2013年9月16日(月)
今日は「リサとガスパール&ペネロペ展」関連イベントとして、
絵本にまつわる、スペシャルトークを開催しました。
お話くださったのは、日本で初めて子どもの本専門店「メルヘンハウス」を
名古屋に設立された三輪哲(みわ・てつ)さん。
お店を立ち上げたのが1973年だったので、今年でなんと、まる40年
現在も多くの人たちに愛され続けているお店です。
今日は、たくさんの絵本を実際に示しながらお話が進みました。
客席にはお子さんもちらほら。
三輪さんは、子どもたちに読み聞かせをするように語りかける場面も。
子どもは身を乗り出すように聞いていました。
三輪さんは、まだ「読み聞かせ」という言葉もなかった時代に、
お店にやってくる子どもを捕まえては「本を読んであげるよ」といって
絵本の世界にいざなっていたそうです。
そうして、子どもの反応を観察することからすべてが始まっています。
いい絵本は、子どもの素直な反応で分かるんだそう。
長年、直に子どもと絵本に関わってきた経験から、
子どもの高い観察力や想像力に驚かされた豊富なエピソードが飛び出します。
何度も何度も同じ絵本を読んでとせがむ子ども。
読むたびに、あるページをじ~っくり見つめる子ども。
絵本の主人公になりきっている子ども。
子どもは全身全霊をかけて絵本を見ています。
そんな子どもたちに、いい加減な本は渡せないんです。
子どもは、絵本をパスポートに、日常から非日常へと旅します。
だから絵本は、現実の生活に役に立つかどうかではなく、
子どもの琴線に触れ、想像力を豊かにはぐくむかどうかで選んでほしい。
子どもが心から喜ぶ本を読ませてあげてほしい。
三輪さんは終始その軽妙なトークで場を和ませ、リアルな体験談で聴衆をひきつけていました。
ユーモラスな中にも、芯の通った、大事な話を聞かせてもらい、
改めて、幼少期に出会う絵本の大切さを感じたひと時でした。
現在開催中の「リサとガスパール&ペネロペ展」では、
お父さん・お母さんが、子どもに絵本を読み聞かせている場面をよく見かけます。
こうして、子どもたちが絵本を通して想像力の羽を思いっきり伸ばし、
はばたいていってくれますように。
【開催中の展覧会】
会 期:2013年7月6日(土)~9月29日(日)
開館時間:10:00~19:00 (入館は18:30まで)
休 館 日:月曜日(ただし祝日の場合は開館、翌火曜日が休館)