2013年7月28日(土)
どなたでも気軽に参加していただける人気講座
「館長アートトーク」の10回目を開催しました。
テーマは、誰もがその名を知っている美術界の巨匠 ピカソと、
その最高傑作である《ゲルニカ》です。
まずはピカソの名前に注目してトークが始まりました。
ピカソという名前は、スペインでも珍しいそうです。
でも、一度聞いたら忘れられない強い個性と、発音のしやすさから言って、抜群の名前で、
ピカソの名が世界中に広まっていくのを強烈に後押ししたはず、と分析。
ピカソのブランディングに大きく貢献しているってわけですね。
ピカソは絵がうまかったことはもちろん、世渡りも上手でした。
当時急速に拡大していたアメリカの美術市場を見据えて、
どんどん売れる絵を描いていきます。
その制作意欲の旺盛なことといったら、毎日2・3点完成させていくほどのペースです。
世界中の多くの美術館にも収蔵されました。
(清須市はるひ美術館には1点もないですけどね。
でも当館は、未来のピカソの作品を一生懸命集めています!)
ピカソの作品は、よく知られているように、とっても高価です。
オークションで○○億円で落札された!なんて話も飛び交います。
でも気をつけなければならないのは、それは作品の「美術品」としての価値であって、
「美術」としての価値ではないということ。
高いからよい作品、安いから悪い作品、という風には簡単に結びつかないということなんです。
とりわけピカソの作品は、投機の対象となりました。
買った値段よりさらに高く売ることで、利益を稼ぐ金もうけの道具にもなっていたということ。
ピカソはそんなこともちゃーんと分かった上で、上手に世渡りしたんです。
ただ売れる絵をたくさん描いたというだけの画家なら、それまでなのですが、
ピカソにはピカソにしか成しえない偉業があります。
それが、彼の最高傑作《ゲルニカ》。
1937年に起きたスペインの内戦で爆撃を受けた、ゲルニカという街が題材です。
ピカソは戦争の悲惨さを、キュビスムの様式に、強い反戦の気持ちをこめて描きました。
館長は「この作品があるから、僕はピカソを尊敬してやまないのです。」としめくくりました。
次回館長アートトークもぜひお気軽にご参加ください。
お申込は前日までにお電話で(美術館 TEL:052-401-3881)
日 時:8月24日(土) 16:00~17:00
テーマ: 「トリエンナーレとは何か?アートの源力として。」
会 場:清須市立図書館 2F研修室
参加費:無料
【開催中の展覧会】
会 期:2013年7月6日(土)~ 9月29日(日)
開館時間:10:00~19:00(入館は18:30まで)
休 館 日:月曜日(ただし祝日の場合は開館、翌火曜日が休館)