07. 12月 2017 · はるひ絵画トリエンナーレ Q&A はコメントを受け付けていません · Categories: はるひ絵画トリエンナーレ

清須市第9回はるひ絵画トリエンナーレ、12月25日まで応募受付中です。

お問合せの多い事項についてお知らせいたします。参考にしてくださいね。

 

Q.応募規格に「搬入出及び審査の際の作品保護のため、仮額等で額装すること」とありますが、どういうことですか?

A.作品を一時的に保管する際はまとめて立てて並べますので、保管時に作品画面が他の作品に接触しないよう、画面より高さのある額で保護していただく必要があります。

フック・ヒートン等の吊り金具も、立てて並べたときに他作品に接触する恐れがありますので付けないでください。

また審査は作品を壁に立てかけた状態でおこないますので、作品を自立させるためにも、額装をお願いいたします。

(作品画面の保護・自立が確実になされていれば額の素材や額装の方法は問いません。なお、入賞・入選し展示する際はご希望により額を取り外すことも可能です。)

 

Q.応募料は一律10,000円ですか?

A.はい。応募点数はお一人3点までとなっていますが、作品点数にかかわらず応募料はお一人10,000円です。

 

Q.応募票に口座名義を記入する欄がありますが、なぜ必要なのですか?

A.応募料のお振込みがなされたかどうかを、応募票にご記入いただいた口座名義と照らし合わせて確認します。

応募者本人の名義での口座をお持ちでない方などもいらっしゃることを考慮して、応募料をお振込みいただく口座名義のご記入をお願いしています。

 

Q.委託搬入って何?

A.遠方などの理由で応募者本人が作品を会場に搬入できない場合、輸送業者を利用して搬入する方法です。

業者の指定はありませんので、ご自身でご手配ください。なお輸送中の作品破損等については責任を負いかねますので、安全な梱包はもちろんのこと、必要な方は運送保険も検討されてもよいかもしれません。

(輸送・保険ともに応募者の負担となります。)

搬入日時と場所をよくご確認いただき、日付・時間指定でお送りください。指定日時(2018年2月23日(金)10:00-16:00)以外は受付不可です。

 

Q.委託搬出って何?

A.遠方などの理由で応募者本人が作品を搬出できない場合、輸送業者を利用して搬出する方法です。

主催者が搬出を委託するヤマトロジスティクス株式会社を通じて、応募者負担(着払い)で返送します。

料金等は社の規定に則しますので、ご不明点はヤマトロジスティクス株式会社中部美術品支店(TEL:0568-51-3961)まで直接お問い合わせください。

 

Q.応募後に作品点数の追加はできますか?

A.できません。

応募受付が完了した時点で受付番号を発番していきますが、同一応募者の作品1点ずつを通し番号で管理していますので、他の応募作品の受付に影響が出てしまいます。

逆に作品点数を減らすことは可能ですが、点数にかかわらず、応募後の内容変更は極力ご遠慮ください。

万一やむを得ない理由で内容を変更する場合は、事務局(清須市はるひ美術館:TEL052-401-3881)までご連絡をお願いいたします。

 

 

応募要項をよくお読みいただき、必要箇所に内容をご記入&2か所に切手貼付をお忘れなく、申し込みしてくださいね!

たくさんのご応募、お待ちしております!

http://www.museum-kiyosu.jp/triennale/index.html

 

 

 

 

 

26. 11月 2017 · はるひ絵画トリエンナーレ、もうすぐ応募受付開始です! はコメントを受け付けていません · Categories: はるひ絵画トリエンナーレ, 未分類

あの一大プロジェクトが3年ぶりに帰ってくる(絶賛てんやわんやで準備中)・・・そう、「トリエンナーレ」。

「トリエンナーレ」といえばアート界隈の方や東海のみなさまにとっては「あ〇ちトリエンナーレ」かもしれませんが、、、

当館にとって「トリエンナーレ」といえば「はるひ絵画トリエンナーレ」!です!!

