2016年8月10日(水)
開催中のミュシャ展の関連イベントとして、8月6日に「ゲイダイでリトグラフ体験!」を開催しました。
ミュシャの作品に用いられている版画技法「リトグラフ」を体験する目玉企画です
リトグラフは特殊な溶剤や水洗い場、そして大きなプレス機を必要とする技法なので、美術館内で開催するのはちょっと難しいかもしれない…でもやりたい…
ということで、清須市のお隣、北名古屋市にある名古屋芸術大学にご協力いただけないだろうかと依頼しました。
美術学部の教授である西村正幸先生が快く引き受けてくださり、名芸リトグラフ工房での開催が実現したのでした
はじめに先生からリトグラフやミュシャの作品について説明してもらい、デモンストレーション。
リトグラフは「石版画」と書くように、もともとは石灰石を使いますが、手に入りにくく扱いも難しいため、最近ではアルミ版を使うことが多いようです。
油性のリトクレヨンで描画した後、薬品をかけて化学反応を起こし描画を定着させ、版を水洗い。版が乾かないよう気を付けながらローラーでインクを付けてプレス機で印刷する。
先生の慣れた手つきにみんな興味津々で見入っていました
ひと通り工程を理解したところで、いざ実践
まずは作品のイメージ作りからテーマは「たからもの」。自分や家族の好きなものや好きなことをそれぞれアルミ版に描いていきます
絵が描けたらタルクとアラビアガムを塗布。
版画コースの学生さんたちにも手伝ってもらって、化学反応を起こさせる薬品を版に塗っていきます。
乾燥→水洗いを経ていよいよインクを付けるところ!
ほかの版画と同じくリトグラフも色ごとに版が必要ですが、今回は2つの版のなかでローラーを使って色を塗り分けました。
版画用インクですが、普通の絵具と同じように複数のインクを混ぜて自分の好きな色を作ることもできます色とりどりのインクが練られたテーブルを見るだけでわくわくしますね!
版画は複数枚同じものが作れるところも大きな特徴。同じ作品を4枚印刷し、2版多色刷りのオリジナル版画が世界に4枚ずつ生まれました
個性あふれる作品たち。最後に自分のサインとエディションナンバーを書き込み、プロのアーティストのよう
インクの渇きが遅かったため、残念ながら当日中にお持ち帰りいただくことはできませんでしたが、後日美術館から郵送させていただきました
受け取ったみんなの反応が見たかった!
ミュシャ展でもよくある質問ナンバーワンの「リトグラフ」。
私たちが一般的にイメージする版画とは少し異なるので、言葉で説明してもなかなかわかりづらい技法です。
今回のワークショップで実際に制作するところを目の当たりにできて、学芸員自身も勉強になりました
参加者みんなの夏の思い出に残りますように!
会 期:2016年6月25日(土)~9月25日(日)
開館時間:10:00~19:00 (入館は18:30まで)
休 館 日:月曜日(ただし祝日の場合は開館、翌平日が休館)
観 覧 料:一般800円、高大生600円、中学生以下無料