27. 11月 2012 · ポスターのできるまで。 はコメントを受け付けていません · Categories: 展覧会

2012年11月27日(火)

 

まちなかの展覧会のポスターやチラシを見かけて、「知らない作家さんだけれど、

なんだかステキな感じがするから行ってみようかな。」と思ったことはありませんか?

 

ポスターやチラシは、展覧会のイメージ作りには欠かせないもの。

各美術館は、展覧会ごとに、内容に合わせてデザインや紙にもこだわり、印刷物を作っています。

 

当館の次回展覧会では、平面ではなく曲面に風景画を描く、ブライアン・ウィリアムズさんを紹介します。

その名も「曲面絵画」

でも、ポスターやチラシにそのまま作品画像を掲載すると平面的になり、

実際の曲がりぐあいや迫力がうまく伝わりません。

(なぜ曲面に描くのかは、後日お話します。)

 

そこで私たちは、ポスターに手を加えて、作品が立体的に浮かび上がって見えるようにしました。

何をしたかというと、作品の輪郭線に沿って、一部をカットしたのです!

 

音頭をとったのは当館館長。 細かい作業もなんなくこなします。

印刷会社から納品されたB2サイズの四角いポスターを、

作品の輪郭に合わせて、一部カッターで切り落としていきます。

 

ただ、ブライアンさんの絵画は、一般的な四角い形ではなく、優雅な曲線を描いていますので、

定規も普通のものでは役に立ちません。

そこで活躍したのが、デザイナーである館長が愛用する、曲線専用の定規。

 

右の木製の定規は、館長がお父様から譲り受けて使っているもの。

ちょっぴりレトロでステキな道具ですよね。

 

たくさんの定規の中から作品の微妙なカーブにあうものを選び出し、慎重にそして手早く裁断していきます。

ぴったりのものがない場合は、硬く丈夫な紙を使って、その場で定規を作ります。

 

こうして出来上がったのがこちら!

どうでしょう?作品の上端と下端がそりあがっている感じが伝わるでしょうか。

 

山形の難しいカーブを館長がカットし、左の直線を学芸員が二人がかりでカット。

そしてスタッフ総出で仕分け作業をしました。

 

まちで張り出されているこのポスターを見かけたら、ぜひご注目ください

 

 

【次回展覧会】 「曲面絵画 ブライアン・ウィリアムズ展」情報はこちら ↓

http://www.museum-kiyosu.jp/exhibition_info/brian_williams.html

 

 

 

【開催中の展覧会】

清須市はるひ美術館収蔵作品展

会  期:2012年11月7日(水)~12月2日(日)

時  間:10:00~19:00 (入館は18:30まで)

休館日:月曜日

観覧料:一般 200円

 

 

 

 

24. 11月 2012 · 第2回館長アートトーク開催! はコメントを受け付けていません · Categories: 教育普及

2012年11月24日(土)

 

前回から始まった新企画「高北幸矢館長アートトーク」。今回で2回目です。

引き続きご参加いただいている方や、今回が初めてという方もちらほらいらっしゃいました

徐々に館長のファンが増えてきたかも?!と思わせるような賑わいでしたね。

 

今回のテーマは「モネハウスとモネの人生」

モネといえば印象派を代表する人物で、日本人のファンも非常に多い画家の一人です

そのモネを取り上げた理由というのが、「なるほど~」と思わされるものでした。

ホワイトボードに書いてあるように、モネと同じくらい有名なゴッホとの比較からトークは始まりました。

ゴッホとモネの作品の特徴から、生き様や、家庭環境についてなど、多岐にわたるものでしたが、

ここで「ハッ」と気づかされたのが、

ゴッホの不遇な人生については多く語られてきたけれど(例えば、「耳切り事件」や「精神病を患っていたこと」等)、

モネについてはそうとは言えないなのではないか??ということでした

 

 

そのようなわけで、今回のトークでは意外と知られていないモネの人生について、

館長がいつものように心を込めて熱弁しました

 

モネはゴッホとは正反対で裕福な家庭に育ち、生前から作品も売れ、お金には困っていませんでした。

モネは43歳のときにジヴェルニーに自邸をもち、草花でいっぱいの広大な庭を造ります

庭には蓮池もつくり、そこに立派な太鼓橋もかけているところから、モネの日本嗜好ぶりがうかがえます。

この太鼓橋はたびたびモネの代表作にも出てくるので、見覚えのある方も多いかもしれません。

わたしたちがいつも見ているモネの睡蓮の絵は、モネのお庭の睡蓮だったのですね

 