開館当初から、当館の各事業として開催している全国公募展。

1999年の開館記念でおこなわれた「夢広場はるひ絵画展」からスタートし、おかげさまで今回第9回を迎えることとなりました。

応募受付は12月1日(金)からです。みなさんもう準備は整えられていますでしょうか!?(→詳細はこちら

知らない方、迷っている方のために、トリエンナーレに応募すべき理由を改めてお伝えします。

①確かな実績

8回の開催を重ね、高いレベルを備えた新進作家の登竜門として広く認知されています。応募数は右肩上がりに伸びており、前回の応募数は506名、1021点。厳しい審査をくぐり抜けた受賞者の多くが、現在国内外で活躍しています。

【過去のトリエンナーレ】

【過去の受賞者たち】

②豪華な審査員(←NEW!)

今回より審査員メンバーが大幅に変更することとなりました。これまでの先生方も豪華すぎましたが、今回もすごい。これだけのメンバーが揃うのは、これまで築いてきた実績があるからこそ。

画家、デザイナー、批評家、キュレーターと、多様な視点から幅広い領域をカバーされる方々ばかりです。

【開催概要】スクロールすると審査員のご紹介があります。

③表現技法不問(←NEW!)

はるひ「絵画」トリエンナーレと銘打っていますが、平面であれば基本的になんでもOKです。日本画、洋画、アクリル画、版画、ドローイング、写真、デザイン、染色、刺繍、切り絵、、、

昨今アートの領域横断的な表現が多いことへの対応です。展示するキャパや審査の関係で守っていただきたい点はありますので、細かい規定はご確認くださいね。

【応募規定】

④年齢制限なし

新進作家の発掘といえど、眠っている才能に年齢制限はありません。団体展などの所属も関係なし。真の実力を見出します。

⑤個展のチャンスがある

当館では、トリエンナーレで高い評価を受けた作家を個展形式でご紹介する「アーティストシリーズ」を毎年恒例の企画展として組み込んでいます。実力ある作家を発掘するだけでなく、育成・顕彰することも美術館の役割。受賞作以外の作品を展観することで、鑑賞者はより作家のことを深く知ることができますし、作家にとっても改めて自身の画業を俯瞰できる貴重な機会となっています。

12月20日からの「アーティストシリーズ」では第8回展の入選者のなかからご紹介します。

【生川和美展】 【川邉耕一展】 【野中洋一展】

 


 

この18年の間には本当にいろいろなことがありました(私が関わっているのはここ数年ですが…)。

2年に一度のビエンナーレ形式から3年に一度のトリエンナーレ形式に変わったり、審査員の何名かが交代されたり、スタッフが幾度か入れ替わったり、市町村合併で美術館が春日町立から清須市立になったり。

応募規約など細かいところも微妙に変遷していて、伝統と革新のバランスを保ちながら、その都度時代に即したよい公募展であろうと努力してきたことがわかります。

全国的に文化行政が厳しい風にさらされているなか、いろいろなピンチに遭遇しながらもなんとか継続してこられたのは、美術館に携わってきた多くの方々やトリエンナーレ関係者、そして作品を応募してくださる作家のみなさんや作品を見に来てくださるお客様のおかげであることを実感します。

アーティストシリーズと同時開催の収蔵作品展では、これまでの大賞作品を一堂に展示する予定です。

「現代アートはわからない」「知らない人の作品だから」と言わず、現代に生きる私たちだからこそ、現代にいままさに生きて描いている作家の作品を見るべきなんだと思います。

どうぞお楽しみに!&たくさんのご応募お待ちしております!

