2014年5月10日(土)
清須市生涯学習講座の一環として、
市内在住の小学3・4年生向けに行っている「清須キッズアートラボ」。
固定メンバーで年4回連続開催しています。
今日は、新メンバーを迎えてはじめての回でした。
15名の子どもたちも初顔合わせということで、お互い自己紹介することに。
大人の世界では、自己紹介には「名刺」が欠かせませんよね。
まずは学芸員が手作りの「名刺」を見せて、自分の名前を紹介しました。
次は、みんなの番。まずは自分の「名刺」を作るところからはじめましょう。
といってもただ紙に名前を書くわけではありません。
新聞やチラシ、雑誌など印刷物の活字を切り抜いて、作るのです。
ひらがなでも、カタカナでも、漢字でもかまいません。
一文字一文字、紙面をくまなく見て、自分の名前に使われている文字を探します。
見つけたらはさみで切り取って、台紙に糊ではりつけます。
文字はできるだけカラフルで、大きさが違っているほうが面白い名刺になります。
1時間ほど熱中して、それぞれ1~3枚の個性的な名刺ができあがりました。
中には、なかなか活字になっていない文字があって、
みんなで手分けして探してあげる場面もありましたね。
できたら名刺を持って、みんなの前で自己紹介です。
ちょっぴり恥ずかしそうだけれど、みんなどこか誇らしげです。
例えばおなじ「あ」という文字でも、細かったり太かったり、
デザインがいろいろあることに気づいたかな。
できた名刺を交換し合って、お友達になった子もいました。
このあと、場所を美術館展示室に移し、みんなで一緒に絵を鑑賞して楽しみました。
「まずは静かにじっくり絵を見てね」の掛け声で、
子どもたちは画面を食い入るように見つめます。
しばらくして、「この絵には何が描かれている?」と問いかけると、
ハイハイっと手が上がります。
「自転車がある」「服がたくさん吊ってある」「青い鳥が飛んでる」「燃えてる!」
子どもたちは自由な発想で、見えた形をさまざまなものに見立てます。
観察が深まってくると、描かれた場面は洋服やさんで、時間は夜だ、
などと次第に輪郭ができ上がってくるのです。
2点目もみんなでじっくり観察します。
「船がある」「崩れそうな家がある。津波が来たんじゃないか?」
「船長さんが座ってる」「バーベキューしてる」
一人のこの発言が、他の子どもたちを刺激し、新たな観察を引き出します。
最後は大作に挑みました。
ここでもみんな細かな観察を披露してくれました。
言葉にはならないけれど、長い長い時の流れと、
人々がかつてそこにいたであろう雰囲気をちゃんとつかんでいました。
人知を越えた圧倒的な何ものかに対する畏怖の念を感じたようです。
今回は「この絵はこういう場面を描いた作品だよ。」というようなことは一切紹介しませんでした。
なので、中には未解決のままの、もやもやした感じが残った子がいたかもしれません。
そのもやもやは、絵を見ることに積極的だったからこそ残るものです。
絵の見方に正解はない。ただ、自分の感覚をフルに使うことが求められる。
それは、遊びに近い感覚かもしれません。
子どもたちには子どもたちなりの自由な絵の見方があっていい。
自分で「あれは何だろう?」と思って、主体的に観て、考えることが大切なのです。
そこから、いろんな世界が広がってきます。
【開催中の展覧会】
清須ゆかりの作家 鳥羽美花展 時空を超えて-辿りついた場所より
会 期:2014年4月12日(土)~6月8日(日)
開館時間:10:00~19:00(最終日18:30まで)
休 館 日:月曜日(月曜日が休日の場合は次の平日が休館)