先日「全国美術館会議」というものに参加してきました。
全国美術館会議とは、1952年に設立された組織で、美術館のさまざまな問題をみんなで共有し、ともにつながりあう場として会合や研修会を開いています。
全国の美術館400館弱が加盟しており、美術館どうしの横のつながりを深める貴重な機会でもあります。
鎌倉で開催された第66回の総会では、美術館に関わる人たちが美術館の機能や役割についてどのように理解し、その内容をどのように共有していくべきか?ということについて、改めて話し合われました。
岐阜県美術館さんの「ミュージアムの女」やtwitterのハッシュタグ「♯学芸員のおしごと」等々、最近ようやく美術館の内部が社会に向けて発信される動きがありますが、
美術館や博物館は公共施設であるにもかかわらず、そもそもどういう役割をもっていて、誰がどんな仕事をしているのか、ということについて正しく理解されてこなかったのではないかと思います。
(美術は好きでも「美術館の中身」に関心を持つことは一般的に稀ですし、先日のニュースで初めて「学芸員」という言葉を耳にしたという方も少なくないでしょう…)
美術館は敷居が高いというイメージはいまだに根強く、関心がなければ一度も訪れることなく生涯を終えることもあるかもしれません。
もちろん、それぞれの美術館によって理念や特徴はさまざまですが、
美術館の活動基盤(調査・研究/収集・保存/展示・公開/教育・普及)のもと芸術を守っていくことを美術館に関わる者すべての共通理解とし、
そのためには芸術が人と社会に果たす役割を考え伝えていく努力をしなければならないということを改めて考えさせられました。
時代の流れによって、芸術のあり方も美術館のあり方も変化しています。
美術館はもはや象牙の塔やブラックボックスではなく、誰もがアクセスできるプラットフォームであるべきなのだろうと思います。
帰りに神奈川県立近代美術館にて「木魂を彫る 砂澤ビッキ展」を鑑賞。
黒蕨さんの作品と同じく、木彫作品のエネルギーがすさまじかったです。
写真は屋外展示のイサム・ノグチ《こけし》。
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