 

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14. 2月 2017 · アーティストシリーズVol.83 北籔和展 はコメントを受け付けていません · Categories: はるひ絵画トリエンナーレ, 展覧会

2017年2月11日(土)

アーティストシリーズVol.83北籔和展が先週から開催中です。

北籔さんは、2015年に開催された第8回はるひ絵画トリエンナーレで

優秀賞を受賞された方です。

あああああ    《のしてんてん 道》

本展のいちばんの見どころは、はるひ美術館オーダーメイドの作品といっても過言ではない

《ナウイズムの夢》。

この作品は、91cmの正方形のカンヴァスが44枚、194cm×97cmのカンヴァスが2枚の

計46枚の作品で構成されています。長さはなんと約22m

4枚1組で《現世》《浄土》《五次元》を描き続け、はるひ美術館に展示することが決まってからは、今回のような組作品になるように追加で制作されたようです。

あ     ああ// 長いっーーー!!! \\

当館特有の、ゆるやかに湾曲した細長い展示室。

今回は、このカーブが良い味を出してくれ、北籔さんの世界観をうまく

引き出しています。

 

ああ

そして本日は、アーティストトーク。

北籔さんを目当てに大阪、和歌山、東京とさまざまなところから足を運んでくださいました。

 

今回のアーティストトークのテーマは、北籔さんが提唱されている「ナウイズム」や「五次元」について。四次元(過去、現在、未来などの時間の流れ)までは、よく耳にするのではないでしょうか?

北籔さんの「五次元」は何を示しているのか…それは、「スケール」です。

人のからだはたくさんの素粒子(ちいさな物質)があつまってできています。

そして、どんなちいさな物質でもその物体と物体のあいだには空間が存在します。

その空間は、宇宙にある空間と同じもの。自分自身も空間そのものと言えるのでは?

というお話です。

宇宙を彷彿させる一方で、自分の体内をも思わせます。

これらの作品を北籔さんはシャープペンシルで描いています。

わたしたちの生活と身近な道具、シャープペンシルで描いたとは

思えないほどのリアリティ。

 

そして、モチーフのまわりにある暗闇。

その闇がどこまで続いているのかわかりません…

北籔さんの作品には、無限の空間が存在していると思わずにはいられません。

闇と光。そして、宇宙。

ぜひ、北籔ワールドを体験してみませんか?

北籔和展は来週末2月26日までです。お待ちしております。

◆◇◆学芸員雑談◆◇◆

紙面上で考えた展示プランで「うまくいきそう!」と思っても、

実際に作品を空間に置いていくと「あれ?違うな…」となることが多いです。

今回は思いのほか、湾曲した壁が作品にあう空間をうまく作ってくれました。

作品を配置することで、同じ空間なのに展覧会ごとに違った空気が流れ始める…

「面白いな」と毎回思ってしまいますし、くせになりますね。

 

開催中の展覧会】

「清須市はるひ絵画トリエンナーレ アーティストシリーズ Vol.83 北籔和展」

会期:2017年2月8日(水)~ 2017年2月26日(日)

開館時間:10:00~19:00(入館は18:30まで)

休館日:月曜日(ただし祝日の場合は開館、翌火曜日が休館)

観覧料:一般200円 中学生以下無料

21. 1月 2017 · アーティストシリーズ Vol. 82 原勉展 はコメントを受け付けていません · Categories: はるひ絵画トリエンナーレ, 展覧会

2017年1月21日(土)

