2013年11月4(日)
昨日から今日にかけて、当館はイベントづくし。
今日は昨日の午後のイベントの様子をお知らせいたします
午後の講師も美濃歌舞伎博物館相生座館長の小栗さんと相生座サポーターのお二人。
レクチャー前に帯の準備中です
歌舞伎の衣裳では、とにかくスピードが肝心なため作り帯を用意するそうです。
本日も大勢のお客様にお集まりいただきました!
着物姿の方もちらほら
お着物の方が館内を歩いていらっしゃると、華があっていい雰囲気でした
相生座は歌舞伎衣裳を4,000着も所蔵しているそうです。
古いものもたくさんあるけれど、小栗さんやサポーターのみなさんで
ひとつひとつ丁寧に直しながら使っているそうです
江戸時代のものや、一部江戸時代の布で繕った衣裳もあるそうです。
いろいろお話いただいた後、いよいよ歌舞伎衣裳の着付け実演です。
モデルは当館学芸員です
彼女が着付けてもらっているのは、いわゆる一般的な娘役の衣裳。
歌舞伎衣裳の着付けは時間が勝負!
そのため、通常の着物の着方よりも簡略化されていたり、大胆な着方になっていたりします
最後に帯を締めます。
左写真の帯を締めたあと、右写真の先ほどレクチャー前に小栗さんたちが準備をしていた
作り帯を差し込みます。とっても簡単
こんな感じです。
あっという間に出来上がり!!
モデルの学芸員いわく、通常の着物よりは着心地はいいそうです。
歌舞伎衣裳は、動きやすく負担が少ない着方によって、役者が演技しやすくなっています
続いて男性の衣裳。
モデルは清須市在住のアーティスト、打田宗平さん。今日は特別にモデルをお願いしました!!
なんだか派手な衣裳
これは四天(よてん)と呼ばれる衣裳で、広い袖と短い裾が特徴です。
主役級の人物が着るものと捕手や軍兵が着るものと2系統ありますが、今回は主役級のもの!
「四天」は衣裳を指す以外に、捕手や軍兵が着ることからそれらの役柄を示す言葉にもなっています。
あれっ?!せっかく豪華な衣裳を隠すように袴姿に変身??
すると、小栗さんがモデルの背後に廻って留め糸をほどき始めました
この衣裳は「早変り」用の衣裳。
白い着物から一瞬にして先ほどの豪華な衣裳に変わるのです。
両肩にある丸い玉状のものを掴み、それを思いっきり引っ張ると・・・
あっという間に下に着ている衣裳が出てきました
早変りの後、こんな風に広げて見せたりします
真っ白でおとなしい雰囲気から、金色で豪華絢爛な衣裳への変身ぶりは、
見かけは草食系だけど、実は肉食系だった男性の衣裳、そんな風に捉えることもできますね!
小栗さんから所作の指導が入ります。
二人揃って「はい、ポーズ!」 なんちゃって役者気取り?!似合ってますよ!!
せっかくなので、お客様の中から1名ずつモデル体験をしてもらいました。
四天は女性が着てもかっこいいですね
その後も楽しい衣裳の話や舞台の裏話。
また、私たちが一般的に想像する歌舞伎は「大歌舞伎」といいますが、
それとは別の地歌舞伎や地芝居と呼ばれる地方に根付いた民衆の歌舞伎について
大変興味深いお話も聞かせていただきました
愛知県や岐阜県はこの地歌舞伎や地芝居がとても盛んな地域なんです。
是非、みなさん積極的に見に行かれることをオススメします
実は展覧会担当者も、今年の夏初めて相生座で地歌舞伎体験をしました。
いままで想像してきた江戸時代の歌舞伎の雰囲気がそこにあるように感じました
小栗さん、サポーターのお二人、今日は一日本当にありがとうございました。
そして、これからも歌舞伎をどんどん盛り上げていってください
企画展 「歌舞伎 | 変身」
会期:2013年10月8日(火)~12月1日(日)
開館時間:10:00~19:00 (入館は18:30まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は開館、翌火曜日が休館)