絵画トリエンナーレとは何ぞやという方はこちら
怒涛の準備を終え、新たな顔ぶれの審査員が揃った審査会の様子を少しだけお届けいたします
2018年2月27日(火)・28日(水)@清須市春日B&G体育館
直接搬入・委託搬入で集まった作品は全部で1,200点以上。これらの作品をどうやって審査するかと言うと、
体育館を仮設パネルで仕切り、いくつか通路を設けて作品をずらっと立てかけ、
審査員が通路を歩きながら作品を見ていく、という方法。
第8回から採られた審査方法ですが、審査員が座って作品が流れていくという方式よりも、審査員自身のペースで作品を見ることができ、また近寄ったり離れたり、気になる作品を再度見ることが出来たりとメリットが多いのです。(座って見るより疲労も軽減されるようです。)
審査員は各自付箋を持ち、気になる作品に貼って投票していきます。
もちろん票が重なることもありますが、最初の段階では投票数ではなく、1票でも投票されていれば通過としました。単純な多数決になることを避け、できるだけ多くの作品に可能性を残すためです。
これを何度も何度も繰り返し、少しずつ上位作品を絞っていきました。(一次審査では、作品を並べる→審査→撤去のサイクルを36回!)
高北幸矢館長、岡﨑乾二郎さん、杉戸洋さん、加須屋明子さん、吉澤美香さん、5名の審査員それぞれが1点1点の作品と真剣に向き合っている様子がわかると思います。
1,200点以上という膨大な数の作品を数時間で見るという作業は大変過酷です。しかも作品の個性は十人十色、審査員たちの個性もまったく違います。
作品の中身はもちろん、通過条件などの細かい審査内容についても、その都度議論を重ねながら進めていきました。
こうして2日間にわたり、一次~十二次の工程を経て、大賞1点、準大賞2点、優秀賞5点、入選20点、佳作30点が選ばれたのでした。
今回の受賞作品は、例年よりも「とがっている」印象を受けるかもしれません。
展覧会が開幕し1週間ほど経ちましたが、「面白い」「斬新」といった意見もあれば、「よくわからない」「理解できない」といった声もあります。
明確な審査の方針があったわけではありませんが、終わってみると確かに、万人が納得するような作品というよりも、今までにない表現や新鮮さ、技術だけでない純真さ、粗削りであっても挑戦的な意思が感じられる作品が選ばれたように思います。上位であってもすべての審査員が推したわけではなく、作家の個性と審査員の個性のぶつかり合いのなかで組まれたチーム編成、のような感覚に近いのではないでしょうか。(ここらへんの詳細はぜひ展覧会図録の「座談会」をお読みください!)
自分だったらこの作品を大賞にするのに、とか、この作品のどこが良いんだろう?とか、審査員に代わって作品を鑑賞することができるのも公募展の面白さかもしれません。
会期中には来場者による「美術館賞」の投票も受け付けています。多種多様な作品28点のなかから、ぜひお気に入りの作品を選んでいただければと思います。
また、予想をはるかに超えた応募数に対し事務作業が追い付かず、受付確認や作品返送が遅れるなど応募者の皆さまには大変ご迷惑をおかけいたしました。
この場を借りて、お詫び申し上げます。
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【開催中の展覧会】
会期:2018年5月4日(金・祝)~7月1日(日)
開館時間:10:00~19:00(入館は18:30まで)
休館日:月曜日(ただし祝日の場合は開館、翌火曜日が休館)
観覧料:一般300円 中学生以下無料