アーティストシリーズVol.82原勉展が、今週からはじまりました

原さんは、2015年に開催された第8回はるひ絵画トリエンナーレで優秀賞を受賞されました

↓こちらが受賞作品《ひとのいれもの》

白地が美しく、モチーフは繊細に描かれています。

実は、下地にはレース模様がほどこされているのです(写真で伝えきれないのが悔しい!!)。

このような表現方法で描き始めたのは40代になってからとのこと。

自分の思ったことをどのような技法で表現すればいいのか、

描き続ければ自分にぴったりの表現方法がみつかるのではないかと

あきらめずに模索されていたようです。

そして、本日はアーティストトークでした。みなさん熱心に耳を傾けます

熱心にメモを取られる方も・・・

レース模様の下地の作り方についての説明もありました。

下地がどのようなものなのか触れるようにとサンプルを作ってきてくださりました

わたしもスリスリと・・・

レースのところはすこしだけデコボコでしたが、手触りは良かったです

原さんの制作のもとになっているのは、基本的には負の感情。

生活していく上で生まれた心のモヤモヤ、それを網で掬い取り、自分の心を浄化する。

「墓参りをしているのに近い」と原さんはおっしゃっていました。

《やわらかな迷路》は、見えているのになかなかたどり着けない、

蜃気楼のような印象を与えます。もどかしささえ感じさせます。

おぼろげでやわらかそうなのに硬度も同時に兼ね備え、行く手を阻んでいるかのよう。

それはまるで、人生に立ちはだかる壁や障害物。

こうした負の感情も 心のひだ として自分の一部と化していく。

嬉しいことも悲しいこともつらいことも、感じているのは自分自身。

負の感情から目を背けるのではなく、自分といういれものの中にちゃんとしまうことの大切さを教えられた気がします。

そして、その先には・・・

《bloom》

いまある幸せを思って描かれた作品。

未来への希望を感じさせます。

原さんもおっしゃっていた通り、

写真では伝えきれないおぼろげな表現。それはカメラの技術を超えた

人の目でしか捉えきれないニュアンスがあるからです。

是非とも、ご自身の目でじっくりとご覧ください。

原勉展は、2月4日(土)までです。

心よりお待ちしております。

 

【開催中の展覧会】

「清須市はるひ絵画トリエンナーレ アーティストシリーズ Vol.82 原勉展」

会期:2017年1月17日(火)~2017年2月4日(土)

開館時間:10:00~19:00(入館は18:30まで)

休館日:月曜日(ただし祝日の場合は開館、翌火曜日が休館)

観覧料:一般200円 中学生以下無料

 

 

 

 

04. 1月 2017 · アーティストシリーズ Vol.81 平野えり展 はコメントを受け付けていません · Categories: はるひ絵画トリエンナーレ, 展覧会

2017年1月4日(水)

あけましておめでとうございます

本年も芸術の魅力をたくさん発信できればと思います。

現在、アーティストシリーズ1人目、平野えりさんの展覧会を開催しています。

平野えりさんは第8回清須市はるひ絵画トリエンナーレで準大賞を受賞された方です

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展覧会のサブタイトルは「今この瞬間を刻む」。

一本一本、線を描くその瞬間を生きている…

同じ時は存在しないということ、今の自分はこれまで蓄積された

多くの瞬間によってできていることを彷彿させる作品です。

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画面から溢れ出すエネルギーを感じます。

平野さんは福祉施設や病院に勤務する中で、人の尊厳や命を身近に感じ、

それらをテーマとし制作されています。何度も引かれている線は、平野さんが

生きてきた証そのものなのです。

作品を構成する力強く集積した線のほとんどは鉛筆で描かれています

そして、なんと

展示作品《My DiaryⅧ 2016》は会期中にも線を加えられています。

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濃さの違う鉛筆を持ち、「ガリガリガリッ」と

力を入れて描いている平野さん。会期中も変化してゆく作品に

目が離せません

また、12月23日(金・祝)にはアーティストトークがありました

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モノクロの作品が多いですが、鮮やかな寒色の作品も

自分の好きな色で描くと落ち着くそうです

制作中は「勝手に手が動く」と述べられていましたが、

オートマティックに「無意識」に描いたり、線の重なりや面を強く「意識」して描いたり、

主観性と客観性を考えて、作品によって異なる姿勢で制作されています。

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アーティストトークの途中で制作する平野さんに、

みなさん目が釘づけ

作品が完成してゆく姿を生で見るのは面白いですね。

そして、作品タイトルの《My Diary》や《being》には、言葉にはできない

日々の思いを作品として描いた「日記(Diary)」そして、今もなおここに「存在し続ける(being)」

自分の証といった意味が込められているそうです。

作品が展示されている「今この瞬間」もまた、日記の1ページ。

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「作品が生きている」ように見えるほど、画面をうごめく線の力強さを

