2013年11月6日(火)
連休最終日、11月4日(月)に長唄三味線・鳴物ライブ「歌舞伎の華 長唄の魅力」を開催しました
出演者は長唄三味線の杵屋六秋(ろくしゅう)さん、杵屋六春(ろくはる)さん、杵屋六秋葉(ろくしゅうは)さん。
そして鳴物の住田長千果(ちょうちか)さん。
2時間たっぷり歌舞伎音楽の魅力を演奏とレクチャーとで楽しませていただきました!
まずは、長唄三味線の演奏から始まりました。
六春さんが長唄、六秋さんと六秋葉さんが三味線で、背景の桜の絵に合わせるかのように、
「京鹿子娘道成寺」の最も有名な部分を聴かせていただきました
今回は客席がとっても近くて、演奏者のみなさんは緊張するとおっしゃっていましたが、
聴く側としては、こんなに至近距離で鑑賞できるまたとない機会だったと思います
その後、司会進行を杵屋六春さんが務め、長唄や三味線の歴史や決まりごと、
他の歌舞伎音楽との関係などの説明がありました
長唄と三味線の演奏のときは、三味線が1名ということは絶対にないそうです。
なので、今回は長唄1名、三味線2名の編成というわけです。
解りやすい説明にみなさん終始うなずいていらっしゃいました
三味線には練習用と本番用とがあるそうです
左写真で六秋さん(実は六春さんのお母様です)が持っているのが本番用。
右写真で六秋葉さんが持っているのが練習用。
本番用は猫の皮が使用され、練習用には犬の皮が使用されているそうです
しかも、国産の猫や犬でなければならないそうです。
こんなに身近な動物たちの皮が使われているとはびっくりしました
撥(ばち)も練習用と本番用とで分けられています。
練習用はプラスチックや木が使われますが、本番用は象牙です
「道具は消耗品」とおっしゃるとおり、
使えば使うほど磨り減っていくため練習用と本番用とで分けているそうです。
長唄や三味線についての紹介が終わると、今度は鳴物について、
住田長千果さんから詳しい説明をしていただきました
鳴物はたくさん道具があるので、持ち運ぶのが大変そうでしたが、
ひとつひとつとても興味深い楽器ばかり
小さめのタンバリンのようなものや、鼓にも大きいタイプと小さいタイプとあったり。
鈴虫や鶯(うぐいす)の鳴き声を表現する笛
長千果さんの前に置かれた太鼓は、雪や波、風や雷、雨などの音を表現するときに使用します
ちなみに、歌舞伎をご覧になったことがある方は気がつかれたかもしれませんが、
舞台の下手に黒く囲われた部屋があります。
その内側に御簾(みす)が下がっていて、中からは舞台と花道を覗けるようになっています
この場所を「下座」といい、このなかで演奏される音楽を「下座音楽」といいます。
上の写真で六秋葉さんが下座の写真を手に持っています
この中で歌舞伎を彩るさまざまな音を出しているのです。
中は真っ暗だそうですよ!
六春さんと長千果さんのやりとりも楽しかったですし、三味線と太鼓の演奏も素晴らしかったです。
生の音は迫力があり、何よりも演奏者の気持ちがとてもよく伝わってきました
最後に、全員で演奏
唄の内容、三味線や鳴物のことなど、少しはわかったつもりになってきて、
なんだかとても親近感を感じながら聴くことがきました。
ちなみに、豆知識ですが、長唄の方が唄うときには扇子を膝の上に置くそうです。
唄わないときは下に置きます。
上の写真では六春さんの前に扇子が置かれていますので、この時は唄っていないということです
全ての演奏が終了したら、今度はお客様の番です!
ということで、会場の中から三味線2名、太鼓1名の演奏者を募りました
写真は稽古中の風景です
その間、六春さんから三味線についてさらに詳しい説明があり、
三味線の奥深さを知ることができました。
さあ、本番です
「たこたこ揚がれ~天まで揚がれ~♪」
この曲を演奏し、会場のみなさんで大合唱
唄を通して、会場全体がひとつになれた、そんな素敵なイベントでした。
出演くださったみなさん、本当に楽しい時間をありがとうございました
伝統芸能は、どうしても限られた人にしか見てもらえないという状況の中、
なんとか多くの人にその魅力を伝えたいという思いで、今回ご出演いただくことができました
芸どころ名古屋では、さまざまな場所でこうした演奏を聴くことができるのです!
『杵屋六秋 杵屋六春 長唄おやこ会』という長唄の発表会が開催されます
10月16日(土) 今池ガスビル9階ホール 10:00~19:00
問合せ先:秋栄会事務局 052-931-0760
入場無料!出入自由!!
好きな時間に入って、好きな時間に出られます。
初めての方大歓迎。是非、この機会に日本の伝統音楽に触れてみてください
【開催中の展覧会】
企画展 「歌舞伎 | 変身」
会期:2013年10月8日(火)~12月1日(日)
開館時間:10:00~19:00 (入館は18:30まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は開館、翌火曜日が休館)