2013年9月28日(土)
毎月恒例となった、館長アートトークの第12回目。
と、言うことは…?そう、館長アートトークを始めて丸1年がたちました!
今では、月に一度のこの会を楽しみに、毎回かかさず来てくださるメンバーもいます。
肩肘張らない、見どころをぎゅっと凝縮した小気味よいトークが館長の持ち味
今回は「アンディ・ウォーホルとアメリカンポップアート」と題して語りました。
その内容を一部ご紹介しましょう。
「ポップアート」は、「ポピュラーな(人気の)アート」の略で、1960年代に爆発的な人気を博しました。
ポップアートのキーワードは、戦後アメリカが体現した大量消費社会をそのまま映し出す言葉ばかりです。
通俗的、一過性、消耗品、安価、大量生産、セクシー、見掛け倒し…。
長い歴史と文化の厚みをもつヨーロッパとは違う、
新興国アメリカならではの身軽さ、大衆の力、経済力を武器にして、
今までにない日常的なもの、安価なものをアートの対象としていきました。
アンディ・ウォーホルはその代表格。
マリリン・モンローやエルビスプレスリーなど、有名人を題材にした作品を多く制作しています。
また、コカ・コーラやキャンベル・スープといった、
スーパーに大量に売られている商品も好んで取り上げました。
しかも、シルクスクリーン(版画の一種)という、大量生産が可能な方法で。
有名人やコカ・コーラなどは、誰でもが知っていて、たくさんの人が大好きなものですよね。
それらを題材に選ぶのは、より多くの人に売れるものを作るという、まさに資本主義的な戦略です。
こんな発想、かつては芸術の世界にはないものでした。
ウォーホルは、日本のビデオテープのTVコマーシャルにも登場したことがあります。
ウォーホル自身、消費社会のアイコンとしても機能していたんですね。
ポップアートとデザインはとても密接に結びついています。
そもそも、デザイナーがデザインしたコカ・コーラの瓶やキャンベルスープのラベルを
アートに取り入れたのがポップアート。
そして、ポップアートの画面構成の分かりやすさ、強烈な色使い、大衆に訴える力などを、
逆に今度はデザイナーが取り込んでいきました。
↓下の写真にあるように、グラフィックデザイナーや画家として一世を風靡した横尾忠則などはその好例。
60年代、アメリカで花開いたポップアートの波は日本にも押し寄せ、大流行しました。
当時デザイナーとしてその勢いを肌で感じてきた館長だからこその、熱いトークとなりました。
次回は10月26日(土) 16:00~17:00 清須市立図書館2F研修室
「赤瀬川源平とハイレッドセンター、赤瀬川源平の言葉の力。」
ぜひお楽しみに!
【開催中の展覧会】
会 期:2013年7月6日(土)~9月29日(日)
開館時間:10:00~19:00 (入館は18:30まで)
休 館 日:月曜日(ただし祝日の場合は開館、翌火曜日が休館)