是非、実際に感じてください

会期は1月13日(金)までです。

心よりお待ちしております。

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【開催中の展覧会】

「清須市はるひ絵画トリエンナーレ アーティストシリーズ Vol.81 平野えり展」

会期:2016年12月20日(火)~2017年1月13日(金)

開館時間:10:00~19:00(入館は18:30まで)

休館日:月曜日(ただし祝日の場合は開館、翌火曜日が休館)

観覧料:一般200円 中学生以下無料

18. 12月 2015 · アーティストシリーズVol.80 大山紗智子展 はコメントを受け付けていません · Categories: はるひ絵画トリエンナーレ, 展覧会

2015年12月17日(木)

 

今年度4人目のアーティストシリーズは、

「清須市第8回はるひ絵画トリエンナーレ」にて優秀賞を獲得した大山紗智子さん。

愛知県立芸術大学大学院に通う学生です。

 

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今回の個展では、「よくある運命」というサブタイトルで、

昨年・今年の2年間に制作した15点を出品しています。

 

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大山さんの作品には、人々の日常生活に戦闘機が突如出現するという場面がよく描かれます。

ただ、戦闘機の出現という異常な事態にもかかわらず、画中の人々は驚いている様子もなく、

入浴をしたり、食事をしたり、遊んだり、休息したりと、もっぱら日々の営みに没頭しています。

なぜでしょうか。

 

12月12日(土)、アーティストトークにて、大山さんが作品について語ってくださいました。

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戦闘機は、大山さんが愛好するプラモデルなのだそうです。

同時に、彼女にとっては、身近な人の死の象徴でもあります。

つまり、わたしたちの生の営みに突如出現するプラモデルは、

われわれに寄り添う、死の存在でもあるのです。

 

死はいつ私たちを襲うかもしれない。

けれど、それをことさらに恐れ、騒ぎ立てるのではなく、淡々と毎日を過ごしていきたい、

そんな思いがこめられています。

 

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大山さんの作品は、タイトルを一ひねりしてあったり、

よく見ると人が穴に落ちていたり、浴槽から脚だけが出ていたりと、

見る人をクスリと笑わせる部分があります。

テーマの重さは前面に出さず、ユーモアをもって人の営みを捉えているのです。

まるで、「人生は滑稽だ」と言っているかのよう。

 

そして、戦闘機の出現に驚くでもなく、目の前の用事を粛々とこなす人間の姿は、

現代社会の縮図にも見えてきます。

日々どこかで起こる事件を、新聞やテレビ、SNS等で見聞きしてはいても、

他人事に深入りすることなく、我が事にのみ心をくだいている。

そんな人間の様子を、「人間ってこうしたものだ」とやや離れた所から肯定的に見ているのが、

大山さんの作品世界のような気がします。

 

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ただ、最新作では、戦闘機が出現しない作品も。

色味も、赤茶と紺を基調にしたものから、紫がかった寒色を多く使ったものへと変化しています。

これら最新作では、物語性が引っ込んだ代わりに、

色や形をキャンバスにどのように配置するかという、造形的な実験が目を引きます。

 

今後の展開がとても楽しみな大山紗智子さん。

ぜひ、会場に足を運んで、大山ワールドを味わってくださいね。

12月27日まで開催中です。

 

 

 

【開催中の展覧会】

清須市はるひ絵画トリエンナーレ アーティストシリーズ Vol.80 大山紗智子展

会期:2015年12月10日(木)―12月27日(日)

開館時間:10:00―19:00

休館日:月曜日(ただし祝日の場合は開館、翌火曜日が休館)