現在、このモネの自邸とお庭は「モネハウス」として多くの観光客でにぎわっています。

館長も以前に訪れたそうで、美しい草花に魅了されたお話もありました。

この写真は、モネハウスの草花があまりに美しかったため、

館長が自身で撮影した画像を使用して作ったポストカードです

 

館長は旅行の体験談なども交えて、非常にわかりやすく

モネの人生や魅力を語り、参加者の皆さんもより興味を持ってくださったようです。

トーク終了後は気楽な感じで質問が飛び交っていました

当館は、館長も学芸員も、来館者のみなさまが距離を感じない、

親しみのもてる美術館でありたいと願っています

今後も、館長ともどもいろいろなことに挑戦していきたいと思いますので、どうぞご期待ください!!

 

次回の館長アートトークは、12月22日(土) です。

テーマは、「デザインて何?デザインは人を幸せにする力。デザインを楽しむ暮らし。」です!

デザイナーである館長が、デザインについて語る次回、見逃せませんね

申込は電話で受け付けています

ご興味のある方は、是非ご参加ください。

 

 

【開催中の展覧会】

清須市はるひ美術館収蔵作品展

会  期:2012年11月7日(水)~12月2日(日)

時  間:10:00~19:00 (入館は18:30まで)

休館日:月曜日

観覧料:一般 200円

 

 

 

 

 

22. 11月 2012 · 第7回清須アートサポーター養成講座 はコメントを受け付けていません · Categories: 教育普及

2012年11月22日(木)

 

清須アートサポータ養成講座のメンバーは毎月1回、木曜日の午後が活動日です。

今日で第8回目。

最近は、最初の1〜2時間で各自が行ってきた展覧会や美術館情報を

報告しあう時間を設けています

ここでのポイントは・・・

①展覧会の内容や感想を自分の言葉でみんなに伝えること。

②展示や配布物等の工夫。

③広報戦略について。

④展示関係以外でその美術館の良かったところ、悪かったところ。

⑤スタッフの対応について。

 

今まで、純粋に展覧会を楽しんでいたサポーターのメンバーですが、

最近はすっかりプロ並みの目を持つようになってきました

展示の内容はもちろんのこと、展示方法や広報物へも鋭い指摘がはいります

スタッフの対応や各美術館の細かい工夫やイマイチ?!な部分までしっかり目配せしています。

いやはや、こちらもうっかりしていられません

このように情報交換をしながら、他館のアイデアや手法を学び、

当館をより盛り上げていこう!という主旨なのです

われわれ学芸員にとっても、とても刺激的な時間です。

 

 

本日の後半は、次回展覧会「曲面絵画 ブライアン・ウィリアムズ展」の

チラシ、ポスター発送作業でした

 

発送件数は数百件。

当館のスタッフだけで作業するにはとても時間がかかります。

それをサポーターのみなさんがお手伝いしてくださっているのです

 

そして・・・

こちらが当館の今回のチラシ。

みなさんから太鼓判をいただきました

上の部分が切り落とされていて、一瞬「あれっ?!」と思うこのチラシ。

「曲面絵画」をいかにして初めて見る方に伝えられるか・・・

試行錯誤の末、考案されたアイデアなのです

こんなチラシ他では見たことないはず!!

サポーターのみなさんからは、「おしゃれ」「面白い」などなど。

われわれもほっと一安心

 

こちらの机では、プレスリリース用の仕分け作業。

ひとつの展覧会を開催するのに、幾通りもの広報先があり、

それぞれ配布するチラシの数や、内容が異なります。

展覧会前はこの発送作業がとっても大変

 

サポーターのみなさん、いつも本当にありがとうございます!

