2013年7月21日(日)
美術館のすぐ隣に建つ清須市立図書館は、昨年の7月7日にオープンしました。
今月ちょうど開館1周年を迎えます。
ここで7月28日(日)まで開催中の、面白い写真展があります。
「ことでん写真展」
写真家GABOMI(がぼみ)さんが撮影した、
高松琴平電気鉄道(通称ことでん)の整備工場の写真展示です。
香川県を走るローカル鉄道のことでんは、総延長約60kmの私鉄で、
名古屋鉄道や、名古屋市交通局もふくめ、全国で使われた車両をリメイクして走らせるので、
「動く電車の博物館」と呼ばれるほど
立派な鯉のいる池を取り巻くように、ガラス面やコンクリート壁に、
ずらりと展示されています。
GABOMIさんは1978年生まれ。独学で写真を撮りはじめ、
2011年、100周年を迎えることでんの依頼により、ことでん仏生山工場を撮影することに。
GABOMIさんのホームページはこちら
ご本人にお会いすると、とてもエネルギッシュで、冗談もよく飛び出す明るい女性でした。
ことでん仏生山工場は、地元の人にもあまり知られていない存在だったそう。
でもいざ中に入ると、ここでは、首都圏で廃車となった古い電車を、
整備士さんたちが高い技術でメンテナンスをし、足りない部品は手作りして補い、
新たに蘇らせる作業が営々と行われていました。
その仕事にすっかり魅せられたGABOMIさんは、当初3日程度の予定だった撮影日程を
大幅に延長して、約1年もの間通い続けることになったそうです。
そうして撮影された写真には、整備を待つ電車、使い込まれた工具、
働く男たちの真剣な表情、油のしみこんだ工場内のたたずまいが
淡々と、けれど慈しみをもって克明に刻み込まれています。
そして写真の風合いとでも言うのでしょうか、陰影のやわらかさ、
金属の鉛色や赤茶色に所々差し挟まれた赤、黄、青の美しさは、
鉄道のことをよく知らなくてもため息が出そうなほど。
ぜひ、美術館と図書館セットでお出かけください。
一見の価値ありです。
会 期:2013年7月6日(土)~ 9月29日(日)
開館時間:10:00~19:00(入館は18:30まで)
休 館 日:月曜日(ただし祝日の場合は開館、翌火曜日が休館)