観覧料:一般200円、中学生以下無料

03. 12月 2015 · アーティストシリーズVol.79 矢島史織展 はコメントを受け付けていません · Categories: はるひ絵画トリエンナーレ, 展覧会

2015年11月29日(日)

 

アーティストシリーズ3人目、矢島史織さんの展覧会を開催しています

矢島さんは清須市第8回はるひ絵画トリエンナーレで準大賞を受賞されました

受賞作《Monster》は、トリエンナーレ会期中の来場者の投票によって「美術館賞」にも選ばれています

《Monster ♯1》2015年

 

展覧会のタイトルは、「ひかりのなかの永遠」。

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矢島さんは、「光と影」をテーマに作品を制作してきました。

きっかけは木漏れ日のピンホール現象を見たこと。

無数の楕円形の光が地面に落ちて揺れ動いている光景に感動したそうです

はじめは目に映った景色そのものを表現していましたが、次第にテーマは「目に見えない光と影」へ。

人間の心のなかにある輝きと闇のようなものを、コップや家といった身近なものに映し出していきました

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今回の展示では、2009年から2015年までの22点の作品をご紹介しています。

注目は、最新作の《Monster》シリーズ!

受賞作品をきっかけとして、5作目まで制作されています。

子どもの成長をあらわしたこのシリーズ。繊細な筆遣いと色合いでありながら、生のエネルギーがみなぎるような画面は、矢島さんにとって新たな境地となる表現です

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今日おこなわれたアーティストトークでは、作品の制作背景や内容について、丁寧にお話ししていただきました。

矢島さんの作品は墨や岩絵具、膠(にかわ)、胡粉(ごふん)といった日本画の材質を使って描かれていますが、

なかなか扱いが難しいのだそう

それでも、自分の表現したいものに適しているからこそ、

こういった材質にこだわって作品を創り続けているんですね

キラキラと輝く岩絵具の質感、墨のにじみ、和紙のしっとりとした滑らかさを感じるような作品たちは、

どれも温かみがあり、見る人の気持ちを穏やかにしてくます。

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先日発表されたばかりの「シェル美術賞2015」でも、準グランプリを受賞された矢島さん!

今後の活躍がますます期待されます

12月5日(土)までの会期となっております。どうぞお見逃しなく

 

 

【開催中の展覧会】

清須市はるひ絵画トリエンナーレ アーティストシリーズ Vol.79 矢島史織展

会期:2015年11月18日(水)―12月5日(土)

開館時間:10:00―19:00

休館日:月曜日(ただし祝日の場合は開館、翌火曜日が休館)

観覧料:一般200円、中学生以下無料

 

 

 

 

11. 11月 2015 · アーティストシリーズVol.78 原賢二展 はコメントを受け付けていません · Categories: はるひ絵画トリエンナーレ, 展覧会

2015年11月11日(水)

 

季節はすっかり秋ですね。

日中はまだ暖かいですが、朝晩は冷えてくるようになりました。着るものに困りますね。。

美術館入口の花壇には秋の草花が綺麗に咲いております

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さて、現在開催中の展覧会は、

清須市はるひ絵画トリエンナーレ アーティストシリーズ Vol.78 原賢二展 です!

今年度のアーティストシリーズ、2人目の作家さんになります

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今年おこなわれた第8回清須市はるひ絵画トリエンナーレでは、《ティツィアンとティントレット》が優秀賞を受賞しました

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この作品、ぱっと見ただけでは(よく見ても)わかりにくいのですが、実は写真を使っています

手前のワイングラスに焦点が当てられていて、その後ろにいる2人の人物はかなりぼんやり。

プリントした写真のうえから筆で絵具が重ねられているので、写真なのか絵画なのかわからなくなってくるような、

不思議な画面が作り出されているのです

 