今日もおつかれさまでした

 

 

【開催中の展覧会】

清須市はるひ美術館収蔵作品展

会  期:2012年11月7日(水)~12月2日(日)

時  間:10:00~19:00 (入館は18:30まで)

休館日:月曜日

観覧料:一般 200円

 

 

 

 

 

15. 11月 2012 · 第7回清須アートラボ はコメントを受け付けていません · Categories: 教育普及

2012年11月15日(木)

 

今日の午前中は清須アートラボの第7回目。

現在「ジョルジュ・ルオー展」を開催中の、稲沢市荻須記念美術館にお邪魔しました。

 

稲沢市荻須記念美術館は当館から車でわずか15分。一番のご近所さん。

といっても15年以上も先輩で、歴史ある美術館です。

 

 

みんなが心待ちにしていたミュージアム鑑賞ツアー。

館内はところどころにアクセントとして美しい木目が使われ、リラックスして鑑賞することができます。

 

 

今回、特別に解説をお願いした、ルオー展担当学芸員の河合さんが、

まずは「荻須高徳展」(常設展示)を案内してくれました。

渡仏を手伝ってもらった佐伯祐三からの影響、パリやベネツィアの風景に魅せられた理由、

画風の変遷など、興味深い内容ばかり

 

それから「ジョルジュ・ルオー展」(特別展 )の展示室へ。

荻須高徳は、フランスへ渡り、ルオーに深く感動したそうです。

そこで荻須があこがれたルオーの作品を集めて展示しようと、この企画が誕生しました。

 

展示室入口で、A5判のこんな立派な冊子をいただきました!

 ←開いたところ

カラー図版をたくさん使って、ルオーの人生と作品の見どころをコンパクトに解説してあります。

これは嬉しいサービスですね!

自宅に帰ってからも、何度も作品を思い起こすことができます。

 

『ミセレーレ』や『流れる星のサーカス』など、ルオーを代表する版画作品が並ぶ室内。

人間の表も裏も深く洞察したルオーのまなざしに胸を打たれます。

 

最後は荻須のパリでのアトリエ再現を見学。

芸術の中心として、フランス人のみならず異邦人をもひきつけてやまなかった

20世紀前半のパリ画壇にふれたアートラボでした。

軽妙な語り口で荻須とルオーの作品世界にいざなってくださった学芸員の河合さん、

ありがとうございました。

 

ランチは、ルオー展会期中のみの、スペシャルコラボメニューがある、

近隣のお店がオススメです。

館内で「コラボメニュー&スイーツ提供店」のマップを配布していましたよ!

 

 

【開催中の展覧会】

清須市はるひ美術館収蔵作品展

会  期:2012年11月7日(水)~12月2日(日)

時  間:10:00~19:00 (入館は18:30まで)

休館日:月曜日(祝日の場合は開館、翌火曜日が休館)

観覧料:一般 200円

 

 

 

 

07. 11月 2012 · 収蔵作品展はじまりました。 はコメントを受け付けていません · Categories: 展覧会

2012年11月7日(水)

 

本日より、「清須市はるひ美術館収蔵作品展」がはじまりました

 

展示室1では、星野逸郎コレクションの一部をご紹介しています。

秋らしい色鮮やかな市野亨の花鳥図や、銀箔と和紙をあしらった春日井正義の襖絵のほか、

日展に多くの日本画を出品した倉光博の鶴や菊、紅葉の森など4点を展示しています。

展示室1はすっかり秋らしい雰囲気です

 

展示室2では、「幻想」や「空想」といった、現実から離れたイメージの世界を描いた作品を紹介しています。

 

「幻想」をテーマにしたこちらの展示室のトップバッターには、

後藤又兵衛の《瀬戸幻想》を展示しました。

後藤又兵衛(1925-2002)は一宮市出身で、日本だけでなく海外でも活躍した画家です。

独特の背景描写が特徴的で、ジェームズ・アンソールに共鳴していたと言われています。

 

  

このほか、ユーモラスな人物と木の描写にひきつけられる吉本作次の《樹上三人図》や、

中島葉子のキャンバス3枚をつなげた大作《afterimage》など、久しぶりに展示する作品もたくさんあります!

12月2日まで開催しています。

 

はるひ夢の森公園では、週末のんびりピクニックを楽しんでいるご家族も増えてきました

この秋は、公園と美術館、そして図書館を一度に楽しめる当館へどうぞお越しください!

 

 

清須市はるひ美術館収蔵作品展

会  期:2012年11月7日(水)~12月2日(日)

時  間:10:00~19:00 (入館は18:30まで)

休館日:月曜日(祝日の場合は開館、翌火曜日が休館)

観覧料:一般 200円

 

 

 

 

 

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