2014年7月29日(火)
昨日は月曜日なので美術館は休館日。
その休館日を利用して、毎年恒例の「福祉観覧デー」を実施しました。
福祉観覧デーとは?
清須市はるひ美術館近隣の福祉施設(6施設)に入居している方々を対象に、
展覧会へご招待する日のことです
入居者の皆さんは、車椅子の方も大勢いらっしゃいます。
通常の開館時に来館されると、車椅子の方も一般の来館者の方もゆっくりと鑑賞することが難しいのです。
そこで、当館では5年ほど前からこの「福祉観覧デー」という日を設け、入居者のみなさんが気兼ねなく、
ゆっくりと作品を鑑賞できる日をつくっています
今年は付添の職員の方も含め、合計112名の方に来館いただきました。
暑いなかありがとうございました
展示室に入る前の「触覚の小径」を体験です。
みなさん目を閉じて慎重に触っていました
「あっ、でこぼこ!」「あら、気持ちいいね~」「今度はつるつるしているねぇ」「なんだか、あたたかい」
などなど。一つ一つに丁寧に反応されていた様子が印象的でした
年表をしっかり読み込み、自分たちの若かりし頃を思い出されている場面などは、
高齢の方々ならではの楽しみ方だなと思いました
また、積極的に学芸員に質問される熱心な方もいらっしゃったり、なかには鋭い指摘をされる方も
来館者と接していて興味深いのは、世代ごとで反応が大きく異なる点です。
ムナーリ展は比較的若い世代の来館者が多いため、今回は新しい反応を聞くことができてとても新鮮でした。
ムナーリ展は若い世代が多いと書きましたが、それはムナーリの作品や実践してきたことが、
比較的若い世代向け、という印象があることから当然といえば当然なのかもしれません。
そのため、今回ご招待した施設に入居されている高齢者の皆様に楽しんでいただけるのか、
正直、少し心配していました
ところが、こちらの心配はよそに、展示室に入るとみなさんとても熱心に鑑賞してくださっていて、
しかも生き生きしていらっしゃる様子を見て、ムナーリの作品の力を改めて感じました
このように、作品を前に各々の感想を話す姿もたくさん見られました
また、ムナーリのユニークな部分を、しっかりと受け止め「おもしろい!」と思ってくださっていたようです
2階の読書コーナーではじっくりと絵本を読んだり、絵を楽しんだりされていました
カードゲームのコーナーでも、とても盛り上がっていましたね!
ムナーリの本や遊具は老若男女関係なく、楽しむことができるのです
そして、ショップコーナーも外せませんよね
ショップでもしっかり楽しんでいただけていたようです。
普段、なかなか美術館やお店などに行く機会の少ない入居者の皆さんにとって、
今日の福祉観覧デーが思い出に残る一日となれば嬉しいです。
【開催中の展覧会】
会 期:2014年7月5日(土)~9月28日(日)
開館時間:10:00~19:00(最終日18:30まで)
休 館 日:月曜日(月曜日が休日の場合は次の平日が休館)