今回の展覧会タイトルにもあるように、原さんは「絵画と写真の枠組み」というものを意識して制作に取り組んでいます。

芸術表現を(便宜的に)隔てている「絵画」や「写真」といったジャンル、

1枚の画面という限りある表現媒体、作品をおさめる額縁・・・など、いろいろな意味での「枠組み」を、

分割・解体したり、横断したり、重ねたり、強調したり、再構築したりして模索しています

その表現方法はほんとうにさまざま。

今回は新作を含め44点の作品が展示されていますが、同じ人が描いたとは思えないほどバラエティ豊かです。

あえてカオスな展示にすることで、これまで自分がやってきたことを全体として見てほしい!との意向です

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先日はアートサポーターの鑑賞会のなかで一つ一つ詳しく解説していただきました

不思議なインパクトがある作品を見ながら、「どうなってるの?」「どうやって描いているの?」と直接本人に話を聞くことで、

面白さが増していたようです

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11月14日(土)14時から、原賢二さんによるアーティストトークがあります。

最終日ですので、ぜひこの機会をお見逃しなく!

 

【開催中の展覧会】

清須市はるひ絵画トリエンナーレ アーティストシリーズ Vol.78 原賢二展

会期:2015年10月28日(水)―11月14日(土)

開館時間:10:00―19:00

休館日:月曜日(ただし祝日の場合は開館、翌火曜日が休館)

観覧料:一般200円、中学生以下無料

 

 

 

10. 10月 2015 · アーティストシリーズVol.77 興津眞紀子展 はコメントを受け付けていません · Categories: はるひ絵画トリエンナーレ, 展覧会

2015年10月10日(土)

 

今年行われた「清須市第8回はるひ絵画トリエンナーレ」にて、

高く評価された作家さんを個展形式でご紹介するアーティストシリーズ。

7日から、興津眞紀子展が始まりました。

今年度のアーティストシリーズでは、

興津さんの展覧会を皮切りに、順次4名の作家さんをご紹介します。

 

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興津さんは、「清須市第8回はるひ絵画トリエンナーレ」の大賞受賞者。

《光と希望》(写真下)が最高賞に選ばれました。

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今年の2月頃、審査結果を受けて学芸員から興津さんへ、

この秋から始まるアーティストシリーズは、

ぜひとも大賞受賞者である興津さんの個展から始めたいとお願いしましたら、

別所での展覧会スケジュールを変更し、

当館の個展に向けて全力で挑んでくださいました。

 

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興津眞紀子展では《光と希望》のほか、15点を展示しています。

 

ところで、このアーティストシリーズでは、

はるひ絵画トリエンナーレで評価を受けた作家の最新作が見られる、

というのが一つの大きな魅力です。

 

つまり、展示の予定が決まると、作家は可能な限り、新たな作品作りに取り組みます。

ただ、展示室の壁面長は合計すると60メートルほどありますので、新作だけでは埋まりません。

どのくらい前までさかのぼって、過去に描いた作品もとりまぜて展示を構成するか、

その際、どんなテーマで見せるのか、そういったことも、作品制作と並行して練り上げます。

 

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興津さんは、展覧会まで半年しかないという短い期間に、新作をなんと11点も描いたそう。

いかに短期間に集中力を高めて描いていたかが窺えます。

本展ではそうした新作のうち、9点を展示しています。

 

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それから、展覧会サブタイトルは「光と希望」とつけました。

これは、大賞作品《光と希望》から取ったものです。

「この作品が私にとって文字通り〈光と希望〉となりました。」と語る興津さんの言葉が、

今回の展覧会の性格を最もよく言い当てていると思います。

 

 

さて、今日は作家自身が作品解説をするアーティストトークを開催しました。

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1点1点、何を試みた作品なのか、集まったお客様に丁寧に説明してくれました。

