2013年9月4日(木)
計8日間の博物館実習も、いよいよ今日が最終日。
実習の集大成として、実習生5人には、最後に大きな宿題を課していました。
それは、清須市はるひ美術館の展示室を使った展覧会をそれぞれ1つ企画し、発表すること
↑ 発表前の最終準備をする実習生たち
どんなジャンルの展示でも。それぞれの専門分野に関連させた企画も大歓迎です。
でも、押さえておきたいポイントはいくつかあります。
・どうしてその展覧会をここで開催するのか
・具体的な展示作品はなにか
・展示内容から、どのような来館者層を想定し会期を設定するか
・人をひきつける展覧会タイトルはなにか
・関連イベントはなにをするか
これらを考え合わせて、展覧会の全体像をプレゼンしてもらいます。
ポイントは5つですが、実際に考えるとなるとこれは大変な作業です。
企画を立案するには、これまでの美術館体験、読書体験、専門分野の研究、
もっと言えば、日ごろの問題意識や人生経験などを総動員する必要があるからです。
実習中にお話した、当館での展覧会ができるまでのお話や、
体験したイベント補助の経験が、少しは役にたつかもしれませんね。
さぁ、いよいよ発表です みんな緊張の面持ち。
こちらは、展示室の見取り図を拡大したものに展示プランを書き込んで、
お客さんがどのような順番でどんな作品を見るかを説明しています。
アニメーションの展示だったので、モニターで動画も示してくれました。
こちらは、展示室の立体模型を作って説明。
これだと、入口に立った時に、どの作品が見えるかもよりはっきり分かりますね。
彼女は、実際に自分が美術館に行った時の「分からない」という感想から、
お客さんに少しでも「分かった!」と思ってもらえるような展示をしたいとの思いで、
「怖い絵」という明確なテーマをかかげ、説明文を充実させる方向性を打ち出しました。
こちらは、オーストリアの画家・建築家フンデルトヴァッサーを取り上げました。
フンデルトヴァッサーは自然を愛し、自然界にある曲線や渦巻きをモチーフに制作をした人。
清須市はるひ美術館の、自然に囲まれた建物の雰囲気から着想したそうです。
図版を見せながら、作品説明をしてくれました。
ここにご紹介できないのは残念ですが、
他にも、それぞれに思い入れのある作家や作品をテーマにした展覧会が披露されました。
学生さんたちはこれまで、(当然ですが)お客さんとして美術館の展覧会を見ていたはず。
それが、今回の発表で、展覧会を企画・運営する側から、
魅力的な計画を立てることの難しさと面白さを感じてもらえたのではないでしょうか。
最後に、博物館実習で学んだこと、感じたことを書いた実習記録を完成させます。
実習生たちはそのみずみずしい感性で吸収した様々なことを、
こんなにぎっしり書き込んでいました。
実習生たちの熱意と真剣さに、私たちもエネルギーをもらいながら、
改めて美術館の仕事を見つめる7日間となりました。
今後皆さんはそれぞれの道を歩んでいかれることでしょう。
どんなかたちであっても、当館での経験がいきることがあれば嬉しいです。
実習が終わっても、気軽に遊びに来てくださいね!
【開催中の展覧会】
会 期:2013年7月6日(土)~9月29日(日)
開館時間:10:00~19:00 (入館は18:30まで)
休 館 日:月曜日(ただし祝日の場合は開館、翌火曜日が休館)