2014年5月21日(水)
今日は清須アートラボ美術史講座の初回でした。
清須アートラボは、美術史講座と近隣美術館見学を月替わりで開催しています
今月は、名画鑑賞(日本美術史編①)「マンガの原型!絵巻の世界にご案内」というタイトルで
絵巻について勉強をしました。
絵巻は、奈良時代に中国から伝わったといわれていますが、その後、日本で物語や説話文学と結びついて、
独自の発展と洗練をみせていきました。
その背景には、日本固有の絵画様式「やまと絵」の成立が重要な役割を担ったのですが、
では、「やまと絵」ってどんな絵なの?!というところから話を始めてみました
スクリーンに映された2つの画像を見比べながら、それぞれの特徴を記述してもらいました。
作品の特徴を書く。
一見単純な作業のように思えますが、これは美術作品を見るときにはとても役に立つトレーニングです。
見えたこと、気がついたことを言葉にするというのは、なかなか難しいのです
受講生の皆さんも「えー?!」と言いながらも、がんばって特徴を書いてくれていましたね。
そして「やまと絵」の特徴をしっかり理解した上で、数々の絵巻の画像を見ていきました。
日本最古の絵巻、『源氏物語絵巻』は日本人であれば誰もが知っていると言ってもいい作品のひとつかもしれません。
作品の内容もさることながら、随所に見られる絵巻独特の表現技法も確認していきました
「俯瞰描写(ふかんびょうしゃ)」「吹抜屋台(ふきぬけやたい)」「作り絵」「引目鉤鼻(ひきめかぎばな)」など。
『信貴山縁起』や『伴大納言絵巻』では、物語の展開を担う主要人物が、絵巻を開き、巻くことを繰り返すなかで、
何度も画面に登場する「反復描写(はんぷくびょうしゃ)」や
ひとつの画面に同一人物が複数回登場する「異時同図法(いじどうずほう)」
という技法についてもお話しました。
みなさん一生懸命メモを取ったり、質問をしてくださったり。とてもいい雰囲気の講座でした
ちなみに、みなさんに配布したテキストは、各回担当学芸員が講座の内容に合わせて作成しています。
自宅でもテキストを見ながら講座の内容が思い出せるよう、カラー図版もなるべくたくさん入れてみました。
みなさんの関心をより深められるお手伝いができたら嬉しいです!
さて、来月は美術館見学です。
愛知県陶磁美術館で開催中の「古唐津・古武雄」展を見学します!
普段はなかなか見ることのない九州の焼き物の展覧会です。
学芸員さんの解説も楽しみですね
【開催中の展覧会】
清須ゆかりの作家 鳥羽美花展 時空を超えて-辿りついた場所より
会 期:2014年4月12日(土)~6月8日(日)
開館時間:10:00~19:00(最終日18:30まで)
休 館 日:月曜日(月曜日が休日の場合は次の平日が休館)