興津さんは絵を描き始めて40年ほど。その間、一貫して追求してきたのは「透明感」です。

そもそも学生時代に、ガラス板に反射して映る像と、

ガラス板越しに透けて見える物とを画面上に統合しようとしたのが始まりなのだとか。

 

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今回展示している2010年以降の作品では、その「透明感」を出すために、

画面に水滴や植物のシルエット、太陽に照らされて輝く水面などを配して、

手前から奥へと続く、空間の深さを作り出しています。

 

メインは、写真下の作品4点です。全て同じ大きさのキャンバス(162×162cm)に描かれています。

《光と希望》(写真下:左から2番目)のシリーズとして描いた新作。

《光と希望》がどういう作品だったのか、確かめるために描いたと言います。

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《光と希望》の受賞は、実は興津さんにとっては予想外だったそう。

なぜなら、それまで描いてきた、きっちり計算された構築的な画風と違い、

ラフな線や、偶然できた絵具の飛沫を活かした作品だったから。

これまで積み上げてきたものではない、別の側面を評価されて戸惑ったのですね。

 

はるひ絵画トリエンナーレに向けて制作していた作品が失敗し、締切が迫り、

時間のない中で、2作目として思い切って描いたことで、何かが吹っ切れたのでしょう。

それに、失敗した1作目があったおかげで、描きたいものが頭の中で整理されていたことが

結果的に功を奏したのかなと分析されていました。

 

 

作品解説をしながらも、興津さんの視線は決して過去に向いてはいませんでした。

作品ごとに更なる課題を見つけ、「次はこうしてみたい」と意欲を語る興津さん。

 

今後ますます、興津さんの作品世界は深化していきそうで楽しみです。

 

 

【開催中の展覧会】

清須市はるひ絵画トリエンナーレ アーティストシリーズ Vol.77 興津眞紀子展

会期:2015年10月7日(水)―10月24日(土)

開館時間:10:00―19:00

休館日:月曜日(ただし祝日の場合は開館、翌火曜日が休館)

観覧料:一般200円、中学生以下無料

 

 

 

 

16. 6月 2015 · はるひ絵画トリエンナーレ「美術館賞」発表! はコメントを受け付けていません · Categories: はるひ絵画トリエンナーレ

2015年6月16日(火)

 

4月19日から始まった「はるひ絵画トリエンナーレ」。6月7日をもちまして閉幕いたしました

会期中にはたくさんのお客様にご来場いただき、誠にありがとうございました

 

「はるひ絵画トリエンナーレ」は、平面作品であるということと、サイズの制限はありますが、

誰もが自由に参加できる公募展です

性別や年齢、描き方もさまざま。鑑賞者にもいろいろな思いがわきあがります。

作家さんや学生さんのなかには、制作活動の刺激になった方もいらっしゃるのではないでしょうか

次回は3年後。みなさまのご応募、お待ちしております!!

 

さて、会期中に美術館の玄関付近に置いてあった投票箱・・・

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ご来場いただいたお客様に、美術館に展示してある作品のなかからお気に入りの1点を選んでいただく

「美術館賞」の投票をおこなっておりました

総数683票ものたくさんの投票をいただきました。ありがとうございます

集計結果が出ましたので、発表いたします!

 

【美術館賞】

矢島史織 《Monster》 53票

590mini

 

野中洋一 《海辺の療養所》 53票

694mini

 

なんと同票数で2点の作品が選ばれました!!おめでとうございます!

光と影をテーマに、清らかな色彩でかわいらしい子どもを描いた《Monster》。

療養所をバックに、ざわめく草木を黒いペンと墨でびっしりと描き込んだ《海辺の療養所》。

どちらもとても魅力的な作品ですね

 

審査員による評価とは別に、

自分がどんな作品のどんなところに惹かれるのか、ということを考えながら作品を鑑賞することは、

美術館を楽しむコツの一つでもあります

これからもぜひ、美術館で「自分のお気に入り」を探してみてくださいね

 

 

 

 

 

 

 

 

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